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Yamareco

記録ID: 6474664
全員に公開
アルパインクライミング
赤城・榛名・荒船

赤城山 荒山北壁 ダイレクト右上ルート 藪岩アルパインを再訪

2024年02月17日(土) [日帰り]
 - 拍手
体力度
2
日帰りが可能
GPS
07:27
距離
7.6km
登り
659m
下り
654m
歩くペース
標準
1.01.1
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
6:05
休憩
1:10
合計
7:15
距離 7.6km 登り 659m 下り 659m
6:27
1
6:28
6:29
310
11:39
12:47
28
13:15
13:16
26
天候 ガス小雪のち晴れ
過去天気図(気象庁) 2024年02月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
姫百合駐車場に駐車しました。トイレ有り。
コース状況/
危険箇所等
前回5年前の左ルートに比較して明確にクライミングの領域に踏み込んだ難易度で岩と土壁と藪に積雪、氷結と冬季アルパインの要素は一通り揃っており、藪要素が大盛りのルートです。

バットレスの登攀は弱点を辿っても+〜元蘢度のグレードとなるので、ロープでの確保が必要になります。支点は潅木や岩からとるので、必要なだけのプロテクションを準備しました。
姫百合駐車場からスタート。
姫百合駐車場からスタート。
水辺の広場への歩道を使い道路歩きを少しショートカット、カーブ33から取り付きます。
水辺の広場への歩道を使い道路歩きを少しショートカット、カーブ33から取り付きます。
標柱のピークから尾根(北稜)を北壁へ向かいます。
2024年02月17日 07:40撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
1
2/17 7:40
標柱のピークから尾根(北稜)を北壁へ向かいます。
藪の北稜の様子。藪は薄めの所もあれば濃い部分も。
2024年02月17日 08:01撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
2/17 8:01
藪の北稜の様子。藪は薄めの所もあれば濃い部分も。
動物生態調査のカメラが有りました。物好き登山者として写ってるかも。
動物生態調査のカメラが有りました。物好き登山者として写ってるかも。
今回初めて気付きました。朽ちた目印ヒモ。先人の踏み跡に思いを巡らせます。
2024年02月17日 08:17撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
2/17 8:17
今回初めて気付きました。朽ちた目印ヒモ。先人の踏み跡に思いを巡らせます。
北壁、バットレスに到着しました。前衛岩が目印。晴れ予報の筈が何故かガスと小雪交じりの風景です。
2024年02月17日 08:30撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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2/17 8:30
北壁、バットレスに到着しました。前衛岩が目印。晴れ予報の筈が何故かガスと小雪交じりの風景です。
周辺を偵察とオブザべ。バットレス下端からイケそう。
2024年02月17日 08:53撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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2/17 8:53
周辺を偵察とオブザべ。バットレス下端からイケそう。
という訳でkazuma-さんのビレイでリードさせていただきます。
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という訳でkazuma-さんのビレイでリードさせていただきます。
霧氷の藪に阻まれすぐに見えなくなります。意思疎通に無線が便利。
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霧氷の藪に阻まれすぐに見えなくなります。意思疎通に無線が便利。
リード中見降ろし。支点は灌木からスリング、もしくは岩からカムで取りました。
2024年02月17日 10:01撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
1
2/17 10:01
リード中見降ろし。支点は灌木からスリング、もしくは岩からカムで取りました。
50mロープ一杯まで伸ばして終了点は灌木から。
2024年02月17日 10:42撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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2/17 10:42
50mロープ一杯まで伸ばして終了点は灌木から。
kazuma-さんとOさんがフォローして来ます。2人同時ビレイで忙しい。
2024年02月17日 10:58撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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2/17 10:58
kazuma-さんとOさんがフォローして来ます。2人同時ビレイで忙しい。
2人には終了点から先、安定した所まで抜けてもらいます。
2024年02月17日 11:05撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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2人には終了点から先、安定した所まで抜けてもらいます。
ロープを引いてもらい後から追い付きます。
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ロープを引いてもらい後から追い付きます。
山頂まではフリーで進みますが油断できない斜度です。
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山頂まではフリーで進みますが油断できない斜度です。
山頂看板裏側から出てきます。
2024年02月17日 11:57撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
2/17 11:57
山頂看板裏側から出てきます。
荒山登頂、やりました!
2024年02月17日 11:58撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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2/17 11:58
荒山登頂、やりました!
記念に雪だるまもアルパイン仕様で。
2024年02月17日 12:07撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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2/17 12:07
記念に雪だるまもアルパイン仕様で。
晴れました。ドロドロ登山道をかえります。
晴れました。ドロドロ登山道をかえります。
2019年に赤城道路から撮影した荒山。北壁がイカツイです。
2019年01月05日 07:12撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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1/5 7:12
2019年に赤城道路から撮影した荒山。北壁がイカツイです。
本日のルートはこんな感じです。
2019年01月05日 07:12撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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1/5 7:12
本日のルートはこんな感じです。

