雪中訓練!IN谷川岳 途中からノートレースの西黒尾根 肩の小屋泊は想定内?
- GPS
- 32:00
- 距離
- 8.9km
- 登り
- 1,455m
- 下り
- 822m
コースタイム
- 山行
- 8:20
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 8:20
- 山行
- 3:05
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 4:45
※2日目谷川岳の休憩時間は奥ノ院、鳥居付近の散策時間を含みます。
帰路。天狗の留まり場の通過時刻もアバウトです。
天候 | 1日目:晴れ→昼から小雪 2日目:ずーと快晴! |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
帰路:土合駅12:30発普通列車 |
コース状況/ 危険箇所等 |
ロープウエイ乗り場(ベースステーションに登山ポストがあります) 【土合口〜ラクダの肩】 登山指導センターの右脇から西黒尾根の取り付きです。先行者があればトレースもありますが、冬場の山行者が少ないルートのため前日までに新たな積雪があればラッセルが強いられます。急登後に少し斜度が緩やかになりますが、通常ならばラクダの肩から先はアイゼン、ピッケル装備が必須であると感じられました。 かなり雪深い状況でしたので、私たちはワカンで通しましたが、ラクダの肩の手前では踏めども踏めども前に進まないような斜面に遭遇。私は全身総動員でようやく登りました! 【ラクダの肩〜ラクダのコル〜肩の小屋】 ココからは完全にノートレース。ある意味自由に歩けますが…そこは、一歩間違えれば踏み抜き、雪庇からの滑落など危険満載の世界です。実際にサンゲ岩付近で新雪に埋もれたかなりの深さのクラックがあり(幅が1m弱)、センパイが対岸にステップを作って下さりクリアできました!絶対に単独での山行は控えましょう!今回の山行はセンパイ、Kさんが居たからこそ成功したものと確信しています! 斜度が緩くなれば、肩の小屋までは目と鼻の先です!が、この時点でホワイトアウト気味になり視界悪化。直前まで見えませんでした。 【肩の小屋〜トマの耳〜オキの耳(奥の院)】 肩の小屋からは硬めの雪質の斜面をピークに向けて上がります(アイゼン+ワカンの装備で臨みました)。昨日の長時間ラッセル山行が頭をよぎりますが、すぐにトマの耳の標識出現。こんなに近かったのか!と感激。オキの耳までも視界にバッチリ入ります。硬めの斜面をトラバースすればオキの耳。標識よりもさらに高いところまで雪がせり出している状態に積雪の深さを感じます。さらに歩を進めると奥の院の鳥居が雪に埋もれてありました。ここの岩を越えてからの景色が絶景! 【肩の小屋〜天神平】 下りで利用したためとても快適でした。危険個所と思うところもありませんが、斜度もきつく新雪がすっぽりのため登られている方はたいへんだなーと思いました。土曜日の午前中のためこれから登られる方が多く、今日登った方は最高だね!という雰囲気が伝わってきました。下部はよく踏まれているため、天候のよい時に雪山歩きの訓練をなさるには絶好ではないかと思います。 |
その他周辺情報 | 帰路:上牧駅にて途中下車 風和の湯→大人550円(空いていてgood!) |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
防寒着
雨具
ゲイター
ネックウォーマー
毛帽子
靴
ザック
アイゼン
ピッケル
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
ヘッドランプ
予備電池
携帯
サングラス
|
---|---|
共同装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
防寒着
雨具
ゲイター
ネックウォーマー
バラクラバ
毛帽子
靴
ザック
アイゼン
ピッケル
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
調理器具
ライター
地図(地形図)
ヘッドランプ
予備電池
GPS
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
携帯
時計
サングラス
ツェルト
ナイフ
カメラ
テントマット
シェラフ<br />※センパイ!Kさん本当にありがとうございます!
