登りも試練、下りも試練の早月尾根から剱岳(日帰り)
- GPS
- 11:44
- 距離
- 15.4km
- 登り
- 2,364m
- 下り
- 2,364m
コースタイム
天候 | 晴れのち曇り 山頂一帯はガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
水場なし 早月小屋 ペットボトル400円 冷えてます 雪渓歩きあるも特にアイゼンピッケル必要ないレベルでした(念のため持参しましたが・・・) 日帰りなら足の筋力と体力、早月小屋泊まりでも足の筋力は半端なく要求されます。下山時に多くの方々が満身創痍で下山されてました・・・。 |
その他周辺情報 | 馬場島 下山後のお風呂(500円) 洗い場(4人分)・シャンプー類あり docomo LTE接続可能(ガス晴れが条件) au ほぼ不可 |
写真
感想
「試練と憧れ」・・いやいや「試練と試練また試練」。試練しかないやん、このコース!!と、三人で突っ込み入れながらも登頂を果たしてきました。
北アルプス三大急登と言われるだけあって、ひたすら激登り、ひたすら激下り。
一人で登るにはストイックすぎるコースですね。一人やったら淋しくて泣きながら歩いてたかも(笑)
水場が無いとのことで用意したハイドレの水、2L。コーラ、アミノバリュー各500ml。早月小屋で帰りに買ったコーラ500ml。ほぼ全て下山完了までに消費しました。
馬場島荘の風呂場にあった体重計に乗ると61圓良充─2れてるんかと2回乗って確認しましたがやっぱり同じ(笑)。普段は65圓鮠し切る程度なんで4埃紊凌緤が抜けていたということです!
トレランをやってるマイちゃんに聞くと、持参した水はたったの1.5L!!
これは訓練で省エネの体に改造できるようですので要課題項目ですね。
この苦行の記憶が無くなるまで、この尾根からは登らないと思いながら下山しましたが
思い出とは美化されるもの!心地よい筋肉痛の今、また行ってもいいかな〜なんて思ってたりする山バカです(笑)
急遽メンバーに入れていただいたももちゃん,メンバーのマイちゃんに感謝です。
おまけ)サンダルで危なくないのか?とよく質問されます。
登山靴を履いて素足を保護された状態で歩くと疲れてきた場合など、どうしても無理して突っ込むような歩き方になりがちかと思いますが、サンダルでは必然的にそうはいきません。
細かい足の置き場の判断を常に強いられますが、それがかえって安全な歩行につながっています。躓き、転倒、スリップがゼロとは言いませんが、登山靴を履いている時より明らかに減るのは確かですし、地面に与える影響もローインパクトで落石なんかも起こしにくい歩き方になります。
その代り全く違う箇所の筋力を使いますので、ぶっつけ本番では出来ません。
興味のある方は一度ロードなどで試してみて下さい。サンダルを履けば自分の歩行力の弱点があからさまに解ると思います。
って、出会った登山者の方に説いたのですが「無理です!」とあっさり切られました(笑)!!気持ちいいのになぁ〜〜。でも、いつでもどこでもサンダルちゃいますよ!
