唐松岳
- GPS
- 32:00
- 距離
- 11.6km
- 登り
- 960m
- 下り
- 1,111m
天候 | 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ゴンドラ乗り場で計画書提出要 |
その他周辺情報 | 八方周辺の立ち寄り湯。リフト乗り場に割引券置いてある。 |
写真
感想
9月10日(火) 八方池山荘9:45〜八方池10:35/10:50〜唐松岳頂上山荘13:25
天気:晴れ時々ガス
アルプスに行かないまま夏が終わってしまうのは悲しいので、がっつり歩かなくても済むコースとして唐松岳一泊往復というシルバープランを考えた。中学高校時代の山岳部でスキー合宿の根城にしていた八方尾根を久しぶりに訪れる目的もあった。
下山後にすぐ温泉に入れるよう車を八方中央の駐車場に停め、残暑の中をゴンドラ駅へと歩く。かつて重いキスリングに歯をくいしばって歩いた道の両側は当然様変わりしてアルファベットだらけだが、旅館深雪は昔もあったなと懐かしい。ゴンドラから見下ろす山麓の平地にも建物が増えた。2本目のリフトを降りると、目の前に八方池山荘がある。歩かずにここにいることがピンとこない。
最初からガスの中、賑やかな中学生集団に挟まれて登りだす。もう初秋の雰囲気の草原にはウメバチソウが星を撒いたように咲き、マツムシソウもちらほら交じるが、霧ケ峰辺りのものより色が濃いのが高山らしい。懐かしいケルンを次々過ぎて右に木道を下るとどんよりと灰色に霞んだ八方池のほとりに出る。亡くなった父がここの絵を描き残しているのだが、今日は全く雰囲気が違う。大勢の人で賑やかなので感傷にふける気にもなれない。
池を後にするとようやく静かになり、ここからが登山だ。下の樺のダケカンバは幹が白く立派で、その下を歩いていくのは気持ち良い。やがて道は尾根の左下の灌木帯のトラバースになる。稜線上に付けてくれれば展望が良いだろうにと思うが、延々と単調なトラバースが続き、嫌になった頃に「扇雪渓」の標識を見る。半スリバチ状のガレ場になっており休憩している人もいるが、昨冬の少雪のためか雪はかけらもない。再び灌木の中を登っていくと、扇雪渓を左に見下ろし、前方には丸山ケルンのピークが高く望まれる。ハイマツとナナカマドの道を登っていくと陽射しも出てきて夏山らしくなってきた。二重山稜状の草原を抜けると北側の不帰の嶮の大岩壁が目に飛び込んでくる。ここからはようやくアルプスの稜線歩きらしくなり楽しい。山に雲がかかってしまっているのは残念だ。次第に前方の岩稜が近づいてきて、昔は巻いていた道がふさがれ直登ルートに付け替えられている。左右が切れている箇所もあり、中学3年の春にどこをどうやって登ったのか、怖かったという記憶もないのが不思議に思える。ジャンクションピークはガスの中。眼下の小屋に一目散に下り、黒部側の大斜面を眺めながらビールを味わう。小屋は端境期の平日にも関わらず、私の同世代で賑わっていた。
9月11日(水) 頂上山荘6:45〜唐松岳7:04/7:40〜八方池山荘10:38
天気:晴れ時々ガス
小屋の外から歓声が聞こえてこないので朝食ギリギリまで布団の中でウダウダ。朝食後、やはり霧の中を頂上に向かう。道の左右には、この時期までコマクサが咲き残っていてくれて嬉しい。ハイマツの上を霧が流れる稜線歩きは大好きで、これはこれで良いものだ。唐松岳頂上は13年振りの4回目。一人になる時間もあり、コーヒーを淹れてアルプスの空気を楽しむ。
下山にかかる。巻き道(廃道)と合する先あたりで一旦雲の下に出て、高妻山、乙妻山や遠く志賀から四阿山、浅間山にかけての薄青いシルエットが展望できた。白馬三山方面も緑の山腹は鮮やかなものの、被った雲は取れそうになかった。ゆったりとした尾根の景観とトリカブトやツリガネニンジンの類(正確に同定できず)といった秋の花を愛でながらのんびり下る。右手の五竜、鹿島槍もついに上部は見せないまま、下の樺から再び下層の雲の中に入ってしまった。池畔には下りず第三ケルンに立ち寄る。踵固定のゲレンデ用スキーに取り付けシールで良くもここまで来たものだ。あの白一色の世界を偲ぶには今日は騒がしすぎる。八方池山荘からリフト1本分は遊歩道を歩いてみたが、ほぼ笹原で花は少なく、歩きにくい石畳道で失敗だった。
最後まで白馬三山の姿は拝めず、展望は今一つだったが、駆け込みでアルプスの稜線歩きを楽しめただけで十分だった。冬の八方尾根も再訪したくなった。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する