日光白根山 西面3ルンゼ、北西稜 今年も登れました!恒例のバリエーションルート
- GPS
- 06:20
- 距離
- 6.1km
- 登り
- 1,061m
- 下り
- 1,070m
コースタイム
- 山行
- 5:14
- 休憩
- 1:04
- 合計
- 6:18
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ロープウェイチケット購入時に登山届の提出を求められますので、先に記入して置きましょう。登山届はチケット売り場手前側の出入り口と、カウンターの奥側に有ります。 ロープウェイ往復2000円+保証金1000円で、下山しカードを返却して保証金1000円は返ってきます。カード返却時に氏名を告げて下山報告となります。 ロープウェイ運行時間は8:30〜15:30ですが、混雑時は運行開始前からロープウェイ待ちの列が出来ますので、早く出発したい場合は並んで置いた方が良いです。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
西面ルンゼ取り付き付近までは一般ルートを行きます。トレース有り。 一般ルートを外れてから西面ルンゼ取り付きまでの状況は日によってまちまちで、樹林帯のラッセルになる事も有りますが、トレースが有る事もあります。過去の例ではトレースを辿って楽々取り付けたことも有りますが、ワカンで腰ラッセルになった時もありました。スノーシューなら万全ですが、全くのお荷物になることもあります。最低限ワカンが有れば安心です。 西面ルンゼから3ルンゼまでは気温によって雪質が変わります。クラストしたカリカリ雪面+粉雪の吹き溜まりの時もあれば、腐れ雪と踏み抜き地獄だった事も有ります。この辺りで状況に応じて、アプローチ装備からアイゼンやクライミング装備への変更を行います。 西面3ルンゼ内は日陰の為、割合的にはカリカリ雪面が多くなります。寒い事が多いので登攀装備に変更する際に、それに応じた服装に調節しておくと良いです。中間に氷化した部分が出来ていて、長さに差は有るものの3月位なら例年存在します。規模が小さければ避けて登れますが、大きい時も有りますのでダブルアックスの方が安心でき、積極的にアイスパートを楽しめます。 アイスパートをクリアすると二俣っぽい感じで左右に登れそうな所に出ます。左側の方が容易ですが北西稜に乗ってしまいます。3ルンゼを完登したい場合は右側を登ります。 右側の上部は降雪の少ないシーズンや、時期によっては雪が少なく岩が出ているところがあります。日が当たっている場合は岩の結合が脆くなって剥がれたり、落石が起きたりします。フッキングの見極めとテスティングを行い、安易に荷重しないように、優しく登りましょう。 初心者には必要に応じてロープを出しますが、ボルトとか無いので支点はシャフトを埋め込んだアックスに取ります。2本有ればそれなりに信頼感も増しますので、ここでもダブルアックスが有効になります。 3ルンゼを抜け、右に見える雪壁を登れば山頂のあるピークに至ります。 下山に使用する北西稜ですが上部は薄藪と岩がらみの急斜面で、踏み抜き等で足首にダメージを受け易いので注意が必要です。中間部は雪交じりの草付きですが、ここでも足の置き方によっては足首ダメージがありえます。下部になると雪が多くなります。 北西稜を忠実に降ると七色平避難小屋付近に出ますが、藪が濃くなるのでそれを避ける為、左へ向かって高度を下げます。樹林とルンゼに落ち込む岩壁の間を抜ける感じにルートを取りますが、時間的にアイゼンに雪団子が付きスリップによる滑落注意です。肩掛けリーシュが有効で、何時でもシャフトを雪面に刺せる様にしておきましょう。 北西稜下部では全層と言う事は無いと思いますが、雪質によっては雪崩れます。今回は固雪の上に新雪が乗り、表面が陽光で腐り始めていました。上から雪を押しながら降っていた所、幅5m位ですが2度ほど表層が雪崩れました。 |
写真
感想
今年も恒例の日光白根山西面3ルンゼへ。無積雪期は落石の巣ですが、凍結している今の時期なら登れます。
今までは単独で訪れていたルートですが、今シーズンは嫁さんがアイスと阿弥陀北稜で技術を磨き、先週の西穂高岳で高度慣れして仕上がって来たので一緒に行って見ました。
八ヶ岳等の混雑したルートと異なりマイナーなルート故に人影も無く、岩稜に囲まれたルンゼに自分達のトレースが刻まれアルパイン気分が盛り上がります。難易度は低いものの描かれるルートの合理性や様々に変化するコンディションが楽しめ、自分にとってアルパインクライミングの原点となるルートです。
降りは北西稜を使いましたが、こちらは下部が急斜面の堅雪に新雪で、時間的に表面が腐り2回ほど雪崩れたりして緊張しました。
下山に関しては通常ルートか、旧登山道を使用するほうが北西稜に比べて安全確実でしかも早いように思えますが、登ってきた3ルンゼを間近に見る事が出来るのが魅力的で、ついこちらのルートを使ってしまいます。
西面3ルンゼの適期は概ね3月一杯までですが、シーズンに寄っては3月でも雪が切れてしまい登れない事が有ります。
雪の繋がり具合は丸沼高原スキー場のライブカメラで確認するのが確実ですが、細かい所が見えづらいので西面ルンゼの岩の露出具合で判断しています。おまけで白根の過去3年間の画像を載せておきました。西面ルンゼの状態と3ルンゼの繋がり具合の関係が参考になるかと思います。
過去の西面3ルンゼの記録はこちらです。
2015年 下降は北西稜
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-605117.html
2014年 下降は旧登山道
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-417792.html
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