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Yamareco

記録ID: 789554
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ハイキング
奥秩父

雁ヶ腹摺山 〜年末三日連続富士見 喫砲風〜 A13

2015年12月29日(火) [日帰り]
 - 拍手
体力度
5
1泊以上が適当
GPS
09:29
距離
21.5km
登り
1,696m
下り
1,442m
歩くペース
速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
8:38
休憩
0:46
合計
9:24
距離 21.5km 登り 1,697m 下り 1,461m
7:30
70
8:40
8:41
66
9:47
9:52
69
11:01
11:35
51
12:26
12:30
45
13:15
63
14:18
14:20
20
14:40
28
15:08
46
湯ノ沢峠
15:54
60
16:54
やまと天目山温泉バス停
天候 晴れ、風強し
過去天気図(気象庁) 2015年12月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
<第1日>
・高尾駅着6:13、発6:14 - 大月駅着6:51、発7:00 - (富士急バス、500円) ハマイバ前バス停着7:20
・やまと天目山温泉バス停発17:12 - (栄和交通バス、300円) 甲斐大和駅着17:24、発17:34 - 塩山駅着17:55
その他周辺情報 塩山駅前「菊亭」(中華料理) 年末29日に開いていた貴重な店、美味し。
塩山温泉「中村屋旅館」素泊まり4,600円 大浴場一人貸切だった。
11ヶ月ぶりのハマイバ前バス停。今朝は大月駅から一人だった。
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11ヶ月ぶりのハマイバ前バス停。今朝は大月駅から一人だった。
ありがとうございます。見送らせて下さい。
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ありがとうございます。見送らせて下さい。
マイナス5度程度か。予報どおり寒い。山上の強風を考えると更に寒い。
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マイナス5度程度か。予報どおり寒い。山上の強風を考えると更に寒い。
このゲートが大事。車のいない林道を約束してくれる。
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このゲートが大事。車のいない林道を約束してくれる。
ハマイバ丸、大蔵高丸。
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ハマイバ丸、大蔵高丸。
水場は凍結していなかった。
水場は凍結していなかった。
湯ノ沢峠東側登山口を通過。
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湯ノ沢峠東側登山口を通過。
覚悟していたとはいえ、林道歩きに飽きてきた。青空を見上げる。
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覚悟していたとはいえ、林道歩きに飽きてきた。青空を見上げる。
後が気になり、何度も振り返りながら歩く。冬の澄んだ空気のお蔭で、登山道まではっきり見えている。
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後が気になり、何度も振り返りながら歩く。冬の澄んだ空気のお蔭で、登山道まではっきり見えている。
大峠に着いた。途中ショートカットを何度かし、「林道歩きのエキスパート」は、行程を1時間短縮したことに満足する。
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大峠に着いた。途中ショートカットを何度かし、「林道歩きのエキスパート」は、行程を1時間短縮したことに満足する。
大峠からの富士。東から雲が忍び寄る。急がねば。
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大峠からの富士。東から雲が忍び寄る。急がねば。
さあ、五百円札富士へ。
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さあ、五百円札富士へ。
水場、凍っていない。
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水場、凍っていない。
石垣のような岩。
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石垣のような岩。
空が広がる。山頂は近いか。
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空が広がる。山頂は近いか。
雁ヶ腹摺山の頂。
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雁ヶ腹摺山の頂。
どの写真を選べば良いのか。シャッターを押しては見つめ、またシャッターを切る。
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どの写真を選べば良いのか。シャッターを押しては見つめ、またシャッターを切る。
彫の深い端整な姿、魅了される。
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彫の深い端整な姿、魅了される。
五百円札、岩倉具視の印象強く、富士の姿は記憶にない。
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五百円札、岩倉具視の印象強く、富士の姿は記憶にない。
大月市秀麗富嶽十二景一番山頂の名に相応しき眺望。
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大月市秀麗富嶽十二景一番山頂の名に相応しき眺望。
結局、強風の中、撮影と凝視のみに30分を費やした。
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結局、強風の中、撮影と凝視のみに30分を費やした。
白谷丸の向こうには南アルプス。
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白谷丸の向こうには南アルプス。
大峠に戻り、黒岳への上りにかかる。
大峠に戻り、黒岳への上りにかかる。
空高く、碧いよいよ。
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空高く、碧いよいよ。
赤岩の丸を通過。
2
赤岩の丸を通過。
本日の最高点、黒岳山頂も通過。
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本日の最高点、黒岳山頂も通過。
白谷丸。ここからの富士もまた絶景。
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白谷丸。ここからの富士もまた絶景。
美しいシルエットに酔う。
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美しいシルエットに酔う。
天高く、富士望む至福の刻。
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天高く、富士望む至福の刻。
3年連続で湯ノ沢峠を通過する。愛すべき十字路。
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3年連続で湯ノ沢峠を通過する。愛すべき十字路。
ススキが夕陽に映える。
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ススキが夕陽に映える。
このゲートも大事です。焼山沢林道に車を走らせない。
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このゲートも大事です。焼山沢林道に車を走らせない。
なんということか。やまと天目山温泉、昨日で営業終了であった。傷心癒されぬまま1本早いバスに乗る。だがこのことがのちに、、
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なんということか。やまと天目山温泉、昨日で営業終了であった。傷心癒されぬまま1本早いバスに乗る。だがこのことがのちに、、

