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記録ID: 6368768
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積雪期ピークハント/縦走
東海

【奥美濃】厳冬の千回沢山・不動山

2024年01月14日(日) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
18.5km
登り
1,318m
下り
1,331m

コースタイム

日帰り
山行
11:40
休憩
0:40
合計
12:20
4:00
20
駐車地(塚の駐車場)
4:20
350
千回沢山北東尾根の取り付き(渡渉)
10:10
10:30
60
11:30
11:50
50
12:40
190
15:50
30
千回沢山北東尾根の取り付き(渡渉)
16:20
駐車地(塚の駐車場)
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2024年01月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
塚白椿隧道西口の塚駐車場(「冠山ポケットパーク」という名前になったと聞いたけど,ここのこと?)に駐車。駐車スペースはかなり広い。
コース状況/
危険箇所等
※ 写真に変なモヤがかかったみたいになっていますが,レンズ内の結露のためです(温めても復旧せず,往生しました…)。見苦しくてすみません。

【ルート状況】
・ 千回沢山北東尾根(イチン谷右岸尾根)の取り付きへは,赤谷と才ノ谷の合流点付近(合流点のほんのちょっと下流側)に若干浅くて流れのゆるい箇所があるため,そこを渡渉。今回は冷え込みの厳しい日だったため(早朝の徳山ダムで−3℃),水深は膝くらいで済んだ(気温上昇時は増水注意)。念のため沢足袋を使用し,沢足袋は渡渉点にデポ。
・ 取り付きから積雪あり。標高700m付近からスノーシュー使用。新雪の下の旧雪が締まっているため沈み込みはそれほどでもなく,最大でもスネ〜膝程度。稜線上は雪庇の張り出す東〜南側とは反対側の斜面(西〜北側)がウインドクラストしていることが多く,極力そちらを辿るようにすれば多少マシ。
・ 序盤(標高点910mの手前付近)はまだシャクナゲの藪が出ている箇所があるが,積雪に埋もれつつあり,通過はそれほど難しくない。
・ 大きな危険個所はないが,終始雪庇が出ているのと,千回沢山〜不動山間の稜線は北側が切り立っている箇所があるので,念のため注意。
車を停めた塚の駐車場(冠山峠道路の開通に合わせて「冠山ポケットパーク」という名前になったらしい)から,車止めゲートを越えて林道塚線に続く道をヘッデン頼りに歩く。これまでは国道417号線の冬季通行止めに阻まれてこんな真冬に歩くことの叶わなかった道であるだけに,何だか妙な感じだ。路面には足首ほどの軽い新雪が積もっている。
車を停めた塚の駐車場(冠山峠道路の開通に合わせて「冠山ポケットパーク」という名前になったらしい)から,車止めゲートを越えて林道塚線に続く道をヘッデン頼りに歩く。これまでは国道417号線の冬季通行止めに阻まれてこんな真冬に歩くことの叶わなかった道であるだけに,何だか妙な感じだ。路面には足首ほどの軽い新雪が積もっている。
さて,今回の山行の最初にして最大の関門である揖斐川の渡渉。沢登りで赤谷流域に入る際に,いつも手始めの渡渉ポイントとしている赤谷・才ノ谷の合流地点に来て見ると…よっしゃ,この水量ならいけるぞ!
さて,今回の山行の最初にして最大の関門である揖斐川の渡渉。沢登りで赤谷流域に入る際に,いつも手始めの渡渉ポイントとしている赤谷・才ノ谷の合流地点に来て見ると…よっしゃ,この水量ならいけるぞ!
