長野県塩尻市 霧訪山&大芝山
- GPS
- 04:50
- 距離
- 5.1km
- 登り
- 552m
- 下り
- 531m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年05月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
長野自動車道の塩尻ICから国道20号線に入り、子坂田公園を過ぎた次の交差点を右折し国道153号線に入り、左折して赤い下地に白色の字で「分水嶺」と書かれた看板がある善知鳥峠を越えました。 JR中央線と併進すると左側にセブンイレブンがあり、北小野集落の中に神社の森が見えました。小野神社と矢彦神社が並んであり、矢彦神社の南側の細い道に入り案内板に従って両小野中学校の裏を周り、畑の中を霧訪山登山口に向かいました。 水道施設の横にある簡易トイレが設置してある10台程の駐車スペースに車を置きました。 準備を整えて畑の中の道を霧訪山北小野登山口へ向かい、赤松と唐松の混じった林に入ると「霧訪山登山口」と書かれた横断幕がある登山口(北小野)になりました。霧訪山は松茸の産地のようで、登山者以外入山禁止の標示があり、登山者にも注意事項などが標示されていました。登山道沿いには脇道に入らないようにトラロープが張ってあり、プラッスチック製の土留めで作られた急勾配の階段を20分程登って行くと、御嶽山大権現の石碑とすぐ上には木製のベンチがありました。さらに登って行くと平らな所に高圧線の鉄塔があり、「かっとり城跡」の標柱と木製のベンチがありました。 尾根道を登って行くと東側斜面には唐松の林、西側斜面は赤松の林になり、歩道横の赤松林に青い波トタンで作られた四畳半程の広さの三角屋根の作業小屋がありました。 東からの尾根にぶつかるとなだらかな登りになり、ひとつコブを登ると東側の展望が開け、採石所と大芝山が見え、さらにひと登りで標高1305.4mの霧訪山に着きました。 山頂には二等三角点があり、見渡す限り360°の眺望で展望案内盤を見ながら槍ヶ岳から奥穂高岳、中央アルプスさらに八ヶ岳、美ヶ原、霧ケ峰などの展望を楽しむことができました。手前の塩尻の街並みの奥には、松本空港の滑走路も見えました。残念ながら南アルプス方向は、ガスがかかってはっきりとは見えませんでした。 山名を標示してある標柱には、「日本の中心地」、「分水嶺」と書いてあり、小さな祠の付近には、お目当てのオキナグサが陽を受けて数株咲いていました。吊した鐘がある南方向に進むと、南側の登山コースになっており北小野の登山口へ下がれるようです。 分水嶺登山道を尾根伝いに北へ進み、大芝山へ向かいました。 直ぐに尾根を直接下がる男坂と、林の中をジグザグに下がる女坂の標示板があり、大芝山方面から登って来た登山者から、女坂の方がカタクリの花がたくさん咲いていると教えてもらいました。迷わずに女坂を下がることにすると、明るい春の日差しが差し込んでいる広葉樹林の中に、ピンクのカタクリの花があちこちに咲いていました。人の手が入っていない自然の中のカタクリの花は色合いも良く、初めて目にしました。 採石場の上を通過する尾根道には、今年の4月に遅い雪が降り、湿った重い雪のため枝がたくさん折れて落下していました。 平坦な尾根を進み、小さなピークの高圧線の鉄塔がある「たきあらしの峰」に着くと南方向には登頂してきた、登山口の北小野からの稜線と霧訪山が見えました。 北方向の山尻からは、平野が広がり塩尻の街も見え、高圧線鉄塔の横を下がって行くと、平坦になった歩道両脇にカタクリの花がたくさん咲いていて、ヤマエンゴクサやエンレイソウ、ヒメイチゲも加わって花畑になっていました。 標高1210mの大芝山は山頂の標示が無いと、山頂を見過ごしてしまうほどなだらかな山頂で、カタクリの花に囲まれて昼食を採りました。 大芝山の肩からは洞の峰展望台を経て下西条へ向かう道と分かれて、分水嶺登山道を善知鳥峠に向けて下がりました。 唐松林に沿って下がり、赤白の高圧線鉄塔を通り抜けて善知鳥峠の中央分水嶺登山口に到着しました。 |
写真
感想
霧訪山に登頂するきっかけになったのは、ベテランの山仲間の先輩から5月のこの時期にまだ見たことが無いオキナグサの花が咲いていると聞き、無性に登頂したくなりました。
調べてみると、標高1500m以下の名山100プラス1をとりあげた小林泰彦の「日本百低山」にも名を連ねています。
霧訪山は標高300mクラスの低山で塩尻市と辰野町の間にあり、里人に深く親しまれた里山です。1564年武田勝頼が戦勝祈願のため鐘を鋳造して霧訪山の麓の小野神社に寄進したそうです。
いつのころからか雨乞いのためにこの鐘を霧訪山へ引き上げて鐘を打ち鳴らし、帰りは山頂から転がしたと伝えがある雨乞いの山でもあり、山中では高価な松茸が採れるため、登山者以外の入山禁止がされ、信州では「止め山」と呼ぶそうです。
日本海に流れる川と太平洋側に流れる川との分水嶺になっていて位置的にみても日本の中心に位置しています。
予想以上に花を楽しめ、3つのアルプスも見渡せる360°の展望が開けた素晴らしい山でした。善知鳥峠からは車道を通り、小野神社と矢彦神社に参拝して畑の中の道を駐車場へ戻りました。
「オキナグサ」はメシベの毛が綿帽子のようになったとき、お年寄りの頭髪に似ているところから「翁草」の名前が付いたといわれていて、3月中旬に開花するので春を迎える花「迎春花」とも呼ばれているそうです。昭和30年頃までは、川の堤防や山野でよく見かけたそうですが、農薬、排気ガス、土地開発などによる地球環境の変化や乱掘などで、最近は自然界で自生する姿を見ることができなくなった。
平成9年8月に発表された環境庁の『植物版レッドリスト』では絶滅危惧粁爐縫薀鵐されている。
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