大札山から蕎麦粒山へ縦走
- GPS
- 07:10
- 距離
- 7.4km
- 登り
- 1,048m
- 下り
- 491m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年04月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
静岡県榛原郡川根本町の国道362号線にある出光ガソリンスタンド前から林道南赤石線に車で入りました。奥大井県立自然公園入口の標柱がある、樅の木平に着きました。乗って来た車は山犬段へ回し、大札山登山口(南尾根コース)から登山を開始しました。急勾配の桧林の中を尾根伝いに登ると、約1時間ほどで西側の展望が開けたところに着き、岩岳山や竜馬ヶ岳方面が見えました。やがて西側は広葉樹林となり、地表には数日前の季節外れの雪が残っていました。芽吹き始めた広葉樹林の中に、淡いピンク色のアカヤシオの花が咲いているのをみつけました。良く見るとアカヤシオの花びらは降雪のためか凍ってしおれたり、落ちたりしていました。 さらに登って行くと桧林の中に藤川への分岐点がありました。うっすらと積雪がある桧林の尾根を過ぎて再び広葉樹林になり、アカヤシオの花も咲いているのが見えました。大札山手前の細尾根を通過すると、山頂南斜面は木を伐採したようで見通しが良く山頂が見えました。山頂直下は急勾配で丸太の階段を登り着ると、標高1373.mの大札山に着きました。 山頂には三角点があり、木製のベンチとテーブルがありました。近くには新しく作られた祠があり、山頂から少し大札山肩口コースへ下がったところには、トタン屋根の雨露をしのげる簡素な小屋がありました。山頂から30mほど進むと展望地があり、大札山山頂パノラマガイドマップがありました。ガイドマップと見える山の山容を見ましたが、あいにく南アルプスの聖岳や上河内岳は雲がかかって山頂は見えませんでした。これから登頂する蕎麦粒山と下山地の山犬段の山容を見ることができ、蕎麦粒山のルートに積雪が無いことを確認して、予定通り蕎麦粒山へ登頂する事を決めました。 雪解けの大札や北口コースを下がって行くと杉川林道の分岐点があり、尾根道から西方向に下がると大札山肩口に至ります。今回はアカヤシオ群生地への案内板に従い、北尾根コース下山道へ下がりました。急勾配の雪解け道を下がって行くと、アカヤシオの花が雪の上にたくさん落ちていました。木の間から大札山肩口の駐車場方面も見えました。下がるに連れて雪の害を免れた、アカヤシオの花が残っていました。林道に下がる手前に崩壊防止工事のため通行止の看板があり、「杉川林道分岐より200m東側(大札山肩口駐車場)寄りに下がる」と案内板がありました。尾根道からジグザグに下がり、大札山北尾根コース登山口になっている林道南赤石線に下りました。 林道横の広い所で昼食を採り、蕎麦粒山へ向かいました。林道を200mほど進と、林道蕎麦粒線の起点の看板があり林道両脇は鋭く切れ落ちていました。この大札薙崩壊地は土砂流出を防ぐ大規模な崩壊防止工事と、元の森林に復旧させる為の治山事業が施されていました。杉川林道分岐を過ぎて、10分ほど荒れた蕎麦粒林道を登り、蕎麦粒山南尾根登山口に着きました。 林道脇からジグザグに10分ほど登り蕎麦粒山南尾根稜線出ました。なだらかな尾根を登り、小さいピークを2つほど越して深いコルに下りました。コルからの登山道は険しくなり岩場の続く登山道を、2回程アップダウンを繰り返して地図上に表示されている標高1543mのピークに登りました。 ピークには木の丸太を倒したベンチがあり、周囲には背丈の低い笹が茂っていました。ベンチに腰掛けると板取山方面の山が見えました。少し下り崩壊地が迫る横を登り、崩壊地の上に出ました。大木のブナ林を登り標高1627.1mの蕎麦山に着きました。 東側が開けていて、展望できる山容が扇状形の板に標示されていました。 遠くにふる里の山天城山が見えました。富士山も見えるはずですが、雲が掛かり私は確認できませんでした。山頂には三角点があり西へ千石平高塚山方面へ登山道が伸びていました。広く笹を刈払われた緩やかな勾配の東尾根登山道を下がり、山犬段に向かいました。 山犬段には飲料水はありませんが、桧作りの無人の山小屋がありトイレもありました。山小屋の前には広い駐車場があり、横にはベンチやテーブルが設置されていました。そこからは登頂してきた大札山や、車で帰る南アルプス線蕎麦粒林道が見えました。駐車場に戻り大札山から蕎麦粒山の縦走を終了しました。 |
写真
感想
アカヤシオの花が大札山に咲くことを、以前山犬段から蕎麦粒山を経て高塚山に登頂した時に、見た現地のパンフレットで知りました。南アルプスに続いている奥大井の山は、標高は余り高くはありませんが麓から深く入っていて、自然そのものがあり多くの人が訪れる人気のある山とは違います。大札山はちょっとした独立峰になっていました。大札山肩口から登るコースは、約40分で大札山山頂に登れます。今回は簡単に山頂を目指すコースではなく、アカヤシオの咲く全山を見たいので縦走しました。
アカヤシオの開花時期にはぴったりあっていたと思いますが、季節はずれの雪で花びらはしおれていました。大札薙付近は大規模に崩壊していました。人間の力で崩壊地を、元の緑の森に復旧させる大規模な治山工事を見ることができました。
南尾根登山口からの蕎麦粒山へのルートは、以前に事故が発生しているので注意が必要と助言をいただいていました。大札山には積雪があったので、大札山より標高が高い蕎麦粒山登頂は躊躇していまし。
大札山山頂付近から見えた、蕎麦粒山南尾根には雪が無いのを確認して蕎麦粒山へ予定通り登頂を決めました。蕎麦粒山南尾根ルートは険しく危険な箇所もありましたが、登山をした実感を味わうことができました。山犬段には桧作りのきれいな無人の山小屋がありました。数人の山男達が、広場で酒を酌み交わして山の自慢話をしていました。少しうらやましくなり、山男になってみたい気分になりました。
大札山の下り坂でパーティーの一人が転倒しました。怪我も無く大事には至りませんでしたが、登り時も足取りが重く遅れぎみでした。幸いに林道に近かったので、車に連絡して蕎麦粒山北尾根登山口に待機してもらい林道まで下りました。本人に登山の意欲が無いように思われましたので、蕎麦粒山への登頂は困難と話しました。本人も納得了承してくれたので山犬段へ車で移動してもらいました。大札山予定通過時間をオーバーしましたが、安全を優先しました。大きなな事故につながらず、胸をなぜおろしました。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する