昨日の大雪が水量にどう作用しているか心配だったのだが,厳しい冷え込み(徳山ダムで−3℃)のおかげで水量が抑えられているようだ。ズボンを膝までたくし上げて沢足袋に履き替え,才ノ谷の合流点から気持ち下流のあたりをザブザブと渡渉。水深は膝くらいで済んだが,当然氷のような冷たさで,渡渉を終えて登山靴に再び履き替えるまでは一人で悶絶していた。
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昨日の大雪が水量にどう作用しているか心配だったのだが,厳しい冷え込み(徳山ダムで−3℃)のおかげで水量が抑えられているようだ。ズボンを膝までたくし上げて沢足袋に履き替え,才ノ谷の合流点から気持ち下流のあたりをザブザブと渡渉。水深は膝くらいで済んだが,当然氷のような冷たさで,渡渉を終えて登山靴に再び履き替えるまでは一人で悶絶していた。
沢足袋は渡渉点にデポし,さっそく千回沢山北東尾根に取りつく。この時点では積雪は大したことはないが,藪はほとんどなく,歩きやすい。
沢足袋は渡渉点にデポし,さっそく千回沢山北東尾根に取りつく。この時点では積雪は大したことはないが,藪はほとんどなく,歩きやすい。
それでも標高が上がるにつれてシャクナゲの藪が出てくるが,次第に積雪に埋もれつつあり,突破はそれほど難しくない。標高700mくらいでラッセルがスネを越え,スノーシュー装着。
それでも標高が上がるにつれてシャクナゲの藪が出てくるが,次第に積雪に埋もれつつあり,突破はそれほど難しくない。標高700mくらいでラッセルがスネを越え,スノーシュー装着。
標高点910mを越えたあたりで払暁を迎えた。
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標高点910mを越えたあたりで払暁を迎えた。
新雪をまとった雪山は,夜明けの時間帯には本当に神秘的な色調に染まる。
新雪をまとった雪山は,夜明けの時間帯には本当に神秘的な色調に染まる。
昨夜来の新雪をふんだんに枝先に載せた木立がまぶしい。
昨夜来の新雪をふんだんに枝先に載せた木立がまぶしい。
朝日に浮かび上がる冠山。おっ,南壁にもたっぷり雪が付いている。雪壁が山頂までつながっているように見えるけど…どうなんだろう。
朝日に浮かび上がる冠山。おっ,南壁にもたっぷり雪が付いている。雪壁が山頂までつながっているように見えるけど…どうなんだろう。
1月,奥美濃のモルゲンロート。
1月,奥美濃のモルゲンロート。
能郷白山の大きなシルエット。
能郷白山の大きなシルエット。
眼下には朝日に輝く雲海。
眼下には朝日に輝く雲海。
そのうち抜けるような青空に。
そのうち抜けるような青空に。
大白木山(△1082.2m,三等・滝谷)の西側は素敵な雪の平原。
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大白木山(△1082.2m,三等・滝谷)の西側は素敵な雪の平原。
大白木平と名付けたい。
大白木平と名付けたい。
もこもこヒノキが立ち並ぶメルヘンな風景。
もこもこヒノキが立ち並ぶメルヘンな風景。
ここまで来ると,藪はあらかた埋まって,美しい雪尾根に。
ここまで来ると,藪はあらかた埋まって,美しい雪尾根に。
そうか,千回沢山も,新雪期はこんなに美しい山なんだなぁ。これまでヤブが出ているこの山しか見たことがなかったので…。
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そうか,千回沢山も,新雪期はこんなに美しい山なんだなぁ。これまでヤブが出ているこの山しか見たことがなかったので…。
大白木平を振り返る。(が,このあたりからカメラのレンズ内に結露が発生し,温めても曇りが取れず。見にくい写真ばかりですみません…)
大白木平を振り返る。(が,このあたりからカメラのレンズ内に結露が発生し,温めても曇りが取れず。見にくい写真ばかりですみません…)
