別当代山(北東尾根↑南東尾根横乙ルート↓)
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- GPS
- 10:37
- 距離
- 21.1km
- 登り
- 2,068m
- 下り
- 2,278m
コースタイム
- 山行
- 8:46
- 休憩
- 1:46
- 合計
- 10:32
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
北東尾根は急斜面はあるが危険は少ない 南東尾根の方が薮や危険箇所が多く、上の林道に着地する直前と、標高1350~1300m付近の2箇所はロープがあると安心 |
写真
感想
待ちに待ったゴールデンウィーク、後半は予定があり、前半1日目は天気が微妙だったので、2日目3日目が勝負。もう雪がなさそうで、混みそうになくて、1泊2日くらいのところを狙って、まだ踏んだことがなかった別当代山に行くことにした。白根南嶺からニョキっと東に飛び出たたおやかな稜線と、そこから南北にどっしりと尾根を張り出した姿が気になっていたのだ。1日で行けるか微妙だったので、とりあえず幕営装備と5Lの水を詰め、なんだかんだザックは17kgになった。
3時起き4時半発で6時に新倉駐車場着。同じ国中でも奈良田は遠い。マイナー山域なので誰にも会わないと思っていたが、駐車場にちょうどもう1人、伝付峠方面に登るという方がおり驚いた。途中湯島の杉や水力発電所などを見ながら、滑河内入口までえっちらおっちら自転車を転がし、適当な木に括り付けてデポ。「自己の責任において通行してください」と書かれた橋を自己の責任で渡り、杉林の踏み跡から北東尾根に取り付いた。
急斜面だが危険なところはない。いくつか傾斜が緩くなる箇所はあるが、ほぼ登り一辺倒な斜面に息が上がる。車通勤になりなまった体に、久しぶりの幕営装備は負担が大きく、スピードは上がらない。風もなく汗が噴き出る。アセビやイワカガミの花に励まされ、休憩を挟みながら標高を上げる。
標高1940m付近の崩壊縁からは東側の展望が良く、鳳凰山、櫛形山、富士山などが見られた。2077m標高点の台地に乗ったところで初めてまともなピークを踏んだ。標高差1350mの急登からも解放される。まだ芽吹いていないカラマツ林の樹間からは、地形図から想像した通りの、たおやかな別当代山が近くに見えた。北には白い山がちらちら覗いている。南に下った六万平(風花)?は、広くて平らでとても雰囲気が良く、思わず一休憩。もう一登りで別当代山山頂に着いた。
地理院地図に表示されるほどの山なので、何か山頂を示すのものがあることを期待したが、三角点と、木に打ち付けられが小さな無地のプレートがあるのみだった。仕方なく三角点で記念写真を撮った。
楽しみにしていた稜線は、苔むしたコメツガシラビソや、綺麗なカラマツ林の中の穏やかな地形が、とても良いところだった。一箇所北側の眺望が得られる場所があり、キッと立った見慣れないアングルの塩見岳が聳えていた。
赤線つなぎに白根南嶺縦走路に下りると、悪沢岳の眺めが良いところがあった。赤石、聖は樹間に覗くのみで、はっきりと姿を捉えることはできなかったが、久々に森林限界を間近に摂取できて良かった。
別当代山に戻って南東尾根に入る。コメツガ、シラビソの根元に布が巻いてあるなど、昔の人の気配はあるが、マーキングらしきものはほとんどない。尾根は徐々に険しくなる。薮や迷いやすい地形もあり、GPSを見ながら慎重に下る。
林道へ下りるのに使った尾根は、分岐は分かりやすく、上部はまだ歩きやすかったものの、沢に下りる手前50mくらいがザレザレで苦労した。ロープを出さずになんとか下ったが、出しても良かったかもしれない。この林道への下降はどの記録でも苦労しているようだが、一番良いのはどこなんだろう……。
小さな花の咲き乱れる美しい沢を越え、林道に這い上がる。インターネットには、この林道を延々と下る記録が多いが、尾根をまだ東に進めそうなので、もう一度尾根に乗る。恩賜林の境界標と、ピンクテープやマーキングが多くて助かる。アセビがうざったいが、尾根が広いので避けながら進める。
横乙の三等三角点からは、北側に白根三山や鳳凰方面の展望があったが、そんなことよりこの三角点の存続が大変危うい。崩壊が進んで北側一辺が崖にはみ出ており、残っている地面の上には亀裂が入っている。昨年11月24日のqurousagi、kaikairei両氏の記録(ID:6214795)の写真には、三角点の奥の地面が写された写真があるので、三角点の際まで崩壊が進んだのはそれ以降ということだ。もう一度まとまった雨が降れば、夏山シーズンを前に谷底に落ちてしまうかもしれない。
しかし今日のところはまず、自分が谷底に落ちずに無事に帰ることだ。標高1350m付近は、とても滑りやすい急斜面である上に木がまばらな箇所があり、マーキングを頼りにロープを出して下った。マーキングがなければここを下る決心はなかなか付かなかっただろう。このルートを登りに使うのはおすすめできない。
鉄塔のあたりは植生を除かれており、白根三山、倉尾山方面、下湯島集落など展望があった。さらに東にも境界見出標があったので、どこまでかは分からないが、まだこの先にも人が立ち入ったことがあるということだ。尾根先端までは、標高860m付近で分岐する尾根に乗るところと、川への着地が難しいのではないかと思うけれど……。北側も下降にロープの要るような悪場らしい。想定より水の消費が激しいし、幕営装備が重いし、ロープも10mしかないし、今日のところは鉄塔に沿って南に下ることにした。
植生を除かれた地面は案の定部分的に崩壊しており、脇の樹林帯を下る。ピンクテープはあるが、よくある黒いステップの階段はおろか踏み跡すらもなく、歩きやすいところを適当に歩く。傾斜はきついものの滑りにくく、ここまでのような危険は感じない。刈り払い地帯が終わるとピンクテープが増え、やがて林道のガードレールが見えてくる。ピンクテープに導かれて東にトラバースすると、林道のカーブに着地できるが、崩壊の高巻きが面倒で適当に下りた。自然に帰り始めている林道を本来は2km、ショートカットしたので1.5kmくらいで、新倉湧水のすぐ脇に下りた。
下山口から駐車場と反対方向に歩いて1分で、フォッサマグナの糸魚川静岡構造線の露頭がある。鉄塔からここまでは、ちょうどほぼこの糸魚川静岡構造線に沿って下ってきたことになる。山の中では何もそれらしいものには気づかなかったなあ。
下山時刻は17時半、入りたかった奈良田温泉白根館の営業は17時まで。朝もう少し早く出て日帰り装備だったら、ひとっ風呂浴びれたかなあ……。自転車を回収し、汗臭いまま家路についた。
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