北アルプスの大池を廻る〜白馬大池、風吹大池


- GPS
- 19:45
- 距離
- 19.6km
- 登り
- 1,461m
- 下り
- 1,461m
コースタイム
- 山行
- 6:38
- 休憩
- 0:13
- 合計
- 6:51
天候 | 1日目:晴れ→曇り→晴れ 日没直後に一時霧雨 2日目:晴れ 3日目:曇り時々晴れ、下山直後に雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
簡易トイレが4つあります。本気トイレは改築中のようです。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【蓮華温泉〜天狗ノ庭】 蓮華温泉の建屋前で道は朝日岳方面と白馬方面に分岐。白馬方面は蓮華温泉の建屋の裏手から登ることになります。 樹林帯の登りです。日差しが強い上に風がなかったので蒸し暑く、こんな天気の時は熱中症に要注意。 天狗の庭付近で急激に展望が開けてうぉ〜という感じになります。 【天狗ノ庭〜白馬大池】 再び樹林帯に突入。傾斜はやや緩みます。ガスってしまったので終始地味な登山道風ではありましたが晴れてれば展望ポイントもありそうです。 白馬大池手前でお花畑に突入。小蓮華方面の素晴らしい景色が(晴れてれば)迎えてくれます。 白馬大池山荘のテン場は平坦で快適。水場は貯水タンクから給水なので無駄遣いには注意。トイレは洋式が2、和式が2、男性用が2。簡易水洗トイレです。 発電機がテン場脇にあってブルブル言ってますが9時半頃には止まります。 【白馬大池〜白馬乗鞍】 白馬大池山荘の裏手から岩々の登り道です。岩から岩へとぴょんぴょん渡っていくイメージ。 眼下に白馬大池、その向こうに小蓮華山の景観がナイスですが、景色を見てると転んで痛いです。 大きなケルンが見えてくると乗鞍山頂で、ここからは白馬岳もみえます。 行く手方向には妙高、火打山なども。 【白馬乗鞍〜天狗原】 岩々の下りとなります。眼下に天狗原の木道が見えますが、そこまでの下りは険しい道のりです。 やや下ると雪渓(雪田)があり、その手前がガレザレの急斜面です。 雪渓を渡るとすぐに大岩の連なる急斜面で、時に残雪も交じるなど、非常に気を遣う下りです。 大岩の急斜面を下り切った後は灌木帯に入りますが相変わらず岩々の道。頑張って下って行くとテーブル岩があり、そこからは樹林帯に入りますが相変わらずの岩々の道。 すなわち天狗原まではひたすら岩々の道であります。 木道が出現したら天狗原です。 【天狗原〜風吹山荘】 しばし天狗原の木道を歩きます。かなり朽ちています。砕け散っているもの、傾いているもの、シーソーと化しているもの等、油断していると湿原に落ちかねません。 スキー場との分岐を経て風吹大池方向へ。 一言で言うとジャングル探検風です。 藪漕ぎではありませんがあまり踏まれていない道で、草に覆われている箇所もあります。 クマの糞がたくさん落ちていましたので活動時間帯には要注意。 概ね緩やかな下りなのですが、フスブリ山あたりで登り箇所もあり。 ブヨがいっぱいいるようです。 風吹大池の手前で湿原に出て、木道となります。 風吹大池が眼下に見えてきたら急下降し、池のほとりに出ます。ほとりから木道を少し歩くと風吹山荘です。 風吹山荘のテン場は木張のサイトが3、4箇所のみ。基本的に要予約です。 水場は池の水のポンプアップで煮沸が必要です。 トイレは男性用1、個室2、和式ぼっとんタイプですが綺麗なトイレです。 【風吹大池周遊路】 風吹大池の入口から木道が分岐しています。 池の東側を辿る樹林帯の細い道を歩きます。池を見渡せる場所は多くはありません。 しばらく行くと風吹岳方面との分岐を経て小敷池。小敷池はほとりまで下りる道はなくやや上から見下ろす感じでした。 さらに周遊路を進むと増水時には水の通り道となる涸れ沢のようなやや登り調子の道となります。 途中で神の田園と血池方面への分岐あり。分岐からピストンで血池に寄り道できます。森の中にぽつんと現れる静かな池でした。 周遊路は登り道となり、時折風吹大池を見下ろしながら続きます。 登りきると右手に科鉢池を見下ろします。すり鉢のように窪んだ池で、ほとりに下りる道はなし。 さらに進むと風吹天狗原(湿原)に抜け、白馬大池方面への道と合流します。 【風吹大池〜蓮華温泉】 風吹天狗原の入口付近から蓮華温泉への分岐があります。 ゆるい登り調子の道はより原始的な雰囲気で、様々な花が登山道脇に咲いていたり、木道も無い湿地帯を通り抜けたりしながらフスブリ山を越えます。 その先は尾根道となりますが時に傾斜のきつい箇所も。 晴れていれば小蓮華山方面の山々が綺麗に見えるところもあります。 最後は急斜面の下りとなり、蓮華温泉へと続く舗装道に出ます。 舗装道を30分ほど歩いて蓮華温泉です。 |
