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Yamareco

記録ID: 7343025
全員に公開
ハイキング
槍・穂高・乗鞍

黒部五郎岳 飛越トンネルからピストン

2024年10月12日(土) [日帰り]
 - 拍手
体力度
7
1~2泊以上が適当
GPS
13:12
距離
31.3km
登り
2,354m
下り
2,354m
歩くペース
速い
0.80.9
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
12:32
休憩
0:35
合計
13:07
5:03
47
5:50
37
6:27
6:38
76
7:54
8
8:02
25
8:27
7
8:34
8:40
23
9:03
74
10:17
34
10:51
10:52
7
10:59
11:00
57
11:57
29
12:26
7
12:33
29
13:02
5
13:07
53
14:00
14:16
33
14:49
40
15:29
71
天候 快晴のち曇り
過去天気図(気象庁) 2024年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
国道471より
行きは 神岡から県道484使用するも、隘路、カーブ多数
帰りは夕双六川沿の夕顔の道で471に出た。こっちの方が道はよい。
コース状況/
危険箇所等
 飛越新道、神岡新道はぬかるみ、木の根で歩きにくいとの記載もあるとおり、寺地山の先、標高2000m近くの森林限界まではぬかるみが多い。ここ数日晴れ間が続いていたせいで派手に沈むことはなかったが、雨上がりや雨天時はかなり嫌な道になると思う。細かいアップダウンもあり、下山時はウンザリさせられる。
 森林限界を超えて笹原の草原となったところで木道が出てくる。木道の分岐を南側に少し入ると北ノ俣避難小屋がある。登りの早朝は夜間の晴天の放射冷却もあって木道に霜が降りており、びっくりするほど滑りやすくまともに木道上は歩けなかった。木道は500mもあったろうか、だいぶ荒れていたり滑ることもあって登りの時は脇の草原を歩いた。(下山時は乾いてグリップも効いたので快適だった。)
 やがて笹原の中に涸れ沢のような登山道となるが、洗掘がひどくほとんど脇の草地を歩いた。
 稜線に近づくにつれて斜度がキツくなり、ハイマツ帯の中の道となる。斜度が緩くなって、視界が開け太郎山から続く稜線の木道に合流すれば北ノ俣岳山頂はすぐそば。
 北ノ俣岳からは一旦降って赤木岳、そのあとも3から4個小ピークを超える。この辺りは北アルプスらしい所々ハイマツの中を縫うザレ、ガレの稜線歩き。晴れていればピークごとに素晴らしい展望が広がる。
 最後の黒部五郎岳山頂まではやや斜度のあるザレ場の九十九折。山頂手前で黒部五郎小屋方面への分岐である黒部五郎岳の肩を過ぎると山頂までもう一息。