剱岳は多くの登山者にとって憧れの山であろうと思います。私ももれなくそうで、いまから15年前に買った登山のガイドブックに掲載されていた、早月尾根からのルートを何度も読んでは「いつかはこんなハードなコースを歩くことができるのだろうか」と憧れていたものでした。
その時のガイドブックには、体力は最高レベルの★★★★、技術は★★★☆、危険度は★★★と掲載されています。(いずれも星四つが最高)
さてひそかな憧れだった早月尾根からの剱岳、気がつけばそろそろ行けるのでは?しかも日帰りで、というくらい色々な山行を繰り返しているようになりました。幸いにもここ数か月は3000m級高山での山スキーを繰り返しており、高地順応としては問題ないと思われます。
本当はもう少し早めに行きたかったのですが、ついつい山スキーを優先してしまってようやく7月下旬になっての挑戦となりました。
こんなところを単独で行くのはとてもストイック、孤独との闘いになります。幸い、同じ山岳会に体力余らさせてる私よりも若手のメンバーがおり、コースを紹介すると食いついてきました(笑)
単独の方が自分のペースで歩けると言うメリットもありますが、ここはストイックな悲壮感を和らげる意味でもパーティーとしました。
そんなこんなで、自宅を出たのが前夜の22時過ぎ。高速のパーキングと駅でメンバーをピックアップし、馬場島に到着したのは朝4時前でした。準備も速く、予定より早めの4:14スタートとなりました。
最近サンダル登山(トレラン)にハマっているryujiさんは、まさかの早月尾根ワンディをサンダルでチャレンジします。一瞬目を疑いますが、どうやら本当にするようです。後で聞いたら予備のサンダルは用意してなかったそうです(笑)
残雪はかなり減っているという情報で、ryujiさんはアイゼンピッケルなし。もう一人のmaiちゃんは軽アイゼンとピッケル。私は10本爪アイゼンとピッケルをほぼ使わないと分かっていながら持って行きます。この重さも足かせになるのですが・・・。
実際、今回は使わなくても大丈夫でしたが、雪と言うのは日々変化しますので、「道具がなかったために撤退」ということを避けるためでもありました。もっとも、ryujiさんはサンダルにアイゼン装着できないのでサンダルを選択した時点でアイゼンは捨てたと思っていいでしょう(笑)
さて噂の「試練と憧れ」の石碑と出会います。想像していたよりもかなり大きく、圧倒されます。実際、想像していたよりも大きな「試練」でしたから、このくらいの大きさでちょうどいいのでしょう。
登り始めは噂通りの急登からスタートします。先頭はトレラン選手のmaiちゃん、「スロースタート」とか「暖機運転」という言葉をあざ笑うかのようなフルスタート。呼吸は荒れませんが、汗が噴き出てきます。あまり最初から汗かきたくないなぁ・・・と思って前を見たらryujiさんも玉のような汗(笑)。少し安心しました。
松尾平に入ると少し平坦地になり、またブナの巨木がありそれを鑑賞しながら比較的ゆったりした流れになります。と、油断できるのはここだけで、後は本当にひたすら急登が山頂まで続くことになるのは、伊達ではなく本当なのでした。
急登なので足の筋肉を酷使します。樹林帯では暑さと虫がまとわりつくこともあって、休憩も数分で終わらせてまた登ることになりました。
行程の7割ほどは普通の(?)登山道ですので、それほど危険なところはありません。整備もよく行き届いています。
約2時間で早月小屋に到着しました。ここで初めて本格的な休憩を取ります。
しかしまだ標高は2200mと、スタートから1400mほど標高を稼いだにせよあと800mも残っています。立山の室堂から雄山でも600mくらいの登りです。この標高差は半端ではありません。しかも急登です。
小屋での休憩を終えて、小さな雪渓を歩いてまた登山道に入ります。とにかくひたすら登り、しかも日帰り計画なのでコースタイムの2/3で計画を立ててましたから、筋肉への負担も大きくなります。標高が2400mあたりまで来ると既に登りの筋肉が売り切れてしまいました。体の重心の動きに注意して、省エネ登山に努めます。
森林限界を超えると岩稜歩きがメインとなり、要所にはしっかりした鎖が設置されています。なので恐怖感はあまりありません。岩のスリリングさを求めるのであれば別山尾根ルートの方がいいでしょうね、行ったことありませんが。
