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記録ID: 7323736
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沢登り
北陸

【若狭】雲谷山の今古川じゃない谷 パート 兵川支流・門近谷)

2024年10月06日(日) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
5.9km
登り
657m
下り
653m

コースタイム

日帰り
山行
6:10
休憩
0:00
合計
6:10
9:00
10
駐車地
9:10
230
門近谷に入渓
13:00
90
14:30
40
屏風ヶ滝
15:10
駐車地
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2024年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
変電所に沿った農道から屏風ヶ滝登山口につながる道に入る手前に路肩スペースがあり,そこに駐車(2〜3台駐車可能)。屏風ヶ滝登山口にも広めの駐車スペースがあるので,屏風ヶ滝を経由するのであればそちらに停めてもいいと思う。
コース状況/
危険箇所等
・ 門近(カドチ)谷は,屏風ヶ滝がある滝ヤ谷の一本北側の谷で,雲谷山の山頂付近に突き上げている。前半は退屈な凡谷だが,後半に入ると急に滝が連続するようになる。2段15mの滝を筆頭に,10m級の滝も3本くらいあるなどなかなかの内容。多くは直登できるが,急な泥壁V字谷のため高巻きが意外に悪いので侮れない。雲谷山の谷として有名な今古川より遡行難度はよっぽど高い。源頭部は自然林で,大きなトチノキも見受けられるなど雰囲気の良い樹林に包まれており,雲谷山のイメージが変わることうけあい。
・ 下山は雲谷山から屏風ヶ滝に直接降りる登山道を利用したが,この道はガイドブックでは難路とされており,マーキングはしっかりついているものの,確かに踏み跡が薄く分かりにくい箇所があるので,読図はしっかり行ったほうが良い。屏風ヶ滝から下はしっかり整備された遊歩道となり問題ない。
門近谷(この時はまだ谷名を知らなかったが)の左岸にあるこの獣害防止柵のトビラを開けて入渓。ここから入らないと堰堤と獣害防止柵に阻まれて,しょっぱなから行き詰ってしまう。
門近谷(この時はまだ谷名を知らなかったが)の左岸にあるこの獣害防止柵のトビラを開けて入渓。ここから入らないと堰堤と獣害防止柵に阻まれて,しょっぱなから行き詰ってしまう。
最初は植林の中の凡流が続き,こりゃー失敗したかな,と思っていると…
最初は植林の中の凡流が続き,こりゃー失敗したかな,と思っていると…
この3mほどの滝が現れたのを境に,谷の雰囲気が一変。
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この3mほどの滝が現れたのを境に,谷の雰囲気が一変。
急に滝が連続するようになる。やはり思ったとおり,ちゃんと滝場が出てきてくれた。この7mくらいの滝は直登。
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急に滝が連続するようになる。やはり思ったとおり,ちゃんと滝場が出てきてくれた。この7mくらいの滝は直登。
滝場が現れると同時に周囲は自然林に包まれて,良い雰囲気に。
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滝場が現れると同時に周囲は自然林に包まれて,良い雰囲気に。
3m前後の小滝を越えていくと…
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3m前後の小滝を越えていくと…
奥に大きな滝が見えてきた。
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奥に大きな滝が見えてきた。
おそらくこの谷で最大の滝,2段15m。
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おそらくこの谷で最大の滝,2段15m。
1段目を直登し,2段目も登れそうに見えたが,高さがあるので大事を取って左岸から巻き上る。それなりに急で慎重を要する高巻き。
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1段目を直登し,2段目も登れそうに見えたが,高さがあるので大事を取って左岸から巻き上る。それなりに急で慎重を要する高巻き。
5mくらい。これは簡単に直登。
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5mくらい。これは簡単に直登。
2段10mくらい? これも直登。
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2段10mくらい? これも直登。
大きなトチノキの根元に,古い炭焼き窯の跡が。昔から人の入っていた谷のようだ。
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大きなトチノキの根元に,古い炭焼き窯の跡が。昔から人の入っていた谷のようだ。
両岸は岩が張り出す。
両岸は岩が張り出す。
10mくらいの段瀑。
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10mくらいの段瀑。
段瀑の最上段。
これは7mくらいだろうか。滝にひっかかった流木を足場に,微妙なバランスながら直登。
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これは7mくらいだろうか。滝にひっかかった流木を足場に,微妙なバランスながら直登。
これは8mくらい? 登れそうにも見えるが,高さがあるので自重。