感想

5年前に登った荒山北壁、ソロだった為左から巻き登りバットレスの詳細は不明のままでしたが、今回ご縁があってバットレスの登攀に挑戦する機会を得られました。

姫百合駐車場からスタート、晴天予報なのに見上げる荒山上部は何故かガスの中。一部車道を歩くアプローチからカーブ#33の地点でアイゼンやハーネスを装着します。

荒山北稜の藪尾根を進みバットレス基部の岩に付きあたります。この岩は遠くから判別可能で車道から荒山北壁を見ても見分けることができ「前衛岩」と呼称することにしました。

「前衛岩」は難しそうなので登りやすそうな部分を探し大休止しつつルートの選択とオブザべ。岩沿いを右側に少し降るとバットレス下端に達します。

藪っぽく先の見通しが悪く生憎のガスもあり見辛いですが、バットレス下端の左右は一枚岩状で手掛かりが少ないものの、正面からは一段越えれば先は比較的傾斜が緩いように見えます。

今回はそんな下端の岩からリードします。スタートから一段上がり、雪の付いた斜面を弱点を辿り凍土にダブルアックスとアイゼンを効かせながら高度を上げて行きます。ガスに閉ざされた景色と時折舞う小雪にアルパイン気分も盛り上がる登攀。

グレード的には+〜犬侶梗个断続的に続き、強点の岩場に突入すれば弘幣紊妨える部分もありますが、あくまで弱点を求めてルートを探ります。ランニングは灌木にスリング、もしくは岩からカムで取りますが、藪と屈曲でロープの引きは重くなります。

25mほど進むと前に大岩が現れますが、これを左右どちらに躱そうかと左を見ると急峻な凹角状に狭まる岩場になっており難しそうなのでパス。「前衛岩」同様にこの岩も遠くから判別可能で「門」と呼称することにしました。

今回は3人パーティの為、安定した終了点を求め先へ進みますが、理想的なテラスは見当たらずピッチを切る判断がつかないまま「門」からは右へルートを取り、この先も弱点に導かれるまま進みます。

終盤も嫌な所を避け右へトラバース気味に高度を上げ、無線からのロープ残り5mのコールを受け少し先の灌木にて終了点。足場はイマイチなのでセカンドビレイはハンギングで行います。

ビレイしつつ景色を眺めると、どうやらバットレス頂稜は左に見えるようで、今回のルートは頂稜右側に至るようです。

終了点から先は掘銑+程度の斜面になり、セカンドに終了点からそのまま上に抜けてもらうと、約15m程先で安定した場所となったようでした。

ロープを引いてもらい自分もバットレス頂稜を左へ眺めつつ合流。そこでロープを仕舞い10m程進みバットレス頂稜からの稜線へ乗りました。

ここからは前回の記憶を頼りに、とはいえ油断できない程度の斜面。稜線からは掘銑+の藪斜面をフリーで抜けて荒山の山頂へ至りました。

例によって祠の裏側から飛び出す山頂。アルパインクライミングの達成感を感じつつ、装備を片付けながらの大休止。最近アイスばかりで山頂に達する山行は久しぶりで仲間達と無事登頂の喜びを分かち合います。

