薬師岳(鳳凰山)・観音岳(鳳凰山)2022_10_8 鳳凰二山だったが、大満足!
- GPS
- 29:39
- 距離
- 20.4km
- 登り
- 1,934m
- 下り
- 1,933m
コースタイム
- 山行
- 6:12
- 休憩
- 0:57
- 合計
- 7:09
過去天気図(気象庁) | 2022年10月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
30代に東京で会社勤めをしていた頃、日帰りハイキングのガイドブックに高尾山や大山と並んで紹介されていた夜叉神峠に行った。長野だったか山梨だったかの出張帰りに峠近くの宿に泊まり、馬刺しで一杯呑んだ記憶がある。翌朝、デイパックに雨具と水筒を入れ、Tシャツにジーパン、軽いトレッキングシューズといういでたちで登山口から歩き始めた。夜叉神峠を通り過ぎて杖立峠あるいは苺平あたりまで行っただろうか。あたりには霧が立ち込め、百合の花が白い衣装を纏って咲いていた。黒い蝶がまるで道案内をするかのように、ふわりふわりと私の行く手の岩を伝いながら飛んでいる。山の精が黒い蝶を遣わして、私を誘っているかのようだった。その時間と空間は確かに私ひとりだけのものであり、まさに夢のようなひと時であった。
この先にはどんな世界があるのだろう。いつかは行ってみたい。ハイキングから山登りへと足を踏み入れるきっかけとなった夜叉神峠。今回は夜叉神峠からその先の鳳凰山を目指すことにした。
<1日目>
2:00に自宅を出て夜叉神峠駐車場には6:30に到着したが、まだまだ駐車スペースには空きがある。7:00に登山口から登り始める。スマホは繋がらず、いつもの行ってきますの妻へのLINEができない。一人ではないが混雑しているわけでもなく、静かな山歩きを楽しめる。元気のよい米国人?4人組の話し声は聞こえるが、別にうるさいわけではない。まず夜叉神峠からの白峰三山が目に飛び込んでくる。そのあとは樹林帯の中を進む。30年前のような霧は無く、期待していた幻想的な風景とは出会えなかった。
なんとか薬師岳小屋に到着した。翌日は広河原に降りることも考えたが、小屋のご主人に伺うとやはり下りは大変そうなので、行けるところまで行ってピストンで夜叉神峠登山口に戻ることにする。
宿泊者は3組4人のみでゆっくりできる。ご主人の話では、ここのところ遭難・事故・行方不明が増えているとのこと。また、雷鳥の雛を掴もうとしたり、山で焚火を始めたりと、これまでの山の常識では考えられないような事をする変な登山者が増えているとも。夕食はおでんで美味しかった。持参したシュラフに潜って就寝。
<2日目>
4:30に小屋を出発する。薬師岳はすぐなのでまだ暗い。観音岳へ向かうとヘッドランプの灯りが数個見える。振り返ると空が白みかけ、富士の姿が現れている。観音岳に到着する。もう少しで朝日が顔を出す。360度の素晴らしい展望が待っていた。特に薬師岳後方の雲海に浮かぶ富士は、いつまでも見ていられる、まさに絵のような絶景であった。富士山、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、白峰三山、南アルプス深部、八ヶ岳、大菩薩嶺?などなど、こんな機会はめったにないであろう。
朝陽を浴びる地蔵岳オベリスクもいい。ウォルター・ウェストンはよじ登ったが、私には登る技術もないので、眺めるだけで満足である。観音岳から引き返し、明るくなった薬師岳からもう一度景色を堪能する。下山時間が長いので、別れを惜しみながら頂上を後にする。
薬師岳小屋に置いてあった荷物を受け取り、お礼を言って下山にかかる。あとは長い苦手な下りである。いつも通り追い越されながらも、今回は転倒せずに13:00前には登山口に戻ることができた。
今回は鳳凰二山となってしまったが、山登りを始める契機となった場所を再び訪れることができ、何よりも天候に恵まれ、大満足の山行きであった。
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