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Yamareco

記録ID: 7389342
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
奥秩父

奥秩父 岩屋林道から国師岳 梓川岩小屋泊

2024年10月19日(土) ~ 2024年10月20日(日)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
13.0km
登り
980m
下り
975m

コースタイム

1日目
山行
3:30
休憩
0:10
合計
3:40
10:00
50
唐松久保沢出合
10:50
20
11:10
130
13:20
13:30
10
2日目
山行
4:50
休憩
0:30
合計
5:20
7:50
8:10
70
9:20
0
10:20
20
10:40
40
11:20
ゴール地点
道迷い(枝沢捜索)の時間など、細かい時刻は写真に説明を付けます。
天候 一日目曇り夜半雨 二日目晴れ
過去天気図(気象庁) 2024年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
川上村にセブンイレブンが出来ました
コース状況/
危険箇所等
道は荒廃の一途をたどり、崩壊しかけた林道跡をたどるのに手間取ります。明らかな昔の道形を見つけることもあれば、獣道をたどる所もあり、好事家以外にお勧めできません。将来は遡行ルートのみになるかもしれません。
奥地まで愛車ジムニーで突っ込む。下見や探索失敗の時を含めて、何度も入った道です。町田市民休暇村を右。
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奥地まで愛車ジムニーで突っ込む。下見や探索失敗の時を含めて、何度も入った道です。町田市民休暇村を右。
ここは右
水道施設のようなところも右
水道施設のようなところも右
梓2号橋。ひとによってはここで向かって右の(左岸側)林道跡を歩くらしいです。未確認です。私はさらに林道を奥へ進みます。
梓2号橋。ひとによってはここで向かって右の(左岸側)林道跡を歩くらしいです。未確認です。私はさらに林道を奥へ進みます。
1番目の作業小屋。すでにこの手前から林道の具合は悪く、釣り人さんたちは殆んどが2号橋の手前で駐車しています。灌木で車体をこすりますので、新車だと心臓に悪いです。
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1番目の作業小屋。すでにこの手前から林道の具合は悪く、釣り人さんたちは殆んどが2号橋の手前で駐車しています。灌木で車体をこすりますので、新車だと心臓に悪いです。
唐松久保林道との分岐点の様子。右が国師岳方向、梓久保林道。車が入れるのはここまで。出水や落石の恐れもあるので、車両での進入は自己責任です。Uターンのスペースは空けておきましょう。
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唐松久保林道との分岐点の様子。右が国師岳方向、梓久保林道。車が入れるのはここまで。出水や落石の恐れもあるので、車両での進入は自己責任です。Uターンのスペースは空けておきましょう。
右、国師岳歩道と書かれた木柱がついに崩壊しました。
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右、国師岳歩道と書かれた木柱がついに崩壊しました。
身支度して出発。
身支度して出発。
林道は寸断されています。唐松久保の水量が豊富なので本流と間違えると大変です。(過去二回間違えました。)
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林道は寸断されています。唐松久保の水量が豊富なので本流と間違えると大変です。(過去二回間違えました。)
渡って振り返る。堰堤の上が駐車場所。無事帰ってこれるかなー
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渡って振り返る。堰堤の上が駐車場所。無事帰ってこれるかなー
始めは立派な林道ですが、
始めは立派な林道ですが、
ゲートをくぐってからすぐに、
ゲートをくぐってからすぐに、
こんな所ばっかりになります。
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こんな所ばっかりになります。
自然に帰ろうとしています。以前辿ったときにはもう少し歩きやすかったように思います。
自然に帰ろうとしています。以前辿ったときにはもう少し歩きやすかったように思います。
東沢合流点。出水で林道が寸断されたところは渡渉に苦労します。間違えやすいところでもあります。GPS使えば勘違いしないもんでしょうか。
東沢合流点。出水で林道が寸断されたところは渡渉に苦労します。間違えやすいところでもあります。GPS使えば勘違いしないもんでしょうか。
