乗鞍富士見沢 痛恨のミス
- GPS
- 05:22
- 距離
- 12.0km
- 登り
- 938m
- 下り
- 1,324m
コースタイム
- 山行
- 4:51
- 休憩
- 0:29
- 合計
- 5:20
天候 | 快晴 位ヶ原から上部は強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
今週の大雪も乗鞍周辺の雪量増にはあまり貢献しなかったようだ。 富士見沢上部は硬い所やシュカブラはなし。中間から下には少し深く柔らかい所があった。 ツアーコースは足跡や滑走痕でデコボコ、それほど固くはないので滑走は可能。 入口急斜面上と6番標識下の溝はまだ深さがあるので滑走時用注意。 |
その他周辺情報 | 休暇村乗鞍 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
ネックウォーマー
バラクラバ
毛帽子
着替え
ブーツ
ザック
ビーコン
スコップ
ゾンデ
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
ガムテープ
常備薬
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ピックストック
ナイフ
カメラ
ビンディング
スキー板
シール
|
---|
感想
富士見沢トップ(2770m)で片方のシール付きのままのスキーを流すと云う痛恨のミスをしてしまった。木の枝でワカンを作り下山する覚悟もしたが幸運なことに富士見沢下部(2470m)でダケカンバの横に立てて頂いているのを見つけた。何方かに危害を加えたような形跡も認められず安心した。一応ビバーク可能な装備は持っているものの遭難騒ぎにもなりかねないような重大なミス、しっかり反省せねば。
先日の北陸東海の大雪の恩恵を乗鞍でも受けたのでは、富士見沢には美味しそうなパウダーが溜まっているのではと云う想いが募りliliioさんに連絡をとると我家にまで迎えにきて同行してくれると云う優しい返信、今回も滅多にない機会だからと家内を拝み倒し、liliioさんと一緒ならとOKをもらう。
4時にliliio号で迎えに来てもらい7時半頃に乗鞍第3Pに到着、途中乗鞍ブルーの剣ヶ峰が見えたがその下の位ヶ原辺りに白いものが見えて嫌な予感も。
1回券3枚購入してリフト3本乗り継ぎツアコース入り口へ、ここでシールを貼り登りスタート、気温は-10℃位と低いが登りだすと直ぐに暑くなってきた。目立った新雪は殆どなし、既にトレースもばっちりできている。入り口急斜面は右手の森の中を登った。
ツアーコース内は風は弱く、コース両脇にはまだ柔らかい雪が残っている。
位ヶ原急斜面下で休憩、ここでヘルメットと手袋を低温用に入れ替え、急斜面を登り始める。位ヶ原に抜け出ると強風と雪煙のご挨拶を受ける。剣ヶ峰などは雪煙に霞み、穂高の峰々などは全く見えず。
風が強いので屋根板への転進も頭をよぎったが取り敢えず計画通り富士見沢を目指し滑り台を登る。摩利支天分岐まで上がると風は更に強まり、フラフラしながら富士見沢コルへ向かう。
強風を避けるため富士見岳側の急斜面に入り滑走準備のための足場を作った。スキーを流してはいけないという意識は当然あったが、甘かった。スキー2本を雪面に刺してから片側のスキーのシールを剥がしている時ふと後ろを見るとスキーがない!斜面を見ると大事なスキーがトップを下にして滑っていく。そして直ぐに雪煙で見えなくなってしまった。
シール付きなので何処かで止まっているのではと云う甘い期待を持ちながら片足スキーで滑走痕など注意し下りはじめた。
コルで滑走準備を終えたliliioさんも捜索に加わってくれゆっくり下る。
2650m辺りまで下りると視界も効くようになるがスキーはおろか滑走痕さえ見当たらない。この時点で木の枝でワカンを作り下山する覚悟もした。
両足にスキーを履いての片足スキーは簡単だが片足にスキーのない片足スキーは結構難しいし疲れる。2600m付近で左右いずれの谷を下るか迷ったが木の少ない左を選んだ。優しいliliioさんが自分の片側のスキーを貸してくれた。ビンディングサイズが合わなくてもテックビンディングは先端のピンだけ固定し、ヒールフリー滑走ができて助かる。2470m付近に来た時下方に不自然に垂直に立つ黒っぽい棒状のものが見えた、もしやと思い近づくと、あったー! どなたか先行された方が見つけて目立ちやすいようにダケカンバ近くに刺し立て、倒れないようにリューシュで固定までしてくれてあった。何方か分かりませんが有難うございました。大げさな言い方になるかもしれませんが命の恩人です。
ここから両足にスキーのあることの有難さを改めて感じながらエコーラインまで下り、遅い昼食を摂った。
後はエコーラインを登り返し、ゴテゴテになったツアーコースを滑り降り、混み合うスキー場も一気に滑り降りて無事下山することができた。滅茶苦茶疲れた。
道具を片付け、休暇村の温泉に入ってから木曽福島で早めの夕食を摂って20時には帰宅できた。liliioさんには「疲れたでしょうからどうぞ寝ていてください」などと労りの言葉までかけてもらいながら我家まで送ってもらいました。有難うございました。
反省事項
(1)強風を避けるとはいえ急斜面で滑走準備をしてしまった。
・liliioさんは強風下のコルで準備できた。
(2)倒れれば滑走面とトップが下になる向きにスキーを刺し立ててしまった。