確実に岩登りをクリアすれば、いよいよ頂上直下の別山尾根との分岐点に至ります。あとはもう少し歩けばいよいよ憧れの山頂に到着です。三人でハイタッチ、やはり早月尾根から一気に登頂できた感動はひとしおです。
大半は別山尾根からの登山者のようですが、それでも山頂はそれほどの混雑ではありませんでした。多くの方が記念撮影に興じられています。やはり特別の思いを抱いてる方が多いのでしょう。
我々も行動食を頬張り、写真撮影やら他の登山者との会話など、山頂ならではの時間を過ごします。山頂からはガスのため視界がなく、素晴らしき眺望を得ることができなかったのは残念ですが、早月尾根からの登頂は眺望など大した問題ではないと思わせるだけの充実感があります。
さて粘っていても眺望は期待できなさそうなので、下山にかかります。下山も急ですから、またまた足への負担は大きくなります。さすがのトレランmaiちゃんも下山の足が売り切れ気味、サンダルのryujiさんは超人的に快調なペースで下山し、先にサーっと行って我々を待つ、というパターンの繰り返しです。跳ねるような歩きをした方が足への負担は軽くできますから、そのテクニックなんでしょう。しかしよくあのサンダルの鼻緒で下山できるもんだ・・・とあとで聞いてみたら、あれはオマケであくまで足裏全体でフラットに力を入れないといけないらしいです。
下山も早月小屋で大休止します。すでに疲れ果てた登山者の方々がベンチに横になられたりしています。まだここからの標高差の方が大きいのですが・・・。
危ないところは慎重にゆっくり、安全なところは快調にやや走り気味に下山します。何組もの方々を追い抜かさせていただきました。みなさん相当大変なようで、全身から「満身創痍」という文字が滲み出ていました。
かく言う我々も、ryujiさんを除いて既に足が売り切れてますから、なけなしの筋肉で踏ん張って下山します。しかし、下っても下ってもなかなか標高は下がりません。かなり頑張ったペースで、やはりコースタイムの2/3の4時間少々の歩行時間で下山。下界は暑く、酷使した身体に染み込みます。
あまりにも汗だくなので、馬場島のお風呂で汗を流してから車に乗り込みました。
あれだけハードな山行であっても、下山してしばらくすると苦しみを忘れて楽しい思い出とし、また似たようなことを繰り返す・・・それがドMなんでしょうね。
水は4.3L持参しましたが、結果3L飲みました。あ、山荘で350mLのノンアルビールも飲みましたね。
アイゼンピッケルを持参しましたから、ザックの重量は13kgほどありました。ちょっと重量オーバーでしたから、みなさんは軽量化に努めてください。
翌日はしっかり大腿筋の筋肉痛で、こんな筋肉痛は久しぶりです(笑)
体力的に疲労感はあまりなかったのですが、やはり急登の登り下りは足への負担が大きいですね。足の筋力を十分に鍛えてからチャレンジされるといいでしょう。
15年来の「憧れ」を実現できたこと、それはやはり「試練」ではありましたが、このような機会を実現できてとてもよかったと思います。日帰りで往復すると、下山後はあっという間(歩いてる時は全然あっという間ではありませんが)に通過した感じがしますが、その行程での要所要所の記憶は鮮烈なものとなって脳裏に刻まれています。
また行くか?と問われると・・・うーん、その前にまた冬の百四丈滝を見に行くと思います。ハードさで言えば百四丈滝の方が上で、やはりあの時の孤独な山行での鮮烈な記憶も、脳裏に刻まれたまま色褪せずに残された、私の中ではベストの情景と呼べるものですから。
ryujiさん、こんにちは!
momochannさん、はじめまして!
早月尾根、私もずっと歩きたくてプランを温めていたんです。
積雪期には歩けるルートではないので、8月に予定しています。
拝見するとまさに急登の連続ですね
お二人のペースで動くと命が持たないので二日がかりでのんびり山行ですが、それまでに何度も写真を見返してイメージしておきますよ
比良や鈴鹿では味わうことの出来ないエンドレス急登!
早月小屋で泊でも2日目はかなりのドMプランになりますよね。
なかなか痺れますよ!
ムッシュワールドレコ!楽しみにしてますよ。気を付けて行ってきてください。
いい天気でありますように
へたくそ歩行の修正ができるなら、サンダルもいいですね。
まずは、三上山から
とりあえずやってみるべし!
止めるのはいつでも出来ます
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