その他周辺情報 山之村のりょうし食堂でジビエカレー(鹿カレー)¥500
帰りの途中 割石温泉 ¥500
ここから出発。
寒いので長袖。
2024年10月12日 03:22撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
1
10/12 3:22
ここから出発。
寒いので長袖。
夜が明けてきた。ガスってる。
2024年10月12日 05:51撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
10/12 5:51
夜が明けてきた。ガスってる。
明るくなったものの、ガスで展望が開けず、道の悪さもあって忍耐の時間帯。ただ、上空は晴れていそう。
2024年10月12日 05:51撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
10/12 5:51
明るくなったものの、ガスで展望が開けず、道の悪さもあって忍耐の時間帯。ただ、上空は晴れていそう。
南側の展望が開けた箇所から。おお、結構いい天気ぽい。これは期待できるかもと思った。
2024年10月12日 06:02撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
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10/12 6:02
南側の展望が開けた箇所から。おお、結構いい天気ぽい。これは期待できるかもと思った。
朝のビーナスベルト。下界は雲の下。
2024年10月12日 06:02撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
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10/12 6:02
朝のビーナスベルト。下界は雲の下。
樹林帯をもう少しで抜けそう。稜線まではまだまだある。
2024年10月12日 06:24撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
10/12 6:24
樹林帯をもう少しで抜けそう。稜線まではまだまだある。
2024年10月12日 06:24撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
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10/12 6:24
北ノ俣避難小屋。こじんまりとして可愛らしい。
ここまでの木道に霜が降りていて滑ってすっ転ぶ。
左側に少し入ったところに「水洗」トイレあり。小用を済ます。
2024年10月12日 06:36撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
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10/12 6:36
北ノ俣避難小屋。こじんまりとして可愛らしい。
ここまでの木道に霜が降りていて滑ってすっ転ぶ。
左側に少し入ったところに「水洗」トイレあり。小用を済ます。
西側の山に日が当たってきた。
森林限界を超えると池塘が点在する笹原を進む。登山道は洗掘が進んで枯れた沢となっており、その脇の草地を歩く。
2024年10月12日 06:56撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
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10/12 6:56
西側の山に日が当たってきた。
森林限界を超えると池塘が点在する笹原を進む。登山道は洗掘が進んで枯れた沢となっており、その脇の草地を歩く。
稜線に上がりました。日陰になっている木道には霜。
2024年10月12日 07:47撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
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10/12 7:47
稜線に上がりました。日陰になっている木道には霜。
泥道地獄を抜けて上がった稜線はこの景色。まさに天国!
頭の中では自然にフルオーケストラでの「諸人こぞりて!」が響いてた。
2024年10月12日 07:48撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
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10/12 7:48
泥道地獄を抜けて上がった稜線はこの景色。まさに天国!
頭の中では自然にフルオーケストラでの「諸人こぞりて!」が響いてた。
薬師岳。左側の方にちらっと剱岳が見えている。
2024年10月12日 07:48撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
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10/12 7:48
薬師岳。左側の方にちらっと剱岳が見えている。
iPhoneバージョン
2024年10月12日 07:52撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
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10/12 7:52
iPhoneバージョン
北ノ俣岳登頂。
2024年10月12日 07:54撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
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10/12 7:54
北ノ俣岳登頂。
順光に映える薬師岳
2024年10月12日 07:52撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
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10/12 7:52
順光に映える薬師岳
黒部川源流域。左が水晶岳、右に鷲羽岳。手前は雲の平。
薬師岳登山の途中で太郎平小屋から見るとよくわからない山々が今回はクッキリ。
2024年10月12日 07:52撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
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10/12 7:52
黒部川源流域。左が水晶岳、右に鷲羽岳。手前は雲の平。
薬師岳登山の途中で太郎平小屋から見るとよくわからない山々が今回はクッキリ。
北ノ俣岳のピークまであと少し。
なんちゅう空のヌケ方だ。幸せ。
2024年10月12日 07:52撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
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10/12 7:52
北ノ俣岳のピークまであと少し。
なんちゅう空のヌケ方だ。幸せ。
槍ヶ岳もクッキリ。
2024年10月12日 07:53撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
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10/12 7:53
槍ヶ岳もクッキリ。
南側を広角で。
2024年10月12日 07:53撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
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10/12 7:53
南側を広角で。
幾重にも重なる稜線を縫って黒部川が流れる。
2024年10月12日 07:55撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
10/12 7:55
幾重にも重なる稜線を縫って黒部川が流れる。
水晶岳から鷲羽岳の稜線と雲の平。
2024年10月12日 07:55撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
