七ツ石山・雲取山
- GPS
- 32:00
- 距離
- 22.4km
- 登り
- 1,771m
- 下り
- 1,766m
コースタイム
天候 | 二日間とも晴天 但し、夜間は風強し |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
写真
感想
8日9日と七ツ石山・雲取山に登ってきました。9時15分奥多摩着。天気が良かったからか、冬場なのに座席が登山客で埋まっていました。鴨沢行きのバスも満席。ピッケルを持ってる人も。かっこいいです。でも雲取山で使うところあるかな?ほかの本格的雪山へ行くための練習かな。
10時5分鴨沢バス停到着。準備をし、トイレも済ませ、10時15分出発。
冬の雲取山は今回で三回目です。凛と冷え切った空気の中を、白い息を吐きながら、硬く締まった雪と凍った土を踏みしめて登る-というのが前二回。歩いていると体は暖かくなってきますが、立ち止まると途端に寒さが襲ってきます。魔法瓶につめた熱くて甘いコーヒーが、驚くほど気力と体力を回復してくれたものでした。
が、今回は最初から最後まで驚くほど暖かく、春のようでした。尾根に出るまで雪も無かったですし。むしろ暑いほどでした。おっかしいなあ、予報では「晴れるけど冷え込む」って言ってたと思ったんですけど。何度稜線を見上げても、去年は見えた白いものがありませんでした。
汗かきながら歩いて一時間、道端に小さな祠があるところに到着。いつもとおんなじペースです。そこからさらに一時間で堂所。昼飯にちょうど良い感じの辺りです。お腹も減るんで、ロールケーキを一個消化。ここを過ぎた辺りから傾斜がキツくなります。キツいけれど、天気が良いと富士山が見えます。今年最初の富士山です。坂を上がって行くと、七ッ石山頂方面と雲取山への巻道へとに別れる分岐につきます。たいていみんな巻き道に行くようです。僕は七ッ石山が好きなんで、七ッ石方面へ向かいます。こっからキツい坂を三つ上がると、七ッ石小屋に到着します。水も汲めるしトイレもあるし缶ビール飲める、その上富士山まで拝めるというありがたい山小屋です。この日、連休ということで管理のお兄さんが来ていました。新しいバッヂが入ったというので見せてもらうと、七ッ石山のバッヂができていました。マイナーな山だからか、前まで七ッ石山のバッヂは無かったんです。僕は好きなんだけど。早速バッヂ購入。それと、水を汲ませてもらいました。上の奥多摩小屋の水場は、冬場は少ししか出てないので。
山小屋を出ると、また少し急坂を登ります。この辺りで空気が変わってきました。ウェアを着、帽子と手袋をつけます。尾根に出ると、ようやく雪が現れました。そこからすぐ七ッ石山山頂に到着。今年初めての山、登頂成功です。
七ッ石山頂上は見晴らしが良いんです。いつ行っても人はあまり多くないし。人が少なくて静かでゆっくり景色見ながらご飯を食べられるんで、この七ッ石山頂上、大好きです。
今回はとても天気が良く、奥多摩・奥秩父の山々に、富士山、そしてはるか南アルプスの山々まで見えました。そしてこれから歩く雲取山まで続く石尾根も。
景色を見ながら、魔法瓶のまだあったかいコーヒーを飲み、ゆっくり休みます。
後はキャンプ地である奥多摩小屋に行くだけ。今までずっと登りでしたが、後は尾根上を移動するだけです。登りと反対方向から少し坂を下り、尾根上を歩くこと一時間。雪が多くなって来たところで、今日の幕営地、奥多摩小屋に到着しました。
幕営地と言っても、山の尾根上ですし、平らなところはあんまりありません。着くのが遅いとテント張れそうな場所が無くなっちゃってる時もあります。でもこの日は真冬なんでそんな心配はいらないです。
下にシートを敷いてテントを張り、地面も雪も凍ってペグが刺せないので細引きを大きな石に縛ってテントを固定しました。
テントを張り終わって振り返ると、真っ正面に富士山が見えます。もうすぐ日も沈みます。富士山の隣の隣ぐらいのところに太陽が沈んで行きます。この景色が大好きです。
テント張って荷物を全部置いて身軽になってから、この後さらに雲取山頂上まで行って来る人もいます。僕もやろうかなと思うことはあるんですが、今まで一度もできたことがありません。テントを張って荷物を全部中に入れ、マットを敷いて「はあ〜」と横になると、気持ちよくってすぐ寝入ってしまうからです。
今回もそうでした。気がついたら五時前、もう日が落ちた後でした。