・刺し立ては極力さけ滑走面を上にビンディングをしっかり雪面に食い込ませて置く。
・刺し立てせざるを得ない場合でも倒れた時に滑走面が空を向く向きにする。
自分としては今後上記に留意すると共に滑走準備作業に支障のない長さの紐を準備し急斜面ではリューシュに結ぶようにしたい。
今シーズン初めてのファントムさんとの山行き、白川郷方面と行先を悩んだけど結果、また乗鞍へ、そしてリフト使用して楽をするプラン。スキー場からは剣が峰が見えるが中間部と摩利支天は雲に隠れている。長野県側の乗鞍は強風で雪が飛ばされたのか?あまり新雪が少ない、摩利支天の斜面(滑り台)もカリカリ気味で視界不良、風はビビるほどの強風ではない。予定どおり富士見沢トップへ出て二人少し離れた所で滑走準備、ファントムさんが何かこっちに向かって喋っている「スキーのシールの袋を飛ばしててしまった、、、?」、ファントムさんは準備をしてサッサと下りていった、雪の状態をみるため?、シールの袋を探してるとか?思っていた。自分も準備をしてファントムさんのそばまで行くと、何と左足にはスキーが無い、滑走準備中にシールを付けたまま富士見沢の大斜面にスキーを流してしまったようだ。斜面は固めなのでシールを付けたままでも結構流れて行ったのか。二人でスキーを探しながら下りる、途中で片足スキーを交代、片足でも滑れる?懸垂と一緒で昔はできたかもというやつで直ぐに足が疲れて横滑りでしか滑れない、富士見沢の上部でよくまぁ片足スキーでファントムさんは下りて行ったなと感心しながら、どういうルートで降りようかと相談、位ヶ原山荘まで下り、時間はかかってもツアーコースに戻り壺足で行く案とした、しかしなんと標高差300M下った所でファントムさんのスキーが木に立てかけてあるのを発見、誰かがわかるよう立てかけてくれたんだ、ありがとうございました、ほんと助かりました。スキーが見つかった時は安堵の気持ちで一杯になりました。
初めまして、流したスキーに辿りつけて本当に良かったですね。
私が道路からシール登行していた時に上部から滑走してきた4〜5人Pの方々から、見つけたスキーをダケカンバに括り付けたと話されていました。私も登って行き写真を撮らせて頂きヤマレコ記録に載せましたが心配していました。
私が道路まで滑走し、ツアールートに戻るため道路をシールで進もうとしていた時に、後方の道路に滑り込んできて休んでいたお二人でしたか?
私も大昔に湯の丸山頂から旧鹿沢スキー場跡に滑走し、角間峠経由で登り返し2本目を滑ろうとして準備の最中に流してしまい、片足で下まで降りた経験があります。
こちらこそ初めまして、ヤマレコのレポ良く拝読させて頂いています。
探しながら下っても中々見つからず、どうやら片スキーのまま下山しなけらばならないかと覚悟を決めた後での発見で本当に嬉しかったです。スキーは標高差約300mを直滑降したようで無傷でした。見つけてダケカンバに縦に括り付けて頂いた方に感謝です。
時間的にみてエコーラインに出た時、屋根板入り口におられ位ヶ原へ向かって出発された方がteledaisukiさんだったようですね。
今回の大ミスを反省し気を付けながら細々とはなりますがこれからも安全に山スキーを楽しんでいきたいと思っています。同年配の山スキー愛好者としてこれからも宜しくお願い致します。
興味深く拝見しました。私も爆風でのセットアップはいつも苦労しています。風を避けて急斜面に入ってからのモードチェンジは良くやりますが、私が心掛けていることを書かせていただきます。
それは片足ずつ外して、一つひとつの作業を確実にこなし、履いてからもう片方に取り掛かる事です。今日の富士見沢でもそうしましたが、ミスする要素を出来るだけ省いた方が安全であると考えています。特に極悪環境であればあるほど一つの作業に集中出来ます。紐で縛る事にすると、余分な作業が増えることになりそうです。生意気な事をお許し下さい。
貴重なご意見有難うございます。ごもっともな方法だと思います。
実は今回のミスにはもう一つ副因がありまして、今回の板に使っているシールはスキートップの溝にシール先端のゴムパーツを引っ掛けるタイプなのですがこのゴムがきつくて両足を踏ん張って渾身の力を籠めないと脱着できないのです。(加齢による筋力低下もあるかもしれません)この日もツアコース入り口で苦労して装着しており、富士見沢トップでのシール外し時にもこのことが頭にあって他への注意力が低下していたと思われます。本当はこちらの方を先に解決すべきだと思うのですがこのシールには調整個所がなく買い替えしたい所です。しかし来季も山スキーができるか判らないという年齢故そう簡単に新たな投資もできないというジレンマもあります。取り敢えず手持ちのものを使って簡単にできそうな方法が紐作戦かなと思っています。ちなみに私は雪の斜面で落とすと滑って失くしてしまいそうなスマホやカメラには紐作戦を実行中です。
自分も板を流した経験があり
その時の悲しさ、虚しさ、
情けなさを今でも忘られません
せっかく登ったのに広大な斜面を
前にして滑れ無い虚しさ
片足スキーは難しいし疲れますよね
深雪だと身動きとれなくなり
一歩間違えれば遭難する危険も
自分も他人事だと思わず
注意しないと!
でも無事に板が見つかり
他人に怪我をさせる事も無く
帰れたので良かったですね!
今回は幸運にも無事見つかりホッとしましたが一歩間違えば遭難騒ぎになる可能性もあった訳で深く反省しているところです。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する