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10/12 7:55
水晶岳から鷲羽岳の稜線と雲の平。
有峰湖。先ほどは雲海の下と思っていた富山平野が見えている。
2024年10月12日 07:55撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
10/12 7:55
有峰湖。先ほどは雲海の下と思っていた富山平野が見えている。
飛騨方面は雲の下。右端に雲の上から覗くのは白山塊か。
2024年10月12日 07:56撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
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10/12 7:56
飛騨方面は雲の下。右端に雲の上から覗くのは白山塊か。
ケルン越しに目指す黒部五郎岳。右奥の特徴的なピークは笠ヶ岳。
2024年10月12日 07:56撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
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10/12 7:56
ケルン越しに目指す黒部五郎岳。右奥の特徴的なピークは笠ヶ岳。
逆光のシルエットで本日の目的地。ラスボス。
2024年10月12日 07:56撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
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10/12 7:56
逆光のシルエットで本日の目的地。ラスボス。
笠ヶ岳のシルエットもかっこいい。
2024年10月12日 07:57撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
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10/12 7:57
笠ヶ岳のシルエットもかっこいい。
笠ヶ岳の右奥は乗鞍岳か。手間に人物が入るとスケール感出る。
2024年10月12日 07:59撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
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10/12 7:59
笠ヶ岳の右奥は乗鞍岳か。手間に人物が入るとスケール感出る。
ここから歩く稜線。さっきまでのドロドロ樹林帯と比べると何て幸せな稜線歩き。
2024年10月12日 08:02撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
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10/12 8:02
ここから歩く稜線。さっきまでのドロドロ樹林帯と比べると何て幸せな稜線歩き。
赤木岳から見る。赤牛岳。色味と山名が一致する山。
2024年10月12日 08:27撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
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10/12 8:27
赤木岳から見る。赤牛岳。色味と山名が一致する山。
水晶岳(黒岳)こっちも色味と山名が一致する山。
2024年10月12日 08:27撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
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10/12 8:27
水晶岳(黒岳)こっちも色味と山名が一致する山。
手前から赤木沢が流れいく。
2024年10月12日 08:27撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
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10/12 8:27
手前から赤木沢が流れいく。
黒部川源流の流れ出る谷。奥には鷲羽岳。
2024年10月12日 08:28撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
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10/12 8:28
黒部川源流の流れ出る谷。奥には鷲羽岳。
なかなか近づかない黒部五郎岳。
2024年10月12日 08:28撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
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10/12 8:28
なかなか近づかない黒部五郎岳。
西側。ガスが出てきた。
2024年10月12日 08:28撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
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10/12 8:28
西側。ガスが出てきた。
薬師岳、赤木岳方向。草もみじが綺麗。
2024年10月12日 08:29撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
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10/12 8:29
薬師岳、赤木岳方向。草もみじが綺麗。
2024年10月12日 09:40撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
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10/12 9:40
2024年10月12日 09:40撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
10/12 9:40
薬師岳東南陵の右側から覗く剱岳。
2024年10月12日 09:40撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
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10/12 9:40
薬師岳東南陵の右側から覗く剱岳。
さぁ、あとはこの斜面を登り切る。
2024年10月12日 09:40撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
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10/12 9:40
さぁ、あとはこの斜面を登り切る。
登頂した!山頂標。
2024年10月12日 10:33撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
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10/12 10:33
登頂した!山頂標。
だいぶガスが出てきているけれど、見てみたかった黒部五郎岳のカール。山頂から切れ落ちて続いていて、スケール感がある。
2024年10月12日 10:20撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
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10/12 10:20
だいぶガスが出てきているけれど、見てみたかった黒部五郎岳のカール。山頂から切れ落ちて続いていて、スケール感がある。
カールの先の真正面には鷲羽岳
2024年10月12日 10:20撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
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10/12 10:20
カールの先の真正面には鷲羽岳
カールの右端には黒部五郎小屋が見えている。
