幌尻岳/新冠コース往復
- GPS
- 47:42
- 距離
- 52.0km
- 登り
- 6,087m
- 下り
- 6,086m
コースタイム
- 山行
- 4:41
- 休憩
- 0:12
- 合計
- 4:53
- 山行
- 8:27
- 休憩
- 2:23
- 合計
- 10:50
天候 | 7/7 快晴! 7/8 快晴! 7/9 快晴! |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
林道は普通車で問題ないですが、路面に大きな穴ぼこがいくつもあるのと、北海道電力の関係車両や林業のトラックなど対向車が多いので、スピードは控え目に(一応、制限速度40km/hの標識あり)。 また、林道に入ると携帯電話は各社とも圏外になります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●イドンナップ山荘〜新冠ポロシリ山荘 以前は奥新冠発電所ゲート(北電ゲート)まで車で入れましたが、2016年シーズンより、イドンナップ山荘前に新しく車止めゲートが設置されたため、ここに車を止めて歩くことになります。 新冠ポロシリ山荘までは危険箇所はありませんが、約19kmの長い長い林道歩きです。退屈なのは覚悟しましょう。 ●新冠ポロシリ山荘〜幌尻沢徒渉点〜水場 徒渉点までは沢沿いを歩きます。山荘から10分ほどのところに崩壊地があり、ロープが張られています(写真参照)。 徒渉してすぐ尾根に取り付き、そのまま平らな場所もほとんどない急登に突入します。 水場は再び沢を徒渉する地点で、シーズンの早い時期(7月初めくらいまで?)は雪渓が残っており、場合によっては雪渓上をトラバースすることになるようです。 ●水場〜振内コース合流〜山頂〜肩 水場からも急登が続き、多少の岩場も出てきます。 振内コース(平取町側からのルート)と合流してからは緩やかになり、山頂まで10分ほどです。 時間と体力に余裕のある場合のオプションとして、山頂から尾根を1時間弱ほど進んで幌尻岳の肩まで行くと、北戸蔦別岳との間にある七つ沼カールの眺望が楽しめます(写真参照)。 |
その他周辺情報 | 今回、道道沿いの「旅人宿 ふかふか亭」に前泊させてもらいました。 山好きの気さくなご主人が登山道情報などいろいろ教えてくれます。 http://fukafukatei.dreamlog.jp/ 下山後の風呂は、新冠町内の「新冠温泉 レ・コードの湯」へ。500円。 http://hotelhills.jp/spa/ |
写真
感想
幌尻岳に登ろうと思ったのは、昨年の大雪・十勝縦走
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-690405.html
の際に、途中の小屋でお会いした方のお話がきっかけでした。
百名山を98座まで登っているという方だったのですが、残っている2座はどこかと聞くと、利尻山と幌尻岳だという答えに続いて、幌尻がいかに難しい山であるかを滔々と力説されました。
曰く、川沿いに徒渉を何度も繰り返しながら登っていくこと、川が増水したら通れなくなること、途中の小屋は完全予約制であり、便利な日程はツアー会社が早々と押さえてしまうので非常に予約が取りづらいこと、しかもテント禁止なので泊まるだけでも難関であること、などなど。
つまり、平取町側から登る振内(額平川)コースのことなのですが、当時(百名山なのでもちろん名前は知っていたものの)この山についての知識があまりなかった私は、そんなに登るのが大変なのかと興味を持ち、帰ってから調べてみたわけです。
すると、そんなややこしいルートでなくても、もっと簡単に登れるルートがあるらしいではないですか。
徒渉が1〜2回程度と少なく天候に左右されにくい、小屋は予約不要でテントも禁止されていない、まず最初に林道を十数kmも歩く必要があるのがネックだが、少なくとも平取町ルートより確実に予定が立てられる。
とまあそんなわけで、人の話に影響されて次に登る山を決めてしまう私は、よーし大雪の次は日高だな、と単純に考えて、幌尻岳新冠コースの計画を組んだのでした。
そして飛行機(LCC)のセールと、いつも使っているレンタカー会社の60%OFFキャンペーンの時期がちょうど重なったのをうまく利用し、今回の来道となった次第です。
前置きが長くなりました。
まずは入山前日、空港で借りたレンタカーで新冠に移動し、登山口までの道の途中にある「旅人宿 ふかふか亭」に前泊。
この宿、かの「グレートトラバース 日本百名山一筆書き踏破」でおなじみの田中陽希さんも、幌尻岳登頂の前に宿泊したとか。
