中央アルプスで信濃錦を呑む会 in 西駒山荘(西駒ヶ岳 前衛峰・将棊頭山)
- GPS
- 32:00
- 距離
- 14.5km
- 登り
- 1,489m
- 下り
- 1,481m
コースタイム
- 山行
- 4:59
- 休憩
- 6:51
- 合計
- 11:50
天候 | 12日 晴れ 13日 曇り(強風) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
中央アルプス将棊頭山直下にある「西駒山荘」。
今年はその石室が出来て100周年にあたります。
昨年、お母屋が建て替えられ、私の蔵の杜氏(酒造りの最高責任者)が西駒山荘の管理人を務めていることから、100周年の記念行事の一つとして「中央アルプスで信濃錦を呑む会 in 西駒山荘(中アで呑む会)」を開催することになりました。
主催は、私共の蔵の全てを語りつくしてご販売戴いている、伊那市日影の「酒文化いたや」さんです。本格的な山登りは久しぶりという中村社長には、春から毎朝トレーニングに励んで戴きました。
もちろん酒だけを沢山並べるのでは無く、例年蔵元で開催している「信濃錦を呑む会」と同様に、イタリアン&フレンチ kurabe Continental Delicatessen の渡邊シェフに同行戴き、本格的なお料理と共に純米醸造酒を味わって戴く趣向です。
http://www.cmacs.jp/33285/kurabe/
7月には、中村社長と渡邊シェフと共に下見登山を行い、今回の本番に備えてきました。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-699131.html
2日程前までは2つの台風の影響で天候が優れず、やきもきさせられましたが、前日には気持ちの良い秋晴れとなり、前日の食材のボッカ(歩荷)隊の皆さんも安心して出発されました。ボッカ隊としてご尽力戴きました、ASTTALメンバーのTさん、Kさん、有難うございました。
ASTTAL(A STEP to THE ALPS)は、渡邊シェフも発起人の一人に名を連ねられ、山と麓の地域との連携を図ることを目的として、地元伊那市を中心とした若手の異業者で構成された団体です。
http://asttal.com/
今回は、私と中村社長、渡邊シェフの他に、ASTTAL のカメラマンS嬢と、弟さん、そして宮下管理人の後輩でもある信州大学農学部学生のF君というボランティアスタッフが、当日登山のメンバーでした。
Sさんご姉弟は、1週間前に開催された「西駒んボッカ」大会にも参加されたとのこと。
今回は、新発売の発泡性日本酒をお出しすることもあり、グラスをどうするかが悩みの種でした。結局、試飲カップでは余りにも味気ないということで、アクリル製のシャンパングラスを急遽手配しました。
とはいえ、このグラスをどうボッカするかがもう一つの問題です。
私が学生時代に天体望遠鏡などを運び上げるのに使っていた背負子を引っ張り出し、これまた古いずんぐりしたザックと組み合わせて、何とか荷造りできました。
火入れのされたお酒は先行して運び上げてありましたが、生のお酒はそうもいきません。数日前よりスパウトパックに移し変えてガチガチに凍らせて、これまたガチガチに凍らせた冷却用の氷2kgと共に、ザックにパッキング。
いつもの軽量化の思想とは正反対で、今回は自分用の補給水も含めて水物だけで9kg近くなり、背負子も含めた総重量は20kg弱と今の私にとっては結構ベビーな荷物となりました。
桂小場を出発して、ぶどうの泉あたりまでは皆さんと同じペースで登れたものの、野田場に着く前に遅れ始めたため準備に時間が必要な渡邊シェフとボランティアスタッフの皆さんに先行して戴き、私と中村社長の二人でのんびり登ることにしました。
とは言え、私の大汗を見かねた中村社長に野田場より氷2kgを背負って戴くことになりました。何とも不甲斐ない…
それでも桂小場から約5時間後には西駒山荘に到着し、標準コースタイムに毛が生えた程度で登ることができました。
山荘に到着後は、石室の中での会場設営を行い、間を見て天体望遠鏡の整備を行い、槍ヶ岳の穂先を使ってガイドスコープの調整を行いました。(何と言う贅沢!)
