日本三大崩の大谷崩を見に大谷嶺へ
- GPS
- 05:25
- 距離
- 5.5km
- 登り
- 861m
- 下り
- 860m
コースタイム
天候 | 晴れ 静岡市井川最高気温9.4 1.0 度 最低気温-2.8度 最大風速1.0 |
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過去天気図(気象庁) | 2010年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
自家用車で静岡県静岡市の国道1号線から県道29号線梅ケ島街道に入りました。井川方面への玉機橋交差点を通り過ぎ梅ケ島方面に数分走り「食料品・地酒」の観光スポット「真富士の里」でトイレ休憩をしました。 狭い梅ケ島街道をさらに奥へと進み、赤水滝を過ぎ本沢川橋を渡り直ぐ左折して工事用の狭い道を進みました。道を間違えてしまったかと少し不安でしたが、新田集落からの道に合流しました。西日影沢への道を左手にわけ、別荘地の横を進んで大谷崩方面に向かいました。県道から約6卍狭い林道を上って、林道終点にある大きな砂防堰堤の横にある広場に車を置きました。 広場は堰堤工事中に作業車のUターン場所や駐車場に使用されたと思われます。 登山の準備をしてから標高1247mの大谷嶺登山口に独り向かいました。目の前に広がっている大谷崩を見上げながら、まだ幹が細い落葉樹の中を登って行きました。最上部の大谷階段ダムを越えると、大谷崩の底のガレ場になりました。雄のヤマ鳥二羽が沢の水を飲んでいたのか、私が近づいたのを察知して突然飛び出して沢下へ滑空して下がって行きました。 登山を開始した時には、かなり寒く上着を三枚の重ね着してきましたが、登るにつれ汗が出てきて長袖のアンダーシャツ一枚になりました。右手側の東南斜面からは、時折小石状の落石がありましので特に右手側斜面には注意をしながら直登し標高1852mの「新窪乗越」に着きました。ザックを下ろして短い休憩をとっていると山伏方面から単独行の男性登山者が来ました。縦走して安倍峠まで行くと話していました。 日陰に薄く雪がある稜線を巻くように山梨県側を登って、目的地の標高1999.7m大谷嶺に着きました。 山梨県では行田山と呼ばれているようです。 山頂に山梨県早川町で設置した行田山と記した山名標示柱は、無惨にも傷つけられ山名を判読できませんでした。 大谷崩は山頂の直ぐ近くまで迫っていました。 弱い陽射しの中で昼食を採っていると、中年の男性登山者が山頂に登って来ました。途中でカモシカに出合ったと、得意気にデジカメで撮った写真を見せてくれました。 雪で白くなった南アルプスや安倍奥の山容をのんびりと眺めながら、来春の山行予定を想い描くと山行意欲がふつふつと沸いてきました。 下山途中の新窪乗越手前では、夏にはヤナギランが咲く山伏(やんぶし)から縦走中の、十数名のパーティーに出合いました。 来た道を戻り大谷嶺登山口に無事に下山しました。 |
写真
感想
太平洋側の平坦な静岡市内から安倍川沿いに車で上って行くと、急峻な山が安倍川を囲むようにそそり立っています。山と山の間を縫うように狭い道が、梅ケ島温泉へと続いています。大谷崩の大規模な崩壊で流れ出した土砂が堆積した土地でしょうか、途中の梅ケ島新田集落はなだらかな台地になっていました。
山行を重ねているうちに安倍奥の山に興味を感じ、登るつど心の中で大谷崩を見たいと思っていました。
今日は新田集落から左手に入り壮大な大谷崩の底「扇ノ要」に着きました。まさに扇を開いたように半円を描き180°に渡り稜線から崩壊いしていました。登山口付近の説明板によれば大谷崩は300年程前に発生した地震の揺れでつくられたと、記載されていました。一度に崩れたのか、少しずつ崩れ現在に至っているのか、元の地形はどうなっていたのか規模が大きく想像がつきません。崩れ落ちた赤茶けた小さい岩の破片を手に取ると、もろく板状に細かく剥がれてしまいました。現代は砂防工事が施されていましたが、登山中に東南斜面からは小さな規模の落石が数回ありました。崩壊は大谷嶺山頂にわずか数メートルの近さまで迫っていました。もろい地質のようで長い年月をかけ少しずつ崩れ、やがては大谷嶺山頂は削りとられてしまうでしょうか。
これで富士山のお中道から大沢崩、南アルプス前岳の崩、今回訪れた大谷崩で日本三大崩の大きな崩壊地を見ることができました。
大谷嶺山頂にはもうひとつの山名を記した「行田山」と標示された木製の標柱が山梨県早川町により設置されていました。標柱の行田山の文字はナイフなどで削られて、読みとることはできませんでした。
近くにある早川町の生徒達の登頂記念を記した石から山名を判断しました。
静岡県内外の山をいくつか登っていると、同じ山でも隣接する地域により山名が異なる山に出合うことがありました。山名が異なって標示されていても、設置された物を故意に傷つける事は好ましく思いません。
「山をやる人に悪い人はいない」と聞かされましたがこのような痕跡を見ると心が痛みます。
マナーを守って大谷嶺を訪れる登山者が楽しい思い出を持ち帰れるようにしていただきたいものです。
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