トム・ソーヤのペンキ塗り。奥穂高岳
- GPS
- 32:00
- 距離
- 35.0km
- 登り
- 1,689m
- 下り
- 1,696m
コースタイム
- 山行
- 6:33
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 6:33
天候 | 一日目:晴れ 二日目:晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ザイテングラードはすれ違いに注意。 奥穂山頂までは、穂高岳山荘からすぐの岩場と鎖場に注意。 |
写真
感想
マーク・トウェインの名作「トム・ソーヤの冒険」に出てくるペンキ塗りのエピソードをご存知でしょうか。
おばさんに壁のペンキ塗りを命じられたトム・ソーヤ。最初はいやいやペンキを塗っていましたが、向こうから友達がやってくると、とても楽しそうにペンキを塗る。
しばらく見ていた友達は、トムがあまりに楽しそうにペンキを塗っているので、「パチンコあげるから、僕にもやらせてよ」とせがむ。
その友達がペンキ塗りでへとへとになるころ、それを見てた別の友達にもやらせてあげる…、とまぁこんなお話。
さて、そんなトム・ソーヤのペンキ塗りのエピソードを山登りに応用したのが、今回の奥穂高岳登山。
もともと、去年ぼっかと二人で計画していた岳沢〜奥穂〜北穂〜大キレット〜槍ヶ岳〜上高地を踏破するプランが悪天続きでリスケの末、断念。
今年こそ実現を!と意気込んでましたが、針ノ木雪渓で体調を崩し、長期療養となったぼっかが参加ならず。
しょうがないので、たろうとミドレンをつれて、上高地バスターミナルに立ったのは、7月25日(土)朝7時。
コースは、涸沢からザイテングラードを経由して奥穂高岳の山頂を目指す単純ピストン・一泊二日の行程。
明神・徳澤・横尾と、アルプス街道をてくてく歩き、横尾から本谷橋を経て、涸沢についたのは13:44。天気は晴れ。
前回、やなけんと二人で北穂を登った時は、涸沢まで青色吐息でしたが、今回は装備を一新して軽量化されたこともあり、テン泊装備でも余裕のよっちゃん。
途中「このザック、とっても背負いやすいんだけど試してみる?」とミドレンとたろうにそれぞれトムソーヤのペンキ塗りをさせて、楽させてもらったのも、疲れなかった一因です。
おとみさんの提供してくれた事前情報では、涸沢はまだ雪が多く残り、雪上設営になるとのことでしたが、着いてみると幸い露出した地面にテントが張れたので、一安心。
涸沢ヒュッテに泊まるたろう・ミドレンと、ヒュッテのテラスで生ビールをゴクゴク。2時間半ほど、テラスで山を眺めながらひたすら飲みます。
17時に夕食を取りにヒュッテに戻った二人を見送り、白出のコル上空に流れる雲の美しさに一人で感動していると、大学山岳部時代に後輩を山で亡くして以来山断ちし、今回50年ぶりに山に来たというご老人や、9歳の息子に奥穂は登れるでしょうか?と聞いてきたお父さんなど、ほかの登山者のみなさんとの語らいも楽しかったです。
21時ごろ、テントに戻り、カップラーメンの夕食食べて就寝。01時ごろ、猛烈な二日酔いで目が覚めましたが、朝4時に起きた時には、頭の痛みは消えていました。
屏風の頭から登る太陽に照らされた穂高連峰のモルゲンロートの美しさをひとしきり堪能した後、テントはそのままにして、05:11サブザックで奥穂高岳目指して出発。
天気は快晴。ザイテングラードの取り付まで快適に進みます。
ザイテングラードでは、下山してくる他の登山者とのすれ違いには気を使いましたが、ほぼ問題なく登り上げ、07:37白出のコルにある穂高岳山荘到着。
ここでヘルメットのストラップを締めて、山頂すぐの岩場に取り付きます。
槍の穂先にあるよりずっと短いくせに、やたらと怖い梯子二本登り、いくつかの鎖をクリアすると、あとは五竜山頂直下にちょっと似たザレた道。
ここを40分ほど歩くと、奥穂高岳山頂。08:30到着。
あたしにとっては、大学1年以来・30年ぶりの奥穂高岳です。
ちなみにその時一緒だったのは、磐城高校山岳部の後輩・馬目弘仁君。山が好きで好きでしょうがない彼は信州大学に進み、世界各地の山を踏破。ネパールのキャシャール峰を初登頂し、登山界のアカデミー賞といわれる「ピオレドール」を受賞。いまはTNFのテクニカルアドバイザーになってます。
あの時は釜トンネルが通過できず、徳本峠越えて島々まで歩いたっけなぁ…。
奥穂高山頂からの景色は、絶景の一言。
おそらく20は下らないほどの百名山が見れました。
朝飯を含め、小一時間ほど山頂に滞在した後は、「さぁ、杉並まで帰ろう」と言い交し、下山開始。
まずは、白出のコルまでの急な岩壁をひーひー言いながら下り、ザイテングラードの急坂をはぁはぁ下り、涸沢小屋でソフトクリームを食べてからテントを撤収。13時から沢を後にして、ひたすら本谷橋、横尾、徳澤、明神と歩きます。
涸沢から本谷橋までですでに足の裏が痛くなり、横尾を目指している途中で背中の筋肉が悲鳴を上げ、徳澤への道では足の筋肉が粘って歩きづらい。
おまけにモンベルのパンツが足の付け根にすれて、ヒリヒリ痛む。
それでも、釜トンネルが閉まるのは19時だよ、と行きのタクシーの運ちゃんに教えてもらってたので(実際は7,8月は20時まで空いてるそうだ)、06:45までに上高地バスターミナルに到着すべく、みんな疲れた足に鞭打ち、徳澤〜明神までコースタイム1時間のところ、30分で到着するという驚異的スピードで歩きました。ここでもまた、トム・ソーヤのペンキ塗りを実践し、ミドレン、太郎さんにそれぞれ1時間ずつあたしのザックを背負わせて。
飛ばした甲斐あって、上高地到着17:51。
1時間以上(ほんとは2時間以上)の余裕で、戻ってこれましたが、結局この日は、12時間半行動。
さすがにへとへと。
12時間以上歩くコースでは、テン泊装備は避けよう、と固く心に誓いました。
あとは、沢渡の駐車場までタクシーで送ってもらい(定額・4200円/片道)、梓湖畔の湯で汗を流し、中央道使って帰ってきました。
天気も良く、眺望も最高でしたが、やっぱり長く単調なアルプス街道を歩くのはもういいかな。
次回は、これまた30年ぶりの北岳・間の岳です。
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