その他周辺情報 | 【蓮華温泉】 立ち寄り入浴可。野天もあります。 強雨が降ってきたので野天には入れませんでしたが内湯もとても気持ちの良いお湯で癒やされます。 |
写真
感想
[img]http://www.yamareco.com/uploads/photos/2945.gif[/img] [color=ff8c00]大池をめぐる[/color]
中央道諏訪から長野道に入ると、明らかに周囲の車の運転が穏やかになる。
どの車も車間は十分に取っているし、猛スピードで飛ばす車もない。
安曇野で降りて一般道に入っても、やはり煽ってくるような車もなく、対向車は視界に入る直前にはライトを下向きにするし、交互通行の工事箇所ではハザードをたいて大人しく信号を待つ。
長野のドライバーはなんてマナーが良いのだろうと、尊敬すら覚えつつ蓮華温泉へ。
仮眠を取り、目を覚ますと一時間の寝坊だ。
まあ、急ぐ山行では無いので慌てることもないが、すでに陽はやる気満々で照りつけていたので前半は非常に暑い思いをした。
風がほとんどないのがまた辛い。前夜の雨のせいか蒸し暑さマッドマックス。
おまけに、すれ違う老登山者パーティをやり過ごそうと一歩脇に動いた瞬間、
「ぶちっ!」
とか言っておニューのザックの肩ベルトが千切れる。
20kg程度の重量で、使用2度目で破損とは痛い。
応急処置で肩ベルトをバンドで縛り付け、頑張って先へ進む。
天狗ノ庭に辿り着いたところでようやく気持ちの良い風に恵まれ、開けた展望に救われる。
しかし展望に恵まれたのはここまで。
ガスがわんさかやって来て辺りはミスティックな様相に。
日頃のトレーニング不足にヒイヒイ言いながらも白馬大池にたどり着いてみると、平日にも関わらずなかなかの人出であった。
さすがは夏休み、さすがは白馬か。
幕営後に小蓮華山あたりまで行こうかという目論見もあったが、このガスでは登っても好展望は望めそうもない。
体力的にもヘロヘロなのでとにかくのんびりダラダラ過ごすことにして、昼寝をしてみたり写真撮影に勤しんだりして楽しく過ごした。
日が落ちると同時に真っ白な雲が地表に降りてきて、白馬大池は一瞬のうちに真っ白な世界と化した。
こうなるとあとはもう寝るしかない。
テントに潜り込んでゴロゴロしていると、隣のテントから親子の会話が聞こえてくる。
「明後日の朝の食事が無い!こういう場合はどうするんだ」
「山小屋で食べるー」
何やら山のKYT(危険予知訓練)でもしているのか、お父さんの繰り出す質問に男の子が答えている。
何やらゴソゴソと荷物を漁る音と共に、
「おっ、食料発見!」
「そのコンビーフを大事に食べるー!」
などと楽しそうだ。
周囲はすっかり夕闇に包まれ、あちこちのテントからいびきの声も聞こえ始めた頃、
「ようし、寝る前にトイレに行くぞ」
「はーい」
「戻ってくるテントを間違えるんじゃないぞ。間違って他の人のテントに入っちゃった時はどうする?」
「ごめんなさいって言うー」
「ごめんなさいじゃ済まないぞ、皆明日に備えて休んでるんだからな。迷惑になる」
他人のテントに入り込むなんて、今まで考えたことすら無かったレベルの危険予知までもやり尽くす親子。
迷惑を考えるならむしろ会話の声を抑えるべきでは……などというツッコミすら許さない程の徹底っぷりだった。
そんな微笑ましい会話を盗み聞きしつつ、ややしばらくすると雲が晴れ、空には星が出た。
テン泊恒例の星空撮影を楽しんだ後、心地よい眠りについた。
翌朝。
いつものダラダラなテン泊より少しだけ早く起き、朝食と撤収作業を済ませる。
今回の難所は何と言っても白馬乗鞍の下りだ。雪田を越えた先の岩の下りは気が抜けない。
大きな岩から岩へと慎重に乗り移りつつ下る。荷物が大きいのでバランスを崩すと危ない。
ゆっくり下ればゆっくり下ったで、筋肉を酷使することになるのでだんだん辛くなってくる。
