【第二次北大月作戦】雁ヶ腹摺山【丙67.8】
- GPS
- 11:57
- 距離
- 33.9km
- 登り
- 2,823m
- 下り
- 2,824m
コースタイム
- 山行
- 10:58
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 11:58
天候 | 快晴〜晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
道そのものは岩場も大して無い。 が、時折ある凶暴なほどの急斜面は要注意。 標高/距離グラフを見ると、なだらかに上って緩やかに下っているように見えるが、現状は全く異なる。巻き道?何それ? 水無山から先は落ち葉も積もり、いよいよ踏み跡薄い。 道中、水場は全く無い。 |
写真
感想
大型連休である。丹沢、激混む。秩父、、混む。奥多摩、、、激混む。う〜ん、どうすればいいんだぁ〜!? その答えがこれである。
【参考:第一次北大月山行】
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-253166.html
というわけで、大月駅に降り立った。駅のトイレで小用を足して歩き始める。便意は無いものの何となく宿っているものがあるように感じたので、最後のトイレチャンス、丸山にて暫し踏ん張る。大した量も出なかったが、これで後顧の憂いは無くなった。その代わり、質の悪い紙でゴシゴシ拭きすぎたことによる痛みがずっとついて回ることになる。
当初予定では、岩殿山のピークを踏むかどうかという話があったのだが、丸山で時間がかかったので、既踏の山より未踏の山優先ということで、さっさと稚児落し方面へ向う。瑣末なことで計画全体の足を引っ張ってはならない。後々、暑さや急登の連続に大苦戦したわけだが、この時、岩殿山に寄っていたらさらに苦しい山行となり、山行終了も分岐から岩殿山への往復にかかる時間以上に遅くなっていたことだろう。
岩場と展望と蜘蛛の巣の稜線を経て未踏の笹平方面へ向う。道は広めで分かりやすいものの、よく歩かれている稚児落し〜岩殿山間と比べると、やはり倒木等荒れた感じが若干する。道中、南北の山々が木々の切れ間から見える。高速道路からの姦しい車の走行音も聞こえなくなり、また、他に歩く人も無く、静かな森林散歩を楽しめる。
道中、トズラ峠や百間干場等、林道と出会うところがある。車が何台か停まっていても良さそうなものだが、車どころか人の気配も全く無い。人がいない代わりに、金山峠に降りる途中、大きなイノシシや小さなリスを見ることができた。
金山峠・百間干場から雁ヶ腹摺山へ向う稜線に乗るまでには急登で高度を稼ぐ。姥子山へは林道から外れて僅々10分とあるが、長々と歩いてきた身には辛い。姥子山神社があると思っていた所が姥子山東峰で、神社がさらに先だと分かったときには若干げんなりした。神社に詣でようと思っていたが、山頂から一旦下らなければならず、それが片道5分とある。下っていったらメインターゲットである雁ヶ腹摺山への登頂がより困難になると脳が警告を発し、山頂から神社へむけて敬礼して済ます。山行においては、せっかく来たんだからと無理して進む例が見られるが、優先順位をつけて適度に端折っていくことが大事だ。その分、山頂でほぼ全周囲見渡せる展望を楽しむ。
なお、西峰から東峰に向う段になってようやく他の山行者と擦れ違う。
姥子山から戻り、いよいよ雁ヶ腹摺山へ。先ほど脳が警告を発したとおり、結構キツイ。降りてきた三人の山行者から姥子山への道を訊かれた時に「林道から10分て書いてありますけど15分はかかりますね。」と答えた時の私の顔も結構きつかったろう。太ももの裏がピリピリ悲鳴を上げている。山頂までもう少しだ。山頂で憩う人を見ると気持ちが軽くなり、何とか到達。木陰で腰を下ろす。
500円札の絵ともなった雁ヶ腹摺山からの富士山は若干雲がかかってはいるけれども美しく、雄大だ。山頂には金山温泉辺りから上ってきたのだろうか、他に5,6名の山行者。静かで落ち着いた山頂だ。
雁ヶ腹摺山で栄養と水分を補給し、もう大丈夫だろうと歩き出す。最高地点は過ぎたから後は楽だろうという淡い期待を持ちつつ。しかし、その期待はまさしく希望的観測に過ぎなかった。大樺ノ頭まではまだ良かったが、基本的に単調な下りではなく、上ったり降りたりを繰り返す。下りも急な坂があったりで気が抜けない。そのうち、「←泣坂ノ頭」という標識が現れる。名前からして泣きそうだ。歩を進めれば、眼の前にズズンと急登確実な大ピークが。「まさかね。」「いや、あれはルート上に無いピークだろう。」と思ってみても、その山はルートの延長線上にあり続け、段々と近づいてくる。そう、それこそ泣坂ノ頭、大峰のダブル1400m峰だ。標高1300mほどの泣坂ノタルでたまらず腰を下ろして息を整える。登る前から泣きそうだ。そして標高差100mの急な登りをチビチビと進む。
折も折、真昼間で暑く、水分が急速に失われていく。何かを口にしても唾液が出ないので飲み込めない。飲料は節約していたが、微量を口に含んで、食べたものを嚥下する。これからの季節、流動食を基本にしないといかん。もしかしたら胃液の分泌も抑えられているのではないか。消化に悪そうだ。顔がザラザラする。顔を触った指を舐めるとしょっぱい。
泣坂ノ頭の簡素な標識に脱力し、ここでは休まないぞと大峰まで進出。ここにある祠に一礼の後、腰を下ろして休憩。これで一山越えたか。
約1400mの大峰から約1150mの水無山へ。日差しを避けて木陰を歩くと大分楽になった。下る途上、水無山へと上っていく稜線が見えるのだが、泣坂ノ頭のように見上げるような圧迫感はなく、ずっと下に睥睨するような形。登り返しも緩やかな感じで、これならいけると尾根を最後まで歩ききることとする。最後は落葉の堆積する急なつづら道を下って里に降りた。大月の稜線を見上げて大きく深呼吸。
道中、水場も無く苦しい山行だったが、涼しい風が稜線を通っていた為に何とか切り抜けることができた。風が無かったら、どこかで立ち往生していたかもしれない。山の神、風の神に感謝である。
歩きも歩いた「駅からハイキング」はこうして無事終了。しかし、夏の先駆けのような陽射しと暑さに、これからの季節への備えについて深く考えさせられることとなった。
〜おしまい〜
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