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Yamareco

記録ID: 7022819
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
道北・利尻

利尻山北峰

2024年07月14日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
4
1泊以上が適当
GPS
07:32
距離
12.4km
登り
1,569m
下り
1,565m
歩くペース
速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
6:50
休憩
0:38
合計
7:28
距離 12.4km 登り 1,569m 下り 1,565m
5:14
1
スタート地点
5:16
5:16
11
5:27
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23
5:50
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23
6:13
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6:36
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18
6:55
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7:38
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8:41
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10:29
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10:51
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11:03
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11:32
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11:45
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11:59
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17
12:36
12:36
10
天候 曇りのち晴れ
過去天気図(気象庁) 2024年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス 自家用車 飛行機
福岡を早朝の便で出発、新千歳空港へ。昼食を食べて、丘珠空港から利尻空港へ。宿で1泊して翌朝登山。下山後その日のうちに利尻空港から丘珠空港へ。札幌で1泊して翌日福岡へ。
コース状況/
危険箇所等
整備されている。両端が急斜面の箇所が一部あり、その中でも最も細い箇所は幅1mほどのガレ場。それ以外は高度感こそあれ、危険箇所はない。
その他周辺情報 町営の温浴施設があるが、都合で今回は利用せず。こちらも今回は利用しなかったが、登山口近くのキャンプ場(バンガローあり)を利用するのが良さそう。
乗合バスで登山口へ
2024年07月14日 04:57撮影
7/14 4:57
乗合バスで登山口へ
植生が違う気がする
2024年07月14日 05:51撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/14 5:51
植生が違う気がする
ハイマツの群生地
2024年07月14日 06:30撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/14 6:30
ハイマツの群生地
雲の上へ
2024年07月14日 06:49撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/14 6:49
雲の上へ
きつそうな名前
2024年07月14日 06:52撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/14 6:52
きつそうな名前
人生初の雪渓
2024年07月14日 07:37撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
2
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人生初の雪渓
避難小屋が小さく見える
2024年07月14日 07:48撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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避難小屋が小さく見える
避難小屋
2024年07月14日 07:53撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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7/14 7:53
避難小屋
滑落の危険を示す看板
2024年07月14日 08:59撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/14 8:59
滑落の危険を示す看板
細い稜線
2024年07月14日 09:00撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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細い稜線
土嚢運搬のお願い
2024年07月14日 09:03撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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7/14 9:03
土嚢運搬のお願い
崩壊する登山道
2024年07月14日 09:09撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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崩壊する登山道
左に山頂、右のロウソク岩
2024年07月14日 09:22撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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左に山頂、右のロウソク岩
山頂
2024年07月14日 09:26撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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7/14 9:26
山頂
左奥には目を凝らすと土嚢が…
右はロウソク岩
2024年07月14日 09:47撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/14 9:47
左奥には目を凝らすと土嚢が…
右はロウソク岩
下山、歩いてきた稜線が見える
2024年07月14日 10:07撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/14 10:07
下山、歩いてきた稜線が見える
甘露泉水
2024年07月14日 12:38撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/14 12:38
甘露泉水
プロペラ機と利尻山
2024年07月14日 16:10撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
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プロペラ機と利尻山
雲の上に出る山頂
2024年07月14日 16:28撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/14 16:28
雲の上に出る山頂
札幌
2024年07月14日 18:13撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/14 18:13
札幌
美味すぎる
2024年07月14日 19:23撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/14 19:23
美味すぎる
肉も
2024年07月14日 19:35撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/14 19:35
肉も
酒も
2024年07月14日 20:59撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/14 20:59
酒も
撮影機器:

感想

百名山最北端、利尻山に登りました。

利尻島はもちろん、北海道へ行くのも初めてだったのですが、あまりの涼しさに驚きました。日差しと7月という季節から想像される暑さが全く感じられず、街全体に冷房が効いているのかと思われるほど。暑がりな私にとって天国でした。

二条市場で真に新鮮な海鮮丼を食べた後、利尻空港へと北上しました。気温は一段と下がり、肌寒くさえ感じました。離着陸する航空機は、私たちを運んできた双発プロペラ機のみ。乗客は各々振り返り、乗り慣れない機体と山頂を雲で隠し聳え立つ利尻山をカメラに収め、到着ゲートへと歩いていきました。曇天と移動に伴う疲労が、獲得標高約1500mという今まで最もきつい山行への不安を駆り立てました。その日は付近のコンビニで食糧と水を調達し、温泉に入って22時には床に着きました。

翌朝、宿が用意してくれた弁当を受け取り、送迎バスで登山口まで。着くと麓にはキャンプ場があったようで、多くの車が停まっていました。道はよく整備されており、迷うこともなくひたすら頂上を目指しました。

標高300m付近は針葉樹と広葉樹の混ざる見慣れない景色で、北海道のみに生育するトドマツ(?)も見られました。いわく利尻島が位置する宗谷海峡付近は、北海道の針広混合林とサハリン南部の亜寒帯針葉樹林との境界になっているらしく、日頃は気にならない植物の分類や植生、バイオームについても興味を持ちました。その後もガスガスの中、歩いていくとハイマツの群生地が現れました。さすがにこの景色は九州では見たことがなく、斜面を這うように生える姿はまさに異形でした。ちなみに九州にもミヤマキリシマ(深山霧島)という有名な植物がありますが、あれは学名をRhododendron kiusianumと呼び、九州の高山帯にのみ自生するようです。植物、面白い!