穏やかな印象しかなかったこの尾根だが,意外にも終始雪庇が出ている。厳冬期にこの尾根に吹きすさぶ風雪の激しさが想像される。
穏やかな印象しかなかったこの尾根だが,意外にも終始雪庇が出ている。厳冬期にこの尾根に吹きすさぶ風雪の激しさが想像される。
雪庇と反対側の斜面は雪が烈風で吹き払われてウインドクラストしており,なるべくそちらを選びながら歩く。
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雪庇と反対側の斜面は雪が烈風で吹き払われてウインドクラストしており,なるべくそちらを選びながら歩く。
P1194mに立つと,目の前に千回沢山の姿が。
P1194mに立つと,目の前に千回沢山の姿が。
P1194mの西側あたりは,素敵な雪の平というか,ちょっとした二重山稜のような複雑な地形になっていて,歩いていて楽しい。
P1194mの西側あたりは,素敵な雪の平というか,ちょっとした二重山稜のような複雑な地形になっていて,歩いていて楽しい。
面白い形の雪庇。
面白い形の雪庇。
千回沢山への最後の登りに差し掛かると,尾根が広いためかウインドクラストした雪面がなくなり,膝くらいのラッセルとなってちょっと苦労。
千回沢山への最後の登りに差し掛かると,尾根が広いためかウインドクラストした雪面がなくなり,膝くらいのラッセルとなってちょっと苦労。
千回沢山山頂直下は,すっきりとした雪稜。これがあのヤブの千回沢山とは思えない姿だ。
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千回沢山山頂直下は,すっきりとした雪稜。これがあのヤブの千回沢山とは思えない姿だ。
振り返る。
千回沢山に到着。灌木の枝に括り付けられたプレートがギリギリ雪面に出ていたが,あと一降りで埋まるだろう。
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千回沢山に到着。灌木の枝に括り付けられたプレートがギリギリ雪面に出ていたが,あと一降りで埋まるだろう。
山頂にも雪庇が張り出し,無雪期よりもだいぶ広くなったように感じる。
山頂にも雪庇が張り出し,無雪期よりもだいぶ広くなったように感じる。
次に目指す不動山方面の眺め。
次に目指す不動山方面の眺め。
冠山と,その向こうの白山。
冠山と,その向こうの白山。
白山アップ。今日の白山は,まさに「The Day」に違いない。
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白山アップ。今日の白山は,まさに「The Day」に違いない。
越美国境の中でも,ひときわ白い金草岳。積雪期のこの山は本当に目立つ。
越美国境の中でも,ひときわ白い金草岳。積雪期のこの山は本当に目立つ。
美濃俣丸から笹ヶ峰にかけての眺め(たぶん)。あちらもだいぶ仕上がってきたようだ。
美濃俣丸から笹ヶ峰にかけての眺め(たぶん)。あちらもだいぶ仕上がってきたようだ。
こちらは,無雪期に過去2回たどった千回沢山の北尾根。北尾根は,今回の北東尾根以上にブナがきれいなので,積雪期もぜひ辿ってみたいなぁ。途中,尾根が痩せているところが白く輝いて見えており,ちょっとしたナイフリッジっぽくなっているらしいのが気になるが。
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こちらは,無雪期に過去2回たどった千回沢山の北尾根。北尾根は,今回の北東尾根以上にブナがきれいなので,積雪期もぜひ辿ってみたいなぁ。途中,尾根が痩せているところが白く輝いて見えており,ちょっとしたナイフリッジっぽくなっているらしいのが気になるが。
さて,不動山を目指して,いったん千回沢山を後にする。
さて,不動山を目指して,いったん千回沢山を後にする。
千回沢山〜不動山間の尾根は,ところどころ細めのところもあって,雪庇の張り出しはこれまで以上。
