木曽駒ヶ岳(稜線まであと少しで雪崩撤退)
- GPS
- 01:30
- 距離
- 1.4km
- 登り
- 191m
- 下り
- 197m
コースタイム
天候 | 快晴・稜線上は強風のようで雪煙が舞っていました |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年04月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
前日の新雪30cmほどがカチカチのアイスバーン斜面に積もったために乗越浄土を目指す八丁坂のど真ん中で表層雪崩発生(巻き込まれました)。 その他、サギダルの頭脇からも極楽平への登路途中へ向けて雪崩(目撃)、千畳敷駅出発直後の索道直下でも雪崩(スキーヤーが巻き込まれているところを下山するロープウェイ内から目撃)。 登山ポストはロープウェイを降りた通路途中にあります(下山届用紙もある) ロープウェイ内からケーブルに重なる部分に富士山の頭が見えました 菅の台駐車場は1回500円 砂利敷きですがトイレもあり、とても広いです 菅の台==千畳敷のバス・ロープウェイ往復料金は3800円 金曜日〜土曜日の新雪が落ち着く(雪崩れて根雪が出るまで)までは登山しない方が賢明でしょう |
写真
感想
初めての雪崩体験でした。無事で何よりでしたが、ある意味とても貴重な体験となりました。
朝一番のバス(休日だからか本来の始発バスよりもちょっぴり早い時間に臨時バスが出ました)、8時発の朝一番ロープウェイで登った千畳敷は、前日の降雪で冬の装いという感じでした。新雪が30cm積もったとのことでした。
登山計画書(木曽駒ピストン)を提出し、ベンチでアイゼン装着しながら向かいで同じように準備している単独行さんと談笑。同じく木曽駒ピストン予定だとか。
ホテル前に出て八丁坂までのルートを見ると、新雪直後だけに踏み跡がありません。冬は初めてのコースなので躊躇していると、単独行さんが出発していきました。
今日は晴天だし、後から登ってくる人も結構いるだろうと、二番手でホテル前を出発。冬は登山道ではなく、地形・踏み跡などで直登コースを自分で決めて登れるのが良いところでもあり困るところでもあります。
先行さんがカールの右寄りのルートで登り始めたので、その跡を辿りましたが、小柄な私は先行さんの歩幅では登れず、ルートは同じところをプチラッセルという感じ。
新雪といってもフカフカという感じではなく、表面はちょっと硬めで、アイゼンでそれを割って踏み込んでいくと中がやわらかいという雪質でした。
高度が上がるにつれ、斜度が急になるにつれ、稜線から吹き降ろす風が少しづつ強く、またアイゼンで踏み抜いた雪の底にアイスバーン状の少々グレー色の雪が出てきたななどと思っていたところで、突然の雪崩!
最初は目の前からサラサラという軽い音と砂のような軽いけれど速度のある雪の流れが来たかと思った瞬間に、一気にドット 足元も周囲も流動し、あとは波に飲み込まれたように雪の中で必死にもがき、窒息しないよう口の前に手を持ってくることぐらいしか出来ません。
さいわい崩落上部で巻き込まれたことと、表層雪崩ということで雪の下に身体が沈み込むことはありませんでしたが、もうお終いかもという気持ちには正直なりました。
雪崩は登山者全員が巻き込まれたわけでなく、私の滑落地点よりも100mほど下部以降はラッセル跡の脇を雪崩が流れたので、巻き込まれて流されながらもその人たちの姿は確認できたのはパニック状態ながら心強く感じることができました。
200mくらい流されたのでしょうか。
ようやく身体が止まり、さいわい顔は雪に埋もれずに起こすことが出来ました。
すぐに脇から「大丈夫か?」と声をかけてもらえたので、手を振って無事を知らせました。
身体に巻いていたリーシュを辿るとピッケルはおしりの下の雪の中に埋まっていて無事。被っていた帽子は頭のすぐ横に。
無くなったものは、サングラス(度付きなので高価)と熊よけ鈴(鈴だけ千切れたようです)。怪我をしたところはなく、右足ヒザ横に軽い違和感はありましたが、歩くことに支障は無さそうです。
起き上がり、デブリを出てラッセル跡で雪を払って周囲を見渡すと、どうやら埋まってしまった人はいないようだし、巻き込まれていない人が結構たくさんラッセル跡からデブリ部分まで救助に入ってきていました。
目指していた稜線方向を見上げると、登っていたときには真っ白で平らだった斜面がデブリでボコボコの部分と表層が落ちてツルツルなアイスバーン部分が拡がっていました。
とにかく無事で何よりでした。
それから、巻き込まれていない後続の登山者が大勢いて、流されながらも見守られているという安心感がありました。
撤退途中で先行さんに会い(彼はかなり下まで流されたようです)、お互いの無事を確認できて良かったです。
3番手を歩いていたajiです。(私の記録にしたコメントの続きです)
kazさんの記録、私の記録(記憶)より情報が豊富で、とても参考になりました。
「斜度が急になるにつれ、稜線から吹き降ろす風が少しづつ強く、またアイゼンで踏み抜いた雪の底にアイスバーン状の少々グレー色の雪が出てきた」というあたりが雪崩の危険サインだったのかもしれませんね。 そう感じた所で、即座に引き返すかは微妙ですが。。。
あと、私達は小さな歩幅で登っていかれたkazさんの踏み跡をなぞって歩き、少し楽をさせてもらいました。 追いついた時にお礼を言おうと思っていたのですが、追いつくことなく私の方が下流まで流されてしまいました 。この場を借りてお礼させて頂きます。
全員無事だったから言えることかもしれませんが、危険で特殊な状況に同時に遭遇したからこその なんだか連帯感みたいなものを感じます。
ちなみに私はajiさんの記録にあった奥さんの雪でゴワゴワ髪の写真で、お二人がどんな方達だったかすぐに解ってしまいました。
2週間前も同じ谷川岳だったんですね。時間的には絶対すれ違っていそうですね。
きっと又 どこかでお会いできるかもしれませんね。
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