鋸山-嵯峨山-房総キャニオン
- GPS
- 06:39
- 距離
- 15.8km
- 登り
- 863m
- 下り
- 844m
コースタイム
- 山行
- 5:36
- 休憩
- 1:02
- 合計
- 6:38
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
復路:保田駅(道の駅保田小学校から徒歩10分) |
コース状況/ 危険箇所等 |
・鋸山山頂から東は整備が落ち、たまにルートが不明瞭になります。林道口の先の小鋸山・嵯峨山方面は、バリルートとしてはテープや新しい手製標識が豊富ですが、慣れないと尾根を間違える場合もありそう。小鋸山山頂前後など、お助けロープ無しには通過困難な区間も。 ・白狐峠から採石場跡(房総キャニオン)を通過する下山コースは何ら危険はありませんが、林道合流点側だけ鋸南町の進入禁止看板がありました。 |
その他周辺情報 | ・道の駅保田小学校に「保田小附属ようちえん」なる施設が増設されていました。パン屋のコーヒー480円。 ・この区間の内房線は短い2両編成が主体となり、土日は座れないケースが多いので覚悟が必要です。 |
写真
感想
それなりに冷え込んだ朝だったが、8時過ぎの浜金谷駅は既に暖かだった。数人のハイカーらと露天の跨線橋を渡り、トイレを借りてから出発。JRガードの手前でゆるゆる歩く女性ハイカーを追い抜き、関東ふれあいの道の連続階段に挑む。足音がするので振り向くと先ほどの女性だった。道不案内で足を速めてついて来たのだろうか。
歩きやすい階段でウォーミングアップにちょうどいい。ふだん歩かない人はいきなり心を挫かれるかもしれないが・・・。階段が終わった先で登山シャツ1枚になった。くだんの女性は後落して見えなくなっていた。
数人が休憩中の観月台で東京湾を振り返る。視界は霞がかかって今一つだが、なんとか富士山は上部が見えていた。軽く下ってトイレの前を通り、”ウソ標識”の鞍部を通過。麗々しく海抜150mとあるが、実際は90mもない。まあ、ロープウェー山頂も70m近くサバを読んだ標柱(260mほどを本当の鋸山頂と同じ329mと表記)を掲げているから、この先の標高差のつじつまを合わせたのかもしれない。
石切り場跡の絶壁が前方にそそり立つ道を少し登ると、日本寺から下りて来る登山道に合流。100m近く下から仰ぐ地獄覗きはなかなかの迫力だ。石切り用具の残る石切り場跡はパスして”本当の”鋸山山頂を目指す。途中、右へ回り込むようにもう一つの石切り場跡を通過し、1段30儖幣紊發△襪茲Δ弊价覆鯏个蠕擇辰神茲東京湾を望む展望台。強めの南風が吹く中、年配の男性2人が休憩中だった。眺望を写真に収め、言葉を交わしながら一休みした。
そこから10分ほど歩いて電波施設のピークを回り込み、少し登った先が鋸山山頂。眺望は北の方がわずか見える程度で、休憩したばかりなので休まず先へ進む。木段もあるが、どうかすると踏み跡も不明瞭な尾根道になるので、初心者は不安になるかもしれない。20分くらいすると右の南側の視界が開け、鋸南町沖合の浮島なども見えた。
林道口は2021年5月に訪れた時より荒廃した印象だった。南側への林道が崩壊して通行止めが続き、訪れる人が減ったのだろう。そう思った矢先、車止めの柵を超えて林道から小鋸山へのルートに踏み入ったあたりで休憩中の年配女性と会った。話を聞くと「昨日は湘南アルプスあたりを4万歩歩いた」などとサラリと仰る。翌日に低山とはいえ厳しいこのルートを訪ねるとは、恐れ入るしかない。
しばらくは新しいピンクテープがこれでもかと巻かれていたが、やり過ぎと思ったのか(?)徐々に減っていった。要所に真新しい手製指導標も配され、道迷いの危険はだいぶ減ったと感じる。もっとも、断崖、痩せ尾根、急斜面は健在なので気は抜けないし、体力も必要だ。
昔の峠道の切通しのような所は右に下りて再び尾根に戻るのが正解。ところどころにロープもあるが、古そうなものは一応、安全を確かめてから頼るように注意した。右の視界が開けると、いわゆる「房総キャニオン」の景色が見渡せる。そのうちスパッと足元が切れ落ちて道がなくなった所が小鋸山キレットだった。
ロープにすがって10mほど下り、岩伝いに登り返す。もう一つ岩場を過ぎた先が小鋸山山頂だった。写真を撮っていると、間もなく先ほどの女性が到着。「楽しいコースね」と話す口ぶりといい歩行タイムといい、かなりの山のベテランに違いない。女性はここでお昼にするとのことで、やがて東京湾展望台で会った年配男性の一人が到着したのを汐に先発した。
