大根ノ山ノ神から川苔山山頂を経て百尋ノ滝へ
- GPS
- 07:31
- 距離
- 13.9km
- 登り
- 1,501m
- 下り
- 1,474m
コースタイム
- 山行
- 7:04
- 休憩
- 0:27
- 合計
- 7:31
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・道に迷うようなところはありません。 ・百尋ノ滝に下る辺りは滑ったら確実に死ねるので要注意。 ・百尋ノ滝〜細倉橋間は通行禁止になっています。迂回路が設定されていますが、結構な登り返しの上に舗装路歩きも増えるので、コースタイムに更に余裕が必要です。 ・スズメバチは見かけませんでした。 |
写真
感想
鳩ノ巣駅に着いて身支度をして歩き始めた途端に腰がぎしぎし痛み始めた。どうしても歩みは遅くならざるを得ない。腰痛が悪化したので一人で山に行くのは2ヶ月ぶりだ。様子を見て引き返そうと、この後何度も思った。
大根の山の神へ向かう登山口にはいつもの通り何本も木の杖が置かれている。有り難く一本拝借する。その前に地面に仰向けになり腰痛のストレッチを。人の家の駐車場前で。
登り始めると暑いが、思いの外虫は少ない。油蝉が隆盛だがツクツクボウシも聞こえ始めている。仕事を辞めて平日の朝に奥多摩の山に居る。悠々自適に聞こえるが、体調の事もあってそれ程のんびりした気分にはなれない。それでも夏の緑は鮮やかで美しい。
大根の山の神までは尾根腹を徐々に登って行くもので、勾配は決してきつくない。だが運動不足のせいで昭文社登山地図のコースタイム通りの時間がかかってしまった。情けない。
大根の山の神からは山道が二手に分かれているが、目標の舟井戸方面に行く道が分からない。写真のように茂みの中に指導標はあるが、その先は林道しか見えない。昭文社地図だと林道と本仁田山方面への山道の間にあるように読めるが、無い。かなり人気のあるコースの筈で、夏とは言え茂みに隠れるとも思えない。丁度後から来た男性の登山者に聞いて、指導標の指す林道を少し行けばすぐに分岐がある事を教えて頂いた。今回は二万五千分の一地形図を持っていなかったが、後で確認したら地形図では分岐の位置もはっきり出ていた(但し林道は山道として描かれている)。反省だ。
ここからは高度を変えることなく杉ノ尾根の東斜面を巻いていく。歴史の深そうな立派な石垣を覆う苔が日光に輝く中を歩く。針葉樹林の中時々広葉樹が現れ、雲が切れて強い陽が指す。程近いところで雌鹿の声が聞こえる。
東にのびる支尾根を大きく巻いて沢を超えたところで登りが始まった。地図通りだ。ザックを降ろして水を飲む。そしてザックを取り上げようとしたところ、右肩にかける部分が破けて中のスポンジが飛び出ているのに気がついた。登りはこれからなのに、もし完全に切れたら諦めるしかないだろう。様子を見る事にして登り始めるとまた腰が痛くなってきた。引返すなら早いほうが良いが、結構進んでるしなと考えつつも進んだ。
思った程の苦労もなく舟井戸に着いた。腰もまだ余裕がある。虫が増えてきたようだ。
曲ヶ谷北峰へ続く稜線を登る。登山地図によると途中左手に水場があるようなので、見落とさないようにと思っていると、水場へと書かれた指導標があった。5分ほど斜面を下ると、ゆったりと幅のあるなだらかな沢があった。家から持ってきた水を入れ換えて飲む。顔を洗う。ついでに坊主頭も洗う。キャンプ適地やなと思って眺めていると、すぐ目の前にたき火の跡があった。
気合を入れて登山道まで登り、山頂を目指すと、明らかに先程の沢の上流に出た。道のすぐ下を水がじょぼじょぼと音を立てている。少し悲しくなった。
沢を越えてまた尾根に乗り、程無くして曲ヶ谷北峰と川苔山の間のコルに出た。あと200m。直登する道と巻く道があると、一旦直登の方に足が出るが、思い直して楽な方に進んだ。みっともない気分を抱いて山頂に着いた。