こんな落っこちた橋も渡渉に手間がいります。
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こんな落っこちた橋も渡渉に手間がいります。
二つめの作業小屋
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二つめの作業小屋
気になる目印が何度も出てきますが、本流は基本外さない方が良いと思います。
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気になる目印が何度も出てきますが、本流は基本外さない方が良いと思います。
三つめの作業小屋。ひとつめも二つめもそうですが、いずれも使用できません。
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三つめの作業小屋。ひとつめも二つめもそうですが、いずれも使用できません。
秋の色が進んでいました。
秋の色が進んでいました。
すぐ上に最後の堰堤が有ります。右岸を高巻きました。
すぐ上に最後の堰堤が有ります。右岸を高巻きました。
歩けるところを探して行くしか手はありません。道形探しよりも、カンが大事ですな。
歩けるところを探して行くしか手はありません。道形探しよりも、カンが大事ですな。
これまた気になる矢印ですが、無視しました。
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これまた気になる矢印ですが、無視しました。
古いペンキあとも有れば安心の材料ですが、とらわれ過ぎても疲れます。12:04
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古いペンキあとも有れば安心の材料ですが、とらわれ過ぎても疲れます。12:04
右に枝沢を調べに入りましたが、12:07
右に枝沢を調べに入りましたが、12:07
間違いでした。12:18
間違いでした。12:18
森の底で右往左往、ヒルメシ休憩など。12:53
森の底で右往左往、ヒルメシ休憩など。12:53
岩小屋的なものが多く散見できます。地質的にこちらかなという山肌の方を辿りました。
岩小屋的なものが多く散見できます。地質的にこちらかなという山肌の方を辿りました。
これも似た感じです。後ほど知ったのですが、梓川岩小屋は、花崗岩質なので、探すときの判断材料になります。
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これも似た感じです。後ほど知ったのですが、梓川岩小屋は、花崗岩質なので、探すときの判断材料になります。
今度の矢印は従いました。点々とピンクテープも付いています。
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今度の矢印は従いました。点々とピンクテープも付いています。
思わせぶりな地形ばかりで、いいかげん諦めようとしたところで、思い直してなおも沢筋を詰めました。時間に余裕があると良いですね。またプチ岩屋でハズレかと思いきや、、
思わせぶりな地形ばかりで、いいかげん諦めようとしたところで、思い直してなおも沢筋を詰めました。時間に余裕があると良いですね。またプチ岩屋でハズレかと思いきや、、
まわり込んでみると、おやおや。
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まわり込んでみると、おやおや。
ついに見つけました。
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ついに見つけました。
広いものです。テントを二つ張っても余りが出るほどの空間でした。荷物を置いて周囲を散策します。
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広いものです。テントを二つ張っても余りが出るほどの空間でした。荷物を置いて周囲を散策します。
岩小屋の上は小尾根の地形、踏み跡も有ります。
岩小屋の上は小尾根の地形、踏み跡も有ります。
尾根の突端部分が風化して開口しているので、尾根の上を歩いていても気が付きにくい場所です。
尾根の突端部分が風化して開口しているので、尾根の上を歩いていても気が付きにくい場所です。
焚き火をさせてもらい、渡渉で濡れたものを乾かしました。岩の庇の向こうに森を眺めながら、火に当たっていると、縄文時代の狩人たちも同じ風景を見ていたのかと、しばし空想してしまいました。
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焚き火をさせてもらい、渡渉で濡れたものを乾かしました。岩の庇の向こうに森を眺めながら、火に当たっていると、縄文時代の狩人たちも同じ風景を見ていたのかと、しばし空想してしまいました。
良く乾く。倒木・枯れ木は豊富にあります。
