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Yamareco

記録ID: 7372338
全員に公開
沢登り
栗駒・早池峰

虎毛山(湯ノ又沢遡行、赤湯又沢下降、虎毛沢遡行)

2024年10月12日(土) ~ 2024年10月14日(月)
 - 拍手
potassium39 その他3人
体力度
6
1~2泊以上が適当
GPS
21:33
距離
41.9km
登り
1,945m
下り
1,959m
歩くペース
ゆっくり
1.41.5
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
5:38
休憩
0:23
合計
6:01
距離 11.4km 登り 730m 下り 559m
10:56
26
駐車場
11:22
64
ときめき橋
12:26
12:40
74
休憩
13:54
14:03
15
稜線
16:57
温泉
2日目
山行
5:17
休憩
0:27
合計
5:44
距離 15.9km 登り 327m 下り 257m
8:58
72
温泉
10:10
10:37
245
虎毛沢出合
14:42
735m二俣
3日目
山行
4:57
休憩
1:58
合計
6:55
距離 14.7km 登り 888m 下り 1,143m
7:00
47
735m二俣
7:47
8:32
52
871m二俣
9:24
9:40
41
休憩
10:21
10:47
12
稜線
10:59
11:26
34
12:12
7
12:19
10
12:32
10
12:54
12:58
22
13:20
35
13:55
虎毛山 赤倉沢登山口
天候
過去天気図(気象庁) 2024年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
ときめき橋から入渓
2024年10月12日 11:22撮影
10/12 11:22
ときめき橋から入渓
美しいナメにときめく
2024年10月12日 11:24撮影
10/12 11:24
美しいナメにときめく
下をくぐる
2024年10月12日 11:32撮影 by  iPhone 11, Apple
10/12 11:32
下をくぐる
フリクションがよく効いて歩きやすい
2024年10月12日 11:38撮影
10/12 11:38
フリクションがよく効いて歩きやすい
源頭
2024年10月12日 13:31撮影
10/12 13:31
源頭
ショートカットして笹薮を直登
2024年10月12日 13:49撮影
10/12 13:49
ショートカットして笹薮を直登
稜線に出た 虎毛山が見える
2024年10月12日 13:54撮影
10/12 13:54
稜線に出た 虎毛山が見える
縦走路は薮っぽい
2024年10月12日 14:04撮影
10/12 14:04
縦走路は薮っぽい
栗駒山 向こうにも人が多いんだろうな
2024年10月12日 14:08撮影 by  iPhone 11, Apple
10/12 14:08
栗駒山 向こうにも人が多いんだろうな
赤湯又沢上部は傾斜が強くてヒヤヒヤした
2024年10月12日 14:21撮影 by  iPhone 11, Apple
10/12 14:21
赤湯又沢上部は傾斜が強くてヒヤヒヤした
安心
2024年10月12日 14:32撮影
10/12 14:32
安心
河床が赤い沢が合流していた この上流にも大規模に温泉が湧いているらしい
2024年10月12日 15:54撮影 by  iPhone 11, Apple
10/12 15:54
河床が赤い沢が合流していた この上流にも大規模に温泉が湧いているらしい
コロイド色をしている
2024年10月12日 15:59撮影 by  iPhone 11, Apple
10/12 15:59
コロイド色をしている
2024年10月12日 16:40撮影 by  iPhone 11, Apple
10/12 16:40
この水たまりを掘ったが、水が染みてしまった
2024年10月12日 17:08撮影 by  iPhone 11, Apple
10/12 17:08
この水たまりを掘ったが、水が染みてしまった
枝沢で水分補給
2024年10月12日 17:17撮影 by  iPhone 11, Apple
10/12 17:17
枝沢で水分補給
徒歩2秒で足湯
2024年10月13日 05:48撮影 by  iPhone 11, Apple
10/13 5:48
徒歩2秒で足湯
翌朝見つけた湯船 全身で浸かれて42°C
2024年10月13日 08:04撮影
10/13 8:04
翌朝見つけた湯船 全身で浸かれて42°C
翌朝見つけた湯船 温泉卵ができそうな60°C
2024年10月13日 08:35撮影
10/13 8:35
翌朝見つけた湯船 温泉卵ができそうな60°C