急斜面も半ばを過ぎ、もう少しで一段落というあたりまで来たところで、岩の隙間に残っていた雪を踏み抜いた。
右足首がズボッと穴にハマり、荷物の重みに振られて半転倒。前に痛めた方の足首だったので少々ズキズキする。
歩けないほどのダメージでは無かったのは幸運だった。
その後も暑い日差しを浴びながら大岩の道を下り、天狗原に到着して一安心。
この先はなだらかな道……と思ったのは甘かった。
風吹大池に至る道はあまり踏まれていない。
決して険しい道ではない。しかしまるで熱帯雨林のジャングルを進むかのような蒸し暑さだ。わずかなピークを越えるだけでも汗がダラダラ流れてくる。
歩いても歩いても距離が稼げない。というかもここのペースに付いていくのがキツイ。
「一時間歩いたから休もうか」
と言うと、
「ブヨに喰われるから痛い!止まれない!」
と先に進み、
「大丈夫?」
と聞かれたので、
「くたびれました。足にキテるです」
と答えるも何故かスルーされて先へ進み。
さすがに後半は休ませてくれたので風吹大池まで無事に辿り着くことが出来た。
風吹山荘は実に静かな小屋で、テン場は我々のみ。
昨日以上にダラダラと過ごす。
風吹大池の周りをブラブラしてみたり、木道の上のコオロギを追っかけてみたり。
夜はまた星を眺めて適当な時間に寝る。何にもやることが無いっていうのも良い。
最終日は風吹大池周遊路を回り、蓮華温泉へと下った。
他の登山者と会うことはあまりない。登山道にはワイルドさがある。道を覆うように生えている草花は避けようがない。
そんな中を歩いていて思ったことがある。
よく「植生を守るために登山道から外れないように」との注意が為されることがあるが、これにはどこか違和感を感じていた。
本当の自然のままの山であれば、草花をかき分けなければ進むことなど出来ない。
草花を踏まざるを得ない状況こそが本来のあるべき姿で、「踏まないで下さい」というのは異常な状態なのだと思う。
例えば、近所の子供には挨拶するのが普通だが、不審者の声掛け事案と間違われることが増えた挙句に「挨拶は止めましょう」なんて看板が出てたら変だ。
そんな違和感だと言えば伝わるだろうか。
もちろん植生を守らなくて良いなどと言ってるつもりはないので念のため。不審者に間違われるリスクがあまりに高いなら、挨拶は止めたほうがいい。寂しいけれど。
同時に、昔の登山道を歩いているような、懐かしい気持ちにもなった。
人の気配の薄い、自然の濃い雰囲気。山の中でひとりぼっちな感覚。かつてはどこの登山道にもこんな雰囲気があった。
単に地味で人気のないコース、と言ってしまえばそれまでではあるが、そんな静けさが好もしい道だった。
蓮華温泉まで疲れつつも楽しく歩くことが出来た。
温泉で汗を流してさっぱりすると、途端に激しい雨が降り始めた。
山行が終わるのを待っていてくれたかのような天気にも感謝。
帰りの運転はまた長い道のりではあるが、長野ドライバーの模範的なマナーに守られながらのんびり走れるだろう……と思っていたら、煽る奴やら無理な車線変更する奴やら。
行きの好マナーはたまたまだったようだ。危ない運転する人々はどこにでもいるということか。
[img]http://f.st-hatena.com/images/fotolife/w/wicket/20140720/20140720165100.jpg[/img][b][color=228B22]楽しいばかりじゃないのがイイ[/color][/b]
ゴールの蓮華温泉を楽しみにスタート。
暑くてひぃひぃ、立ち止まると虫が群がる。
服の上からも刺される。
暑かった、重かった、痛かった。
テント場で色々な方と話したり、スケッチしたり、岩の上で昼寝したり。
楽しく食事作ったり食べたり、星空眺めたり。
楽しかった、美味しかった、綺麗だった。
乗鞍からの下りは辛い。
荷物がなくてぴょんぴょこ石飛びしながら行くなら楽しい道のりだけど
ひたすら辛い…暑いし…。
そこを抜けた後の道のりの心地よさは最高だった。
風吹大池のテント場は貸切、小屋に一組のご夫婦が後からチェックインしいた。
小屋場さんが小屋の中に置くテーブルを作ってた。
一人は椅子に座ってそれを観てた。
夕飯の時間に散歩へ出かけていたお客さん呼びに小屋番さんが迎えにいって鐘叩いて呼んでた。