|
備考 | 冬山ともなれば、余裕をもった山行計画と万が一の際の備えが十分でなければいけないことを痛感しました。 センパイの床に敷いて下さったNASAで利用されている保温シートや、センパイ、Kさんのシュラフカバー、Kさんのツェルトに包まり、非常用にザックに忍ばせていた厚手のダウンを着込み、どうにか小屋のなかで一夜を明かすことができました。 |
感想
今回は雪山のベテランであるセンパイと、その山行パートナーであるKさんにコラボさせて頂き、谷川岳へ
そもそもの計画は、私は日帰りの予定。
肩の小屋の到着時刻(尾根への取り付き時刻)次第では、登頂せずに最終ロープウエーで下山予定という、今考えれば実力に合わない目論見で臨みました。
また、前日にセンパイから、この二日間で新雪が30cm以上積もったから厳しいかも?という説明もあり、「これなら天神尾根ピストンか…ロープウエイで登って、頂上も踏んで、最終のロープウエイにも乗れるなー(内心:ホッ)」という心づもり。
そして迎えた当日、朝3時起き&牛丼の朝ごはんを済ませ、青春18きっぷの2日目をスタート!各々電車に乗り込み、水上駅8:24発で全員集合!土合駅の長い階段を登り地上へ
ベースプラザにて小休止後、「とりあえず見るだけ見てみましょう」というセンパイの言葉に、「見るだけなら」と軽い気持ちで西黒尾根の取り付きへ。登山センターの脇から、ワンちゃんを連れたボード(スキーだったかな?)を担いだ方が登って行かれるではありませんか!それを見たセンパイが、「なんか行けそうですね」とおもむろに斜面に取り付きます。「えー?マジですか…!?」と心の声をよそに、Kさんも付いていきます。遅れまい、こうなったら乗りかかった船とばかりに2人についていくことに。
思った通り雪が深いため、早々にワカン装着!前出のボードの方とセンパイのラッセルの跡を追って登ります。のっけからかなりの急登!先輩たちに喰らい付きながら登ります。ラクダの肩手前で雪質が微妙に変化。アイゼンに変えようかと検討しますが、ワカンをサイドステップしながら登るセンパイの見よう見まねでクリア。ラクダの肩付近で先行のボード(スキーだったかも?)のお二方とワンちゃんと合流。いつも登られている様子。この小休止のあと颯爽と斜面を滑走していらっしゃいました!超かっこいい!
ラクダの肩からは完全にノートレース。ひざ上のラッセルが強いられます。途中交代で私が先頭でラッセルしてみましたが「こんなにキツイことをセンパイはしてくれてたのか!」と思うくらいの苦行でした。私はヘタレラッセルを早々に終了、Kさんにバトンタッチ。
Kさん!強い!!ガンガン登って行きます。さすがセンパイの登山パートナーです。もうじき天神尾根との合流を迎えようかとの時に、ラッセル中のセンパイがズボズボっと雪の中へ。新雪に埋もれたクラック発見!越えないと尾根に取り付けなさそう!こんな時でもセンパイは冷静に渡った側にステップを切って下さり、おかげ様で難なくクリア(ありがとうございます!)
天神尾根と合流、この時すでに16:30…下りロープウエイには間に合わず小屋泊決定!(想定内?)
時間が時間なので山頂は明日向かうとして、宿泊地の肩の小屋に向かいます。もうじき一日目が終わると気が抜けたせいもあり、すっかり山行終焉モードで歩を進めるが一向に小屋が見えず。センパイGPSを確認。もう少し上の方とのことで直登するか、一度戻って平行移動が必要とのこと。
「ポキ!」何かが折れました…私の心でした(涙)ヘロヘロな足取りで進む私にお心遣い頂き、一度戻るコース取りをして下さったお二人に感謝!明るいうちに肩の小屋到着!!先客1名様
我々も宿泊準備、センパイのNASAで使われている保温シートとセンパイ、Kさんのシュラフカバー、Kさんのツェルトで私の寝床が完成!晩御飯もKさんのおでん、らーめん、味噌汁、ソーセージ、センパイのカレーライス、心ばかり私のソーセージ、スティックパン、そしてKさんからビールのおすそわけもあり、素晴らしい山の夕食となりました(食料は食べきれないほど持ち歩くことが大切と学んだ瞬間、感謝!)
小屋の中は0度前後。温かくはないが風雪もしのげてこの上なくありがたい存在です。なんせ日帰り予定のため、ろくな着替えの準備もないままでしたので、汗が冷えて寒い…なんて言っていても仕方がないため、とにかく着込みます。
1枚目:Nocefaceの冬用インナー(HOT)、2枚目:長袖登山用シャツ、3枚目:フリース(ここまでは本日の山行後半のウエア)、4枚目:ウルトラライトダウン、そして5枚目:超厚手ダウンジャケット(山行中はまず着ないであろう。持ってきてよかった!)
