阿蘇・根子岳東峰
- GPS
- 04:07
- 距離
- 4.4km
- 登り
- 633m
- 下り
- 633m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2010年10月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
午前中の雨で、登山道はよく滑った。 |
写真
感想
天気予報は、晴れのち曇り、忙しい中にも「午前中はOK !」と出発。と同時に雨がポツリ、ポツリ。「先週と同じ状況だなあ〜、いくら雨好きとはいえ、2回連続となるとちょっとウンザリ…。」などと言いながらもターゲットは根子岳東峰、この山はとても面白い山で、エキスパートから普通の登山者まで受け入れてくれるし、『猫伝説』など伝説が残るほど幽玄な山でもあります。以前は、天狗岩の下に鎖場があって、一般道となっていましたが、あまりにも事故が多く、鎖が取り外された歴史があります。鎖があった頃もその場に立った恐怖は、はっきり覚えています。剣岳など北アルプスの「一般道」の、どの道より恐怖の道で、トレーニングを積んだ後は、鎖なしでもトラバースできましたが、今は全く駄目です。天狗岩から西峰までの高度感は楽しめます、もちろんザイルが必要です。そしてエキスパート達が開発したルートが、たぶん尾根の数だけあるはずです。でも、どれも危険です。以前は一般道だった天狗岩ー東峰のルートも崩壊が激しく、とうとうエキスパートのルートに指定され、普通の登山者は、東峰だけになってしまいました。
家を出ようとした時、「根子岳のどこに登るの?」「東峰」「一般道ね。」「そうそう!」警戒されていることがよくわかります。ヤカタガウドコースも雨では危険です。
登山口に着くころには雨は本降りで、先週と全く同じ、違うのは、駐車場にたくさんの車があったことくらい、でした。みんな「午前中晴れ」「根子岳」「紅葉」のキーワードに引き寄せられるように来たんでしょう、みなさん、残念でしたね。
このコースは、ホント何十年ぶりで「単調な急な登りで、眺めがよくとても安全なコース、でも面白味がない。」という印象しかありません。
駐車場の横をクライミングヘルメットをかぶりカッパを着た4〜5名の集団がいます、たぶん地獄谷を詰めて東峰下山でしょう。林道を歩いていると傘をさした年配の女性が笑顔で「すべりますよ、お気をつけて!」と下って行かれました。たぶん歩きやすい所まで行って紅葉を少し見ての帰りでしょう。
「すべりますよ!」と言われても、それが嫌で「高岳に変更しようかな〜。」と迷ったくらいだったんですが、「何も見えず岩だけ見る高岳よりこっちがいいか!」と覚悟してここに来たんです。ところが忠告通り、最初から本格的にズルズルよく滑ります。すれ違う人はみんな合言葉のように「よくすべりますね!」「ずっとこんな感じですか?」「そうですよ!」「頂上まで、あと何時間くらい?」「1時間くらいかな、でも滑り具合で時間は違いますよ。」(確かに!)「アイゼンがあればいいのに!」と言った人もいました。「そうだな!」とその時は思ったのですが、アイゼンに土がべったり着いてしまうと役立たないだろうな〜、誰か使ったことのある人いませんか?
滑って登れないような斜面はストックで足場を確保しながら、少しずつ登ります。
雨と風が強く、今日は気温も低い感じがします。周りは全く見えません。以前は木がない草原の尾根、という印象でしたが、今は下は人工林、上は灌木が生い茂ります。以前は全く危険がない道、という印象でしたが、1か所だけ木製のハシゴ場がありました。これがとても古くて「自分がこの梯子を使った最後の一人になるかもしれない…。」と思えるほど不安にさせてくれる代物でした。そして、所々、道の横は急斜面で崖になっています。大転倒すれば、一気に下の谷までダイブ、そんな感じで、さすがに根子岳です。でも木があるので、あまり恐怖感はありません。1回だけ、ちょっと滑り出したら止まらなくなって、登山道を3m位滑り落ちました。もちろん、尻もち程度は数知れず…。
やっと頂上、おにぎりを食べ終わり、さあ下山開始、すぐ下で声が聞こえたので見るとヘルメットの人たちでした。わずかに頂上到着だけは早かったか、と思いましたが、まあ、コースが違いますから。この人たちは、雨の中をあの垂直100mの岩をよじ登って来る人達だから、下山もすごいだろうな〜、と思っていたら道の半分程度の場所で追い抜かれ、ストックも使わず飛ぶように急斜面を落ちて(下って)行きました、凄いバランス感覚、さすがです。「あれ、確か4名はいたよね、今3名だけだったなあ〜。」と思っていたら、後ろから「ドスン!」「ドスン!」とすごい迫力の転倒音が連続します。ヘルメットの残り2人組です。前の3人と同じスピードで下ろうとするので、尻餅の連続でズルズルの道を下っています。その姿を見て「同じ人間なんだ…。」とホッとします。
その時、ガスが切れ始め、稜線の紅葉や南峰、天狗岩、稜線がはっきり見えました。「来てよかったな〜。」とつくづく思いました。もうすぐ登山口、という場所で女の人が一人で登って来ました。軽装です。「頂上まで?」「様子を見て無理なら引き返します。」その返事に(大じょぶだな、と)安心して「お気をつけて」と下りました。今12時近く、この道の状況からすれば順調にいっても下山が4時過ぎになるのは危険です。他の登山者も下山してしまい、おまけに滑って骨折、となると下山は早くても明朝になってしまいます。自分でもこの登り下りでずっと「怪我したらどうして下山しよう。」とセルフレスキューのことを考えていました。それほどこの道は、危険な道と化していました。マイナーなルートを1人で歩いている中高年を見かけると声をかけるようにしています。そのまま別れて下山した翌朝、新聞に遭難記事が…、なんてことになったら「あの時、声をかけていれば…。」といくら後悔してもしきれませんよね。実際は、とんでもないスーパー老人もたくさんいるし、逆にこっちが心配されることもよくあります。今日の朝も最初に「すべりますよ!お気をつけて!」と声をかけていただきました。でもあの笑顔はうれしいですね。心配すると同時に「楽しんできて下さい。」のメッセージがありますね。
無事の生還を祝い、早々に着替えて温泉に、とも思ったのですが、時間がない!、早急に帰宅、外輪山を超えると急に晴れて来たのにはびっくりでした。
追記
根子岳シリーズは
「根子岳 南峰」
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-85836.html
「根子岳 西峰」
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-105320.html
も一緒に見ていただくと、根子岳のイメージが掴みやすいと思います。
コメント
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> アイゼンに土がべったり着いてしまうと役立たないだろうな〜、誰か使ったことのある人いませんか?
アイゼンとは違いますが釣りで使っていた軽アイゼンっぽいものですが
形は軽アイゼンなのですがスパイク部分が木ネジになってます、うろ覚えですがネジが8本くらい出てるかな?
それで萩尾のため池の湖岸を歩いたことがありますが、泥が詰まってすぐにドラエモンの足のようになった記憶があります。
登山用ではありませんが情報までに!
情報ありがとうございます
あの東峰の滑り台のような山道が延々と続くとうんざりでしたが、「滑る」=「アイゼン」という発想しか浮かばなかったのですが、雪よりも「ドラえもんの足状態にすぐなる。」と思いました。
木ネジ状のスパイクなら板状のアイゼンよりは泥がひっつかないのは確かですね。
釣具屋さんやホームセンターにも「使える 」というものがありますね。結構うれしいものです
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