毛無山
- GPS
- --:--
- 距離
- 15.4km
- 登り
- 1,331m
- 下り
- 1,331m
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
東海自然歩道はお薦めしない。特に根原の吊橋からう回路案内板までの間の倒木帯がひどい。通行止めか、子連れはご遠慮くださいの表示くらいあってよいレベル。車を置いて周回するなら、道の駅朝霧高原ベースが良い。 「山と高原地図」の根原の吊橋の位置は誤りで、ヤマレコのマップが正しい。 |
写真
感想
毛無山登山口駐車場6:35〜五合目8:22/8:32〜毛無山三角点10:12/10:22〜毛無山最高点10:36/11:00〜雨ヶ岳12:28/12:46〜端足峠13:56/14:12〜A沢貯水池14:55〜駐車場16:45
八ヶ岳山麓からの帰りに気になる山のうち、櫛形山と釈迦ヶ岳には昨年登り、残ったのが毛無山。韮崎辺りから正面の富士山の右側に一際大きな山塊が印象的だ。富士山を外輪のように囲む天子山地の一角なだけに、ピストンでなく雨ヶ岳まではつないで歩きたかった。しかしそうすると、車に戻るために2時間の山麓歩きを加えて計9時間コースとなり、私にはいささか重い計画となる。中々踏ん切りが付かなかったが、先に延ばせばきつくなるだけ、いざとなれば最後はタクシーを呼ぼうと決心して実施に至った。
薄暗いうちに駐車場に着いたが、既に3台の先着があった。少しの脚慣らしを経て登山口から尾根に取り付けば、評判どおりの一本登りだ。道そのものは細かくジグザグを切るのですごく急傾斜というわけではないが、何しろ息をつくところがない。時々ロープのかかった岩が立ち上がる。背後の谷の間から富士山のすっきりした姿と、平日なのにテントがぎっしりと立ち並ぶキャンプ場が眺められる。2合目標示の先で右側の沢に不動ノ滝が懸かっているのが見える。中々大きく、紅葉を背景に立派な滝だ。登るに従い、周囲の樹々の葉も色付いて秋盛りの様相だ。南へと延びる主稜線が枝を透かしてまだ高い。地形の特徴に応じてというより等間隔に刻んだと思われる合目標示は、精神的にきついというレコもあったが、私には励みに感じられた。
六合目の先で短いやせ尾根になるが、すぐまた急登になり、七合目あたりからはもの淋しい枯れ葉の景色に変わる。富士山ならとうに針葉樹林帯の標高なのだが、全く様相が違うのが不思議だ。岩交じりの急斜面の上が富士山展望台。岩の上から正面に富士山、麓に広がる緑の平原、霞んだ伊豆の山影と駿河湾の海岸線が見渡せる。いよいよ九合目を過ぎるとさすがに傾斜も緩み、ようやく針葉樹が出てくる。
地蔵峠分岐の標識を見て残り標高差はわずかとホッとする。ここからは針葉樹が主になり、雰囲気ががらりと変わる。すぐに空が広がり、毛無山の標識のある三角点ピークに着いた。東側が開けており富士山が真正面に青々と大きい。前後して着いた方がすぐに先に向かってしまったので、つられて歩きだす。しばらくはプロムナードだが、立ち枯れた木が点在する、すさんだ感じの草原が連続する。表土が流れている様子もあり、鹿害なのか、毛無山というくらいだから元々樹木のない環境なのか、興味をひくところだ。左(西)側は樹林の間から、八ヶ岳や、仙丈岳から聖岳の先まで南アルプスの連山が青いシルエットになって覗いているが、全貌が開ける場所はなかった。「最高点」の標識は目立たず、ヤマレコのアプリを見ていなければ通り過ぎてしまいそうだった。樹に囲まれ陰気くさいが、区切りなので座って行動食をかじる。
すぐ先の大見岳頂上は草地で、昨年行った櫛形山と似た雰囲気がある。緩やかな尾根を下っていくと、天気予報のとおり朝霧高原の方から次第に雲が湧いてきた。タカデッキの手前で、登りの疲れが出たか右脚の裏が攣ってしまい焦る。この辺りは葉を落とした岳樺の白い肌が目立つ。緑の時期や黄葉は爽やかな眺めだろう。タカデッキからは下りらしくなり、稜線の左側を巻き下っていく。朝霧高原が霧に沈んでしまい、深山を歩いている気分だ。思ったほど登り返しはなく、雨ヶ岳の頂上に出た。さすがに富士山も見飽きてきた。端足峠に向かい下っていくと、葉の落ちた森の中に紅葉だけが散り残って鮮やかだ。前方に竜ヶ岳のこんもりした山容が可愛く、その左に本栖湖の湖面が覗く。今日は曇り空のため白いが、青く見える時はきれいだろう。良いハイキングコースだが、やはり疲れのためか夏以来の腰の違和感が強くなってきて気持ちが冴えない。再び樹の葉のある世界に戻り、だらだら登り返すと端足峠の標識が目に入る。峠という情緒はない。ようやく先が見えたので、時間も気になるが慌ただしくコーヒーを淹れて締めに備えた。薄暗くなってきた植林帯のジグザグ道を抜けると爽やかな沢を渡る。時間があればゆっくりしたい場所だ。今日の名残りのような穏やかな林を過ぎ、東海自然歩道の看板ときれいなトイレが現れれば、登山は終わりだ。
国道に出てタクシーを呼ぶか、最後まで歩くかの分岐点では少なからず迷ったが、やはり自力下山?を目指すことにした。(試しにタクシーアプリを開いてみたが全く反応がなかったこともあり。)延々と山際をなぞる東海自然歩道は、手入れが行き届いてないという新聞記事を見たことがあるが、まさにそのとおりで、流れに沿った気持ち良い所がある一方、落ち葉や枯れススキのヤブで踏み跡の分かりにくい箇所や倒木の嵐が道を遮る通行止めレベルの箇所もあり、一般向きとは言い難い。どんどんと薄暗くなってくるのに焦りながら、休むこともできず、最後は牧草地の脇をひたすら歩き続けて脚が棒になった頃に出発点の駐車場に辿り着いた。久し振りのハードな山行だった。
一般交通機関を使おうとすると、丁度良いバスが無く、日も短くなってしまったので、今年は断念しました。
来年、夏に挑戦します。
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