御岳山経由で大岳山へ
- GPS
- 07:33
- 距離
- 12.1km
- 登り
- 1,439m
- 下り
- 1,027m
天候 | 晴時々曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・大岳山直下は岩場の連続。雨の日やその翌日は要注意。 ・全体に良く整備されており、道を失うことは無い。逆に道が多すぎて迷うかも。 |
写真
感想
※大変な人出で、何処にカメラを向けても人が写る始末だった。顔はモザイクを入れたが、削除して欲しい方が居られれば、コメント欄にてお知らせ下さい。
70を超える両親が奥多摩の山で富士山を眺めたいと言う。奥多摩で富士が最も美しく見えるのは間違いなく鷹ノ巣山付近の石尾根だが、普段から山登りをしているならともかく、老人がいきなり1000mを登るのはまず無理だ。そこでそこそこの標高で富士山が良く見える山として三頭山と大岳山を候補に挙げ、それぞれ下見に行く事にした。
大岳山の標高は1266mで、麓の集落の丹三郎は300mも無い。氷川からだと長すぎる。だが御岳山経由だとケーブルカーを使えるので、標高差を大きく稼げる。ただ山頂直下に岩場があるという点が心配だった。山に慣れた他の人の意見も聞きたいと思い、山仲間のY夫妻とM氏を誘った。
本番ではケーブルカーを使うが、それでは物足りないし、脇を通る旧参道は杉の大木に囲まれて雰囲気が良いと聞いたので、M氏とそこから登り、ケーブルカーを使うY夫妻とは山上駅で待ち合わせとなった。文句無く晴れ上がった日曜日、気温も申し分無い、おまけに新緑や花の季節という事で、バスは2台に増便され、ケーブルカーも臨時便が出た。滝本駅では数百人が行列していたが、ここから登るのはわずか4組だった。
登山口は滝本駅を右に見て車道を進んだ先の立派な鳥居だ。最初から相当な急勾配になる。それでも評判通り、杉の大木に囲まれて気持ちが良い。山吹やスミレの花も沢山咲いている。息は切れたが、50分もかからずに山上駅からの道に合流した。
御岳の宿場町も春の花の盛りで、辻々に咲いている。他のグループで花に詳しい方が居て、メンバーに説明しているのを横で聞いて写真を撮った。
急登で程良く体が暖まったので、Y夫妻には追い付いて貰うことにしてそのまま進もうと思ったが、予定より大分早く着いたので一旦待とうとM氏に言われ、参道脇にあった古狸という茶屋に入った。M氏は冷やし蕎麦を、私は「ビールがある」「熱燗もあるって」と振るが、「まだ早い」と咎められてわらび餅にした。冷やし蕎麦は麺もツユもいかにも出来合いのものでいまいちだったが、わらび餅は本物の食感を堪能できた。御岳山の湧き水だという水が実に甘かった。
漸くY夫妻と合流して再出発する。大岳山へのコースは鍋割山経由と綾広の滝経由、ロックガーデン経由とある。鍋割山は稜線沿いで岩場の連続なので却下、ロックガーデンは登り返しがきついので却下、綾広の滝を目指す。町中から神社に向かい、神社の裏に回るも道は無い。実際には参道の階段を登らず、向かって左側のロックガーデン方面への道を行くのが正しい。ちゃんと2万5千分の1地形図を見ろと山岳部出身のM氏から叱られる。
コースは2度程の分岐を経て、御岳山の南側を巻く。道幅は数mある立派なもので、途中までは随分と平坦だ。すれ違う人が多く、挨拶を返すのに難儀した。緑は広葉樹林が多く、新緑の盛りだった。
綾広の滝分岐を超えた辺りから沢沿いを登リ初め、山道らしくなる。生憎沢は枯れていると思ったが、帰りに見ると伏流になっていた。他の3人は数カ月ぶりの登山らしいが、順調に登って行く。月に一・二度は登っている自分が置いて行かれ、何度も待ってもらった。写真を随分撮っているのも原因かもしれない。ただ久しぶりに人と登ると、むしろペースを掴めずに遅れてしまうという事もあるだろうか。
沢を詰め上げるとムシカリ峠に着く。ここからは稜線沿いで、大岳山の領域になる。つまり岩場だ。岩場は最初は優しく、最後はかなり急になる。正確には稜線よりやや南側を伝う崖道で、崖の下は数十mは落ち込んでいる。鎖以外に確保するものは何も無い。ただ幅は1m弱あるので、高度感はそれ程感じなくて済む。年老いた両親に登れるか、同行者に相談しながら進んだ。地元の大阪北部にはこういう岩山は殆ど無く、奥多摩に来るなら一度は経験をとは思うが、ここで無理なら引返すしか無いし、目的の富士山はまだ見えない。
道は一旦稜線を離れて山腹を巻くようになり、程なく大岳山荘の廃屋が見えた。広い広場になっていて、シートを広げて昼をとっている青年のグループも居た。静かな林の中で、特に陽射しの強い頃にはここで昼も良いかもしれない。
巻き道を分けて山頂への最後の登りにとりかかる。この辺りは粘土質で、雨でもないのに滑りやすく崩れていた。それもすぐに終わり、再び岩場が出て来る。それも徐々にきつくなる。真新しい鎖が必ず通してあるが、もしそれを掴みそこねて滑ったら、生きてはいられないだろう。岩場に苦労する人、山頂から下る人で渋滞も起こっていた。何度目かの岩場で「これはもう無理や。慣れてない人には怖すぎる」と声に出して宣言した。
山頂から焼き肉の匂いがしてきた。あの岩場を焼き肉の機材を背負って来たのだから、大したものだ。山頂は30名ばかりも人が居た。人はもう要らないが富士山は撮りたい。しかし南南西に目を凝らすも、雲で視認出来なかった。
適当に場所を見つけて昼飯にした。いつもは独りなので惣菜パンとジュースだが、今回は見栄を張って山菜の料理、それに和歌山の黒牛を振る舞った。黒牛は甘みが強いが、山菜の苦味には良く合った。
飯を食って下りのコースを検討する。山頂まで連れて来る事は無理なので下見の件は一旦忘れよう。鍋割山コースも面白そうだが、仮に富士山を諦めるとしても、ロックガーデンの辺りを散策するのも次善の策として考えられるとして、そちらを優先させてもらった。
登りに通った綾広の滝の手前の分岐を沢側にとって沢を下る。沢の冷えた空気と新緑は言うことがない。まだメマトイも蚊も出ていないので、ゆっくり過ごせる。ただ本当に人が多い。外国人観光客も多く見かけた。綾広の滝はたおやかに長く流れている。立ち寄る価値は充分にある。滝に下りる手前で巨岩を見下ろす事もできる。また御岳山山頂まではほぼ巻き道で登り返しが無い。
ついでなので七代の滝も見ておこうという事になり、更に下がった。こちらの滝はこじんまりとしていて、余り感じるものは無い。ここまで下がると御岳山山頂まで再度100m程登らざるを得ず、随分こたえた。この人出にこの辺りだけ人が少なかったので、静かに過ごしたい向きには良いかもしれない。
総じてよく整備されたコースだった。ケーブルカーを使えば、大岳山へのピストンは老親にも大して負担にはならないだろう。だが山頂直下の岩場はきついと思う。ロックガーデン周辺は来月半ばの予定日には新緑を終えているだろうが、濃くなった緑の中、沢のほとりを散策するのも楽しんでもらえるかもしれない。
最後に、付き合って頂いたM氏・Y夫妻に感謝申し上げます。
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