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これは8mくらい? 登れそうにも見えるが,高さがあるので自重。
しかし,高巻きは高巻きで結構悪い。ゴルジュと言うわけではないのだが,滝場が出てきてからというもの,地味に急峻な草付き泥壁V字谷がずっと続いている。右岸から巻いたが,いつ剥がれるか分からない草と泥だけが頼りの,神経を使う巻きとなった。
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しかし,高巻きは高巻きで結構悪い。ゴルジュと言うわけではないのだが,滝場が出てきてからというもの,地味に急峻な草付き泥壁V字谷がずっと続いている。右岸から巻いたが,いつ剥がれるか分からない草と泥だけが頼りの,神経を使う巻きとなった。
そして10mくらいの「く」の字滝。
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そして10mくらいの「く」の字滝。
最初,左岸から岩場を小さく巻こうとして,自分のやっていることのあまりの危うさにはたと気づいてバック。
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最初,左岸から岩場を小さく巻こうとして,自分のやっていることのあまりの危うさにはたと気づいてバック。
今度は右岸草付きを這い上がる。かなりの急斜面で,薄い泥のスタンスを信じて,丈夫な灌木を目指してにじり寄っていく。
今度は右岸草付きを這い上がる。かなりの急斜面で,薄い泥のスタンスを信じて,丈夫な灌木を目指してにじり寄っていく。
何とか滝上へ登り切ると,左岸には大きなトチ…じゃなくカエデの木がぽつんと立つ,素敵な広場があった。
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何とか滝上へ登り切ると,左岸には大きなトチ…じゃなくカエデの木がぽつんと立つ,素敵な広場があった。
ようやく滝が途切れ,谷は源頭の雰囲気。
ようやく滝が途切れ,谷は源頭の雰囲気。
自然林が美しい。今古川もそうだけど,雲谷山は植林が多いイメージがあったので,意外な思いだ。
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自然林が美しい。今古川もそうだけど,雲谷山は植林が多いイメージがあったので,意外な思いだ。
滝上に大きなトチノキの影がたたずむ。
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滝上に大きなトチノキの影がたたずむ。
登り上げたところは,源流の水音がささやかに響く,素敵な平でした。お昼ご飯にちょうどいい。
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登り上げたところは,源流の水音がささやかに響く,素敵な平でした。お昼ご飯にちょうどいい。
いちおう,雲谷山も踏んでおく(実は二等三角点)。
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いちおう,雲谷山も踏んでおく(実は二等三角点)。
北東方向が開けており,若狭湾が望める。
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北東方向が開けており,若狭湾が望める。
下山は,屏風ヶ滝が掛かる滝ヤ谷を下降してもよかったのだが,滝ヤ谷については山猿日記さんの記録がある(屏風ヶ滝の上流は源頭で小滝が出てくる他は概ね平凡らしい)のと,悪い高巻きで意外に遡行に時間を食ったこともあり,屏風ヶ滝に直接降りる登山道を下ることに。
下山は,屏風ヶ滝が掛かる滝ヤ谷を下降してもよかったのだが,滝ヤ谷については山猿日記さんの記録がある(屏風ヶ滝の上流は源頭で小滝が出てくる他は概ね平凡らしい)のと,悪い高巻きで意外に遡行に時間を食ったこともあり,屏風ヶ滝に直接降りる登山道を下ることに。
上部はやはり美しい森が続くが,谷の源頭部をトラバースする箇所が分かりにくいので注意。
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上部はやはり美しい森が続くが,谷の源頭部をトラバースする箇所が分かりにくいので注意。
そして降り切ったところで屏風ヶ滝7m(ネットで20mとしている記事も見るが,おそらく下にある白滝も足した高さだろう)。滝を取り囲む岩壁が壮観。
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そして降り切ったところで屏風ヶ滝7m(ネットで20mとしている記事も見るが,おそらく下にある白滝も足した高さだろう)。滝を取り囲む岩壁が壮観。
滝裏には不動明王の線刻が。滝に打たれながらこれを刻むこと自体が,大変な修行だっただろう。
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滝裏には不動明王の線刻が。滝に打たれながらこれを刻むこと自体が,大変な修行だっただろう。
白滝15mくらい?
屏風ヶ滝の周辺は,滝そのものというより,周囲の岩壁も含めたロケーションが美しい。
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屏風ヶ滝の周辺は,滝そのものというより,周囲の岩壁も含めたロケーションが美しい。
遊歩道を下って屏風ヶ滝登山口に着くと,写真の看板が。そこで初めて本日遡行した谷の名前を知りました。「門近谷」っていうのね。(「カドチ谷」と読むそうです)
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遊歩道を下って屏風ヶ滝登山口に着くと,写真の看板が。そこで初めて本日遡行した谷の名前を知りました。「門近谷」っていうのね。(「カドチ谷」と読むそうです)