虎毛沢出合
2024年10月13日 10:10撮影
10/13 10:10
虎毛沢出合
美しいナメ
2024年10月13日 10:39撮影 by  iPhone 11, Apple
10/13 10:39
美しいナメ
イワナ このあたりは魚影が濃かった
2024年10月13日 10:44撮影 by  iPhone 11, Apple
10/13 10:44
イワナ このあたりは魚影が濃かった
ナメ
2024年10月13日 10:47撮影 by  iPhone 11, Apple
10/13 10:47
ナメ
スラブ
2024年10月13日 11:10撮影
10/13 11:10
スラブ
2024年10月13日 11:31撮影
10/13 11:31
2024年10月13日 11:53撮影
10/13 11:53
2024年10月13日 12:02撮影
10/13 12:02
ナメ
2024年10月13日 12:18撮影
10/13 12:18
ナメ
スラブと淵
2024年10月13日 13:31撮影
10/13 13:31
スラブと淵
スラブと淵
2024年10月13日 13:39撮影 by  iPhone 11, Apple
10/13 13:39
スラブと淵
ナメ
2024年10月13日 13:48撮影 by  iPhone 11, Apple
10/13 13:48
ナメ
2024年10月13日 13:56撮影 by  iPhone 11, Apple
10/13 13:56
2024年10月13日 14:30撮影 by  iPhone 11, Apple
10/13 14:30
735m二俣
2024年10月13日 14:42撮影
10/13 14:42
735m二俣
ここをキャンプ地とする
2024年10月13日 14:50撮影
10/13 14:50
ここをキャンプ地とする
ここまで釣り上がったが釣果あがらず
2024年10月13日 16:21撮影
10/13 16:21
ここまで釣り上がったが釣果あがらず
871m二俣
2024年10月14日 07:47撮影 by  iPhone 11, Apple
10/14 7:47
871m二俣
直登したら濡れた
2024年10月14日 07:48撮影 by  iPhone 11, Apple
10/14 7:48
直登したら濡れた
源頭
2024年10月14日 09:45撮影 by  iPhone 11, Apple
10/14 9:45
源頭
稜線
2024年10月14日 10:23撮影
10/14 10:23
稜線
山頂
2024年10月14日 11:01撮影
10/14 11:01
山頂
山頂を包む紅葉
2024年10月14日 11:01撮影
10/14 11:01
山頂を包む紅葉
焼石山、栗駒山 遠くに岩手山
2024年10月14日 11:01撮影
10/14 11:01
焼石山、栗駒山 遠くに岩手山
栗駒山と木道
池塘
2024年10月14日 11:03撮影
10/14 11:03
池塘
阪神タイガースファンが楽しそうだった
2024年10月14日 11:10撮影 by  iPhone 11, Apple
10/14 11:10
阪神タイガースファンが楽しそうだった
神室山、鳥海山
2024年10月14日 11:31撮影 by  iPhone 11, Apple
10/14 11:31
神室山、鳥海山
山頂を振り返る
2024年10月14日 11:51撮影 by  iPhone 11, Apple
10/14 11:51
山頂を振り返る
虎毛沢流域
2024年10月14日 11:53撮影 by  iPhone 11, Apple
10/14 11:53
虎毛沢流域
登山道は最近刈り払いがされたようで歩きやすかった
2024年10月14日 12:00撮影
10/14 12:00
登山道は最近刈り払いがされたようで歩きやすかった
渡渉点に架かる橋
2024年10月14日 12:54撮影
10/14 12:54
渡渉点に架かる橋
崩落して際どい 沢靴を履いて沢を歩いて下った方が楽しかったと思う
2024年10月14日 13:03撮影
10/14 13:03
崩落して際どい 沢靴を履いて沢を歩いて下った方が楽しかったと思う
泥濘 沢靴を履いて沢を歩いて下った方が楽しかったと思う
2024年10月14日 13:14撮影
10/14 13:14
泥濘 沢靴を履いて沢を歩いて下った方が楽しかったと思う
堰堤工事をしていた
2024年10月14日 13:23撮影
10/14 13:23
堰堤工事をしていた
下山しました
2024年10月14日 13:55撮影
10/14 13:55
下山しました
温泉良かったです こんなところでモール泉が出るんだ
2024年10月14日 14:46撮影
10/14 14:46
温泉良かったです こんなところでモール泉が出るんだ
撮影機器:

感想

 私はそこまで沢登りに入れ込んでいる訳ではないが、虎毛沢の名前は知っていた。沢登りをする人にどの沢が一番好きかと聞くと、皆悩みながら候補を出す中に、ちょくちょくその名前が挙がるからだ。
 沢仲間が東京へ長期出張になり、せっかくならこのタイミングで東北の沢へ、ならば虎毛沢にとトントン拍子で計画が出来上がった。しかしなかなか思うようにはいかず、初めに計画していた9月の連休は天気が悪く、今回はその沢仲間が体調不良で不参加になってしまった。既に10月も中旬に入り、これ以上の順延は出来ないため、代わりに折りたたみ自転車をメンバーに入れて、秋田へ向かった。

〇1日目
 山梨を3時に出発。交代で運転しながら移動し、登山開始は11時。秋田県の中では一番近い地域だが、それでも気軽に来られる距離ではない。
 三連休とあって、ゲート付近には登山者と思われる車が6台停まっていた。さすが人気の沢だ。

 ときめき橋から湯ノ又沢に入渓。入渓点から既に、地元では見たことのない、凝灰岩の白くて美しいナメが続いており、心がときめく。フリクションもよく効き、難しい滝もほとんどなく、歩きやすい。これが東北の沢か……!
 標高940mの二俣から先は水量が減り、渓相が荒れ始める。標高1090mで沢筋を離れ、笹薮の中を標高差30mほど這い上がると、稜線に出た。縦走路はあまり使われていないようで、胸ほどまである笹薮をかき分けて、下降点まで移動した。

 登山道分岐点付近の薮の薄いところに適当に突っ込み、赤湯又沢に入った。上部は傾斜が強い上に、草付きかと思いきや薄い土層が岩盤からズルっと滑り落ちるようなところがあり、ヒヤヒヤした。もっと良い下り口があったと思う。水流が出てくると足場が安定して一安心。
 進むにつれて次第に、川底に硫黄が析出していたり、ポコポコと気泡が出ていたりする場所が出てきた。今日の夜への期待が高まる。人が多くてタープが張れなかったらどうしようとも思ったが、焦っても仕方がない。微妙な滝2箇所ではロープを出し、17時前に幕営予定地に着いた。

 一番広い平地は7人と3人のパーティーで埋まってしまっていた。その少し下ではソロの人が泊まる準備をしていた。今日は我々を含め、この4パーティーがここに泊まるようだ。
 100mほど下ると、噴気地帯の流路跡に、なんとか4人が横になれる場所を見つけた。足湯のできる硫黄泉が流れる小さな支流と、赤い湯が沸く本流側の水たまりに挟まれており、少し掘ると地面に温もりを感じる。雨は降らないだろうし、ここが良いだろう。
 既に薄暗い中、タープを張り、薪を集め、湯船を掘った。湯船を掘る際に石をどけたからか、湯が染み込んでしまい、残念ながらこの日全身で湯に浸かることは叶わなかった。その代わりに、完璧に炊けた米に鍋で温まった。ダメ元で、近場で最も熱かった、45°Cくらいのお湯に生卵を浸けておいたが、温泉卵にはならなかった。21時頃就寝。

〇2日目
 6時起床。就寝中、無意識下で温もりを求めて体がだんだんエアマットから外れ、温かくゴツゴツした石の上に移動して寝ていたため、体はバキバキだが、おかげで全く寒さを感じることはなかった。
 朝食は余った鍋の素とご飯で雑炊にした。この日は行動時間があまり長くないため、出発は9時に決めた。周囲を散策していると、温泉卵ができそうな60°C以上の湯船、寝湯ができる40°Cほどの湯船、膝を畳めば全身で浸かれる42°Cほどの湯船を発見した。昨晩見つけられていれば、もっと楽しい夜になったろうになあ……。掘ったりダムを建設したりして湯船を拡張し、9時まで野湯を楽しんだ。