2024年10月12日 10:20撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
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10/12 10:20
カールの右端には黒部五郎小屋が見えている。
左から、薬師岳、剱岳、その奥は後立山か、そして赤牛岳。
2024年10月12日 10:21撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
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10/12 10:21
左から、薬師岳、剱岳、その奥は後立山か、そして赤牛岳。
赤牛岳アップ。
2024年10月12日 10:21撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
10/12 10:21
赤牛岳アップ。
カールの上から見る黒部川源流域の山並み。ずっと奥まで山々が連なっている。
2024年10月12日 10:21撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
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10/12 10:21
カールの上から見る黒部川源流域の山並み。ずっと奥まで山々が連なっている。
足元からスプーンで抉られたカール。
2024年10月12日 10:22撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
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10/12 10:22
足元からスプーンで抉られたカール。
山頂まで持ってきたランチパックはパンパン。
2024年10月12日 10:24撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
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10/12 10:24
山頂まで持ってきたランチパックはパンパン。
黒部五郎岳の肩の案内板では肩から山頂往復して25分でつくという黒部五郎小屋。
2024年10月12日 10:24撮影 by  NIKON D7200, NIKON CORPORATION
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10/12 10:24
黒部五郎岳の肩の案内板では肩から山頂往復して25分でつくという黒部五郎小屋。
すごい景観。山しか見えない。
2024年10月12日 10:34撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
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10/12 10:34
すごい景観。山しか見えない。
2024年10月12日 10:34撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
1
10/12 10:34
2024年10月12日 10:34撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
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10/12 10:34
北ノ俣岳まで戻ってきました。下山開始直後からガスが上がってきて、この辺りはでは完全に曇り。
2024年10月12日 13:01撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
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10/12 13:01
北ノ俣岳まで戻ってきました。下山開始直後からガスが上がってきて、この辺りはでは完全に曇り。
朝と比べて見通しが効かなくなってた。
2024年10月12日 13:01撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
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10/12 13:01
朝と比べて見通しが効かなくなってた。
神岡新道の分岐まで戻ってきた。雲の平はその名の通り、雲の中に。
2024年10月12日 13:08撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
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10/12 13:08
神岡新道の分岐まで戻ってきた。雲の平はその名の通り、雲の中に。
神岡新道を下りはじめる。
2024年10月12日 13:18撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
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10/12 13:18
神岡新道を下りはじめる。
北ノ俣避難小屋手前は木道の先に池塘が点在する。
2024年10月12日 13:51撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
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10/12 13:51
北ノ俣避難小屋手前は木道の先に池塘が点在する。
朝方、展望していた箇所から。稜線はガスだったが西側に下ると雲が多いながらも晴れている。
2024年10月12日 14:20撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
1
10/12 14:20
朝方、展望していた箇所から。稜線はガスだったが西側に下ると雲が多いながらも晴れている。
2024年10月12日 14:20撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
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10/12 14:20
2024年10月12日 14:39撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
10/12 14:39
上りの時には全く気が付かなかった寺地山山頂標
2024年10月12日 14:49撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
10/12 14:49
上りの時には全く気が付かなかった寺地山山頂標
鏡池。直径1mもあるかどうか。
2024年10月12日 15:02撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
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10/12 15:02
鏡池。直径1mもあるかどうか。
倒木のトンネル。下山時振り返って。
2024年10月12日 15:59撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
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10/12 15:59
倒木のトンネル。下山時振り返って。
だいぶ下りてきた。太陽はもうだいぶ傾いている。夕暮れ時の光
2024年10月12日 16:10撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
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10/12 16:10
だいぶ下りてきた。太陽はもうだいぶ傾いている。夕暮れ時の光
なんとか日没前の明るい時間帯に下山完了。長い道のりだった。
2024年10月12日 16:43撮影 by  iPhone 12 mini, Apple
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10/12 16:43
なんとか日没前の明るい時間帯に下山完了。長い道のりだった。

