【蒼空作戦】庚申山・皇海山【乙67.7】
- GPS
- 11:10
- 距離
- 29.2km
- 登り
- 3,074m
- 下り
- 3,065m
コースタイム
- 山行
- 10:39
- 休憩
- 0:43
- 合計
- 11:22
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
庚申山から先、ただ藪が煩いだけじゃんと甘く見ていたら、最後にスリリングな垂直岩場の上り下りが待っていた。 鋸山から庚申山荘の手前までは笹の藪漕ぎ。特に六林班峠までは笹に隠れて倒木トラップあり。 |
その他周辺情報 | かじか荘が日帰り温泉庚申の湯をやっている。 |
写真
感想
天候不順の10月3連休。初動が鈍いと出不精になってしまうのだが、紅葉を楽しめる数少ないチャンスと平前日ではあったが出かけることとした。
銀山平では、国民宿舎かじか荘等に勝手に車を駐めてはいかんという情報を得ていたので、何か案内が無いか探し回る。これにより若干出発が遅くなったが、後顧の憂え無く歩くことができるようになった。
夜道といっても林道なので、暗くても歩きにくくはない。また、車止めゲートを潜って間もなく空が白み、ライトを点けなくても歩けるようになる。一の鳥居に至る頃には旭日が森の中にも射し込んできていた。
入山してから暫くは沢沿いの道。先般の餓鬼岳に比べるとかなり小規模だが、それでもやはり沢沿いの道というのは良い。沢を上がってからは徐々に傾斜を増していく。
上っていくにつれて綺麗な岩肌と自然の生み出した奇岩怪石に魅せられていく。
庚申山荘近くの水場で咽喉を潤し、もう一のぼりすれば庚申山である。庚申山の頂そのものは木々に覆われているが、その先で皇海山へ向けての展望が広がる。
皇海山までの間は鋸山十一峰という細かいピークが続くが、いずれにせよ庚申山から一旦下ってまた登るという構図は変わらない。
この十一峰は、庚申山、御岳山、駒掛山、渓雲山、地蔵岳、薬師岳、白山、蔵王岳、熊野岳、剣ノ山、鋸山のことで、これらを意識して歩けば、地蔵岳や蔵王岳、熊野岳の見当がつくと思うが、これら三峰については標識らしきものは見当たらなかった。薬師岳、白山辺りまでは「な〜んだ、笹薮が煩いくらいか。」と楽勝気分だったのだが、その先の蔵王岳、熊野岳から剣ノ山の間が非常に難関。画像にもあるとおり、何かの木組みが残っているピークが順番から言えば蔵王岳。まずはそこから数十mの鎖場岩場を垂直下降するところからはじまる。その後、もしかしたら他にちゃんとした道があったのかもしれないが、鎖もなく、岩が零れ落ちやすい急斜面の岩肌を登る。あまりにも危険を感じるので、ここ本当にルートか?と疑問に思ってはいたのだが、その先が鋸山と思っていたのでピークまで登りきる。が、ピークの先にもう一ピーク。ああ、鋸山ではなかった。全然着かないな。ただ、ピークの先に一応道はあるようで、梯子の上り下りのピークに到達する。ここが恐らく熊野岳。そこからまた数十mの梯子を下り、そしてまた上る。その先がまだ剣ノ山なのだが、何とかかんとか鋸山に到達する。
鋸山からの眺めはまた格別だ。今まで歩いてきた陵線から、日光連山、もちろん皇海山は眼の前だ。眼の前にしてガツンと下らないといけないのはわかるのだが、それほど悲壮感がないのはまだ午前中だからだろう。鋸山からは急な下りとなるが、南面の傾斜を経験した後ではどうということはない。山頂に到達した頃から人の声が聞こえてきていたが、下りの途中でようやく対向山行者と出会う。
不動沢のコルからは沼田側からの登山者も加わり、いよいよ賑やかだ。最後に笹と岩を一越えして皇海山の頂に着く。出発から概ね5時間半、結構時間、距離がかかったものだ。山頂ではNHKにも出たという山岳ガイドが来ていたようである。
下りは六林班峠経由。鋸山十一峰を経て戻るのも大変なので、こちらは楽だろうと思いきや何だこりゃ、笹が生茂って進むにつれて道が藪に埋もれていく。峠から下る道も埋もれており、辛うじてピンクテープで道が分かる状況。
また、毎度のように笹の茎は滑りやすく、道は細くて笹は斜面に生えているので、滑ると一気にズシャーッとスライドする。この笹薮漕ぎが1時間近くも続き参ってしまった。これなら岩場歩きの方がましだ。
笹薮に手こずっているうちに思ったよりも時間がかかり、水分も消耗した。藪を抜けて再度庚申山荘近くの水場で水分補給した後は速度を上げて下り、何とかそれほど遅くならずに下山、予定通り帰京できた。
それにしても今回は久し振りに緊張感満ち満ちた山行となった。こんなに気を張り詰めたのはそうそう無い。しかし、これが大事なのだ。本山行は、最近山に慣れ過ぎて緊張感が薄れてきているのではと自らを顧みる契機となった。山の厳しさ、怖さを感じ、己の非力を感じる山行も時には無いといけない。来年はそういう山行も入れていくことになるだろう。
〜おしまい〜
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