ハイマツの群生地を抜けると突如視界が開けました。見渡すとどうやら島全体を覆う雲の上に出たようでした。秘境の探検隊気分でそのまま歩みを進めると九州の夏山には見慣れない白い帯状の斜面が。そう、人生初の雪渓です。今回の登山計画を立てる際にアイゼンが必要か否かを調べるのを完全に忘れていましたが、緯度が高く高度も高いと夏でも雪が残る場所があるのだと実感しました。緑に生える白、そして奥に見える凛々しい山容に目を奪われてしばらく立ち止まっていました。

避難小屋を過ぎると噂に聞いた登山道の崩壊が進む箇所が見えてきました。幅1-2mほどの道の両端は礫の急斜面で、落ちると奈落の底まで滑っていきそうでした。特に崩壊が激しい箇所の手前には1つ5kg程度の土嚢が置いてあり、運搬の協力を促す看板が立っていました。自然に入り、山を登るたびに、道を切り拓いた先人と道を維持してくれている方々への尊敬の念は増すばかりです。

ひたすら登り続けて4時間、頂上に到達しました。山頂には赤い板で囲われた祠があり、いち早く登頂を果たした登山客で賑わっていました。景色は変わらず雲海でしたが、特に惹かれたのは「ロウソク岩」でした。高さ100mはあるような巨大な円柱形の岩は周囲に断崖絶壁を持ち、雲海を背景に持ち、天空の庭と言うべき緑が頂上には映えていました。神話に出てきそうなその立ち姿は私の心を虜にしました。そして山頂から先には人が1人通れるかどうかという稜線がありました。この先は人が通れないのだな、と思って眺めていたのですが、よく見るとなんと土嚢が積んであるではありませんか!そう、人が1人通れるかどうかの狭い稜線を土嚢を担いで歩いた人がいるという事実があるのです(崩壊が進む前のものかもしれませんが)。人間の探究心や恐るべし。恐怖を知らない人種が私たちのやっている山登りの延長には存在していて、彼らが人間が到達することの難しい場所まで到達しようと挑戦していると考えると感動さえします。

さて、私にはそこまでの度胸は無いので、宿でもらったおにぎりを食べ、下山することにしました。札幌行きの便が迫っているということでもうすぐ還暦を迎える父を後ろから煽りながら駆け下りました。途中で山岳部らしき学生も見かけました。私の大学にも山を登る部活があるのですが、5年生は入部できないとのことで入部できず。羨ましく思ったのは否定しません。

下山時には見過ごしていた名水百選甘露泉水にも立ち寄りました。私は山の水に弱いので飲みませんでした。送迎バスがやってくるまでキャンプ場のベンチで待っていたのですが、地元の方と思しき方々が話していて、あまりに北国の方言が聞き取れず、面白かったです。自転車に乗って来ている方も多く、自転車を始めるモチベーションも湧きました。

下山後は温泉に入り、利尻空港から札幌へ帰りました。帰りの飛行場は曇りだったものの行きよりは利尻山の山容がわかりました。離陸して間もなくして雲の上に山頂付近のみ顔を出す利尻山を見て、亜寒帯への入り口、体験したことのない気候、まだ見ぬバイオーム、新しい世界との境界に自分は踏み入ったのだと思いました。厳冬期には海外遠征を控えた登山隊が訓練として岩と氷の壁を求め、今回私たちが登った方角からは見えなかった利尻山南陵にやってくると聞きました。宿に置いてあった古い写真集に載っていた厳冬期の利尻山は、まるで映画でよく観るヒマラヤ山脈のように、険しく厳しくも、冒険心をそそられるような様子で写っていました。ヤマレコの記録にも、ちらほらそういった方達の記録が残っています。自分がそこまで到達出来るとは思えませんが、改めて憧れを抱きました。

今回初めての九州外の登山でしたが、前後の札幌観光も含めて、とても楽しいものになりました。再来週は念願の日本アルプス、まずは燕岳~常念岳の縦走に行ってきます。

追記

札幌の街と街の雰囲気と(とりあえず夏の)気温と肉と魚が最高でした。あとサッポロクラシックも。冬の姿を知らずにこう断言するのは尚早でしょうが、札幌は今のところ1番好きな都市です!

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体力レベル
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