時計を見てあわてて外に出、日が沈んだ後の富士山を写真に撮りました。
日が沈むとすぐに風が出てきました。先ほどと違い、身を切るような冷たい風です。あわてずテントに入り込み、ダウンを着込みました。
そして、そのままテントの中でお湯を沸かし、夕食にしました。ハンバーグと餅をバターで焼いて食べた後、少し残したハンバーグをフリーズドライのカレーで煮込んで、おにぎりを一個投入してカレーライスにして食べました。でもテントの中での炊事は酸欠と隣り合わせですよね。僕もまだもう少し人生を満喫したいんで、換気に気を使いながらの夕飯でした。
7:30頃、明日早く起きたいからそろそろ寝よう、まずはトイレに行こうと、外に出ました。
外はもう真っ暗ですが、とっても空気が澄みきっていて、空は本当に満点の星空でした。西の空に三日月が浮かんでいて月光がちょっと玉にきずでしたが。
星は奇麗でしたが、風が強く、テントのフライシートがバタバタ言っていました。細引きをひっぱり、木に縛り付けようとしました。
そんなことをやってると、
「●●さんですか?」
と、声をかけてきた人がいました。暗くて顔は見えませんでしたが、声の様子から若い男性のようでした。
僕は●●さんではないし、その●●さんという人も知らないので、
「いえ、違いますけど・・・。どなたかとここで待ち合わせしてたんですか?」
聞けば、その男性は、●●さんと「ここで会えたらいいですね」みたいな話をしていたのだそうです。
「だから、もしかしたら来てるかと思って、適当に声をかけてみました」とのこと。
星が好きで八ヶ岳などでもよく寝ころんで星を見るのだとか。僕も星は嫌いじゃないし、この夜の星は本当に見る価値があったんで、つられてベンチに寝転がり、30分ぐらい星を見ながら星の話をしていました。面白い方で、一個しかないおまんじゅうを半分にして分けてくれたりしました。星の話などしゃべってるうちに、最後には流れ星が流れるのも見ることができました。
男性は、奥多摩小屋に小屋泊まりとのこと。こちらがテントだと言うと、驚かれました。「寒くないですか?」と。それは寒いですけど、一人で好きにさせてもらえるのが気持ちいいのです。
星は美しいままでしたが、風がさっきよりもずっと強くなってきました。
「そろそろ風が強くなってきたので・・・」
星好きで話好きな男性に別れを告げ、トイレを済まし、寝ようとテントに戻ってみると、テントがひっくり返っていました。風の仕業です。飛ばされていなかったのは、かろうじて木の根っこに縛った細引きの結び目が、まだ解けていなかったからです。そうでなければ、飛ばされてどっかとんでもない所に行ってしまっていたでしょう。テントの下に敷いていたグランドシートが、吹き飛ばされて笹藪に引っかかっていました。
そもそもが、さっき外に出たのが、このテントのフライシートがバタバタ言っていたのを直すためだったのです。
地面から出てる木の根っこや、大きな石、ここに備え付けになってるベンチの足などに、無理やり細引きを縛りつけ、テントをもう一度固定しました。
体が冷え切ってしまったので、テントに入るとすぐ寝袋に潜り込みました。
そしてガスでお湯を沸かし、水筒に入れて、寝袋の中に入れました。湯たんぽです。これでようやく暖かくなってきました。ようやく眠れそうです。
が、テントの外は風が荒れ狂っていました。僕はこの奥多摩小屋に、いままで5回か6回来ているので風が強いことがあるのは知ってましたが、今回ほどの強い風は初めてでした。
風がうるさくて眠れないため、耳栓をしました。
そして、うるさいだけでなく、夜半には風の力でテントが持ち上げられるほどにもなってきました。あんな感覚は初めてでした。テントごと、体も持ち上げられるのです。金属のポールが折れそうなぐらいしなっているのも感じました。
「やば〜い〜、テント壊れる〜(泣)」
寒さよりも、風でたいへんな一夜でした。
気温は、外気温はわかりませんが、テント内は、朝4時過ぎの時点で-4.7度でした。あんまり下がってないなと。
風が強くて、あんまりよく眠れなかった一夜でした。
朝五時ごろ、最初の予定では起きて荷物とテントをデポしたまま雲取山に登りに行くつもりでしたが、風でテントが飛ばされることが心配で、それはやめることにしました。というか、続けて寝てしまいました。
足をとで目が覚め、時計を見ると6時40分過ぎでした。
夜明けの時間です!