山頂は先客が一名、すぐその後に先程大根の山の神で道を教えて頂いた男性が西方のルートから登ってきた。ウスバ乗越経由で来られたらしい。通行止めのルートだが、歩けなくはないと聞いた。
さて昼飯だ。以前鷹ノ巣山に登った時に妄想した事を実践してみた。湯がいた茹でうどんをタッパーに入れ、生姜と切り胡麻と青紫蘇を別に包み、うどんつゆはごく小型のペットボトルに詰めた上で凍らせた紅茶を詰めた象印の中に同居させた。
うどんはOK。薬味もばらけていない。うどんつゆも…無事だ。そもそも紅茶は融けてすらいない。さあて、箸をやっぱり忘れた。どうしようもない。足元にあった木の枝を水で洗って使った。
三玉90円のどう言うこともないうどんが、たまらない。こんなにきっちり麦の味がしたっけ。青紫蘇が実に爽やかだ。風が更に気持ち良く感じる。木の枝では食べにくいが…うどんと薬味の準備は昨晩のうちにやっておいて、今朝は象印に紅茶の氷とペットボトルを詰めただけだ。それだけの手間でこれだけ堪能できるなら、夏の間はこれを定番にしようか。うどんのタッパーには余裕があったので、保冷剤を入れておいても良かったかもしれない。
下りは曲ヶ谷北峰との間のコルから沢に降りて百尋ノ滝に出るコースを取る。コルからは九十九折で急に降りる。沢に着いたところでその沢を更に降り、沢の右岸を進むと徐々に沢と高度差が開いてくる。
滝音が近づいているように聞こえる。鋭く突き出た尾根の突端で奥多摩ビジターセンターの黄色い警告がある。ここからが、元奥多摩山岳救助隊の金邦夫氏の著作で何度も書かれている滑落多発地帯だ。幸い地面は濡れていない。早く滝に行きたい気持ちを抑えて慎重に進んだ。岩がちで細く急な崖道で、金邦夫氏が書かれているように、ここをダブルストックで歩くのはかなり危険だと思う。自分が普段からふらふらふらついた歩き方をしているせいもあるが、少なくとも最初の内はストックで歩くよりも、自分の足だけでしっかと立てるように訓練する方が良いと思う。先程もダブルストックで登ってくる登山者ととすれ違った。
ほぼコースタイム通りに百尋ノ滝に着いた。青々しい緑に絹のような滝。清涼感。滝壺の前に立つと、飛沫を全身に浴びる。火照った体が丁度良く冷えた。
登山の褒美としては、充分に過ぎる。車で林道を登っても手軽に来る事は出来るが、この気分はまず味わえない。また登山コースとしてはこちらを登りに取ることが多いようだ。確かに先ほどの危険地帯は降りるよりは登った方が安心だろうが、特に今の季節は滝を最後に取っておいた方が汗も流せるし、満足できると思う。
百尋ノ滝から細倉橋まではまだ少し危ない崖道があるが、あまり濡れておらず、問題なく渡って再度沢沿いに出た。昭文社のコースタイムであと1時間20分、15時11分の奥多摩行きバスまで丁度その位だ。多少ペースを上げれば充分に間に合うと思ったところで、通行止めの標識にぶつかった。すっかり忘れていた。迂回路といっても大したことは無いだろうと甘く見ていたら、林道に出るまで尾根を100m程登り返すものだった。気の抜けた身にはきつかった。しかも林道に着いてもヘアピンカーブが多く、歩行者には無駄に長い。ショートカットできるところはして進んだが、硬い道歩きでまた腰が痛い。途中で15時のバスは諦めてのんびり降りると、バス停には発車時刻を10分過ぎたところで到着。
反省すべき事が多い久しぶりの山行だった。まずは体力の回復と地形図の携行だ。基本すぎる事で恥ずかしいばかりだ。
※植物の同定には「リアルタイムindex」を参考にさせて頂きました。いつも大変お世話になっています。
http://www.okutama.gr.jp/real-time/real.htm
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