万太郎谷本谷遡行 - 谷川岳
- GPS
- 13:54
- 距離
- 12.2km
- 登り
- 1,504m
- 下り
- 336m
コースタイム
- 山行
- 6:06
- 休憩
- 3:06
- 合計
- 9:12
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
写真
感想
9月24日の一ノ倉沢展望ハイキングをもって山岳会のイベントも終わったので、もうそろそろ家に帰ってもいいのだが、どうやら、あと1日2日、晴天が続くらしい。それに、「沢登りの旅」と言いながら、これまで行った沢は遡行時間3〜4時間、午前中に下山というようなところばかり。まだ余力もあるので、この好天を利して、今回のメインイベントともいうべき1泊の沢に行きたい。そう考えて、以前から行きたかった万太郎谷から谷川岳を目指すことにした。湯檜曽川本谷を四十数年ぶりに遡行しようかとも考えたが、未だ夏の谷川岳、そしてオキノ耳に登っていないことが決め手になった。私が単独で行けるギリギリ限界の沢か。一ノ滝、三ノ滝は高巻こうと決意したのだったが…。
24日午後、必要のない荷物を水上駅のコインロッカーにデポして上越線下りで越後湯沢へ。まだザックが重いので、さらにここにもデポして時間をつぶした後に、夕刻、上越線上りで土樽駅へ。月夜の夜道を万太郎谷沿いに歩き、吾策新道の登山口付近にテントを張る。その夜は月が沈むとオリオン座がよく見えたが、これまでの暑さの反動か、寒くてよく眠れなかった。
翌25日朝も、水は冷たくはないのだが、風が冷たく、ジャケットを着ての遡行となる。前方に万太郎山を見ながら、中を通り抜けられる堰堤を2つ3つ越えると、岩畳状のナメで、楽しくなってくる。
水量が少ないせいか魚止めの滝は簡単に越せる。有名なオキドウキョのゴルジュは巻かずに中を行くと、対岸に渡るために1mほど泳ぐことになった。寒いので日にあたって休む。続くゴルジュは、側壁の上や下を行き、あまり濡れずに通過。沢中でジンギスカン肉のパックを発見。
スラブのナメ滝を低い高巻きも交えて越えて行くと、一ノ滝が現れる。左岸から高巻いたが、なるべく短く低めにいったら、踏み跡もなく、危ないところはないが、木の枝がうるさくて少々難儀。それでも30分足らずで高巻き完了。続くニノ滝は右から越えるが、先日の東黒沢同様、登るに従って、ぬめって滑る箇所が増えてくる。
やがて前方に、とても登れそうにない滝が見えてくる。これは三ノ滝ではなく、三ノ滝沢の出合の滝(ややこしい)。左折したところに隠れている三ノ滝の一段目も進むと見えてくるが、これも難しそうだ。ガイドブックなどに書かれている水流の右のルートは結構立っていて、細かいホールドはあるのかもしれないが、重いザックを背負ってビレイなしで登る気にはならない。当初の予定通り、右岸から高巻こうかとも思うが、ルートがはっきりしないし、大高巻きになりそう。右壁の右手、三ノ滝沢に近い斜度が緩めのところから登れないかと行ってみると、残置ハーケンがあった。ここから左に斜上して、何とか一段目の上に出る。
ここまで上がればどうにかなると思っていたのだが、上を見て絶句。二段目の滝の右のクラック状の細い水流を登って上の灌木帯へ抜けたいが、水流へ至る濡れた黒いスラブがいかにも滑りそうなのだ。水流から灌木帯までは結構距離があり、水流自体も滑りそうだ。もっと右手のスラブの上のラインは乾いていて行けそうにも見えるが、傾斜がきつめでトラバースの距離も長くなるので、落ちずにたどり着く自信がない。
そこで、二段目の滝の最下部の真ん中近く、傾斜が緩めのところをシャワーを浴びながらクラックに達し、これに沿って右上しようとするが、案の定滑る。残置ハーケンを見つけるが、これを素手で掴むという「やってはいけないA0」をやってしまった。あっと思う間も無くスリップし、3mほど下の先ほどの地点まで落ちる。左手の薬指がざっくり裂けている。血がダラダラ止まらないが絆創膏を貼っても剥がれるので、手袋をしてシュリンゲでプルージック。左足太ももの外側も皮が剥けたようだ。
仕方なく今度は、より灌木帯が近い右=三ノ滝沢側の尾根状を登ってみる。しかし、上へ行くほどに傾斜がきつくなるだけでなく本流の沢筋から離れていってしまう。左のクラックにトラバースするのも大変だし、直上できたところで上がどうなっているかわからず、大高巻きは必定だ。
一度滝の下まで降りて改めて高巻くしかないかとクライムダウンしかけると、懸垂下降用の支点があった。あまり新しくはないが、しっかりしているようだし、1段目の上までは10m足らずなので、これにロープをかけて尾根沿いに懸垂下降。その途中で、このまま振り子トラバース式にスラブの上を通って先ほどの斜上クラックの上部へ行けないか、と思いついた。支点は現在地より滝身寄りなので、万一スリップしても、それほど反対方向には振られないのではないか、という楽観的予測。結果、フリクションがよく効き、全く滑らずにクラックに出てロープを回収。灌木帯から滝上に出ることができた。
結局、三ノ滝を登り切るのに2時間かかってしまった。それまでは、あわよくば今日中に上に抜けられれば、などと考えていたが、それも無理になってしまった(三ノ滝を30分で越えていれば、17時頃には肩ノ小屋にたどり着けたかも)。源頭の様相を呈してくる1270m付近に石を積んで整地された場所を見つけてテントを張る。オジカ沢の頭が夕焼けに映える。
26日は高曇というのか、眺望は効くが、太陽は雲に閉ざされている。本流の沢筋を詰めて行くが、かなりぬめって滑って、快適ではない。イライラする。大きく開け、左に茂倉岳と一ノ倉岳、右にオジカ沢の頭、行くての真ん中は何となく谷川岳(トマの耳とオキの耳)。笹原の中の水流と踏み跡をたどり、肩ノ小屋の裏手に出る。平日にも関わらず賑わう登山道をトマの耳、そしてお初のオキの耳へ。最後、かつて冬にはスキーで何度か登り降りした天神平への道を降って行くと、ホーボージュンらしき人物が、編集者らしき人物とともに登ってきた。
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