那岐山・滝山 〜奥本登山口から一等三角点を往復〜
- GPS
- 07:49
- 距離
- 12.0km
- 登り
- 1,061m
- 下り
- 1,058m
コースタイム
- 山行
- 6:30
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 7:50
天候 | 曇/晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
東仙コースと合流するまでの沢沿いの道は、丸太橋の渡渉や斜面の狭いなどがあって注意しなければなりませんが、東仙コースから滝山までは尾根と稜線の明瞭な登山道です。丸太階段が続くので歩幅が合わず、ちょっとしんどい所もありますが、ま、それがこのコースの醍醐味ということで楽しんでください。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
日よけ帽子(キャップ)
登山靴
サブザック(19L)
昼食(カップ焼きそば+調理用水1.2L)
行動食(飴)
予備食(シリアルバー)
飲料(お茶500mL
スポーツ飲料500mL)
シングルバーナー+OD缶(230mL)
ケトル
箸
地図(行程図・地形図)
スマートホン(GPS+ナビ)
iPad mini(GPS+ログ)
サブバッテリー
カメラ
腕時計
ラジオ
ヘッドライト
手拭い
日焼け止め
ティシューペーパー
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感想
那岐山には何度か登ったことはあるが、最近、黒尾峠の鳥取県側「奥本」から歩き始められるルートがあることを知った。ヤマレコ過去ログを検索してみると、一日30kmぐらい歩くパワー登山者が那岐駅から那岐山→滝山→広戸仙と縦走しているようだが、私は一日10km程度しか歩けない。ただ、奥本登山口から滝山まで片道6km,往復で12kmなので、がんばれば何とかなりそう。滝山は一等三角点の山なのだが、麓が自衛隊の演習場で現在は縦走するしか到達方法が無い。以前広戸仙側から行ったことはあるのだが、那岐山・滝山間は未踏破なので、この際頑張って歩いてみようと思った。
自宅から登山口まではナビアプリによると車で1時間ぐらいだとのことなので、朝8時に家を出て9時過ぎに登山開始することにした。奥本登山口へ出向くのは初めてなのだが、国道53号線黒尾峠の那岐大橋を渡ったところで道の脇に標識が見える。そこから入ってしばらく下っていくと「那岐山登山道案内図」という大きく色鮮やかな案内板が立っている。そこから山の方へ入っていく。舗装はされているが、雨で流されたであろう木の葉や小枝が道に帯を作っている。角ばった石もあちこちに転がっていて下手に乗り上げるとパンクするかもしれない。道を塞ぐほどの大石や倒木は無く、それなりに管理はされているようだが、それでもタイヤの薄い普通車だと通行は難しいのではなかろうか。私の箱型軽四駆(エブリイ)+荒地用タイヤ(TOYO Open Country)で何とかなるレベルだった。
林道の突き当りに車を停めて歩き始めた。所々「那岐山○.○km」の標識が立っているし、合目の標柱も立っている。このコース、マニアックなバリエーションコースかと思っていたが、普通に登山道として整備されたコースだ。私が知らなかっただけなのか、魅力が無くて人が来ないのか、PRが足りないだけなのか、鳥取県民としてはもっと早く歩いておくべきルートだった。最初は渓川沿いを渡渉しながら上り、次は山腹の林の中を九十九折に進む。そして、木段の整備された尾根道をしばらく上ると、東仙コースに合流する。東仙コースも木段の続く尾根の登山道だ。周囲は杉と落葉広葉樹混合林で,900mぐらいになるとブナが多くなってくる。下草が少ないのは鹿が食べ尽くしているんだろうな。稜線に出ると傾斜は緩くなる。周囲には笹が増える。下界は猛暑日のようだが、日陰の登山道は気持ち良い。けれども汗は出る。キャップのひさしから汗がポトポト滴っている。時々日が照ると,堪らなく暑いのだが、この日は上空に雲があって直射日光の当たる時間はそれほど長くなく比較的過ごしやすかった。雲は山頂にかかることも無く、稜線の山並みはほぼ隠れることなく眺めることができた。
那岐山頂に着いたのが11時15分ぐらいだった。ここから滝山まで約3kmあるのだが、稜線は比較的歩き易いので午後1時ぐらいには何とか滝山まで行けるだろうと、休憩もそこそこに歩き続けた。少々のアップダウンはあるが、稜線にたどり着くまでの先の見えない上りの連続と比べて、見通しの良い稜線なので意外と疲労感は少ない。しかし、既に体力はかなり消耗している。滝山の少し手前の平坦な道で足が付いてこずに躓き前に倒れてしまった。思ったより体には負担がかかっていることを実感して、注意して歩くよう心掛けた。