装備

個人装備
食料 地図 コンパス 保険証 飲料水(2L) 経口補水液(1L) 三角巾 バンドエイド 医薬品 タオル 携帯電話 雨具 時計 非常食 熊鈴 ヘッドランプ ロールペーパー ザック タイツ Tシャツ替え 長袖ジャケット ズボン グローブ ハット サングラス カメラ ナイフ

感想

 例年と比べて、やや時期が遅くなったものの、冬山はやらない自分にとっては今シーズン最後の山行として日帰りで行ける山の最も遠い山として飛越トンネルからの黒部五郎岳ピストンを計画。
 飛越新道、神岡新道はレコや紹介文でぬかるみがひどいといった話もあるが、この三連休前は天気も安定しているし、夏場の暑さにやられることもないだろうと決行を決める。11時までに山頂に辿り着けそうになければ撤退のタイムリミットを定め、朝3:30からヘッデン装備で登り始める。
 出だしは、満点の星空でたまに見上げると樹冠をから見えるオリオンを目指して歩いている気分に。ただ、やはりぬかるみは多く、木の根の張り出しも多く雨上がりだと大層嫌な道になると思う。暗闇の中の歩行でもぬかるみの多さは梅雨明け時期に笹ヶ峰から登った火打山と並んで自分の中ではワーストタイと認定。さらに明るくなってくると夜明け前の晴天と違いガスも出ていてめげた。ただ、流れは早く薄そうだったのでやがて抜けると考えて歩いた。
 忍耐の樹林帯を抜けて展望が開けるとガスから抜け、湿地帯らしい草原が広がり木道が出てきた。やっと歩き良くなって展望も効くぞと思って木道に足をかけると、アイスリンクよろしくものすごい滑る。この時期、晴天の朝は放射冷却もあり木道には霜が降りていた。一旦、木道が分岐している北ノ俣避難小屋へトイレ休憩も兼ねて向かうも盛大に尻餅をつくハメになった。(なお、北ノ俣避難小屋はこじんまりした三角屋根のかわいらしい小屋で近くに水源から水を引いた天然水洗トイレ?もあり、登り下り共にトイレ休憩させてもらった。なお、木道以外を通る道も別にある。)
 西側斜面は明るくなっても陽が差し込むには時間があり、とても木道の上は歩いていられずやむなく脇の草地を歩く。木道がなくなったあたりから徐々に斜度が上がり、登山道は洗掘の深い涸れ沢のようになる。歩きにくい涸れ沢より、みんな脇の草地を歩くようで、植生にはよくなのだろうと思いつつも自分も踏み跡を辿った。やがてハイマツの中を歩くようになり、斜度がゆるくなって展望が開けると太郎山から北ノ俣岳に続く稜線の木道に合流する。この合流地点で陽の光を浴びた景観は忘れられない。快晴の元、薬師岳から赤牛岳、水晶岳、鷲羽岳と黒部川源流域が輝いて見えた。陽に当たって体も暖かく頭ん中では自然にバッハがフルオーケストラで鳴り響いてた(笑)山の神様ありがとう。最近辛い山行が多くて山登りに嫌気がさしてた時期もあったけど、こういう景観に出会えるとやっぱり山登りはいいなと思う。
 北ノ俣岳に登頂すると目的の黒部五郎岳もバッチリ見える。赤木岳とピークのたびに絶景を見ることができた。いくつか小さなピークを超えるも斜度は大きくなく、気持ちの良い稜線歩きができた。ただ、だんだん西側からガスが上がってきており、ちょっと怪しい雲行きに。最後にガレ場の九十九折の急坂を登りつめると、なんとかガスに撒かれることもなく、登り始めから7時間かけて撤退ラインよりも前の10:20山頂に到達することができた。
 補給しながら見やる黒部五郎岳カールは足元から先まで草紅葉が色づきながら落ち込んでおり、その先に紅葉が色づいた樹林の急峻な斜面で雲の平が立ち上がっている。その奥には最近山座同定できるようになった鷲羽岳、水晶岳、赤牛岳が並ぶ。素晴らしい展望で、ここまで到達するまでの道程も思うと涙がでそうだった。
 30分程度たっぷり景色を堪能して補給したあとは長い下山を開始。下山開始して程なくガスに撒かれた。展望が広がらず、時たま西からの風に吹かれながら北ノ俣岳までの少ピークは黙々と歩いた。神岡新道の分岐近くでは一時的に青空がのぞく時もあり、雲の平方向の草原が陽に照らされる様を惜しみつつ稜線を後にした。神岡新道に出てしばらく歩くとガスは頭上となり雲の下を進んだ。登りで散々な目にあった木道は下りの時にはすっかり乾いて本来の機能を取り戻し、周囲の池塘を眺める余裕もできた。朝は無人だった北ノ俣避難小屋では男性が一人、宿泊用意をしており、明日黒部五郎岳を目指すとのことで、早朝の霜の降りた木道の注意喚起をさせてもらった。
 明るい中で歩く樹林帯は朝よりも湿り気が少なく、まだ快適に歩けたと思う。ヤマレコの神岡新道、飛越新道の紹介文にはぬかるみと並んで木の根による歩きにくさもかいてあるが、乾いていれば先々週登った毛勝山と比べれば全然マシだと思えた。ただやはり長いのとぬかるみ、そして登山口まで2kmを切っても出てくる小さな登り返しはしんどかった。
 標高が下がると登り初めでは気づかなかった寺地山山頂や鏡池、西陽に照らされた登山道の紅葉が印象的だった。最後はお日様が山の影に隠れるのと競争となったが、なんとか日没前に登山口に帰ってくることができた。
 長い道程を歩き通すために車に置き去りにしたストーブとコッヘルで湯を沸かしてどん兵衛が出来上がるのを待っている間に上着を着替えていると初めて剱岳早月尾根をピストンした時以来の低血糖による手の震えと寒気に襲われる。フリースを着込み、出来上がったどん兵衛と、こちらも下山後の楽しみに残しておいたコーラを沈みゆく夕日を見ながら食べたら一息つくことができた。

 休日の少ない仕事やお金の都合で近場の日帰り登山ばかりをやってきた中で、今回は最長の道程となった。自分の実力では、この時期の好天が続いた中でだからこそできた山行だと思う。稜線、山頂での景色や道程の厳しさも含めて忘れられない山になるだろう。もう一度やりたいかと言えば・・・、飛越、神岡新道はもういいかな。
 帰り道、山之村のりょうし食堂でいただいた鹿カレー(どん兵衛食った直後でも余裕で食べれた。)が美味しかった。割石温泉で汗を流して、帰宅は20:30。起床から登山口までの行き来も含め20時間ぶっ通しの大人の冒険は、これで第何回目だっけ?

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