いきなり急斜面を斜めにトラバースしながら下るロープ場を過ぎれば、後は苦も無く房総キャニオンの一角に到達し、坂を下った先が白狐峠。キャニオン最奥部からススキの藪を抜けて尾根へとひと登りすると、新しい手製指導標が左が嵯峨山と教えてくれた。
急峻で細かな尾根のアップダウンに体力を絞られながら、20分で前回水切れで折り返した赤ペンキの露岩に到着。岩に赤く「サガ山→」などと書いてあるが、新しい手製指導標も立てられていた。足下のキャニオン地形の中に別荘らしき建物が見える。
さらに20分で地形図に見える送電線の鉄塔に着いた。前方に嵯峨山の山体が近づいて来ている。少し下って小保田峠。ここまで尾根道が何度か大きく曲がるが、要所に指導標があるので支尾根に誘い込まれずに助かった。
5分ほど歩きやすい緩やかな道を行くと、「この先は荒れて迷いやすい」という富津署連名の注意看板があった。別段荒れている様子はなかったが、滑りやすい土の急斜面なのでロープの助けを借りて腕力でよじ登った所がスイセンピーク。ただし、その名に反してスイセンは1本もない。鹿やキョンがスイセンの毒に慣れて食い荒らした、と言われているそうだ。
遠く伊予ヶ岳が目立つ嵯峨山パノラマからの景色を眺めたら、最後のひと頑張りで嵯峨山。特段眺望はない静かなピークだが、先ほどから南風が勢いを増している。落ち着かないので北へ少し下った見晴らしのいいところで弁当を開いた。今日はコッヘル無しでテルモスに熱い紅茶を入れてきた(若い人風に言えばバーナーとサーモスか)が、気温が高いので水でもいいくらいだ。
帽子が吹き飛びそうなので、タオルを頭に巻いて下山開始。じきに件の女性とすれ違った。小鋸山では「私に嵯峨山まで行けるかしら」などと仰っていたが、疲れた様子もなく登って行った。この後、ほかにも2,3人が登ってきて人気の山らしいことが分かる。
小保田峠を過ぎ、1度支尾根に入りかけて戻ったりしながら、ますます風が吹き募る尾根を戻る。まぶしいのでかぶり直した帽子が吹き飛ばされそうだ。キャニオンへ下りる北斜面に入って風がやんだ時はホッとした。開けたキャニオンでの風も心配したが尾根の上ほどではなく、砂嵐ということにもならなかった。
さて、白狐峠の先はヤマレコのルート案内に頼って下山する。平らなキャニオンの底に下りて西へ進むと、正面は崖で行き止まりとなった。右1段上に登って行き止まりまで行ってみたが、もう1段上が正解の様子。戻って折り返し、幅1mほどの回廊を抜けた。前方の柵を南端から抜けると車のわだちがある道となり、鎖の車止めを越えればもう迷う恐れもない。
右下の大きな池に沿う形で回り込みながら下り、左に曲がり返すと林道合流が見えた。車止めを跨ぎ越して振り返ると、鋸南町による「侵入禁止」の看板が見えた。別に侵入したつもりはなく、制止もない中を無害通行しただけなので許していただこう。
電車の時間まで道の駅に立ち寄るべく角を曲がると、道端に植えられたスイセンが花を咲かせていた。スイセンピークでは見られなかった花を写真に収め、道の駅で時間調整のコーヒーブレークとした。
※今回、愛用のGPSロガーGP-102がイカれて、とうとう使い物にならなくなってしまった。
一昨年夏に鳳凰三山を歩いた時、起動からしばらくでたらめな座標を記録したのがケチの付き始め。その後は少し落ち着いていたが、昨夏ごろから電波が悪い環境でもないのにログの軌跡が暴れる症状が頻発するようになった。
この山行のGPXファイルをヤマレコに取り込んだところ、一部区間でデータがジグザグにブレまくり、累計標高差が3000mを超すとんでもない山行記録になってしまった。グラフを拡大すると標高グラフが上下に巨大なギザギザを描いていて、思わず「これがホントの鋸山だ」なんて呟きが漏れる始末。
一応、古いiPhoneでヤマレコを起動して歩いているのでそちらのデータを登録したが、どうしても精度は落ちる。何より充電残量を気にしながら歩かなくてはならない(古いので)のがストレスだ。
新しいロガーが欲しいけれどGP-102は廃番のようだし、そもそもGPSロガーの需要が激減して新製品も出ていない様子。スマホを買い替えるしかないかなぁ。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する