錦繍の以東岳


- GPS
- 32:00
- 距離
- 21.1km
- 登り
- 1,454m
- 下り
- 1,444m
コースタイム
鶴岡市役所7:00−泡抱ダム着8:35−出発8:55−冷水沢10:00〜10−七ツ滝橋10:35−大鳥池12:05−夕食準備14:30−就寝(消灯)19:00
4日(日)
起床5:00−出発6:30−東沢7:00−1100m(稜線)7:22−1580m8:44−以東岳9:17〜34−1675m10:05−オツボ峰10:25−三角峰下水場10:49−タキタロウ山荘12:00〜13:00−七ツ滝橋13:53−冷水沢14:20−泡抱ダム着15:15
天候 | 曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所なし |
その他周辺情報 | 旧朝日村かたくり温泉ぼんぼ(430円) |
写真
感想
10月3日(土)午前7時鶴岡市役所集合・出発。健康スポーツクラグ「楽しい山歩き教室」の方々と合同の登山。途中大鳥・タキタロウ館でトイレタイムをとり泡滝ダムに着く。楽しい山歩き教室の方々より先に出発してまずは順調に歩いてゆく。冷水沢手前で熟したコクワ(別名サルナシ猿梨)を採る。熊や猿が大好き。蔓が50mも伸びて非常に丈夫で腐りにくく「祖谷(いや)のかずら橋(吊り橋)」の材料に使われている。隣には赤い実のマユミ(真弓)が鈴生りに付けている。この枝はよくしなり文字通り弓をつくったと言われている。このマユミさん毒らしい。冷水沢を過ぎてからサワフタギ(沢蓋木)の瑠璃色の小さい実が鮮やかに目に映る。沢におおいかぶさるように生い茂ることからの名称らしいが、「ルリミノウシゴロシ(瑠璃実の牛殺し)」という物騒な別名をもらっている。これは瑠璃色の名前にふさわしい実の色。その後に付く「牛殺し」の名は、牛の鼻輪を作るくらい木が硬く、頭をたたくと死んでしまうということから付けられた,という。植物の名称はほとんどカタカナで表示されているが漢字で表すとそこに名付けの由来や物語が必ず存在している。それがまた楽しい。七曲りの坂に登るとまもなく道沿いに食べごろの「モダシ(ナラモダシ)」が風倒木に群生していた。4人では採りきれないほど生えている。先週の県民登山・六十里越街道でもこのキノコが多かった。今年はキノコの当たり年なのだろうか。
正午頃大鳥池に着いた。いつもの見慣れた風景だが今年は以東小屋が解体されると聞いているので気になって以東岳を見上げたら山頂付近は雲の中。タキタロウ山荘の入口に解体中の張り紙が貼られている。じつは何年前だったか以東小屋の建設中に出会ったのである。大工さんが昼食中でラーメンが余っているので食べないかと声をかけられたこと。また夏季合宿で管理人から水汲み(小屋から10分ほど下った名水・碧玉水ヘキギョクスイとして有名)を頼まれ駄賃にウイスキーをいただいたことなどが思い出し愛着を抱いていた。改築した小屋に来るのが楽しみだ。
昼食後一休みしてから山荘周辺のブナハリダケを採り行ったが見つからなかった。14時半ころ夕食準備にとりかかる。高橋シェフによる芋煮(モダシ入り),サラダ,鶏カラアゲとシシトウと玉葱の炒め物,大根おろしにいくら入り。そしてビール,焼酎,酒など。隣の楽しい山歩き教室もモダシとカヌカ入りの芋煮を中心とした献立のようだ。お互い山談義などで酒を交わす。19時消灯。
4日(日)5時に起床。うどんに餅を入れ,トマトとトーモロコシやりんごと生野菜。朝食後,外に出たら深夜降雨があったようだが以東岳の山頂が見える。小屋は解体されて作業小屋が小さく見えた。雨の心配はないようだ。山荘の主人・佐藤さん(前朝日村村長)から記念写真を撮ってもらい出発。楽しい山歩き教室は深夜降雨のため東沢の渡渉が懸念されオツボ峰コースをとり,わがパーティは以東岳直登コースを行くことにした。東沢に着いたら東北学院大学ワンゲル部のパーティに会う。渡渉にはなんら支障はなかった。渡るとまもなくサワフタギが列をなして瑠璃色にたくさん実っている。ここで休まず標高差150mを一気に登り1100mの稜線に出た。出発してから約1時間で最初の休憩。ここから紅葉のトンネルをくぐりときおり三角峰を視野に入れながら上がって行く。途中東北学院大学ワンゲル部に追い越されしばらく最後尾についてゆくが3人の女子部員がかなり足にきているようだ。追い越して森林限界の1200m付近に出たら船越氏が待っていてくれた。風が冷たい。雨具を着ていたら標高1500m付近から高橋,駒澤の両氏が手を振っているのが見える。それにしても毎日孫だましをしている駒澤さんの健脚ぶりには舌を巻く。彼女とは何回か同行したことがあるがへたばった姿は一度も見たことがない。振り返ると熊皮を敷いたような大鳥池とヌマガヤの草紅葉が見事である。紅葉を堪能しながら以東岳が見える稜線にたどり着く。以東小屋はすべて解体され資材がヘリに搬送できるように作業員の方々が梱包していた。同じ町内に住んでいる作業員K氏から声をかけてきたのにはビックリ。
以東岳では先行の二人が冷たい風のなかを待っていてくれた。風を避けて大朝日に連なる尾根が一望できる少し下ったところで休憩。この長い尾根が米沢と庄内を結ぶ朝日軍道。大勢の人と馬が往来していた。なんとも想像し難い光景が頭をかすめる。さあーここらは下るだけ。とはいっても2週間前,月山・柴燈森の下り道で顔面着地しているから十分注意しなければ,と気を引き締める。左の以東岳を眺め斜面のハイマツの緑と紅葉の織りなす錦繍に目が奪われる。オツボ峰の手前の鞍部で楽しい山歩き教室と会う。以東岳から30分くらいで下りてきたので彼らは以東岳に11時半ころ着くかな。ここで別れてからオツボ峰に着き昨年の登山道整備合同保全作業を思い起こす。土砂流出防止のためシュロ網が機能していた。植生の再生はこれから効果が出てくるだろう。水場を通り三角峰をトラバースして最後の短い急登を登る。頂で振り返えると日に照らされて錦繍織りなす三角峰の紅葉黄葉が鮮やかな光景を見せてくれた。化穴山と大鳥池を正面に下りてブナ林に入る。急坂を慎重に下ってタキタロウ山荘に着く。昼食をとって泡滝ダムに向かう。途中休憩をしたのは七つ滝橋でキノコには目もくれず無事駐車場に到着した。
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