能見谷〜光砥山〜深洞山〜久多峠
- GPS
- 04:49
- 距離
- 10.9km
- 登り
- 628m
- 下り
- 627m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
能見谷林道はかなり荒れている 上流のカヤンド谷は渡渉を数多く繰り返すが、困難な箇所はほとんどない (詳しくは感想にて) |
写真
感想
この日も自宅での作業があるので、長時間の山行が難しいのだが、短い山行を考え、光砥山を訪れることにする。光砥山は何度か訪れているが、東側の能見谷の上流、カヤンド谷から光砥山の山頂に至るルートが気になっていた。
能見谷の林道の入口の橋のたもとには車が一台停められていた。出発の準備をしていると谷から釣竿を抱えた若い男性が登って来られる。車はどうやらこの若い釣り人のものだったようだ。林道に入ると雨上がりのせいか、濃厚な植物の匂いに満ちている。苔むした林道の上には最近のものと思われる車のタイヤの痕がついている。しかし、林道にはすぐにも倒木が頻繁に現れる。車をU ターンさせることが出来るような道路余地は見当たらなかったので、車はバックしたのだろうか。
小さな谷を通過する箇所では林道は崩落していた。左手の尾根の取り付きに至ると幾重にも折り重なった倒木が完全に道を塞いでいる。この倒木の集中地帯は到底、乗り越えるのが不可能に思われたが林道から河岸に降りて、倒木を迂回することが出来る。50mほど先に進むと再び倒木が現れるが、今回はその間を潜り抜けることが出来る。先ほどの倒木集中地帯においてもそうであったが、人のものと思われる微かな踏み跡が倒木の間に続いているように思われる。この林道を歩かれる人がいるのだろう。
先に進むと途端に倒木はなくなり、歩きやすい道が続く。岩姫蕨が林道を一面に覆うようになると、辺りには岩姫蕨特有の匂いの漂う。岩姫蕨の間には一筋の踏み跡が続いている。林道が終点に近づき、左手の斜面からの細い流れを見上げると、その上には火炎のように支幹を伸ばした芦生杉の巨樹が聳えているのだった。
林道は唐突に終わるが、その終点においても道標のように林道の上に芦生杉が大きく弯曲した幹を伸ばしていた。林道終点から直進する谷はフカンド谷、左手の谷がカヤンド谷となる。谷沿いには明らかに道が続いている。
滝もなく、歩きやすい平流が続く。数多く渡渉を繰り返すことになるが、谷の流れは浅く、渡渉に苦労するような箇所はない。やがて上流から滝音が聞こえてくるかと思えば、谷奥には高さ5m
ほどの堰堤が現れる。左岸の明瞭な巻道をたどり難なく堰堤を越えることが出来る。
上流に進むといくつもの苔むした炭焼き窯の跡が現れる。ここでも谷沿いに芦生杉も散見する。谷の最上流の出合で家内がもう谷を歩きたくないというので、左手の杉林の尾根を辿る。稜線の手前にはかなり芦生杉の大樹があるが、芦生杉の大樹を見上げておられる若いカップルがおられtた。この尾根で人に出遭うとは意外であったが、我々が歩いてきた林道を入ってすぐの尾根の末端から登って来られたとのことだった。
ここからは光砥山まではわずかな距離ではあるが、山頂の手前には格好の展望地がある。正面に見えているのは鍋谷山から品谷山にかけての京都市の区境尾根のあたりだが、そもそも明瞭なピークがないので山座の同定が困難なところだ。この光砥山から小野村割岳のあたりも同様で、遠目にはピークを同定することが難しい。目の前の谷からは涼しい風が吹いてくるが日向はやはり日差しがきついので、木陰でにてランチ休憩をとる。
ランチを終えて、光砥山のピークを踏みにいくと先ほどのカップルが休憩を終えて出発されるところであった。お二人とお別れして我々は能見谷の源流域を周回して深洞山に向かう。しばらくは三国岳へと続く尾根を北上する。尾根に入るとここでもすぐに台杉の大樹があるが、太い支幹の一本が折れてしまっているのが残念だ。この尾根は先ほどの鍋谷山から佐々里峠を経て三国岳へと至る山城と丹波の国境でもある。国境尾根のジャンクションとなるp927にかけて、随所に現れる台杉を見上げながら、小さなピークのアップダウンを繰り返す。
ジャンクションの手間で、前方から来られる10名ほどのパーティーと遭遇する。久多峠から周回して来られたとのことであった。一人の女性が「花は咲いていましたか?」と聞かれるの。花の名前は仰らないが、このあたりでこの時期に見かけることの出来る花はほとんどないだろう。「終盤でした」とお答えする。先頭のリーダー格と思しき男性が「わしらこれからぎょうさん花が咲いているところに行くんや」と嬉しそうに仰るのだった。
パーティーが通り過ぎると辺りは再び深閑とした静寂に包まれる。そういえば、これまでこの尾根で人と出遭った憶えがない。p927からは能見谷の左岸に入ると、左手には随所で比良の展望が大きく広がる。鞍部を経てp897にかけて緩やかに尾根を登り返して行くと、ここでも台杉の大樹が現れる。なだらかな尾根には自然林の疎林が広がる。
深洞山は山名こそあるもののp897からは標高も低く、尾根上の小ピークの一つにしか見えない。深洞山からはすぐに尾根を右手に曲がる必要があるのだが、気がつくと尾根を直進してしていた。久多峠への尾根に入ると急に尾根上には馬酔木の藪が目立つようになる。先ほどの国境稜線わずかな標高差ではあるが、地形による冬季の積雪量の差による変化だろうか。気がつくと尾根上には椹(サワラ)の樹がほとんどであった。
低木の茂るやせ尾根を辿ると久多峠の車道に着地する。久多峠は東には峰床山方面の展望がわずかに広がるが、冬季の凍結防止剤を保管するための木箱があるばかりの殺風景なところだ。最後は車道を下って、車を停めた林道の入口まで15分ほどの道のりだった。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する