三峰山-妙法ヶ岳-霧藻ヶ峰-白岩山-雲取山縦走突破作戦【乙84.1】
- GPS
- 12:00
- 距離
- 38.5km
- 登り
- 2,683m
- 下り
- 2,584m
コースタイム
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年06月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
三峰から妙法が岳方面へ向かうところで登山ポストあり。 温泉は三峰山や奥多摩にあり。 三峰山は車でも行けるので飲食店もいくつかある。 妙法ヶ岳直下鎖場あるも大したことなし。 |
写真
感想
大体の山歩きガイドブックには雲取山について日帰り登山は無理・困難と不安を煽るがごとき文句が垂れ流されているが、そんなわけはあるかと清涼一発、暑気払いの景気付けに登ることとする。
東京の最高峰を攻略する。これは東京都民としてやっておかねばならぬだろう。それに2000m級の山なら涼しいはずだ。
そんな気持ちで構想した計画は、雲取だけでは芸が無いので秩父三社のうち唯一参詣していない三峰神社にも行こうという要求も取り入れ結局三峰から妙法ヶ岳、霧藻ヶ峰、白岩山を経て雲取山登頂の後奥多摩へ抜けるという総距離30kmくらいの大作戦となってしまった。暗くなる前に麓に降りられれば良い。そんな感じである。
雲取への思いが強いのと同様、三峰への思いも強い。同じ年の3月頃に三峰攻略を目指したが寒すぎるやら何やらで断念。今回こそはやるぞ、と。
話はそれるが、山に登る人には日本の神々を畏敬する心を持っていただきたいと思う。山の中に神社や祠等がたくさんある意味についてよくよく考えていただきたい。そうすれば、山道に飴の包み紙やら何やらを捨てていくことも無くなるだろう。
閑話休題。さてさて、しかし一応心配だったので、夏至に近い週末を選んで作戦を決行することにした。
ここまで読んだ方の中に「なんだ雲取山てガイドブックに書いてあるほど大変じゃないのか」と勘違いして遭難する人がいてもいけないので念のため書いておくと、私は万全の準備、計画、態勢でやっているので、この記事だけ見て軽々に行かないように。
決行は6月27日(確か土曜日)
実を言うと前夜は職場の飲み会だった。乾杯のビールに加え、「玉之光」約2合、「賀茂鶴」、「一の蔵」等を飲む。酔いを翌日に持ち越したことは無いから大丈夫だろう。就寝は2330時頃。
梅雨の最中の貴重な晴の日。また、酔い覚ましに山歩きも良かろうと迷いは無かった。0400時頃起床。体調は悪くない。
最寄駅の2つ先の駅まで自転車で行き、そこから電車に乗る。
0700時頃三峰口駅発
一般的には、三峰口駅からバスやタクシーに乗って三峰神社まで行くらしいが、時間は十分あるので駅から大輪まで歩いていくことにした。昨夜の酒の影響は全く無い。
陽光が都心のこれから暑くなるであろうことを予感させる。山々を眺めると、これからここに登るのか、果たして登れるのだろうかと思ってしまう。
麓の景色だけでも十分満足し得るが、0830時頃大輪から登頂開始。古の人々が通った道を歩く。距離的には一番近い。山に入ると途端に鳥の啼声がうるさいくらいに響く。数も多いし、啼声も大きい。途中、沢や滝、陽光の差込を見ると気が安らぐ。
登っていると、結構大腿部にくる。うーむ、さすがにブランクの影響か。無事雲取山まで辿り着けるだろうか?まあ、とりあえず三峰神社まで行ってから考えよう。
0930時頃、建物を見てすわ頂上かとぬか喜びしたのを2回繰り返した後、ようやく視界が開け、鳥居を拝める所まで来た。展望台のような所からは妙法ヶ岳の奥宮を拝めるようだ。妙法ヶ岳に向かって一礼した後、三峰神社に参詣する。
ここまで車で来ることができるので1102mあるといっても人がいっぱいなのではないかと危惧していたが、数えるほどで安心した。
踵を返してビジターセンター方面へ。鳥居の近くに食事処があったのでそこで早めの食事を摂ることにする。山菜定食(1500円)を頼む。しょぼい食事が出てくるのかと思いきや案外まともで驚いた。茶を飲みながら今後どうするか考える。
吾人は三峰様にご挨拶に来たのだ。三峰とはすなわち、妙法ヶ岳、白岩山、雲取山三山の総称。三つとも行かなければ意味が無いじゃないか。この茶店で十分休んだし、時間もまだ十分ある。いけるかどうかの判断し得るギリギリの線は霧藻ヶ峰か。
1045時頃、第二段作戦開始。妙法ヶ岳、霧藻ヶ峰を制し、その上でその後の作戦展開を判断するというものである。しかし、基本線が三峰制覇であることに変わりはない。
