黒川鶏冠山 - 今季最後の雪を楽しもうとしただけなのに、どうしてこんなにも過酷な山行になるかなぁ。
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- GPS
- 09:47
- 距離
- 10.8km
- 登り
- 1,251m
- 下り
- 1,244m
コースタイム
天候 | 晴れ。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
<前半 黒川鶏冠山東峰まで> ・スタートから木橋までの登山道は、落石が多く道が流されている個所もあり、通行禁止になってもおかしくないレベルの荒れようです。 ・P1216に至る尾根に乗る際、私は木橋を渡ってすぐに直登しましたが、途中で登山道に出てしまいました。事前に登山道のルートを調査し、尾根により近い部分までは登山道を進んだ方が安全でしょう。 ・標高1300m辺りから徐々に雪が増えてきますが、雪よりも、融けて流れ出た水が凍った斜面が至る所にあり危険です。 ・標高1600m付近から積雪量は一気に増えます。(20〜50cm) ・東峰直下は荒れた急斜面で極めて危険です。 <東峰〜西峰(見晴らし台)> ・ルート上はトレースがしっかりありますが、ルートを外すと場所によっては腰まで埋まります。 <後半 下った尾根> ・凍結した斜面は、前半の登り以上に非常に危険です。 ・標高1500m付近までは、北斜面には残雪があります。(10〜30cm) ・途中で登山道を横断するまでは、馬酔木の林あり、岩稜帯あり、変化に富みます。 ・P1507は岩峰で、手前から岩稜帯となり注意が必要です。しっかりRFすれば安全に通過できるルートがあります。 ・P1507を越えると山容は落ち着きますが、尾根が扇状に広がる場所では知らぬ間に分かれた別の支尾根に進んでしまうため、こまめな方向確認が必須です。 |
写真
装備
備考 | 紛失防止のために接着してあるストックのゴムキャップは、雪山では効果が限定的どころか、凍結斜面では無意識に体重を預けてしまい危険だった。 |
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感想
近場で雪を楽しめる期間は残り少ないというのに、先週は風邪をひいてしまい断念した。
2月も今日で終わりなので、少々奥で1500m以上の山でないと雪は無いかもしれないと、奥秩父の黒川鶏冠山を選択した。ルートは北に延びる尾根の上り下りなので十分雪が期待できるだろうとの読みもある。
P1216に至る尾根の取り付きは、できれば末端から取り付きたかったが、谷が深く木橋を渡るまで登山道を進まざるをえなかった。それにしてもこの谷沿いの登山道は危ない。昭文社地図にも林道崩壊の危マークがあるが、それ以上に落石の可能性がかなり高い気がした。山側斜面が絶壁なので1個が落ちたら連鎖的に多くの岩が降ってきそうだ。時期的なものもあるだろうが、あまり歩かれていないようで廃道も近いかも。
標高1500mくらいまでは、残雪と言っても敷いてある程度で、もう雪は終わったのかなんて思っていた。それと、この辺でも昨日は雨だったようで凍結箇所が多く、ゴムキャップを接着しているストックが滑り、何度となくバランスを崩し危ないったらありゃしない。
1600mを越え山頂間近になると、北向きの急斜面ということもあってか、ここまではいらないと泣きが入るほど雪が急に増えてきた。しかも山頂直下は、巻き道があるなら迷わず巻くだろう荒れた急斜面。とにかく慎重に確実に登るしかなかった。雪の付き方が中途半端だったら無理だったかもしれない。下る場合はロープ必須だろう。
苦労して到達した黒川鶏冠山東峰からの眺望は素晴らしかった。稜線の窪みからちょうど顔を出した富士山はやっぱり日本一だなぁ。
東峰から西峰方向に降りた鞍部からは、ルートの遠回りを避けノートレースを直行したがコレは馬鹿です。初めは膝くらいだったのが徐々に深くなり、ほどなく雪の上に足を上げられなくなり疲労困憊、約100m進んだところで白旗休憩です。まぁ特に危険な場所でもなかったので、一服しながら自分のアホさ加減にほくそ笑みましたが・・・
休憩後速やかに登山道に復帰し西峰に立ちました。ここの眺望は東峰以上に見事だった。登山道がある東方向以外が見渡せる。1700m級は久しぶりなので、西の奥に見える真っ白い山並みが懐かしい気がした。
さて下山だ。もちろんノートレースだが、雪が深い所は低木がうるさくあまり楽しめない。低木がなくなると雪は薄くなり変わって凍結地帯だ。下りの凍結は怖いよ。登山道なら段差があったりするが、斜めの氷の上を下るのは本当に怖い。4本爪しか持っていなかったが、それでもチェーンスパイクからアイゼンに履き替えるべきだったと思う。
P1507は、単なる尾根上のピークではなく完全なピークと言って良い岩峰で、そこに至るまでの岩稜帯は意外に険しい。険しいが、ルートを間違わなければ攻略できる。越えれば一転山容は落ち着く。その後は、馬酔木の林だったり広々としたりコロコロ姿を変え、なかなか楽しめる尾根だった。氷の斜面さえなければね。
今日使った尾根は、上り下り共に時期的に厳しい場面もあったが、多くのシチュエーションが詰まったVルートにふさわしい尾根だと思った。
こんな稚拙な文章を律儀に読んでいる貴方。そう、自称変わり者の貴方ですよ。たぶん落葉直後が一番いいかもしれません。是非歩いてみてください。特に下った尾根は一つの尾根とは思えない多くの顔を見せてくれ、きっとご満足いただけるものと確信します。お勧めですよ。
今日は予想通りの筋肉痛です。特に腰。
コメント
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こんばんは
ある程度の積雪を期待すると、どうしてもこのエリアになってしまいますよね。
ここまではいらないと・・・なんて贅沢です
自分は腰あたりまでなら大歓迎です。
でも一晩寝ると、また雪尾根が恋しくなってしまうのを自分は知っています
氷道の斜面、チェーンスパイクで下りたのですか
ストックのキャップも雪が増えると自分は外してあるいてます。
この時期の急斜面の登りは、木の根が雪で見えないので難儀しますよね。
今回のルートいいですね。
でも、その前にすぐ南の大菩薩嶺北尾根に今年こそ登らなくては・・・
やっぱキャンプ場で天泊するしかないのかなあ〜
warutepoさん、
あー、もっとラッセル味わっておくんだった。
ストックのキャップはですね、失くさないように接着剤でくっ付けてあるんですよ。だから外せないし、バスケットを換えることもできないんです。
T字のシングルストックは、身体の一部のようなアイテムなので、氷の上でも無意識のうちに身体を預けてしまい、何度となく滑ってバランスを崩し危険でした。雪山用のストックが別に必要かもしれません。
大菩薩嶺北尾根ですか。。。アプローチの問題もあるでしょうから、日帰りは厳しいかもしれませんね。
さて、今季の雪山はこれにて終了なんでしょうかねぇ。
難易度が高くて怖そうなVルートですね
凍結斜面の通過やキノエさんにして 筋肉痛だといわせるルートは
いかに稚拙で変わり者のビギでもねぇ
体力と勇気が沸かずにムリそうですね
腰の筋肉痛って・・・一昨晩の仕事じゃないよね
オツカレサマでした
ビギさん、
自称変わり者ですか?
このルート、絶対お勧めですって!
登った尾根は、取り付きと山頂直下が、ややエグイですけど、下った尾根は、本当に多くの顔を持ってて、1尾根で5度くらいおいしいですよ。
ちょっと位置的に奥まってるのが難ですが、騙されたと思って雪がなくなったら是非!
今週末は天気良くないようですね。どうしたものか・・・
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