あとはお持ちした水を、センパイが沸かしてくださり、コーヒーで体を温めました。
この後の予定としては、私は1泊後、天神尾根を下り始発ロープウエイ、バス、新幹線を乗り継いで午前中帰宅という予定でしたが、私一人での下山にセンパイ、Kさんが不安を感じさせ、早起きしてお二人は登頂、その後小屋で私を拾い一緒に下山というかなり無理な計画を立てさせる結果になってしまいました。
早起き&山行の疲れ、そして何よりセンパイとKさんが作成した寝床の心地よさにあっという間に意識が失われ…夜中の2時前後まで熟睡。トイレに目覚め、強風のなか雪の中へ放尿(ごめんなさい)。再び寝床へ、うつらうつらしながら足を動かしたり、手を動かしたりして体を温めます。後で聞いた話ですが、センパイは朝起きて私が凍死していたら…と思っていたようです。ご心配おかけしました。この通り元気ですよ!
ここで私なりに決心しまして、今日はみんなで山頂を踏もう!下山したら風呂にも行こう!帰宅はのんびり夕方にしよう!と大幅に予定変更。3:30にセンパイの目覚ましが鳴り全員起床。センパイ達に予定変更をお伝えし、安堵、そしてもっと寝れたのに…ごめんなさい!
とにもかくにものんびり準備をし、アイゼン、ワカンの準備も万全。小屋の扉を開けると絶景が!この景色、この時刻にここにいた人のみが眺められるもの!なんて贅沢なんだろう!みなさんが苦労して冬の山に登る訳はここにあり!と感激。
さあ、感激に浸りつつトマの耳へ、強風の中進みます。下が雪で強風という今まで経験したことのない状況ですが、センパイ、Kさんに喰らい付き進みます。ピークが近くに見えますが、こんなに近くにあるなんて思ってもいないので、とにかく心が折れないように進むことに専念。あった!トマの耳!!あっという間でしたが感動!!やったー!さらに行く手にオキの耳と、昨晩の小屋の先客の方の姿がありました。
センパイはさらにオキの耳へ歩を進めます。再度ついていきます。雪に埋もれかかったオキの耳を確認!雪庇が山頂の標のさらに上まで達しています。すごい積雪!センパイも今までの谷川岳で一番の積雪と唸っていました。そして、奥の院の雪に埋もれた鳥居の先には、一ノ倉岳〜茂倉岳の稜線の絶景が!すごい!!この日、この時間、この場所に居る人間のみ得られる感動!!素晴らしい経験をさせて頂きました!!
肩の小屋に戻りコーヒーブレイクの後、Kさんは甲斐甲斐しく小屋の清掃(さすが女の子!)あとはのんびりと下山です。
新雪の斜面をズボズボ足跡をつけながら下ります。今日は土曜日、しかも晴天。ぞくぞくと登山者の列が山頂を目指してくるのが見えます。帰りは、この人たちが付けたトレースを辿るのみなので楽チンですが、センパイは物足りない様子で、最後は敢えて険しい斜度のところをバックステップでピッケル、アイゼンワークで下りてました(私は遠慮させていただきました)
今回の山行は前半の新雪、ノートレースの登り、装備不十分の小屋泊(センパイ、Kさんありがとうございました!)、早朝の山頂アタックが核心部でした。多分こんな経験は2度とできないし、装備不十分の小屋泊はしてはいけないと痛感しました!
最後に今回のアップされた写真のほとんどを撮影、提供をして下さり、ラッセル隊長を務めて頂いたセンパイに超SpecialThanksです!
こんばんは。はじめまして。
あの日、ソロで登っていたものです。
ラクダの背への登りの途中で、抜かれました。
その後、私はへろへろで、ラクダの背まで追いつけませんでしたが・・・。
私は翌日仕事で日帰りの計画だったので、ラクダの背でもうこれ以上は無理と判断して、撤退することにしました。
でも、ラクダから先の雪壁を登って行かれるお三方を、じ〜〜っと見ていました。
あの斜面のラッセルは、やはり相当大変だったようですね。
さらに、あのあとホワイトアウト状態になるとは、やはり恐ろしい。
でも、翌日の山頂はとてもきれいで、いいな〜と思いました。
今年は例年より雪が多い感じなので、私もまた挑戦しようと思っています。
お疲れ様でした。
こんばんは、先日は厳しい山行お疲れ様でした。ラクダの背からはなかなか進んで行けなくて非常に時間がかかりました。一人ではどうにもできなかったでしょうが、同行者のおかげでなんとか登頂できたようなものです。おっしゃるように、翌日の山頂の好天はがんばってたどり着いたご褒美のような気がします。
seizanryoさんも是非お時間のある時に、再度挑戦してみてください。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する