木曽駒ヶ岳(雪崩に巻き込まれ撤退・・・)
- GPS
- 01:25
- 距離
- 1.6km
- 登り
- 190m
- 下り
- 196m
コースタイム
※スタート後15分間のGPSデータは手入力です。乗越浄土手前から一直線に下っているのは雪崩に流されている状態です。
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年04月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
雪崩に注意ですね・・・ |
写真
感想
生まれて初めて、雪崩に遭遇しました・・・
浄土乗越の手前の急斜面で、「ササー」と小さな音と雪が少し流れてきて、「小さなスノーシャワーだ。写真撮ろうかな?」と思った次の瞬間、足元が崩れ流されました。
「すぐ下の人に衝突しないように」がまず頭をよぎり、その後は「泳がないと」と思い手で雪を掻いたりしましたが、どんな体勢で落ちていったのか、最初の10秒位は記憶がありません。
最後の10秒位は、雪の上に完全に体が出て、滑り台を座って下りるような感じになりました。勢いも収まってきて命の危険も感じなくなり、不謹慎ながらちょっと気持ちの良さも感じました。
流される途中の一番の不安は、すぐ下を歩いていた妻でした。流され初めの瞬間と、流される途中に自分より下には流されていないことを確認していたものの、途中で埋まっていたら・・・ が、はるか上方で立ち上がっている姿を確認でき、初めてホッとしました。
自分達は3番手で千畳敷をスタートし、雪崩の瞬間は5番手でした。先頭の人は雪崩が起きる前に多分浄土乗越に到着しており、2番手以降、10人前後が巻き込まれたのだと思います。雪崩が止まった後、周りの人と声を掛け合って、全員の無事を確認することができました。
今回は、雪崩の規模が大きくはなかったので、手に切り傷・擦り傷ができた位(あと、ペットボトル1本行方不明)で、大きな怪我等はありませんでした。良い経験をしたと感じましたが、二度と遭遇しないよう注意します。。。
最後に、混乱の中で交わされた会話の一コマ。
登山者A:「全員ビーコンを受信モードにして下さい!」
妻:「え、地震ですか?」
登山者A:「受信ですよ・・・」
【今後のための反省メモ】
●雪崩の予想不足
雪崩の心配はしていたが、結果として、自分が巻き込まれるとは思っていなかった。
(出発前の不安材料)
・一昨日の荒天で降った雪が新雪雪崩にならないか?
・千畳敷スキー場のリフト設置も、その雪による雪崩を考慮して延期したらしい。
(出発前の安心材料)
・4月下旬で、雪崩は落ち着いてきているはず。
・もう4月だから、一昨日の雪はそんなに降ってだろう。沢山積もったとしても、落ちるなら昨日のうちに落ちているはず(昨日と今日の予想気温は、今日が4℃高いだけなので)
・昨日行ったモンベルフェアにロープウェイ会社が出展していて、明日行くことについて聞いた感じでは、雪崩の心配は少なそうだった。
(現地での不安材料)
・新雪が20〜30cmも積もっている! 昨日も降ったの?
・雪崩が起きそうな急斜面
(現地での安心材料)
・気温は-2℃で、そんなに高くない。
・これまでも他の山を似たような状況で登ったことがある(と思う)。
●雪崩の最中
・一応泳ごうとしたが、どっちにどう泳げばよいか分からず。効果があったか不明。
・流される途中の少し余裕ができた時点で、滑落と混同してピッケルでの減速を試みたが、ピッケルがはじかれてしまい危なかった。そもそも減速などせず、流れに乗っている方が安全。
・ビーコンを持っていないので、流されながら、「埋まったら見つけてもらえるかな?」「妻が埋まったら見つけられるかな?」と持っていないことを後悔した。
・きつい登りで暑かったので、帽子・手袋をせず、袖まくりした状態で登っていた。そのせいで手と手首に怪我をしてしまった。怪我をする危険性があるような状況下では、暑くても脱ぐのは我慢すべきだった。
まさかこんなに早く本日の顛末をアップされている方がいるとは。
先行した単独行の2番手で登っていたのが私です。
本当に冷や汗ものの雪崩でしたよね。
私はたぶん200mくらい流されたんではないかと思います。サングラスとザックにつけていた熊よけ鈴が無くなってしまいました。
でも表層だけの雪崩だったので、大きな事故にならずに良かったなと思います。
こういうことがあると単独行の雪山は危険だなあと限界を感じてしまいました。
まさか2番手さんもヤマレコユーザーだったとは。
私たちはちょっと離れての3番手だったのでkazさんの容姿が分からず、雪崩に巻き込まれたあと、どうなったのか心配していました。
皆で声を掛け合ったりして周囲の人の安否を確認し、埋没者はいないだろうとの結論でしたが、「万一誰かが埋没していたら?」との思いがまだ頭を離れません。
kazさんの記録拝見しました。先頭の方も巻き込まれていたんですね。 雪崩に巻き込まれずに山頂方面に向かい、その先で一人で雪崩に遭ったら・・・とも思っていたのですが、巻き込まれていたようで逆に安心しました。
ところで、kazさんの前回の山行は私達と同日の谷川岳で、トマの耳あたりできっとすれ違っているんですね。奇遇です。
無事で何よりです。
小規模とはいえ、雪崩は怖かったでしょう。
大変貴重な体験談を
読ませていただき感謝しております。
ajiさん、はじめまして。
雪崩は本の中に登場することであり、あまり身近に感じていませんでしたが、ヤマレコのこんな生々しい話や写真が掲載されると、ぐっと身近に感じられます。
何はともあれ、ご無事で良かったです。
raichouさん、melonpanさん、こんばんは。
登山中に恐怖を感じることは、これまでも若干はありましたが、今回ほど怖かったことはありませんでした。中でも、連れの無事を確認するまでの数十秒間の不安は忘れられません 。 (連れは流された距離が短く、70メートルくらい上にいました)
雪崩については、これまで本を何冊か読んで勉強しており、危なそうな場所やタイミングは外していたつもりだったのですが、今回、結果として遭遇してしまいました。
幸か不幸か身近なものに感じてしまったので、以降、本気で気をつけます・・・
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