和名倉山


- GPS
- 21:45
- 距離
- 21.9km
- 登り
- 1,406m
- 下り
- 2,140m
コースタイム
- 山行
- 9:21
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 11:01
民宿みはらし (3:30) → ≪七ツ石尾根≫ → 山ノ神土 (5:15) → 水場[枯れ] → 西仙波 (6:05) →東仙波 (6:37) → 川又分岐 (7:43) → 二瀬分岐 (8:00) → 和名倉山 (8:15) → ≪食事・休憩40分≫ (8:55) → 二瀬分岐 (9:08) → ≪二瀬尾根≫ → 北ノタル (9:22) → 造林小屋跡 (11:13) → 登尾沢ノ頭ピストン〈反射板跡地〉 (12:00) → 埼大山寮 (13:35) → 秩父湖バス停 (14:00) → バス発車 (15:05) → 西武秩父駅 (16:20)
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ガイド地図(ブック)
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
タオル
カメラ
|
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感想
GWの始めである5月2日から2日間,奥秩父にある和名倉山(別名:白石山)登山に行ってきた。初日は,JR塩山駅からバス1時間,その後徒歩2時間以上かけて登山口近くにある民宿に向かい,そのまま宿泊。2日目は,午前3時に起床し,同3時30分から登山を開始した。
本件登山についての事実及びその感想については,次のとおりである。
1 民宿までの道のりについて
(1) 山梨県にあるJR塩山駅にはやや早い11時50分に到着し,12時42分,最初の目的地である落合バス停行きのバスに乗車。同バス停には,定刻どおり13時40分に到着。その後,徒歩で,民宿みはらしまで(遠回りをしてしまい)約2時間30分も歩いた。一部山道も経由し,それだけで十分なハイキングとなった。
(2) 途中,飛龍山から笠取山までを見渡せる見晴らしの良い場所(車の待機場所)を通過しようとしたところ,掲出写真のとおり,その見晴らしを油絵で描いている人がいた。セザンヌのサント・ヴィクトワールを彷彿とさせる本格的な絵画であり,見入ってしまった。また,民宿近くにおいては,道迷いをしたトレランと山の会話をしながら歩いた。トレランは,今回は笠取山を走るとのことであるが,近く,雲取山から瑞牆山までの縦走を目指しているとのことであり,たいへん感心させられるものであった。
2 民宿について
(1) 16時9分,ようやく民宿みはらしに到着。おかみさんと地元の方が外で歓談しているところであり,すぐに気づき,出迎えてくれた。外観からしても,素朴でありながら長年さまざまな登山者を受け入れてきた風格を直ちに感ずることのできる雰囲気のある民宿であった。室内に通してもらい,お茶が振る舞われる。この日は,幸い,私を含め客が3組(釣り客2名,笠取山登山客1名)のみであり,相部屋とはならない(翌日は,大人数)とのこと。室内には,山岳会などによる寄せ書きがあった。
(2) 民宿みはらしは,昭和45年頃から78歳のおばあさん一人で営まれている。矍鑠とした振る舞いで,年を感じさせない。営業日は,シーズン中に限るが,不定期である(要事前確認)。当初は,「白樺荘」という名称にしようとしていたが,その当時における民宿からの見晴らしの良さを覚えた宿泊者のリクエストにより,「みはらし」という名称にしたとのこと。固定資産税が2000円(所有する近隣の山林を含む。)というのも驚きである。ただ,おかみさんにとっては,高齢でもあり,あと1,2年で民宿を閉めたいと言っていた。寂しい限りである。
(3) 薪により温めた山水のお風呂に入り,18時に夕食。地元で採れた山菜を中心とした料理,鹿肉及び自家製の手打ちそばが出された。とても美味しい。ビールが弾む。ビールも,山水で冷やして提供された。
(4) 食事の席においてと夜の星空を眺めながら,他の宿泊客と歓談し,その日は就寝。
3 和名倉山登山一般道(山頂まで)について
(1) 朝3時30分,まだ日の出前なのでヘッドライトを着用し登山開始。七ツ石尾根に取り付くための林道をしばらく歩く。昭文社の登山地図には,七ツ石尾根分岐地点に道標がないと記されているが,実際には,手製の道標があった。七ツ石尾根は,しばらく登りが続くが,概して緩い。
(2) しばらく登りを進めると,牛王院平という場所(道標なし。)に着く。鹿柵が現れる手前の地点である。ここは,ちょっとした草原になっており,清々しい。その後,山ノ神土分岐があり,道標記載の(和名倉山の別名である)「白石山」に向かって右に曲がる。
(3) これ以降の二瀬分岐までの景観は素晴しい。特に,西仙波付近は,飛龍山,雲取山が連なる山脈と遠方に富士山が見渡せ,また,南北アルプスもよく見える。本件登山における最も良い景観スポットである。
