日光白根山 東稜 雪が少なくてチャンス?多彩な表情の好ルート
- GPS
- 09:14
- 距離
- 10.8km
- 登り
- 1,014m
- 下り
- 1,005m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
アプローチと下山は一般ルートですが、東稜はバリエーションルートとなります。核心部でUIAA/RCC競哀譟璽匹猫供銑卦蘢度の登攀になります。取り付き部分から東稜に乗るまでの草付き3〜40mが教蕁大岩の15mが卦蘢度かと思います。 取り付き部分は北側へ大きく巻くと比較的容易に東稜に乗ることが出来ます。大岩は岩の基部をトラバースし、北側から巻くことが出来ますがトラバース中の滑落は墜落距離が大きくなるので注意が必要です。 この時期の雪はサラサラで結合が弱く、積雪量によっては取り付き部分で雪崩の可能性があります。例年通りの積雪量の場合、五色沼から東稜取り付きまではラッセルとなります。危険部分の行動を明るい時間帯に終了させる必要を考慮すると、日帰りの場合は時間的な要求をクリアするための体力が必要となります。 |
写真
感想
厳冬期の日光白根山東稜は2月に登る事ができましたが、その前シーズン12月にチャレンジした時は取り付きまでのラッセルで時間切れとなり敗退していました。
この時は弥陀ヶ池から東稜取り付きまで3時間のラッセルで、一般ルートを外れてから取り付きまでの急斜面はワカンを使用しても腰ラッセルとなり、取り付き到着が既に昼過ぎになりました。
取り付きからの草付きは30cm程度のサラサラ雪が付きアックスが決まらず、雪を落とし下に隠れた草付きにフック場所を探しながらの登攀となりました。1時間もがいても20m登ったかどうかという具合なので東稜に乗る前に時間切れと判断し、雪から掘り出した細い潅木に支点を求め懸垂下降しました。
今シーズンは特に積雪が少なく、雪山登山を求めるには雪が無いのが悩みのタネですが、逆にこの状況なら、この時期の東稜もラッセルが容易になるのではと思いチャレンジしてみました。
夜明け前に菅沼登山口駐車場に到着。既に10台以上駐車しており、この時期の夜明け前にしては多い感じです。積雪は登山口から有りますが、この時期としては異常に少ない為、用意してきたスノーシューは車に残すことにしました。準備をしている内に夜が明け良いタイミングでのスタートです。
弥陀ヶ池までは樹林帯の中を歩きます。今日は既に多くの先行者が歩いているので登山ルート上の雪は締まっています。適当なタイミングでアイゼンを装着しました。
弥陀ヶ池で樹林が切れ、白根山の姿を見ることが出来ます。今日は雲ひとつ無い青空で風も穏やかです。多くの登山者は座禅山コルから白根山北面の登山道に向かいますが、東稜へはここから五色沼へ一旦下ります。
五色沼は完全に氷結しており、氷の上を非難小屋の方向へまっすぐ向かいます。以前敗退した時はここをワカンでラッセルしていましたが、今回積雪は少なくストレス無く歩く事が出来ます。
避難小屋よりも手前で進路を西に東稜へ向かいます。以前敗退時は東稜取り付きまでワカンで腰ラッセルでしたが、今回は一番深い所でもツボ足で膝くらいでした。
東稜の取り付きでストックを仕舞い、ハーネスやメット、アックス等の登攀装備を身に着けます。取り付き部分から東稜に乗るまでの草付きが1つ目の核心ですが、今回は殆ど雪が無い状態で登る事が出来ました。ここは登り易そうな所をつないで行けばどんなふうにでも登れる所で、正面の岩壁の左側を登るので左壁と呼んでいます。今回登ったラインは取り付きの尾根から正面に見上げる大岩のすぐ左を抜けるラインを登りました。
東稜に乗ると、山頂北側の北峰へと続く尾根を見上げることができます。ここから暫くは雪の飛ばされたザレた斜面の登りとなりますが、高度が上がると共に東稜上部の岩稜が近づき、周囲の展望が楽しめます。
特徴的な形のトンガリ岩を過ぎるとナイフリッジの通過が有ります。ここは積雪が多いと埋まってしまいキレがなくなりますが、今回は雪が少なく良い感じです。
雪のナイフリッジを越えると2つ目の核心、大岩に到着です。大岩には雪が付いて居ませんが、厳冬期に登った時も雪は付いていなかったので、ここは通年付かないと思われます。大岩は左の凹角状を登りますが、初心者が居る場合は確保が必要です。
大岩の先は開放感が有り気持ち良い溶岩のリッジを登り北峰へと至ります。北峰から一旦降りて白根山頂へ到着します。
山頂の展望を楽しみながらのコーヒータイム、今まで12月の白根といえば風が強く、あまり長く休めない記憶ばかりでしたが、今日はこうして休んでいても寒くない。素晴らしいタイミングで登頂できることが出来て感謝です。
下山は北面の一般ルートを使用し、暗くなる前に菅沼登山口に到着しました。
金精峠道路の冬期通行止の直前でギリギリ間に合いました。今回は天候、積雪ともに東稜の日帰りには丁度良い条件が揃い、無事登頂する事ができました。
日光白根山東稜は、規模は小さいながらもバリエーションの様々な楽しさの詰まった良いルートだと思います。手頃な楽しさが魅力的で、機会があればまた再訪したいと思います。
おまけ 厳冬期の白根東稜の記録はこちらです。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-593004.html
(´・ω・`)なんか もっさんが一番詳しそうだよね。東稜の登山ルート(笑)
なんだかんだで通ってるからね〜。でも基本的な名称はゆきさんが命名したものに原則合わせてるよ
今回は赤岳主稜や谷川東尾根も登っているアルパインクライマーが一緒だったけど、彼に言わせても色々な表情と景色が楽しめる良い尾根だとお褒めの言葉を頂きました。
来月の予定が出たらまた教えてな〜
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