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良く乾く。倒木・枯れ木は豊富にあります。
レトルトカレー、アルファ米、ホテイのヤキトリ。ありきたりなものがたいへん美味しい。
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レトルトカレー、アルファ米、ホテイのヤキトリ。ありきたりなものがたいへん美味しい。
夜半から放射冷却で冷え込んで、とても寝ていられませんでした。月明かりが夜明けに白むまで火にあたって凌いでいると、樹上にモモンガの目が光っていました。
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夜半から放射冷却で冷え込んで、とても寝ていられませんでした。月明かりが夜明けに白むまで火にあたって凌いでいると、樹上にモモンガの目が光っていました。
朝があけて。立ち去りがたい岩小屋を何度も振り返って出発。
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朝があけて。立ち去りがたい岩小屋を何度も振り返って出発。
小屋前の沢は支流だったようです。すぐに源頭部になったので、左側の小尾根に上がることにしました。
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小屋前の沢は支流だったようです。すぐに源頭部になったので、左側の小尾根に上がることにしました。
尾根目指して、、
尾根目指して、、
日差しが差し込んできました。
日差しが差し込んできました。
獣すら通らないような密生した樹林を突き抜けて尾根に出ると、、
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獣すら通らないような密生した樹林を突き抜けて尾根に出ると、、
連続写真その
その◆(越林道が見える。
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その◆(越林道が見える。
その 国師岳山頂よりだいぶ手前の所で尾根に出ていました。
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その 国師岳山頂よりだいぶ手前の所で尾根に出ていました。
シャクナゲ、針葉樹の下生え、まったくはかの行かない尾根筋でしたが、踏み跡とテープが出てくることもありました。
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シャクナゲ、針葉樹の下生え、まったくはかの行かない尾根筋でしたが、踏み跡とテープが出てくることもありました。
ついに国師岳
山頂。一夜過ごすと山頂が高くなります。大弛から登るのとはえらく違う、遠い山頂でした。
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山頂。一夜過ごすと山頂が高くなります。大弛から登るのとはえらく違う、遠い山頂でした。
53才のオッサンです。
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53才のオッサンです。
エアータッチを済ませてから、
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エアータッチを済ませてから、
一路国師のタルを目指します。
一路国師のタルを目指します。
国師のタル。ここから梓川の谷へ下ることにしました。
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国師のタル。ここから梓川の谷へ下ることにしました。
晴れていますがたいへんに風が冷たい。
晴れていますがたいへんに風が冷たい。
霧が吹き上がって来ます。
霧が吹き上がって来ます。
立派な踏み跡を途中までたどって、、
立派な踏み跡を途中までたどって、、
あとは小さな沢を降りに使いました。一番の近道のつもり。
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あとは小さな沢を降りに使いました。一番の近道のつもり。
本流に帰りました。
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本流に帰りました。
三つめ小屋
二つめ小屋を過ぎて、
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二つめ小屋を過ぎて、
唐松久保の駐車箇所にただいま。無事で待って居てくれて一安心。ジムニーのおかげで山行が達成できたように感じました。
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唐松久保の駐車箇所にただいま。無事で待って居てくれて一安心。ジムニーのおかげで山行が達成できたように感じました。

