【若狭】雲谷山の今古川じゃない谷 パート(宇波西川で大滝に遭遇!)
- GPS
- --:--
- 距離
- 7.2km
- 登り
- 608m
- 下り
- 611m
コースタイム
- 山行
- 6:40
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 6:40
天候 | くもり時々小雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2024年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・ 宇波西(うわせ)川の白眉は,左俣の標高400m付近にある大きな滝場。2条15m滝,20mナメ,3段30m大滝が連なり,壮観の一言。これだけの規模の滝場は雲谷山で最も有名な谷である今古川にもなく,雲谷山でも最大級の滝場ではないかと思う。2条15m滝と3段30m大滝はどちらも左岸を巻ける。 ・ 左俣は上述の大きな滝場を除けば小規模なナメ滝が出てくる程度で概ね平凡だが,源頭では10m前後の段瀑が50mほど連なる区間があり,全部直登できて楽しい。雲谷山のブナの山頂にほぼ直接詰められるのも良い。 ・ 下山では右俣を下降したが,10m前後の滝が2,3連なる滝場が2箇所ほどあるのを除けば,概ね穏やかな谷。 ・ どちらの谷も滝場の通過はそれほど難しくないので,沢慣れた人であればロープ等は不要。 ※ なお,宇波西川には,地図にも記載のある「銚子ガ滝」が枝谷にありますが,既にネット上に複数の訪問記事があるため,今回は訪問しませんでした。全部で30m〜40mほどの規模の多段の滝場のようです。 |
写真
装備
備考 | ・ フェルトソール沢足袋使用。花崗岩の谷でフリクションは良好なので,ラバーでも問題なさそう。 ・ ハーネスや下降器等は携行せず,念のため20m補助ロープのみ持って遡下降したが,それで問題なかった。 |
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感想
今週末はあまり時間がないので,短時間で行って帰って来られる若狭の谷へ。
目的地は雲谷山の宇波西(うわせ)川。記録は見たことも聞いたこともない。地形図を見る限り,等高線はダラけ切って,滝場が出てきそうな要素は見当たらず,全く食指の動かない谷である。ここ数年来のヤブ沢稼業で研ぎ澄まされた私の凡谷センサーが激しく警報を発しているが,「雲谷山の今古川じゃない谷シリーズ」などというモノを勝手に始めてしまった手前,まあここも入っとかなあかんな…という,いわば妙な義務感だけで赴いたのだった。
いざ入渓してみると,時々うつくしいナメが現れて期待させるものの,結局は植林の中の凡流が続いた。予想通りの展開に坦々と遡っていくと,突如15mほどの2条の滝が現れた。ほおー,いちおうこんなのもあるのか,と口笛を吹きながら(実際は吹いてないけど,まあそんな軽いノリで)左岸から巻き上がっていくと,滝上の灌木の間に,何やらちらりと白い奔流が見えた。それが滝であること,しかも今巻き上がっている滝よりも優に倍以上の高さがあることに気づいた瞬間,思わず私は叫んだ。恥を忍んでより正確に表現すれば,猛烈に絶叫していた。一体誰が,こんな等高線の緩み切った若狭の小さな谷で,今シーズンで一,二を争う大滝にぶつかることになるなんて考えるだろうか?
登山における最も大きな楽しみは,有名な難ルートを完登することでも,ロングルートを誰よりも早く駆け抜けることでもない。これまで誰も目にしたことがない,新たな風景を発見することだと思う。たとえそれが,冴えない小さな里山の,無名の大滝だとしても。
コメント
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はじめまして! いえいえ、私の技術レベルなんて全然大したことないですよ〜。
現在は山岳会などには所属していません。高校の山岳部時代に雪山やクライミングの基礎を教えてもらいました(高校でここまでやるのは珍しいみたいですが、うちの顧問が海外遠征経験者でちょっと破天荒な人だったおかげです)が、それ以降はほぼ独学です。ただただ山が好き、という気持ちだけで登り続けております。
ファンキー小太郎さんもトレランやスキーなど、多彩に活動されておられるようですね。今後も良い山行をお祈りしております!
「何やらちらりと白い奔流が見えた」この瞬間のhillwandererさんのお気持ちがビンビン伝わりますし、言葉にできない、かけがえのない瞬間ですね
「登山における最も大きな楽しみは,有名な難ルートを完登することでも,ロングルートを人より早く駆け抜けることでもない。これまで誰も目にしたことがない,新たな風景を発見することだと思う。」
この文章に、涙が出るほど共感しています
なかなかこうした瞬間に立ち会えませんが、だからこそ、求めるのかも
読んでいて、僕も興奮しちゃいました(笑)
もんりさんならきっと分かってくださると思ってました笑
もんりさんも、ナラ谷の記録で「久々に身体が震える」と書いておられましたが、読みながら、この気持ちわかるわ〜と思ってました。
こういう登山って、ほぼ探検と同義ですよね。もちろん週末の、小さな探検ですが。
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