千回沢山〜不動山間の尾根は,ところどころ細めのところもあって,雪庇の張り出しはこれまで以上。
この稜線も2020年11月に藪をこいで辿ったことがあるが,こんなにダイナミックなアップダウンのある尾根だったっけなぁ。季節によって全然違う場所に思えて面白い。
この稜線も2020年11月に藪をこいで辿ったことがあるが,こんなにダイナミックなアップダウンのある尾根だったっけなぁ。季節によって全然違う場所に思えて面白い。
千回沢山を振り返る。
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千回沢山を振り返る。
千回沢山と不動山の中間地点である最低鞍部にある,不思議な平。ここは,無雪期に藪漕ぎで通った際は,池が干上がった湿地のようになっていた場所だ。
千回沢山と不動山の中間地点である最低鞍部にある,不思議な平。ここは,無雪期に藪漕ぎで通った際は,池が干上がった湿地のようになっていた場所だ。
この鞍部は大きめのブナが多く見られ,今回のルート中では一番森が美しい。しかし,レンズ内の曇りがとれないなー。
この鞍部は大きめのブナが多く見られ,今回のルート中では一番森が美しい。しかし,レンズ内の曇りがとれないなー。
Ca1220mへはすっきりした雪の急登。シュカブラの陰影が美しい。
Ca1220mへはすっきりした雪の急登。シュカブラの陰影が美しい。
不動山が近づく。
不動山が近づく。
不動山山頂直下。これがあの不動山かぁ。ヤブ山としての不動山は丸っこくて目立たない山だけど,今は雪庇に縁どられて,意外にも鋭角的に見える。
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不動山山頂直下。これがあの不動山かぁ。ヤブ山としての不動山は丸っこくて目立たない山だけど,今は雪庇に縁どられて,意外にも鋭角的に見える。
不動山山頂に到着。おや,こんなプレートあったっけ? おそらく,千回沢山と同じ人が付けたのだろう。
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不動山山頂に到着。おや,こんなプレートあったっけ? おそらく,千回沢山と同じ人が付けたのだろう。
不動山から越美国境稜線を望む。
不動山から越美国境稜線を望む。
美濃俣丸から笹ヶ峰にかけて。あちらも稜線はもう真っ白だ。
美濃俣丸から笹ヶ峰にかけて。あちらも稜線はもう真っ白だ。
新雪かがやく不動山に興趣は尽きないが,帰路も長い。ぼちぼち戻りましょうか。
新雪かがやく不動山に興趣は尽きないが,帰路も長い。ぼちぼち戻りましょうか。
霧氷の森が美しい。…が,いかんせんレンズ内の曇りがとれないー。
霧氷の森が美しい。…が,いかんせんレンズ内の曇りがとれないー。
長い長い尾根を,白銀の奥美濃を眺めながら引き返していく。
長い長い尾根を,白銀の奥美濃を眺めながら引き返していく。
渡渉ポイントまで降りてきた。さあ,枝にぶら下げておいた半分凍った沢足袋に履き替えて…
渡渉ポイントまで降りてきた。さあ,枝にぶら下げておいた半分凍った沢足袋に履き替えて…
再び渡渉,そして再び悶絶。足の冷たさに飛び跳ねながら登山靴に履き替える。
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再び渡渉,そして再び悶絶。足の冷たさに飛び跳ねながら登山靴に履き替える。
林道塚線の接続道路は,意外にも今日の轍がいくつも刻まれていてびっくり。自転車の轍もあって,なおびっくり。地元の方かな? 冠山峠道路の開通で,冬も林道塚線は意外に賑やかなようだ。
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林道塚線の接続道路は,意外にも今日の轍がいくつも刻まれていてびっくり。自転車の轍もあって,なおびっくり。地元の方かな? 冠山峠道路の開通で,冬も林道塚線は意外に賑やかなようだ。