装備

個人装備
ツェルト 地下足袋 焚き火道具
共同装備
エンジン
備考 山甚の鉈

感想

先達として記録をヤマレコに上梓していただいた、hachi氏とyamatoko7氏に深謝いたします。

奥秩父に興味を持ち始めたのは高校生の頃、大学時代にこの山域に通い始め、古本など読み耽るうちに梓川岩小屋の存在を知り、憧れを抱き始めた。

以来、幾度となく梓川岩小屋を捜索に訪れるようになった。初回は大学時代、唐松久保で道迷いして失敗。社会人になってから、路形さえあいまいな谷筋を登り、国師岳山頂まで到達、シャクナゲ新道を徳和まで下山できたものの、岩小屋は発見できなかった。

憧れは増すばかり、忘れることなくいつでも頭の片隅に引っかかっていた。ヤマレコやネット情報で写真を見れば余計に忘れようがなかった。奥秩父は特に郷愁を禁じ得ない山域で、昔の時代の登山に羨望を抱く身として、いくつも古いルートを探して好んで歩き回っていた。

多忙な日常の中で、思い立って出かけた今回の旅でやっと念願が叶い、安堵に似た気持ちの区切りがついた。岩小屋で焚火にあたって暖をとりながら、山への気持ちだけはずっと変わっていないことに気が付いた。奥秩父の山域がいつでも登山者を待ってくれている。アルピニズムとは程遠い、どこか甘えたところのある旅情が私の登山なのかもしれない。


追記 考察
岩小屋は梓川の本流ではなく、支流の分岐先に有るのではないだろうか。今回、岩小屋からの踏み跡は途中で失い、国師岳に直上できずに池の平に続く尾根に上ってしまった。以前岩小屋を発見できずに国師頂上に登ったときは所要時間が短く、比較的容易だった。本流を辿れていたのだと思う。

考察◆ヾ箴屋の材質は花崗岩である。熱水の貫入跡と捕獲岩の様な不純物が見られた。沢の流路による直接的浸食ではなく、風化浸食で後退しながら開口部の大きさを保っているのかもしれない。洞内の床部分は白ザレで充填されており、平坦な床より先は沢に向かって緩やかに傾斜し、沢の運搬作用に少しづつ砂を供給している。現代までの堆積物で洞内が埋まらずにいるのはこのためかと推量する。実際に私が洞内で寝ているときにひとかけらづつ天井から降り続いていた。

考察 岩陰遺跡である可能性。発掘された経緯を聞いたことがないのであくまで想像ですが。隣の谷の川端下に古代人の塚があり、掘ってみたところ大変に脛の骨が長い人骨が出てきたという話を、田辺重治の著作か何かで読んだ記憶がある。北相木村に岩陰遺跡があり、同じ佐久平には大深山遺跡が存在する。縄文時代草創期から早期にかけて、人の利用があっても不思議ではない。菅平の北西の谷間に、住居址ではなく、狩猟の中継地として利用された岩陰遺跡があり、同様の使い方も想像される。

おまけで、今まで観察した岩陰遺跡を列挙すると、、
・栃原岩陰遺跡(長野県) 八ヶ岳火砕流の溶結岩石を蛇行する川が浸食して形成した洞窟。天井の崩落による犠牲者の骨も出土した。
・千駄木遺跡(群馬県)角礫凝灰岩 天井が崩落した経緯がある。
・神庭洞窟遺跡(埼玉県秩父) 石灰岩を河川が浸食した洞窟。
・一ノ沢、火箱岩、日向洞窟の各遺跡(山形県) 凝灰岩の風化洞窟。一部火箱岩洞窟では石器による成型加工が見られた。
などなど。

凝灰岩で緻密質ではない洞窟は崩落する危険性があり、古代人に被害者が出ている。さしあたり、今回の梓川岩小屋で天井は落ちなかったので無事に帰ってこられました。

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コメント

jimzaemonさん

梓川岩小屋に到達おめでとうございます。私も嬉しいです。

私も40年以上前に初めて岩屋林道を歩いた時は本流を素通りしたようで岩小屋は発見できず、その後数回の調査の上2011年にやっと見つけたわけです。
その2011年から既に13年も経過しているので記録を拝見すると道の様子はかなり変わっていると感じました。当たり前のことですが、昔の古道はその痕跡を消して自然に帰ろうとしてますね。
ネットで見る限り今でも年間数人はこのコースを歩いているようですが梓川岩小屋の記録がアップされると私もうれしいです。
梓川岩小屋での焚火は最高だったことでしょうね

hachi
2024/10/24 0:03
いいねいいね
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hachiさん

ありがとうございました。おかげさまで、念願の岩小屋に到達することができました。国師のタルからの下山ルートで周回をできたのも、hachiさんの影響を受けてのことでした。

奥秩父の良い思い出がまた一つ。つい通ってしまいそうな岩屋林道です。
2024/10/24 17:50
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