【ジャンダルム】飛騨尾根、末端より【奥穂高岳】
- GPS
- 15:14
- 距離
- 18.6km
- 登り
- 2,669m
- 下り
- 2,649m
コースタイム
- 山行
- 13:26
- 休憩
- 1:48
- 合計
- 15:14
そのまま辿るとF尾根にすらたどり着けないと思いますのでGPSデータとして使用しないでください
MAX15kg
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
https://www.okuhida.or.jp/wp-content/uploads/2012/08/803126d87cbe83bc9f387cce555819b2.pdf |
コース状況/ 危険箇所等 |
一部の情報は敢えて伏せています ■右俣林道 白出沢出合まで雪はない ■白出沢 途中まで雪はなく快適、視界が開ける頃から雪が出始める ピンクテープは新たに付けられており分かりやすいがナイトハイクだと見逃す可能性がある、沢へ下った場所(荷継小屋跡前後)からは雪は豊富 ブリッジの踏み抜きは注意 滝の巻き道は雪はかなり少なめ、日中下りならアイゼン外してもいいかも 巻きを抜ければあとは雪渓を一気に詰める、落石跡が多いので注意 下りは大変快適で小屋付近のみ融雪 ■穂高岳山荘-奥穂高岳山頂 梯子鎖を越えた先の雪渓が核心部、場所に見合わない装備をした人が自身の目の前で滑落し一人を巻き込んだ、八郎ネットにより無事停止したが、あれがなかったら確実に死亡していた、自分も1分遅かったら巻き込まれていた ストレートピッケル1本とストックでさらに前向きで降りていた 夏の感覚で来られても本当に困るので場所にあった装備で来てほしい ■奥穂高岳山頂-ジャンダルム ジャンから移動、ナイフリッジは名の通りかなり細く日中は緩み恐怖心が増す ロバの耳では戻る際に懸垂数回、今年は雪が多く凍結箇所もありアイゼンがあまり刺さらず凶悪度合い高め、フリーで戻れるようには見えなかった 前日も救助騒ぎがあり安易に行くことは推奨できません |
その他周辺情報 | ひらゆの森 GWで混んでいたけどいい湯でした、さいこう!! |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ソフトシェル
ハードシェル
ズボン
グローブ
防寒着
日よけ帽子
靴
ザック
アイゼン
行動食
飲料
トポ
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
ツェルト
ロープ
ハーネス
ヘルメット
確保機
ロックカラビナ
カラビナ
クイックドロー
スリング
アッセンダー
アイスアックス
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感想
3.5連休でしたが星空撮影的にイマイチなのと天候が不安定だったので、前々から行きたかった飛騨尾根に向かうことにしました
一般的にはジャンへ上り詰めてから下降し登り返すのですがこの時期ならではということで下部から詰めました
0:00スタート、雪のない林道を詰め白出沢を夏道から進む
過去のトポを見ると白出沢と天狗沢の分岐から天狗沢を詰め、枝沢からルンゼを登っていくとようなことが記載されており、その通り辿っていくがナイトハイクだったのもあり見つけられなかった、そのまま詰めていくと雪が切れており滝が…
水流付近は雪が解けていて穴が開いている、底は見えない、落ちたら脱出は不可能で死亡確定だろう
滝の側面から登れそうではある、が自分としては難易度は高そうで、さらに言うと上部はどうなっているか分からないし手詰まりになる可能性もある
ここを詰めたのは失敗か、戻ろうか?どうしようか、しばし考える、と同時にオブザベを始める、登れるんじゃないか?という感じもある
10分…20分と考え…意を決して進む
最初の一歩から足場が崩壊したら滝の穴に真っ逆さまである
アイゼンの刃先数センチに命を預け慎重に進む、何度か行けそうな道を模索しながらかなり苦労し上部へ、無事抜けられ嬉しさのあまり闇夜で叫ぶ、まだアプローチなのに笑
そして次は道が二手に分かれている、尾根へ詰める雪渓と継続して沢沿いに登る雪渓だ。どうしようか?