前回の荒山北壁左ルートは、核心部分でも靴鯆兇┐覆つ度で単独だった為フリーで登りましたが、今回のルートは+〜犬侶梗个断続的に続きフリーで登るにはリスクが高くロープが必要なルートでした。冬季であれば凍土にアックス、アイゼンが効きますが、そうでなければザレの土斜面に落石の危険が増し、より困難になると感じます。

初見の為、結果的に1ピッチで登りましたが、斜面と藪、屈曲でロープが非常に重くなります。スケール的にはスタートから60〜65mの距離でバットレス頂稜付近に至るため、30m程でピッチを切り2ピッチで登るのが理想的と思われます。

25m程の位置に「門」があり、丁度この辺からルートは右上して行くので「門」付近で一旦切るのが良さそうです。(足場はそれ程良く無いですが)

時期的には藪の葉が落ち、不安定なザレがコンクリートされ、雪面ゆえにロープの引きも軽く汚れない冬季こそが適期のアルパインルートだと思いました。

そんな適期の筈なのに、藪の通過でザックもウェアもデロデロ。荒山の降りで足回りもドロドロに汚れる今回の山行、全員一致で一回行けばイイかな?なんていう物好きルートでした。

また、最近アイスの登りすぎか、持病の腰椎、胸椎の椎間板ヘルニアが悪く痛む自分ですが、kazuma-さんとOさんがロープを担いでくれ、リードの体力を温存させてくださいました。

下山後は駐車場で背筋が伸びない位に症状が悪化して、クライミング中に悪くならなくて本当に良かった。貴重なチャンスにお付き合いくださって本当に感謝しています。ありがとうございました!

前回5年前の荒山北壁の記録はこちらです。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1696115.html
※今回の山行により、前回の荒山北壁の記録に「左ルート」の追記を行いました。

●荒山北壁 ダイレクト右上ルート 60〜65m +〜
2024.2.17 yamamossan kazuma-さん Oさん

※装備等
・メット、ダブルアックス、アイゼン、ハーネスのクライミング装備

・50mダブルロープ
(全体でスタートから60〜65mのルートなので30m程で切る2ピッチ推奨)

・プロテクション カム#0.1〜#3の1セット スリング120とビナ6〜7本
(ピトン数枚、ナッツも持ったが不使用)

・適期 1〜2月、積雪があり地面が凍結するタイミングが良い

・アプローチ、下山にはチェンスパ推奨

・無線はあった方が良い

※服装等(登山口の気温は-1度)
・上、ファインのアミ、ロンT、半袖T、アルパインスタートフーディS、M、アルパインガイドジャケット。アプローチ中と下山時はガイドジャケットは脱ぎ、アルパインスタートフーディMで行動。

・下、下着の上にファインのアミ、ストームゴージュL、マルチトラウザーズ。

・ブーツ、トリオレプロにサルケン

・グローブ、インナーにBDグリセード

・頭、いつものモンベルとバフ

・アックス、旧サミテックピオレ、アズタレックスマルトー


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コメント

こんばんは😁
いつも楽しくログを見ております
荒山にアルパインルートがあるのを初めて知りました
同時登攀のビレイは大変ですよね
冬季薮パインお疲れ様でした!!
2024/2/25 20:55
山城好きさん
コメントありがとうございます!記録が無いので先がどうなっているのか判らず緊張感のある山行でした。とにかく藪なので汚れましたが、仲間のおかげで以前から気になっていたルートを探る事ができました。
2024/2/26 9:22
プロフィール画像
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