感想

 奥美濃の遠き山,千回沢山と不動山。深い藪に包まれているうえ,徳山ダム建設により徳山の山々の主である旧徳山村の住人の方々がこの地を去ってからはアクセスも限定的になってしまったため,岐阜の山の中でも最も登りにくい部類に入るとさえ言われることもある山である。
 この山には,過去に何度か訪れたことがあるが,いずれも無雪期であった。

【参考: 過去の千回沢山・不動山の山行記録】
・ 2019年11月9日…千回沢山(紅葉のイチン谷から)
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2099715.html
・ 2019年11月16日…不動山(ロボット尾根〜紅葉の励谷から)
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2110494.html
・ 2020年11月28日〜29日…不動山&千回沢山(晩秋の不動谷〜千回沢)
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2773377.html
・ 2021年11月21日…千回沢山(ショウガハナ越えで北尾根から)
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-3771465.html
・ 2022年5月5日…千回沢山(赤谷を歩いて新緑の北尾根から)
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4263352.html

 積雪期のこの2山は,アクセス路である国道417号線(岐阜側)や広野ダムの周回道路(福井側)が冬季通行止めとなるため,これまでは冬季通行止めの解除を待って,短い残雪期をねらって登られるのが通常であった。
 しかし,事情が大きく変わった。「通年通行可能」な冠山峠道路(国道417号線の岐阜・福井県境区間)が,昨年11月に開通したのである。これまで1月〜2月は周辺道路が全て深い積雪に埋もれ,日帰りで到達することなど能わなかった厳冬期の奥美濃の最深部に,誰でも簡単にアクセスできるようになった。白山で例えれば,厳冬期でも白山公園線の風嵐ゲートがフルオープン&別当出合まで除雪完備・通行可能になったのと同等のインパクトがあると個人的に思うのだが,どうでしょう。言い過ぎ?
 登山者の勝手な感傷としては,遠い山というイメージが薄れることは少し寂しくもあるのだが,そんなこと言いつつも,登らずにはいられない。今年は暖冬傾向が続いて雪が少なめだが,先週のP1128mと若丸山(この2つのピークも,冠山峠道路が開通したらまず行きたかったところの一つ)で稜線上はもう十分雪があることが分かったので,千回沢山と不動山に登ることにした。新雪をまとったこの2山がどんな姿に変貌するのか,是非見てみたい。
 最も不安だったのは,登路とする千回沢山北東尾根(現在では最もメジャーな残雪期のルート。先駆者に敬意を表したい)に取りつくための,揖斐川源流の渡渉。なにしろ,新雪豊富な厳冬期の赤谷の水量がどうなっているのか,(恐らく徳山ダム完成前の徳山の住人の方々を除けば)これまでほとんど誰も見たことがないのだ。渡ろうとしたヤツはもっと少ないだろう。標高が高ければ,水という水が全て凍る真冬は当然水量が少ないと確信できるのだが,この山域の標高だと予想がつかない。しかも,前日まで大雪だったので,これもどう水量に作用しているのか心配だった。しかし,山行当日も前日までの寒気が残って冷え込みが厳しかった(早朝の徳山ダムで−3℃)のが幸いしたのだろう,ヘッドライトに照らされた赤谷と才ノ谷の合流部の水量は無雪期に見慣れたものと左程変わらず,下半身裸(最悪,これも想定していた)にならなくても渡ることができた。もちろん,水は拷問のように冷たく,登山靴を履き終えるまで生きた心地がしなかったが。
 千回沢山と不動山の稜線は,新雪と霧氷でまばゆいほどに白く輝く世界となって迎えてくれた。私がこれまで無雪期のヤブの姿しか見たことがなかったせいもあると思うが,同じ山とは思えないほどの変貌ぶりだ。特に,稜線のほぼ全区間に渡って雪庇とシュカブラが発達していることに驚いた。厳冬のこの稜線は,思った以上に季節風にまともに叩かれ続けるようだ。
 無雪期にはヤブに埋もれて茫洋とした高まりにしか見えない千回沢山と不動山の山頂も,いずれも鋭い雪庇に縁どられて,妙に尖って形良く見え,そこに向かって粉雪を蹴りたてながら,一歩一歩歩いて行く心も自然と高まった。
 もちろん,冠山峠道路が開通した今,これらの風景も,今後は当たり前になっていくのだろう。しかし,今日この日は,新雪の山頂に立ち,これまで想像の中で思い描くだけだったこの1月の稜線を現実に眺めているというだけでも,何とも言えない不思議な感覚に包まれていくようだった。