しかしもう答えは決まっていた、このまま沢沿いを詰めるのは先が不透明で精神的に辛く早々に尾根へ登りたかったため、尾根沿いへ
継続し雪渓を詰めるが斜度がちょっとしたアイスクライミング程度になってきた、
斜度が限界に近くなったころ雪が切れていた、先にも雪はない
左右は岩場、手詰まりである
数十m降りた先で樹林が見える
「あそこまで行けば木を使って登れる」
クライムダウンで慎重に下り貧弱な草付きをトラバースし何とか樹林帯へ
間違って持ってきてしまったモノポイントのアイゼンだったが非常に良く研がれていたので草には刺さった、RFに時間が掛かったが何とか詰められ尾根に乗りことに成功した
この日を通りして振り返っても尾根に出るまでが一番しんどく先も不透明で辛かった
とはいえどこの先が楽ということでもなかった
乗ったF尾根は結構な斜度で、ここから飛騨尾根に取り付くには沢を2本トラバースする必要がある、傾斜がマシそうな場所を選ぶがそれでもかなりエグイ傾斜だ
モノポイントが不安なのでよく蹴ってトラバース
美しいモルゲンが笠ヶ岳方面から上がるが見惚れる時間はなかった
無事トラバースしやっと、やっと飛騨尾根に
踏み跡のようなものが薄くあり安心する
あとはクライミングだ雪がほぼないので岩が露出している
スラブっぽく逆層っぽいのでアイゼンを脱ぎたかったがそうもいかない
しかし歩かれていない岩質なので形状的に滑りそうだったがアイゼンがよく引っかかった
飛騨尾根は尾根一本という感じであるが所々巻くこともできるようだ
難易度が高い場所もありフリーソロなので無理はしないようにした
掘銑元蕕箸いΥ兇犬妊ライミングメインで訪れると物足りないという評価通りの印象だったが、事前での精神消耗が激しく自身のレベルだと全然物足りなくなかったので早く終わってほしかった
9時間ほどでジャンの頂へ
まだ安心できないけど、とりあえずは登り切ったので達成感はあった
と、同時に楽しさよりもしんどさ、怖さが勝っていたなと振り返ると体力や技術力の不足をあらためて痛感し来るべきではなかったのかもしれないとも思った
日差しが強く非常に暑い、休憩もそこそで奥穂高へ進む
ジャン山頂からは懸垂で降りる、ロバへのナイフリッジがいつも以上に細く緊張する
時間帯的にも緩み始めており埋まって足がとられると心臓に悪い
そして日が当たりづらいロバの耳は先程と異なりカッチカチである
場所によっては氷結しアイス化しておりモノポイントのアイゼンが役に立った笑
僅か10m程度のトラバースでも緊張した
もうこれ以上リスクは犯したくないのでここの下降は全て懸垂した
時間はかかったが比較的安全に下りられた
その後のナイフリッジはそこそこトレースがあり馬の背は雪がないので余裕だった
例年に比べて雪は多めの印象だった、今の時期フリーでジャンから戻ってくるのは相当難しいんじゃないのかなぁと、思いました
奥穂高まで戻ってもう一息、ここで本日初めて人類に会う、何となく安心する
写真だけ撮ってすぐに下りる最後の核心部である山荘直下の雪壁を下る
ここで失礼かもしれないけどこの環境に見合わない団体に遭遇
難儀しているみたいで渋滞している
お先にどうぞと勧められたので横から先に降りさせてもらった
すれ違い様一人の男性に
「ダブルアックスいいなぁ、俺なんかこれだよ!」
と言って古びたピッケルとストックを見せてきた
不安なら二本持ってくるべきだしそういう環境だと思うんだけどな、自信があるのか
山頂往復だけならまぁ問題ないかもしれないけど…その男性、結構な斜度なのに前向きで降りているのである(いや、危ないやん…)
下には数人団体がいるにもかかわらず
早く帰りたいのでさっさと行かせてもらい雪渓終了地点まで降りたころである
「危ない!!!」
ザザザーという音と同時にさっき話した男性が頭から滑り落ちてきた
明らかに止まらない勢いだ、急いで避ける
「キャア!」
という悲鳴と同時に同PTの女性を一人巻き込んだ
二人絡まったまま落ちていく、あの状況では止まれない、絶望的だ
下にネットがあったはず、あれが絡みとってくれないと二人は死ぬ、確実に
見ているしかできない状況だけどネットに対し
「止まれー!」
となぜか叫ぶ自分
かなりの勢いでネットに激突したが突き破ることはなく二人を絡めとり、停止した
通る度に脆弱で意味あるのかな?と思っていたネットだったが見事この瞬間二人の命を救ったのである、よかった…
怪我はなさそうに見え他の同行者もいるようなのでその場を後にした
穂高岳山荘でコーラ補給、先ほどの滑落を見てもはや精神HPは0である
はよ帰りたいw
あの網がなかったらと下から見上げると30mがあろうかという高さだ、まず助からないだろう。勢いがあればそのまま白出沢に吸われてもおかしくない
後は下るだけ、嫌いな道No1の白出沢だったが純白の雪渓で終始快適であった
しかし降り始めたころに冬にボードで痛めた親指に激痛が流れ始めてまともに下れない、それは林道を歩いていても続き無事下山しても痛かった
実は翌日もジャンへ行こうと計画していたのだがとても歩けなさそうだったので翌日の同行者にはキャンセルの連絡をした
本当ごめん、たつひこさま、この穴埋めは必ずや…
今年も上高地に入っております。
極度の緊張感が続くジャンまでも凄まじいですが、その後の山荘までのルートも怖すぎてメンタル崩壊ですね😅
さすがです‼️凄すぎです‼️
山荘上の雪壁、、、、、自分もダブルアックスで、もちろん後ろ向き。
ストレートピッケルとストック、モフモフならあり得るかもですが、、、、、この時期に、、、、、😅
八郎ネット様様ですね。
先日ロバで救助された登山者も雪山一年生とか。
今年も穂高周辺、耳を疑うようなしょーもない遭難事例が続きそうですね😅
山行後のラーメンはもしかして燕黒、、、、、住まいから10分なので時々食べに行ってますよ😁
何はともあれ、お疲れさまでした
こんにちは!お世話になっております!お会いしたのはほぼちょうど一年前
ついこの間のように思い出します
全編緊張の連続だったので何やってるか自分でもよくわからなくなりました
小屋が開いて人が増えだすと、それに比例して残念な事故が起こりがちですね
一定数いる情報も得ず状況も読めず自身も見返せない人って何なんですかね?
すごく不思議に感じます
とはいえど今回自分も遭難側になってしまってもおかしくないくらいでしたので気を付けたいと思います!
燕黒!!正解です!
燕三条ラーメン大好きなんですよね!さらにいうと煮干し系のラーメンも好きなので
ここはまさに桃源郷って感じです!
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