阿蘇・根子岳南峰 すばらしい紅葉
- GPS
- 03:45
- 距離
- 4.2km
- 登り
- 632m
- 下り
- 616m
コースタイム
11:10自宅発ー12:30登山口発ー14:30南峰15:00-15:50登山口16:30-17:00地獄温泉18:30-19:00鍋ノ平キャンプ場
11月7日(日)
7:10キャンプ場発ー8:20自宅着
天候 | 6日、快晴、夕方曇、夜雨 7日朝少し濃霧 曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
地元紙の新聞に「紅葉まっ盛り」と第1面に紹介されたこともあり、東峰の駐車場はもちろん、近くの幹線道路から林道まで満杯、本来の駐車場も「こんな所に!」と思う場所までギリギリに駐車してあった。本来の駐車場は、15〜20台で満杯。 |
写真
感想
土日も仕事だが、みなさんに何とかお願いすれば、土曜日の午後と日曜日の午前中は何とかなりそうなので、キャンプと山に行くことにしました。
行先は、根子岳の西峰を予定していました。通常の日ノ尾峠から登る西峰ではなく鍋ノ平横の尾根を登る西峰本峰ルートはワクワクどきどきの「アドベンチャーコース」でアドレナリンが上がる素晴らしいコースです。ところが前日の地元紙の新聞第1面に「根子岳西峰、紅葉まっ盛り」と出てしまっては翌日が快晴の土曜日、周辺は大渋滞、となるのは必須なので、「どうしようかな〜。」と考えていると「南峰はどうかな…。」以前から登りたいとは思っていたのですが、登り口もルートもはっきりしないので、ずっとキャンセルしていました。
南峰付近の地図を見ていると、先週の東峰登山口近くに伸びている尾根が登れそうな感じがします。GPSで道なき道を歩いていると、「ここは歩ける」と感じた地形には必ず「けもの道」クラスのわずかな道があるものです。その時、はっと気付きました。先週の東峰登山の時(http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-84846.html)、雨の中で見かけたヘルメットの5人組が、登山口近くのススキ原付近をみんなで捜していたことを思い出したのです。ルートを捜している感じですが、地獄谷を登るなら絶対に林道を歩いた方が近いはずで、近道はありません。「別のルートがあるのかな?」と思ったのですが、それが南峰の登山口を捜していたわけです!。ということは、彼らは地獄谷を詰めたのではなく、南峰に登って一度コルまで下り、さらに天狗峰に登って東峰に来ていたのです。なるほど、これで南峰に行く入口の見当がつきました。これで「南峰行決定!」となりました。
未踏のルートを午後からの単独登山となると、道がわからない場合の時間制限を3時、としてそれ以上は先に進まないことにします(日没5時なので)。
さて、ススキ原を突入です。5人組が捜していた地点をちょっと捜して見ると、はっきりとした踏み跡が見つかりました。「これで楽勝だなあ〜。」とその踏み跡をたどっていくと、世の中そう甘くはありません、踏み跡は、どんどん枝分かれし交錯し、まるで迷路を歩く状態となりました。もちろん人が歩いた踏み跡もあるのですが、ここは赤牛の放牧地でもあるので、牛が1頭歩いただけで人間5人分ほどの踏み跡がついてしまします。さらにススキの株の横は、少し空間ができるので、藪こぎから解放されたくてみんなその空間に一時避難してくるので、その空間からさらに分岐ができてしまします。
「まず、尾根に上がろう、その付近に一番はっきりした踏み跡があるはずだ。」と今までの経験を生かし2〜3mの高さがあるススキの中を強烈な藪こぎで進みます。ところが尾根付近は、棘のある灌木が密集しそれを迂回しながら先に進んでいくと、とうとう「無理だな…。」と思える程の草木の壁に遮られました。ここは野焼きをやめて、すでに原野化しています…。
「一度、尾根の取り付き付近まで戻って、尾根に上がれる所を捜そう。」と結論に達し戻り始めました。GPSで方向がはっきりして進むべき方向がわかっているなら強烈な藪こぎも苦にはならないのですが、「道がハッキリしない。」状態で強烈な藪こぎを30分以上やっていると、だんだん心が折れて来ます。気持ちは戦闘状態でアドレナリンが急上昇していますが、ふとした瞬間にどっと疲れが出て、心の中で「ポッキン…」と折れる音がするものです。
戻りながら尾根に上がりましたが、尾根沿いに登れる場所を見つけられず、結局尾根の反対側にまわり込むと人工林がありました。「これだな。」と人工林の中に入りました。「人工林とススキ原の境目を尾根にそって歩くのが一番楽」ということを経験上知っています。ススキ原は強烈な藪こぎ、灌木は枝や根っこを避けながら歩くのは大変、ところが人工林は下草がないので歩きやすいのです。しかし「どこでも歩ける。」と言うのも不安でGPSを頼りに早目に尾根筋に戻るルートをとると予想通り、尾根筋の人工林と自然林の境目にハッキリとした踏み跡があり、それを登ります。ここでも多少の藪こぎはあります。登山口付近の強烈な藪こぎも含め、顔と首筋全体が葉っぱや棘で擦り剥いた状態で、流れ落ちる汗でヒリヒリします。