鹿の声だろうか?笛の音だろうか?ヒョーンヒョーンって音も聞こえた。
合流して楽しそうに話をしにがら小屋番さんとお客さんが帰って来た。
なんかのんびりしている感じで良い。
空いているテント台の上でごろんと寝転び星を眺めた。
小屋番さん達が賑やかだ。小屋番さんが賑やかなテント場は初めてだ。
人がいないテント場だからその賑やかな声が頼もしい感じがした。
朝の出発の時に小屋に泊まっていた登山客の旦那さんの方とお話。
朝露に濡れたくないし雨合羽も出したくないと奥さんが言い出発をちょっと遅らせるという。
血の池から戻り進みだすと池の反対側からご夫婦の賑やかな声が聞こえた。
同じコースで蓮華温泉へ向かうようだ。
下りで汗だくになって温泉に入りお湯に溶けていた時にポツポツと雨が降り出した。
「いや〜温泉凄かった〜。今までの温泉で一番かも〜。」
などとテント泊明けての温泉が最高だと話しながら車に乗っていると豪雨がゴーゴーゴーと降り出した。
これはラッキーだったなぁなんて話しながら走っていると合羽を着て温泉目指す登山者が、小屋にいた人達だった。
旦那さんは満面の笑み、奥さんは無表情で。
車内は2人を載せられるような状態でないのでそのまま通り過ぎたです、ごめんなさい。
でもきっとあの雨の中合羽着て歩いた後の温泉は最高だと思います。
楽しいばかりじゃないのが合わさってそれで色々思い出が出来て
また行こうってなるのが山の不思議な魅力だと思う。
コメント
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mizcreidさん、Mococoさんこんにちは。
景色
それにお二人のテント泊はいつもごはん
それにしても、二度の使用でザックのベルトが切れるとは大変でしたね
食材がたくさん入っていたのでしょうか
本命のお山テント泊が行けるように無駄に食材積んで重くして訓練してます。
本命に行くときは出来るだけ軽くして挑むつもりなので山飯写真はなくなるかと思います(笑)
ザック壊れたの悲しいです。
初期不良だったのかなぁ…。
今回の道はゆるやかで道端も広い所で大丈夫だったけど…緊張する場面で切れてバランス崩したらと思うと怖いですよね。
こんばんは〜
例によってぬるぬるテン泊……のはずが、こちらの体力低下のせいで意外にハードな山行でした
このままだと普通に山登りもキツくなりそう。
いつもいつもメシウケだけは良い黒パグレコ。
いっそのことメシレコにするかと。
ザックは好日山荘持ってったら肩ベルトを新品と無償交換してくれました
こんにちは!(^^)!
水辺のテン場、雰囲気いいですね〜
去年、白馬岳から白馬大池へ遊びに行ったとき
ここにテントを張ったら気持ちよさそう〜って思って見てました
蓮華温泉からの池めぐり周回、素敵なコースどりですね
人が沢山な華やかな稜線コースとまた違って
ひっそりと自然の中を歩く…
このような自然いっぱいなワイルドな感じ大好物です。
2泊3日の山飯、どれも美味しそう〜
昼びぃに始まり日本酒ワインと
湖畔レストラン ビストロMococo 箸もってお邪魔したいです
うふふっ どこかのお山で並んでお店openさせたら面白いですね
憧れの823さんの隣で作ることなったら舞い上がって指一本ぐらい切り落としてしまいそうです(笑)
山飯作るの考えるところ、準備するところ、そして作るのが自宅で料理するのと違って面白いです。
823さん達と同じお山に行けるように鍛えなきゃなぁとつくづく。
風吹大池のテント場、張れる数が少ないので混み合う事がなく
行くまでの道も人にほとんど合わずいい感じです。
湿原も秋には黄金色に染まって綺麗になりそうです。
白馬大池はほんとに素敵なのでまた来年も白馬大池にテント泊を絡めるコースを練って行きたいです٩( 'ω' )و
こんばんは〜
すっかり水辺にたむろしているハイカーになってしまっています。
水辺の中でも白馬大池は格別。
池だけじゃなくて景色も良いですからねぇ〜。
風吹大池のほうは北アルプスっぽさが微塵もないところが逆に魅力と言えるかも知れません。
現役バリバリのハイカーにとっては地味過ぎて面白みに欠けますが、歳をとってからでも歩けるコース。
人より熊のほうが多そうな雰囲気はスリリングですが
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