(4) 途中,吹上ノ頭に登り(山頂には,何もなし。),二瀬(ふたせ)分岐にたどり着く。ここまでの道のりは,一部不明瞭箇所及びちょっとした岩場があるものの,特に難儀ではない。二瀬分岐からは,和名倉山山頂までの片道20分のピストンである。ここでザックをデポ(荷物軽量化のためいったん放置)する人もいるようであるが,私は,そのまま進んだ。
(5) 意外と不明瞭な踏み跡をしばらく進み,ちょっとしたピークを過ぎると,急にうっそうとした木々の中に入る。倒木も多い。しばらく進むと,いよいよとばかりの倒木に気を取られていたところで,突然山頂にたどり着いた。普通,山頂というと,ある程度のピークを乗り越えた先の多少なりとも見晴らしの良い場所が一般的であると思うが,ここは掲出写真のとおり,倒木と苔岩ばかりのちょっとした広場で,景色もない。何とも渋い山頂である。和名倉山は,玄人・通好みの山として知られているようであるが,通好みの私には,大きな魅力を感じた。
(6) 他の登山者も数組訪れ,その渋さに共感していた。ここで,1組の夫婦の登山者と山話をしながら,軽食を食べた(休憩約40分)。
(7) なお,和名倉山山頂から,雲取林道に至るかなりのバリエーションルートである仁田小屋尾根コースがある。沢登りで使う人もいるようであるが,山頂側から見る限り,踏み跡は皆無で,倒木だらけである。ただ,尾根に忠実に進めば良いだけなので,今度,チャレンジしてみたい。
4 和名倉山登山下山路(秩父湖まで)について
(1) 和名倉山から二瀬尾根分岐まで戻り,いよいよ秩父方面に下山である。この下山路(二瀬尾根)は,昭文社の登山地図においては,破線ルートとなっており,それだけ難易度が高い。特に,スズタケの藪のある個所は,悪名高く,遭難者も多いようである。これについては,後述する。
(2) 二瀬尾根は,最後の掲出写真(標高と距離のグラフ)を見ればわかるが,一気に下降するルートである。反対からの登りは,相当きついだろうと推察される。踏み跡を慎重に確認しながら,ゆっくり急坂を下山していく。進路上の木などにテープが多くつけられており,これを頼りに踏み跡から離れないよう歩行すれば,特に難路ではない。しばらく進むと,数キロに及ぶトラバース道があり,やや道が狭く,崩落気味であるが,ゆっくり進めば問題ない。
(3) いよいよスズダケの藪地点に入る。しかし,下調べの結果どおり,通路部分は刈り払われて,何の支障もなかった。ここですれ違った登山者から話を聴くと,奥秩父,奥武蔵一帯のスズダケは,ここ60,70年に一度の枯れ状態となっており,おそらく10年もすれば,元通りになるだろうとのことである。すなわち,現在は,登山においては良いチャンスであり,時機に激しい藪の道と化してしまうとのことである。ここが激しい藪の道であると,相当難儀する。GPSは必須となろう。
(4) 造林小屋跡手前の水場で,服などを軽く水洗いし,休憩。
(5) 反射板跡地といわれる地点から,三角点のある登尾沢ノ頭というピークをピストンした。三角点はあるものの,あとは何もない。すぐに引き返す。
(6) しばらく黙々と下降を進めると,ようやく眼下に街並みと秩父湖が見えてきた。下山まであと一息である。若干進みを早め,吊り橋(定員5名)を渡って,車道に出た。13時35分下山である。計画よりも実質的には30分早い。しかし,まだ,西武秩父までのバスの時刻を中心に帰りの心配がある。
(7) 近くに沢登り帰りの人がいたので話をすると,徒歩10分の所にバス停があるとのことであったので,予定していた三峰神社まで行かず,最寄りのバス停から帰路につくことを選択した。1時間ほどバスを待ち,激混みのバスに揺られて約1時間,西武秩父に到着した。その後,駅前の地元料理店で飲食をし,帰宅についた。
5 おわりに
和名倉山は,上記3(5)記載のとおり,玄人・通好みの山として知られている渋い山であるが,それだけ,人の手が付けられておらず,ありのままの自然を楽しむことができる。GWの始めを感じさせない落ち着きと幻想的な雰囲気の中,原生林と苔岩の美しさは,秀逸である。ただし,その分,登山道(踏み跡)から外れると,まるで見当もつかないような進路不明瞭となり,高度なルートファインディングやGPSがなければ,相当の確率で遭難するだろう。私は,常に登山用GPSを持参し,目を凝らしながら進んでいたし,多くの地点で,登山地図を確認し,現在地を確実に把握するよう努めた。
自然を大いに親しみ,かつ,登山の手ごたえを感ずる山として,和名倉山の登山を勧めたい。
ヤマレコ開始されたようですね。
和名倉山を楽しまれた様子ですね。
ひとつ小さなことですが(おそらく誤記だと思うのですが)、1日目に将監登山道入口で宿泊しているとの記載になっています。
よろしくお願いします。自動的にそうなってしまいましたが,大した誤記ではないので,そのままにしておきます。
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