途中、テープ類の道を示すマークはありません。ここは南斜面なので午後の日差しを浴びて気温が上がってきました。1000mを超えると落葉樹の自然林となりススキも藪の下草もなくなり、爽やかな風が吹きぬけます。その中をふかふかとした土の上を快適に歩きます。途中で遭った人が「朝8時から登って今までいた、道はもう、わかりやすいよ、今日何人か歩いているから、踏み跡がある。この先は心配ないよ、紅葉は谷間がいいね。上に後1組いるよ。」「登り口は、どこがルートですか?」と聞いたら「どこも一緒、東の谷筋を下ってもいいけど最後は一緒、どこも強烈な藪こぎだよ。」と会話を交わして別れました。もう何度もこのコースを歩いたであろう、とても落ち着いた雰囲気のある単独の人でした。
最後は、クマザサの急勾配のトンネルを登ります。最初は高さが2m程度のササなので、かき分けて歩いていたのですが、高さが3mともなると完全にトンネル状態でもぐって行きます。さらに途中からあまりにも急登で、笹のトンネルが「永遠に続くのでは…。」と思ったその時、目の前50cm先に人の足が急に現れたので「びくっ!」として見上げると、相手もビクッとしていたので、ぶつかる直前の距離までお互い気付かなかったことになります。目の前のササと笹をかき分ける音で気づかないのです。
第1のピークを過ぎると吊尾根になっていて、特に東側は断崖絶壁なのですが、灌木があるので恐怖感は全くありません。西側も崖ではありませんが、急角度に落ちています。でもこちらも同じです。これがなければ、強烈なナイフリッジで「鎌尾根」状態です。しかも岩に木の根が巻きついて、ルートを確保しています。
これが登山者が増え、木が枯れ、土がはげ落ち岩だけになってしまうと、天狗峰から東峰のように危険なルートになってしまします。年間100人ほどが歩く程度の「超マイナーなルート」のままであってほしいと願っています。(逆に歩く人があまりにも少ないと道がなくなるので…。)
そこを超えるといよいよ南峰、ここからの眺めは最高で、3〜4時間ここでゆっくり風景を眺めたくなる気持ちがよくわかります。時々コールする声が聞こえます。どこかでロッククライミングをしているのでしょうが、双眼鏡を持ってくればよかった、と後悔しました。午後2時を過ぎた時間にもかかわらず、東峰にはたくさんの人々の姿がここからも見えます。一般の人が登れる(偽の)西峰はここからはよく見えません。本当の西峰は、ここからとてもよく見えます。西から東まで何枚も写真を撮りました。4時には下山完了を目指し、20分ほどでここを立ち去らなければなりませんが、名残惜しく感じる山頂でした。ふと足元を見るとリンドウが可憐に咲いています。その横にきれいに紅葉した幼木もあります。
急斜面をかけ下りますが、先週のように土がむき出しの道も少なく、乾いているし問題ありません。最後のススキ原近くになり、東側の谷筋に下るために人工林に入りました。いずれにしても人工林から出たら強烈な藪こぎが待っています。それを短くするために谷筋に下ろうとするのですが、谷筋は崖になっていて下れそうにありません。結局、登りと同じ場所に出ました。これからどうしよう、と登山口近くの林道に出るように強烈な藪こぎを開始して、やっと出ることができました。
夕日に照らされススキの穂が輝いています。今日はこれから地獄温泉に行って近くのキャンプ場に泊まります。
地獄温泉は、県外ナンバーの車でごった返し、宿泊客の入浴時間と重なり大混雑(と言ってもそうありませんが)でした。その状況で汗臭いまま脱衣所に突入したので申し訳なく思います。
温泉を出たら周囲は真っ暗、今夜は野営のトレーニングも兼ねて大好きな鍋ノ平キャンプ場で1泊。着いたのが7時、「多いかな。」と思ったら誰もいません。夕食を作り、晩酌タイムを過ぎ、テントの中に入ったら、定番のように雨が落ちて来ました。「晴れの予報だったのに山の天気は分からないな〜。」と眠りにつきました。
3度目にして、やっと快晴の紅葉と出会うことができました。天気に感謝、自然に感謝、そして職場の方々にも、すいませんでした…。
これで今年の紅葉に対する思いもやっと晴れたような気がします。
追記
根子岳シリーズは
「根子岳 東峰」
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-84846.html
「根子岳 西峰」
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-105320.html
も一緒に見ていただくと、根子岳のイメージが掴みやすいと思います。
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