いつもは遠くに霞んで見える北アルプスや八ヶ岳の峰々も、秋晴れの澄み渡った空気の中で山肌までクッキリと見えました。
そうこうしているうちに、参加者の皆さんが続々と到着されます。
宮下管理人の説明を受け、中アで呑む会の受付を済ませ、正午には全員の方が席に着かれましたので、予定通りの開宴となりました。
まず酒文化いたやの中村社長のご挨拶に始まり、私の挨拶と、宮下杜氏&管理人の挨拶、そしてkurabeの渡邊シェフにご挨拶戴き、発泡性日本酒「無智亦無得JDG01」で乾杯です。
今回の目玉は、この春の全国新酒鑑評会で金賞を受賞した「金賞受賞酒」です。宮下君は杜氏に就任して3年目ですが、無農薬栽培「美山錦」を用いた純米大吟醸酒で見事「金賞」を獲得してくれました。
発売後、数日にして完売となったお酒です。この日のために取り置いておきました。
今回の出品酒は、以下の通りです。
/濃錦 無智亦無得 JDG01 発泡性日本酒
低農薬「美山錦」H26BY
※ 純米大吟醸ベースで香り高く爽やか
⊃濃錦 無垢之酒 純米吟醸生原酒
低農薬「美山錦」H26BY
※ 生原酒ならではの味わいの豊かさ
信濃錦 天墜 特別純米大辛口生原酒
低農薬「美山錦」H26BY
※ ガツンとくる圧倒的な味わいの大辛口生原酒
た濃錦 金賞受賞酒 純米大吟醸酒
無農薬「美山錦」H26BY
※ 無農薬栽培米を用いた純米大吟醸酒
セ其縅此‘段冥稱堂估酒 特別純米大辛口酒
低農薬「美山錦」H25BY
※ リンゴ酸のシャープさと辛口酒のキレ
信濃錦 芳醇純米酒 特別純米酒
低農薬「美山錦」H26BY
※ 全日空国際線にも採用された調和の良い酒
Э濃錦 極稀を贈る 純米大吟醸大古酒
低農薬「美山錦」H20BY
※ 低温長期熟成による格調高く奥深い味わい
┸濃錦 れとろらべる 純米吟醸酒
低農薬「美山錦」H25BY
※ 品の良い香りとや柔らかなふくらみ
斬九郎 無鎖志 純米酒
低農薬「美山錦」H25BY
※ 米の持つ旨味がホッとさせてくれます
最後にデザートとして、純正あま酒をお出しして締め括りました。
また kurabe さんのお料理メニューは、以下の通りです。
Amuse
コンソメスープ
牛肉のポルペッティーニ
花にら
子蕪
生ハム
Antipasti
ー肉のパテ
フォアグラのテリーヌ
ナガノパープルの赤ワイン煮
自家製サルシッチャ
洋梨のシードル煮
リンゴのコンフィチュールソース
▲螢鵐瓦肇坤奪ーニ
ベーコンのキッシュ
ブール・ノワゼット
Pane
フォカッチャ
Pesce
岩魚のコンフィ
野菜のセミドライマリネ
サンマルツァーノのグリエ
サルサ・ヴェルデ
Carne
駒ヶ根山麓豚の温燻仕立て
ゴルゴンゾーラソース
オクラのフリット・そば粉とシードルの衣
Pasta
ポルチーニ
セップ
モリーユのマッシュルームソース
パッパルデッレ
尚、kurabe さんのメニューには、こんな言葉が添えられていました。
[...Rendiamo omaggio al centenario, dedicheremo questo menu, << Nishikoma Sansou >>]
我々は百周年を迎える西駒山荘に敬意を表し、今回の特別コースを西駒山荘に捧げます。
永く海外で修行をつまれた、渡邊シェフならではの言葉です。
さすがです。
但し、今回のメニューはスペシャル中のスペシャルとの事で、来年以降に開催するとしても同等な内容で行えるかどうかは判らないとのことでした。
開宴から約3時間を経過した頃にお開きとなりました。
今回ご用意したお酒は、原酒系を4種類も含めて、お一人当たり4合換算でした。いつもの呑む会では、4合ご用意すると残ってしまう量です。
ところが驚いたことに誰一人として酔いつぶれたり、気持ちが悪くなった方がおられませんでした。
開宴の際に宮下管理人からは、山では酔いが回りやすいので、呑んだ後に小屋の外で寝転がったりしていると大変危険であることなど、強く注意喚起がありましたが、全くの杞憂でした。
よく「山ではアルコールが良く回る。」などと言われます。
今回は、それが単なる都市伝説(山伝説?)ではないかと思えるほどです。
気分が悪ければ、夕食の「西駒んカレー」も食べられないハズですが、皆さんしっかり夕食を摂られ、夜の星空観察を心待ちにされておられましたし、更に夕食後には「三次会はやらないんでしょうか?」と呑み足りないご様子でした!
もちろん、山小屋の酒の会にわざわざ歩いて登ろうという方々ですから、普通の酒の会参加者とは全く異次元の胃と肝臓を持ち合わせておられるに違いありません。
残念ながら、日没後には天候が崩れてしまい星空観察会の頃には、蠍座から射手座方面と天頂の琴座周辺のみに晴れ間が残る程度となってしまいました。何と言っても今夜は新月で、星を観るのには願っても無いタイミングです。何とか晴れて欲しい!
結局、蠍の頭付近に居る土星や射手座の散光星雲M8を10数名の方々に観て戴いたのみで、経緯台の特性上天頂付近のM57やM27は導入できず、アンドロメダのM31も雲の中でした。
三次会を期待された方々と一緒に、石室の中で中村社長、渡邊シェフ、宮下杜氏を交えて呑みながら晴れるのを待ちましたが、夜9時頃から強風が吹き始め、呑み終えた夜11時前に漸く晴れ間が広がったものの、風が強過ぎて望遠鏡が使えない状況となってしまいました。(残念!)
ただ、小屋に伝わるアコーステックギターを回しつつ、睡魔と闘いながら皆で懐かしのフォークソングを歌えのが、楽しい思い出となりました。
翌朝は何とかご来光が見られたようです。
私は布団にくるまっていて失礼させて戴きました。
夜中、雨と強風が吹き荒れていましたが、朝には雨が上がり、皆さん朝食をしっかり食されて、順次元気に出発されて行かれました。
私たちスタッフも、小屋の片付けや諸事のお手伝いをして、10時前には下り始めました。
途中強風にあおられつつ、お昼過ぎには無事下山することができました。
今回の中アで呑む会では、準備も含めて私自身も大いに楽しませて戴きました。とても充実感のある会となりました。
最後になりましたが、今回の「中アで呑む会」の開催に際しまして、多くの方々に大変お世話になりました。
本当に有難うございました。
※10月24日には「南アルプスで信濃錦を呑む会 in 北沢峠こもれび山荘」が開催されました。
http://www.yamareco.com/modules/yr_event/event_detail.php?eid=16544639
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-752270.html
※追記
共催者である ASTTAL のSカメラマン撮影の写真は、こちらのページに掲載してあります。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-718488.html
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人