広島県内陰陽分水嶺(後冠山:県内分水嶺西端〜青山林道)
- GPS
- 08:23
- 距離
- 15.8km
- 登り
- 1,079m
- 下り
- 1,077m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2022年11月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
【まえがき】
後冠山以北の県境歩きを憧れて妄想すること早や3、4年。(最近こんなんばっか笑)
その間に単なる藪山で登山者が寄り付かなかった広高山が、廿日市市の企画で脚光を浴びはじめて一人乗り遅れる中、同じ興味を持つツワモノ共が集まってやっと実現できる日が訪れた。
当初は、松ノ木峠〜三坂八郎林道に至るワンウェイプランの予定であったが、デポ車配置に時間を割く必要があるため、日中活動時間が短くなることが懸念された。
そこでルート再検討の結果、坊主山から県境稜線を横切り広高谷に一旦出て遡り、軌跡が連結する後冠山で折り返して県境稜線を北上する8の字周回パターンに変更。
これで稜線と渓谷の両方を楽しめて二度おいしいハズ😁
【本日のルート】
三坂八郎林道の路肩 ⇒道ヶ谷林道 ⇒坊主山 ⇒坊主西峰 ⇒ノブガハラ谷 ⇒広高谷作業道 ⇒オサカエノエキ ⇒ボーギのキビレ ⇒後冠山(三県境:広島県中央分水嶺起点) ⇒ボーギのキビレ ⇒広高山 ⇒P1099 ⇒坊主西峰 ⇒P1060 ⇒青山キビレ ⇒P1002 ⇒最低鞍部 ⇒青山林道 ⇒起点
【あとがき】
後冠山(三県境)〜広高山は素敵なルートでした✨
こんなに良いのにナゼかお嫌いな方が多いらしい⁉️
紙祖川最上流のオサカエノエキの雰囲気も個人的にはかなり気に入りました🎵
無雪期の広高山〜北方県境稜線は、県境を示す杭や踏み跡をもう少し期待しましたが、ただの藪でしたね💦
モノ好き以外の方は行かなくても良いでしょう笑
すべてが初づくしの未踏山域を純100%満喫することができました😊
〜地名考〜「西中国山地」桑原良敏 著 より
◆坊主山
この山は地図で見るとドーム状になっていて、珍しい地形である。円錐形の山を1050mの等高線で水平に切り取ると山頂部分の平坦な、この山の形ができあがる。
『西中国山地は三段の階段状平坦面から成り立っており、最も高い平坦面は脊梁面と呼ばれ、1000〜1300m高度にある』とよく言われているが、その地形の見られる典型的なものと思われる。
ドーム状の山の形からの呼び名なのか、坊主頭のようにかつては無毛の山であったのか定かでない。
◆広高山(ヒロコウヤマ)
後冠山より北へ続く広島・島根県境主稜上にある山である。すぐ南に冠山、寂地山があるので影の薄い存在であるが、東の女鹿平山、西のガクガク山から眺めた姿はなかなか立派である。
地図には広高山とあるが、もともと島根県側のヒロコウ谷水源帯の山林の名称で特定のピークに付けられた呼称ではない。
◆後冠山(ウシロカムリヤマ)
冠山の西にある広島・島根・山口の県境の峯である1300m峯の山名は、かなり混乱をきたしている。この山名の最も古い資料は『防長地下上申』宇佐郷村絵図(1750年)で「雨杉」とある。『防長風土注進案』(1847年)には絵図はないが境目書きが残されている。
この峯の広島県側の資料は、吉和村三浦一之介家所蔵『吉和村絵図』(江戸末期)で「ウシロカムリ」とある。今村外治氏らのこの山地の地質に関する報文にも「後冠山」が使われている。この報文には地図に記されていない谷の名や山名が多く使われており、事前に吉和村の村人より地名を聞き書きされていたようだ。現在、汐原を始め、吉和村内では「後冠山」の呼称が使われているのは事実である。
◆広高谷
ヒロコウ谷は昭和20年代に伐採される前は樹齢300年もある巨木の立ち並ぶ天然林に覆われていた。この樹林には有用材が多く、昔から木地屋が住みつき、谷の入口の大立山、大畑と呼ばれている場所には木地屋の集落ができていた。今もその跡には古い墓石が多く残っており、「宝暦3年(1753年)木地屋墓」と書かれたものもある。
◆ボーギのキビレ
二万五千分の一図にある広高谷奥の破線径(現在は廃道)が後冠山の北の県境を越している鞍部を三葛では、「ボーギ」とか「オサカエ」と呼んでいる。いずれも国境の意である。
吉和中津谷より「オモ川」の谷を通る林道が完成してから「ボーギ」を越える人はなくなり、シナノキ谷よりヒロコウ谷のノブガハラ谷へ越える人が多くなった。現在この径も廃道になっている。
「ボウギ・ボーギ」は藩政時代に国境に立ててあった標識(分木)の意で、普通は榜示木と呼ばれている。
「クビレ・キビレ」もこの地域特有な方言で、尾根の鞍部の意である。
◆ノブガハラ谷
ノブガハラはこの小谷の水源帯が湿気の多い平坦地で一面にサワグルミが生えていたことよりの呼称と思われる。
「ノブ」はサワグルミの樹木方言で「ノブガ谷」というのは西中国山地で最も多い谷の名の一つである。「ノブ」は加工しやすいためも木地屋にとっては有用材であった。水辺や湿気の多い所に多く、杉のように直立しているので判り易い木である。材が軽いので桐下駄の代用材、マッチの軸木に使われていた。
◆オサカエノエキ
「オサカエ」は前述のとおり、国境の意である。
「エキ・エゴ」と「サク・サコ」は、いずれも凹状地形を表す語で、広い意味で「谷」に包括される地形方言である。一般的に言えば「タニ」に比べて小谷とか支谷の呼称として使われ、サク・サコは更に小さな水流のない小谷に使われている。「エキ」には浴、溢の字を当て、「サコ」には迫、佐古の字が使われている。
【藪漕ぎ区間】
県境尾根:広高山分岐〜最低鞍部間の平均歩行速度1.5km/h
坊主山〜ノブガハラ谷広高作業道出合、作業道終点〜ボーギのキビレ間の平均歩行速度1.8km/h
水分1.0L
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