滝山山頂には予定の13時より少し早く着くことができた。山頂には一等三角点の標石と展望台がある。展望台の櫓の下で早速昼食の準備に取り掛かり、湯を沸かした。昼食用に持ってきたのは「ペヤング 超大盛 やきそば祭」だ。近所のスーパーで見つけたものの、エネルギー量が1061kcalというのにひるんで躊躇していたのだが、「山は0カロリー」の合言葉を信じてここまで持ってきたという訳だ。カップ焼きそばを山に持って来ると、茹で汁廃棄問題をどうにかして解決しなければならないのだが、一部はスープにし、残りは水を入れてきたペットボトルに入れて持って帰ることでクリアする。念願の超大盛を食べきった感想は…「2倍食べたからと言って2倍の満足感があるわけではない、普通の大盛りとおにぎりか何か別の食材のセットにした方が充実した気持ちになれたんじゃないかな」といったもの。
ここでメガネのレンズが一つ外れていることに気付いた。いったいどこで落としたのか、周囲を探してみたが見つからない。私は老眼が進んできてはいるものの、遠方はメガネ無しでもそこそこ見えるので、手元をじっと見るとき以外は眼鏡をはずしていることも多い。途中で落としたまま歩いてきてしまったのかもしれないと思って帰り道で足下を注意していたら、道の真ん中に落ちているレンズを見つけた。どうも、途中でつまづいた辺りでレンズが外れてしまっていたようだった。けれども、一旦外れたレンズは道具無しではフレームにきちんとはめられず、下りはメガネを掛けずに歩ききった。
稜線はさほど急な勾配は無いもののアップダウンが続き、復路と言えど上りもある。そもそも、往復12㎞という距離は私の一日の歩行距離としては少し長く、梅雨時期に身体をあまり動かしていなかったこともあってずいぶん長く感じられる。休憩で座り込むと、立ち上がるのが辛かった。
持参した水分は焼きそば用に1L余りのの水道水と、飲用に「サントリー天然水 うめソルティ 540ml」とファミマの「香ばしいコク 麦茶 600ml」だったが、往路の那岐山三角点辺りで「うめソルティ」を飲み干し、そのあと節約しながら麦茶を飲んだが残りが少なくなったので、調理用の水道水の残り300mL程度を追加して、それでも下りの5合目辺りでほぼ尽きていた。幸い、奥本コースは沢沿いをの道や渡渉する場所もあるので、そこで沢の水を汲んで喉を潤した。私は普段比較的水を飲まないので、ペットボトル2本あれば十分だと思っていたが、この日はそれでは足りなかった。今後もう少し水を多めに持って行くよう心掛けよう。そもそも焼きそばづくりに900mL近くの水を使ってしまうのが非効率だったんだな。やっぱりもう焼きそばはやめよう。
往路の稜線で一度躓いて、思った以上に身体に負担がかかっていることがわかっていたので、あまり無理せず焦らず無事に下りることを最優先に考えて歩くことを心掛けていた。しかし、東仙コースの下りの木段の続くところはなかなか歩幅が上手に調節できない。段の右側に足を踏み出したときに右足首を捻ってしまった。とりあえず転倒せずに持ち堪えたが、これ以上負担をかけるとアブナイ。気を付けながら歩いていたつもりだったが更にしばらく下ったところで、今度は左側の木段脇で躓いて転倒した。ヤバイ!と思ったが、何とか身体半分転んだところで止まった。十分気を付けて歩いていたつもりでいたのだが、気持ちに身体が付いてこない。歩行距離も10kmぐらいになり、そろそろ体力が限界に近付いていたのかもしれない。少々遅くなっても良いからと覚悟を決めて、休憩をとり、足元に気を付けながら歩いた。何とか夕方5時頃には出発点まで戻って来られた。
家に帰って、写真をカメラからPCに転送し、ヤマレコに登録しているところで、写真が途中から記録されていないことに気付いた。そういえば、カメラにUSBケーブルを刺して画像を転送しようとしたときに、メモリーカードが認識されないものだからカメラの底を確かめたらメモリカードと電池を格納している底蓋が少しずれていた。カードを一度抜いて刺し直し、蓋をきっちり閉めたらカードが認識されたので写真データをPCにコピーしたが、12:31以降に撮った写真データが無い。その時間というのはちょうど、稜線で躓いた頃だ。カメラはケースに入れていたのだが、それでも衝撃でカメラの底蓋が緩みメモリーカードが抜けかけていたようだ。登山中はそんなことになっているとは全く気付かず、その後もたくさん写真を撮ったつもりだったのだが、その写真はことごとく記録されていなかった。このカメラ、SONY DSC-RX100M3はメモリーカードが抜けていたり接触していなかったりすると、画面に「NO CARD」と赤い字で表示が出るもののシャッターは切れる。メガネのレンズが外れてメガネ無しで写真を撮っていたので、液晶画面に表示される小さな文字に気付かなかった。あらためて、自分はカメラの液晶表示もまともに見えていない状態で写真を撮っていたことに気付いて愕然とした。幸い、滝山山頂では別の360度カメラで写真を撮っていたので滝山一等三角点に到達した証は残っているのだが、復路でたくさん撮った稜線の見事な景色は私の記憶の中にしか残っていない。
自分が年老いたのか、計画が無謀だったのか、思った以上に難コースだったのか、いろいろと振り返って反省しなければならないことの多い山行だった。トレーニングが足りていないというのは事実だと思う。それでも水の消費量と復路の疲労度は予想を超えるものだった。無理の効かないお年頃になってしまったということを自覚して、余裕のある計画を立てて慎重に行動をするよう肝に銘じよう。
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