霊仙山《関西百名山》



- GPS
- 06:32
- 距離
- 11.5km
- 登り
- 965m
- 下り
- 1,143m
コースタイム
天候 | 晴れ一時吹雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
下山口:上丹生BSから湖国バスでJR東海道本線醒ヶ井駅 |
写真
感想
天気は快晴、京都駅で体験山行の辻博史さんを交えて全員集合した。彦根まではJR琵琶湖線で一部青春18切符を使用した。セメント工場の専用線の跡にできた彦根駅東口からタクシーに分乗し多賀町河内の奥、今畑登山口(330m)へと向かった。登山口には多くの車が止められていて、おまけにマイクロバスまで入り込んでいる。人の多さは覚悟しなければならないようだ。しかしこれだけ来ると云うことは福寿草が咲いているのは確かと期待が膨らむ。
今回初リーダーのK領さんを先頭に歩き始め100mほど標高が上がった辺りは霊仙今畑の廃村集落で朽ちた建物が残る。昭和54年に廃村になったこの集落にはかつて17戸の住居があり、宗金寺という浄土真宗本願寺派のお寺もあったが今や人の気配は全く無い。驚くことにこの集落へは車道は通じていない。細い登山道が唯一の道であり廃村に至った経緯が頷ける。
急坂の登山道はほぼ一貫して泥濘み、靴が泥んこになった。団体が登り始めた直後のようで結構列が詰まってしまった。P712を巻くようにして平らになったところは笹峠(約695m)で行者の谷に下る道が右に分岐して行った。近江展望台との鞍部で休憩し今日のミッション1「近江展望台までの所要時間を予想する」を実施。地図から距離約1.2辧標高差320mを割り出し、34分から51分のタイム予想が出た。正解者には豪華賞品が待っている。
樹林帯を抜け岩混じりの草付き斜面を見上げると、やはり沢山の人が登っていた。やがて前が詰まり渋滞状況、暫く後に続くが鈍足の三人パーティーを追い越すと後はスイスイ。途中咲きかけのミスミソウをK城さんが見つけ、福寿草の葉っぱらしきものをI上さんが見つけたがさて福寿草の花は? と期待しながら近江展望台に到着した。さてミッションの所要時間は42分だった。渋滞で必ずしも本当のペースではなかったが予想タイムの真ん中あたりの時間、正解者はなかったがMさんの40分が最も近かった。“豪華賞品”の「皆の拍手で讃える」を実行し暫し休憩。もう山頂域で先の方には南霊岳と霊仙山最高峰、南の方には藤原岳、御池岳の雄姿が見え遮るものはない。天気は良いが一寸雲が出てきたようだ。
暫く進むとK城さんがネコノメソウの群落を発見した。そして遂に福寿草を見つけた。まだ咲きかけだが、花だ。そして前の方で「福寿草!」と感嘆符の付いた声。ありました、あちこちに黄色い花が咲き揃っている。この辺りから南霊岳に掛けては群落地であるがN彦氏によると以前よりかなり少なくなってしまったそうだ。この可憐な花をいつまでも残したいものだ。
登山道は南霊岳(1,030m)の南側を巻いて通過している。一番後を歩いていたTCだけはこそっと山頂へアルバイト。福寿草を踏みつけないように岩を選んで足を下ろしピークを踏んだ。標識の類は一切無い。福寿草に夢中になっていると何時しか空から白いものが・・・埃かなと思ったら岩にあたり消えてしまう。何と雪だ。空は雲の厚みが増し雪雲に覆われてきた。今日の天気予報は一日中晴れの筈、すぐ止むだろうと高を括っていたが、忽ち霊仙山の姿は雲に覆われ強風が吹きつけ吹雪となってしまった。積もるほどではないが地面が白くなり、防寒を兼ねて雨具を着用した。
霊仙山(1,094m)では、ミッション2:「藤原岳を山座同定する」を予定していたが、ガスで全く展望が無くなってしまったので断念し、吹雪の中記念撮影をして2等三角点「霊仙山」(1,083m)のある西峰を目指した。立派な山頂標識があり存在感は最高峰より大きい。ただ山頂標識には「1,084m」とあるが三角点の標高は1,083.45mで通常標高は四捨五入で表わされるので1m下駄を履かされていた。
再度記念撮影をすると時間的にもこの辺りで昼食休憩を取りたいところだが寒くて休む気にもなれない。経塚山を越えたところにある避難小屋へと逃げ込むことにした。霊仙山避難小屋は小奇麗な小屋で、3畳程度のスペースが板の間であとは土間、周りに長椅子があるだけで土間は外の泥濘そのまま持ち込んでいる。避難してきた人たちで立錐の余地も無い混雑、やがて先客が出て行き椅子に座って昼食にありつくことができた。
この天候でルートファインディングの必要な経塚山西尾根は断念し一般ルートで上丹生への下山に変更を余儀なくされそうだったが30分ほど休憩しているうちに雪雲は去り周りの山が見え出した。これならと予定通りのルートに戻し、経塚山(1,040m)に登り返すと先程のガスの中で霧氷が生まれ太陽の光に輝いていた。山頂からは再び姿を現した霊仙山が素晴らしい。僅か1,000m程の山頂域なのに樹林帯を抜けたこの展望の良さが霊仙山の素晴らしさだ。北の方に伊吹山が横たわっているが霞んで辛うじて見える程度だった。
ミッション3は「ビン坂峠への道をルートファインディング」、基本的に道は無い。汗ふき峠への道を暫く下り谷の括れの所から強引に草原を横切り尾根に取り付いた。鹿糞の散乱する尾根は笹が食べられてしまい育たず裸尾根になりつつあるようだ。そんな見通しの良い尾根上に数頭の鹿を発見、相手もこっちの存在に気が付いたようで、じっとこっちを見ている。「なんやなんや人間やんけ、わしらのエリアになにしにくんねん!」、「おいおいこっち来よるわ、敵わんな」、「ほな逃げよか」なんて会話があったかどうか? 「ピョー」とホイッスルのような警戒音を発して斜面を駆け下り、姿を消してしまった。
南の谷筋を下る汗ふき峠への下山路がまた接近するとお虎ヶ池が登山道沿いに見えた。なるほど琵琶湖の形をしている。登山道側には霊仙神社の鳥居がある。岩と食べ尽くされた笹の尾根を稜線伝いに進みいよいよ先端部に到る。地図とコンパスをフル活用し下る方向を慎重に見極める。下りだすと忽ち急傾斜になり木に掴まらないと危なっかしい。
古いテープが所々に現れやがてはっきりした道跡が現れた。これは正に地形図に描かれた通りで嬉しくなった。汗ふき峠からの巻道が合流しなだらかになった尾根を進むと軈て昼坂峠(びんさかとうげ335m)と思しき所に到った。北側に林道が見えるが地形図には載っていなくて位置関係が分からず一寸混乱。しかしコンパスの示す方向に行くしかないだろう。林道に下り少し登り返したピークに“昼坂峠”の表示、宗谷川から峠を越える登山道が林道になってしまっているようだ。峠の北側には古道が残り谷筋を下り上丹生(かみにゅう)集落(標高150m)に到った。県道に出たところにバス停があり4分後のバスに効率よく乗ることができた。醒ヶ井駅までは3卍しかなく、H中さんが「駅まで歩こう」と提案するが、誰も応じなかった。
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