また山道に入り、しばらく歩くと妙法ヶ岳への入口である。雲取山へは10km余とのことで、概算では1500時までには着ける計算である。この時点で、霧藻ヶ峰での判断を待たず、雲取山を踏破することは確定事項となった。よほどの困難が生じない限り行けるだろう。山をゆったりと楽しむ方々に道を譲っていただき、先へ先へ。
いくつか鳥居をくぐった後、最後に鎖場を軽々と突破し、山頂へ。(1120時)
山頂のスペースは殆ど奥宮で占められており、あまり広くなく、展望も開けてはいない。お犬様も別に祀ってある。いつか私の前にお犬様(ニホンオオカミ)が現れることを夢見て拝礼し、その場を辞する。「妙法」などと言うと日蓮宗と関係あるのか知らんと思ったが良くわからなかった。
来た道を途中まで戻り、分岐を地蔵峠経由霧藻ヶ峰方面へ至る道をとる。
地蔵峠、三笠宮殿下・妃殿下レリーフを経て霧藻ヶ峰へ。(1210時)
案外あっさりと着いた。しかし、ここは1523m。最終目的地まで標高差があと500mもある。遠方の山々には霞がかかり、残念ながらすっきりとした風景とはいかなかったが、気分は晴れ晴れとしている。
雲取山は人気が高いらしく、今まで登った山の中ではすれ違う人の数も多い方である。山を愛する同志として慰労の気持ちを持って挨拶する。
1300時頃に、前白岩山(1776m)、1330時頃に白岩山(1921m)を突破。
この辺りになると、山頂等で休もうにも至る所でハエが乱舞しておりとても落ち着いて休める状況ではない。霧藻ヶ峰では殆ど休まなかったが、休んでおけば良かった。水分も枯渇してきた。非常によろしくない状況だ。
そこへタイミング良く、山小屋があり、「のみみず」の文字。非常にありがたい。一杯がぶのみした後、空になったペットボトルに水をつめて、最後のひと踏ん張り。大ダワで小休止の後、最後の突撃を敢行。
1430時頃、予定よりも早く雲取山(2017m)到達。下山も明るいうちにできるだろう。
相変わらず、遠方の山々には霞がかかり、くっきりはっきりとはいかなかったが、感慨もひとしおである。それにしても、ここもハエが大量発生しており、他の登山者も対応に四苦八苦。アフリカ人民のような感覚でないととても耐えられない。
蝿のいない中、すばらしい展望が望めるのは秋くらいであろう。秋にまた再登頂することも考えておこう。
下山開始。富田新道から日原に降り、奥多摩へ出るルートである。
それにしても、2000mの高さから笹の生い茂る道を下る一方であるため、今までどうともなかった膝に一気に負担が来た。仕方なく速度を落とす。日の光も弱まってきたようだし、大丈夫だろうか?
1600時頃 唐松谷まで降りる。あとどれだけで着くのか見当も着かないが、1時間以上誰とも会わなかったことから生じていた不安が一人他の登山者を発見したことにより薄らぐ。私が林道に出たのはそれからまもなくのことであった。
林道に出たとは言え、まだ山の中。街灯も何も無い。日のあるうちに街灯のあるところへ出て水分を補給したい。山小屋で汲んだ水はとっくに無くなっていた。もう一つのペットボトルにも水を入れておくべきだった。飲み物と明かりを求めてややスピードを上げつつ林道を下る。途中茶店があり、茶店は閉まっていたが自動販売機があったので、これ幸いとコインを入れるが、返ってきてしまう。変だなあと思ってよく見たら電源が入ってなかった。ぬおお、使えねえ。
東日原バス停近くでようやく稼動している自動販売機ゲット!炭酸もので喉を潤す。バス停で腰を下ろすも、バスが当分来ないのと汗臭さに虫が寄ってくることから早々に出発。
長い日原トンネルを抜けると、後は薄暮行である。集落もたまにしか無い。バス停毎に出発時刻を確認する。先ほど対向したバスが、そのバスだろう。
本来であれば歩いて奥多摩駅まで行くところだが、最後の締めに「もえぎの湯」に浸かることを考えていたため入湯時間や受付時刻を考えてバスを利用することにした。まだ余力はあったが、上記理由及びいよいよ暗くなることを考えて、不老バス停でバスに乗車。それが当日最後のバスだった。結構混んでいたので、その時点で乗らなきゃ良かったと最初の後悔。
奥多摩駅に着き、改札へ向かう面々を尻目にもえぎの湯へ向かうが、受付終了していた。嗚呼、こんなことなら奥多摩駅まであと2km半だったし、徒歩貫徹すりゃあ良かった。ご利用は計画的にとはまさにこのこと。第二の後悔。
結局、後味の悪い終わり方にはなってしまったが、作戦目的は概ね達せられたものと認む。今回の教訓を土台に、再登頂や次回作戦を完全なる成功に導きたいものである。
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