感想

 富士に会いたかった。北から西から見つめたかった。冬に登るためとっておいた山々から三山を選んだ。年末の三日間で連続して登る計画。仕事が片付かず、一日送った。思い出深い時間を過ごせた。

機―麗富士 碧き風
 さすがに登山者は疎ら、ドアが開く度に風が車内を吹き抜ける。高尾発松本行普通列車は定刻どおり大月駅に到着した。駅前にはバスが1台、ハマイバ前行だった。乗客は私一人、降車時に深く頭を下げた。
 1ヶ月ぶりの山行、長い林道歩きで取り戻そう。このコースを選んだのは、冬期、林道が閉鎖されるからだ。前も後ろも車の存在を気にする必要がない。マイペースで空を見上げながら歩ける。背中に陽の光を感じ、前方の影に守られながら進む。今年1年の出来事を思い浮かべながら、或いは時にショートカットをして、単調な時間を紛らわす。
 時折、後ろを振り返っては確認する。大峠手前でようやく会うことができた。やはり大菩薩の山域から望む姿が最も美しいと思う。こころ揺さぶられながら、先を急ぐ。大峠付近で二人の登山者と出会う。結局この日、下山するまでに出会ったのはこの二人だけだった。
 吹き荒ぶ強風に悩まされながら、気は急いていたが、後半の歩きを考えゆっくりと登ってゆく。やがて明るいカヤトが現れるとほどなく山頂に着く。期待をはるかに上回る素晴らしい眺望だった。寒さと強い風によって、かの山までの空気は澄み渡っている。感謝し尽せないほどの時間だった。
 珍しくタイマーをセットして、富士と我が身を被写体として収めた。ダウンジャケットの暖かさのお蔭で、30分以上その場を離れずに済んだ。やがてますます強まった風に押されるかのように、動き始め、次なる峰を目指した。
 大峠まで下りてから、黒岳への上りにかかる。風は勢いを失い、陽だまりは暖かく、寒さで失われた体力も気力も戻りつつあった。山頂は木々に囲まれているが、それだけに白谷丸からの眺望には息をのむ。陽の光によって映し出される均整の取れたシルエットは、甘美な思いさえ感じられるほどだった。
 湯ノ沢峠に下り、沢沿いの道を進む。流水の創り出す氷の作品群は、2年前の11月よりも少なく未完成だった。登山口からは延々と続く林道歩きが待っている。前回の記憶が明瞭であり、明るい林道なので夕闇は気にしなくて済むのだろうが、廃屋の建ち並ぶ集落跡だけは早めに通過したかった。
 林道からバスの走る県道に出る頃には、既に日没の時間を迎えていた。前方に日帰り温泉の灯りが見える、はずだった。様子がおかしい。恐る恐る近づくと、バス停に非情な貼紙があった。温泉に浸かり、夕食をとってから塩山に直通バスで向かうという素敵な企画は、1日ずれたことにより儚くも潰えていた。
 傷心の思いでベンチに座り込む。思えばこの日初めて腰を下ろしたのがこの時だった。寒さと強風と時間との闘いのせいで、座ることを忘れていた。強行軍だった。目の前を折り返し前のバスが上って行った。温かな光と共に。

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