装備

備考 ・ フェルトソール沢足袋使用。ぬめりが強いように感じたので,フェルトのほうがよさそうに感じた。
・ ロープ等の沢登りの基本装備は携行したが,使用機会なし。ただ,高巻きが悪いなど,通過に慎重を要する滝場があるので必携。

感想

 今週末はあまり時間がないので,比較的短時間で行って登って帰って来られる若狭の谷へ。
 若狭の沢登りと言えば今古川,と言いたくなるほど,雲谷山・今古川の記録は多い。というか,ネットで若狭の谷を検索しても今古川の記録くらいしか出てこない。あとは耳川うつろ谷か。若狭の谷でルート本にまともに掲載されているのはこの2つの谷くらいなのだから,当然のことかも知れない。
 しかし,今古川は小さいながらあれだけ滝が多いのだから,雲谷山の他の谷もそこそこ滝が出てくるのではないか。と言うことで目を付けたのが,雲谷山の東面の門近谷(この名前も現地で看板を見て初めて知ったけど)。屏風ヶ滝を擁する滝ヤ谷のとなりなのだから,滝くらいあるだろう,という安直な選定理由。
 入渓してみると前半は全くの凡流で思わず帰りたくなったが,後半は出るわ出るわでしっかり滝場が出てきてくれた。お隣の有名?な屏風ヶ滝よりも高い滝もあり,10m以上の滝が3本くらいとそれなりの内容。しかし驚いたのは巻きの悪さ。こんなに小さい谷でここまで危うい高巻きをさせられることになるとは思ってもみなかった。滝の数や水量ではもちろん今古川には敵わないが,遡行難度は今古川より高いです。それから,源頭部の樹林の美しさも予想外だった。植林が多いイメージの雲谷山でもこんな森が残っているんだなぁと何だか得した気分になった。
 ところで,タイトルに「パート 廚叛いで銘打ってしまいましたが,本当にシリーズ化するかどうかは今後の雲谷山の頑張りにかかっています。お前の頑張りだろ,と雲谷山に突っ込まれそうだけど。

※ 現地で谷名を知り,帰宅してからしっかり検索してみたところ,京都山の会さんが2008年8月に門近谷を遡行されている記録が出てきました。やはり高巻きの悪さに苦労されており,時間切れにより途中で遡行打ち切りされている。耳川のエキスパートである同会すら手こずらせるとは…。

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コメント

こんにちは。門近谷、行ってこられたんですね!!
私も11年ほど前に遡行しましたが、なかなか苦労させられました。
やぶこぎネットにアップしましたが、ヒットしなかったですか?
この谷はとにかく高巻きが悪いですね。ゲッソリしましたよ。
でも山頂まで4時間とは、さすがヒルワンさんです。
話は変わりますが、草川啓三さんと共著で「若狭の山 東部編」という本を自費出版しています。
私の担当で大御影山、庄部谷山を中心とした谷を40本ぐらい紹介していますので、もしよろしければどうぞ。
2024/10/14 11:05
yamabiyoriさん
お久し振りです! 入院されたと伺いまして,びっくりしております。お加減はいかがでしょうか?
門近谷,行っておられたんですね! さすが山日和さん,お見逸れいたしました。ネットで検索したときは何故か記録がヒットしなかったのですが,やぶこぎネットでピンポイントで検索したら出てきました。地形図での切れ込みの小ささからは想像できない厳しさ,沢の面白いところですね。
「若狭の山 東部編」,ぜひ注文させていただきたいです!(もしまだ部数がありましたら,「中・西部編」も合わせて…) でも今はご療養中で大変でしょうし,ご迷惑になりませんでしょうか?
2024/10/14 18:13
hillwandererさん
こんばんは。いやあ、お恥ずかしいかぎりです。もう入院してから40日近くになりますが、まだしばらくかかりそうです。
ご注文ありがとうございます。ヤマレコはほとんど使ってないのでよくわからないんですが、プライベートメッセージみたいな機能はあるんでしょうか?
もしなければやぶこぎネットのプライベートメッセージで本名・住所等教えて下さい。
少し時間を頂くかもしれませんが、送らせて頂きます。
ではよろしくお願いします。
2024/10/15 21:55
yamabiyoriさん
本当に何でもないところで、事故は起こるのかもしれませんね。私も山で怪我をするときは、たいてい、滝の直登など難しい場面ではなく、何でもない河原で転んで…とかだったりします。山日和さんの記録を拝見してから、一見易しく見える高巻きでも、以前よりも気を引き締めてかかるようになりました。大変お辛く、不安の多い日々を過ごしていらっしゃるとお察ししますが、一日でも早いご回復を、心からお祈りしております。

「若狭の山」の件、ありがとうございます! ヤマレコにもメッセージ機能がありますので、そちらで送らせていただきますね。マイページの「メッセージ受信箱」で送受信できます。もしご不便でしたら、やぶこぎネットのほうでも送らせていただきますので、お知らせください。お体が本調子に戻られてからで結構ですので、楽しみにお待ちしております。何卒よろしくお願いいたします。
2024/10/15 23:28
プロフィール画像
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