 後ろ髪を引かれながら赤湯又沢を1時間下降。虎毛沢出合は滝になっており、尾根に上ってから斜面をトラバースして虎毛沢に下りた。
 湯ノ又沢に勝るとも劣らない白く美しいナメ、エメラルドグリーン色をした豊富な水量。淵に踏み入るごとに道案内するかのように逃げていくイワナ。皆がこぞって推す理由が良く分かった。
 ところどころに深い釜があり、全身が濡れるのを嫌ってへつったり巻いたりするのに何度かロープを出した。しかし結局、なんでもないところで油断して足を滑らせ、ぼちゃんと情けない音とともに沢に落ちるのだった。止まると寒いので足早に歩く。

 15時前に標高735mの二俣に到着。左俣を20m進み、左岸を一段上がったところに、新しい焚き火跡と薪付きの平地があった。昼頃にスライドした4人パーティーのものだろうか?我々も使わせていただくことにした。
 焚き火組と釣り組に別れて夜宴の準備をする。右俣と左俣に別れて釣り上がったが、左俣は釣りやすいポイントがあまりなく、あっても見つかってしまったり食ってこなかったりと、釣果を上げることはできなかった。歩いてきた下流側のほうが魚影が濃かったので、釣りながら登ってくれば良かったかもしれない。
 幸い、もう1人の釣り組が右俣で2匹、20cmほどのイワナを釣ってきてくれたおかげで、夕飯のカレーライスとともに、塩焼きと骨酒を楽しむことができた。その他、ベーコンやチーズ、パン、フキの葉に包んだ焼き芋など、豪華な焼き物で温泉のない夜を精一杯楽しんだ。21時頃就寝。

〇3日目
 5時起床。インスタントラーメンでちゃちゃっと朝食を済ませ、7時発。
 左俣より釣りやすそうな渓相の右俣を、どこで釣ったかなど話しながら登る。871m標高点の二俣から左俣へは滝になっており、右俣から登って巻くことができそうだったが、直登することになった。さほど難しくはないものの水量が多く、今日もまたそこそこ濡れてしまった。最初に空身で登った人は、ザックを持ち上げるのに手間取り、ザックまでびしょびしょになってしまい、気の毒だ。
 標高1070mの広いところで休憩と水汲みをした。程なく水は涸れ、薮の薄いところを選びながら、沢筋を詰めた。

 標高1250mで稜線に出て沢装備を解除。久しぶりの乾いた靴に感動した。ここで先に下山して、デポしておいた自転車で車を回収しに行く人と別れて、山頂を踏みに行く。稜線上は1日目の縦走路とは異なり、最近刈り払いがされたようで、歩きやすかった。
 山頂には、行ったことがなかったから、くらいの気持ちで行ったのだが、想像以上の展望に心を奪われた。一帯を包む紅葉、高層湿原に浮かぶ池塘、眼下にうねる山並みから頭をもたげた栗駒山、焼石山、神室山、鳥海山。素晴らしい沢旅を締めくくる素晴らしい景色だった。
 山名に「虎」の字が含まれる山の中では最も標高が高いことから、阪神タイガースファンのゆかりの地になっており、山頂の標石や避難小屋の内装に愛を感じた。

 下降点から高松山方面の縦走路には、熊の痕跡が多く登山道の整備ができないと書かれた看板があった。それで1日目は薮を漕ぐはめになった訳だ。
 標高差600mの急坂を下ると沢沿いの道になるが、崩落して際どくなったところがあったり、せっかく乾いた足が泥濘に沈んだりと、あまり快適ではなかった。相変わらず沢は穏やかで、沢靴を履いて沢を歩いて下った方が楽しかっただろう。

 登山口にはもう車があった。駐車地点まで車に乗せてもらったため自転車は使わなかったという。
 鳴子温泉に立ち寄って人間に戻り(この温泉も良かった)、長い長い帰り道を、また8時間かけて山梨に戻った。

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