オーナーご自身も山好きで、毎年北海道の山や北アルプスへ縦走に出かけているそうです。
この日同宿していたお客さんが他に二人いましたが、お二人とも登山での利用、うちお一人は私と同じ日程で幌尻岳登山とのことでした。
この方(後で伺ったお名前から、ここではSさんとします)とは結局、下山するまでご縁があったのですが、それはまた別の話。
そして入山当日、朝食を済ませてから8時頃に宿を出発。
登山口のイドンナップ山荘に着いたのは9時40分前後でした。
少し前までは数百m先の発電所ゲートまで車で入れたそうですが、このゲートのすぐ前に駐車する車があり、北海道電力の車が通れないなど作業に支障が出たため,インドンナップ山荘前に新しくゲートを設けたのだそうです。
実際、山荘周辺には(ちゃんと数えてはいませんが)20台近くの車がありました。これが全部発電所ゲート前に停まっていたら、確かに作業に支障が出そうではあります。
ちょうど下山してきた登山者の皆さんと挨拶しながら、支度を整えて出発。
まずは新冠ポロシリ山荘までの19kmもある長い林道歩きに挑みます。
途中には、いこい橋のゲートや奥新冠ダムなど面白いものもあるのですが、やはり19kmの林道は単独の身には退屈そのもので、途中何度もザックを下ろして休憩。
それでも、5時間を切るタイムで山荘に到着できました。
山荘の中に入ると、昨晩の宿で同宿していたSさんが2階でくつろいでいました。
朝4時くらいに宿を出て、11時頃にこの山荘に着いたが、そこから山頂アタックするには微妙な時間だったので、結局ここでのんびり過ごしていたのだそう。
Sさんの隣にお邪魔して、いろいろお話させていただきながら、この日の夜は更けていきました。
2日目。
Sさんは一足早く4時頃に、私は5時前に山荘を出発。
最初の徒渉点まではわりあい楽に来れたのですが、尾根に取り付いたとたん、息つく暇もないほどの急登が続いていきます。
後で聞いたところでは、沢沿いをずーっと長いこと歩いてから、尾根に取り付いて急坂を登っていって山頂に至る、というのが日高の山の典型的なパターンなのだとか。
水場を過ぎ(徒渉の高さに雪渓がなくなってて助かった)、森林限界の上に出てからも急登は続き、岩場も現れて、なかなか一筋縄ではいきません。
それでも、大岩を通過すると稜線が次第に近づいてきて、すぐに平取町側のルートと合流。
あとは緩やかな登りになり、10分ほどで山頂に到着しました。
周囲の日高の山々、遠くは大雪山系の眺望を楽しみながらのんびりしていると、向こうからSさんがやってきました。
幌尻岳の肩で七つ沼カールを眺めていたのだそうです。
ヒグマがいるかと思って1時間ばかり粘ったけど、結局見つけられなかったと笑っていました。
七つ沼カールは私も見に行くつもりでいたので、Sさんと入れ替わりで肩へ向けて出発。
1時間弱で肩に到着して、眼下に広がるカールの景色をじっくり堪能しました。
そしてSさんが言っていたとおり、やっぱりヒグマは見つけられず。残念(笑)
再び山頂に戻って下山開始。
ここまでの登りがきつかっただけに、下りもまたきついのは当然な話で、ひーこら言いながら下りていきます。
南アルプスの北岳からの下りが、ちょうどこんな感じだったな、と思い出しました。
だいぶ足腰を使って、ようやく最初の徒渉点まで戻り、ほっと一息。
緩やかな下りになった道を1時間弱ほどで、新冠ポロシリ山荘まで戻りました。
3日目。
朝5時、Sさんと一緒にイドンナップ山荘を目指して下山開始。
来るときは一人で歩いていたのでだいぶ退屈していましたが、今回は話し相手がいるので、まったくありがたいものです。
Sさんとは山荘での二晩にわたって隣同士の寝場所だったので、いろいろとお話をさせてもらったのですが、林道を歩いている間中もまったく話題は尽きず、とても楽しい時間でした。
おかげで、後で確認しても、来るときとほとんど同じコースタイムだったのが信じられないくらい、あっという間に林道を踏破してしまった感じでした。
ともあれ、無事にイドンナップ山荘に到着し、山行終了。
天候にも非常に恵まれ、きついながらも充実していた3日間でした。
以下、下山翌日に登ったカムイエクウチカウシ山の記録
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-915940.html
に続きます。
最後になりましたが、今回の3日間を通していろいろとお世話になったSさん、そして「旅人宿 ふかふか亭」のオーナーご夫妻に、改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。
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