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コメント

釣り用のスーツを着用したら、厳冬期でも赤谷を渡渉して千回沢山へ行けるんやない!?  
次回、行っちゃいませんか!
と、ミノマタの反省会で「冬のジャブリングバージョンですね」と、盛り上がっていました

なんと、もう行かれたとは!
感服
さすがでございます
目のつけどころが高過ぎです(笑)
もんり
2024/1/15 5:49
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moriman1971さん

やはり考えることは同じですね〜笑
この標高の場合、まとまった降雪直後の川の水量がどうなるのか分からず一番心配だったのですが、そんなに水量多くなくて良かったです(よく冷え込んでいたからかもしれませんが)。

釣り用のスーツとかウェーダーとかがあれば良かったのですが、持っていないので、靴を脱いでズボンを膝までたくし上げるという原始的な方法で渡渉しました。転倒防止に沢足袋だけは履きましたが。当然悶絶しました。

もんりさんも是非、厳冬の不動千回沢にお出でください! これまでヤブ全開のこの山の姿しか見たことがなかったので、純白の新雪とトガッた雪庇をまとった姿は、いち不動千回沢ファンとしては熱いものがありました。
2024/1/15 23:33
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hillwandererさん
ジャブリングの冬アイテムを着用して、テルくんを抱っこして、hillwandererさんのポイントを含め3箇所渡渉を試みましたが、う〜む…渡れませんでした

今日の揖斐川町は15℃。昨日の雨と融雪のためか、夏より増水しており、千回沢山は遥か遠く、指を咥えて…

またのチャンスに、「純白の新雪とトガッた雪庇をまとった姿」で、熱くなりたいと思います!
2024/1/19 15:11
moriman1971さん
うむむ〜、最強ジャブラーコンビを跳ね返す水量とは…。ここまで積雪が増えてくると、ちょっとの気温上昇や降雨で一気に増水してしまうみたいですね。この時期の渡渉は、「よく冷え込んでいること」が条件なのかもしれません(渡渉する身にはこたえますが…)。私が登った日は、早朝で−3℃くらいでした。日中でも0℃を少し上回った程度だったのではないかと思います。

ショウガハナを越えて北尾根から登る手もあるかもしれません。その場合は才ノ谷とイチン谷の水量をカットできるので、若干水量が少ないかもしれません(実際見てみないとわかりませんが…)。

次はグッドタイミングをつかめるといいですね〜。ところでジャブリングの冬アイテム、気になる!
2024/1/19 21:14
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hillwandererさん
ジャブリングの冬のアイテムを大袈裟に表現して、申し訳ありません
ただのウェーダーです
セパレートタイプで股下までしかありませんが、軽くてコンパクトなので、デポせずにザックに入れて持ち運べます
いい感じだったのですが、赤谷はそれを上回っていました(笑)

ところで、濡れるとか濡れない以前に、ヘッドライトで轟音の黒い帯へ突入するのは、相当強いメンタルがないとできませんね…
僕はテルくんがいたから怖さはやや紛れましたが、hillwandererさんのメンタルは恐るべし!
2024/1/21 5:30
moriman1971さん

そういうコンパクトなタイプのウェーダーもあるんですね〜。というか,水深は股下を超えていたということですよね。本当にかなり増水するんですね,おそろしや…。

いやー,徳山ダム湖をジャブジャブ泳ぎ回るのもかなりメンタルが強くないとできないと思いますよ
私は赤谷に何度か沢登りで来ていて,その度に同じポイントを渡っているので,慣れてしまっているのはあるかもしれません。もし初見だったら確かにちょっと怖いかも…。
2024/1/21 10:20
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