あわてて寝袋から抜け出し、震えながらウェアを着込み、外に出ました。
そして、夕焼けとは反対側にある太陽に照らされる富士山を、写真に撮りました。
もう明るくなってきて、歩き始める登山者がチラホラ。
僕はここに何度も来てますが、日の出よりも早く起きれたことがありません。日の出より早く雲取山に行って、ご来光とかを拝めたこともありません。
「あぁ、今回も〜!!」
とりあえず、悔しいのです。
テントに戻り、昨日の残りのカレーに水を入れて煮、フリーズドライのそばを入れて、カレーそばにして食べました。山で食べるカレーそば、おいしいです。体も温まりますし。
そして、おもむろに、撤収を始めました。寝袋をまとめ、マットの空気を抜き、ザックに詰め、テントの外に出てテントをたたみました。昨日ポールが折れなくて本当に良かったと思います。レジャー用のテントのポールなら、確実にささくれるように折れてたはずです。
撤収終了が8時。
一年ぶりにアイゼンを付けて、8時10分出発。
雲取山に向けて歩き始めました。
歩き出してすぐ、急坂があります。ここで体が温まってくるんだけれど、しっかりと雪があります。振り返るたびに、右斜めに富士山が見えます。高くなるごとに、富士山のすそ野が広がってきて、より富士山が大きく見えてきます。
なんとなく、感じ入ります。
「高いところに上がれば上がるほど、もともと大きく見えていたものが、本当はもっともっと大きかったんだと気付くんだ」と。
風は昨晩ほどはありません。
この日も天気はよく、雲ひとつありませんでした。地面の真っ白い雪に、青い空がとてもよく映えます。他の登山者の踏み跡がなかったら、もっともっと良かったんだけどなぁなんて思うとは、贅沢過ぎでしょうか。歩いていてとても気持ちがいいのです。
歩いては立ち止りまた歩いては立ち止り、何度も富士山や雪の写真を撮りました。
途中で、昨日登るときに何度も抜きつ抜かれつしてそのたびに笑いながら挨拶しあったおじさんがいたのですが、また会うことができ、少し話ができました。
聞くと、おじさんも奥多摩小屋に泊まってたのだそうです。一泊素泊まりで3500円。羽毛布団をかしてもらえて、とても暖かく寝れたそうです。小屋泊まりも、良いかもしれないな。
9:29分、雲取山2017メートル、東京都最高峰、登頂。
ここが今回の山旅の終着点です。のんびり景色を楽しみ、朝淹れた魔法瓶のコーヒーをじっくり飲みます。でも、人が次から次へと来るので、あまり長居はできません。
帰路につきます。のんびり引き返して、11:09分、また七ツ石山登頂。相変わらず静かでいい山頂でした。
今回の山の旅は、これでおしまいです。
下山途中、七ツ石小屋により、管理のにいさんとまたおしゃべりしてきました。昨夜泊って行った40代6名のパーティがいたこと。アニメオタクらで、コンバトラーVとか宇宙刑事ギャバンとかの歌をうたって盛り上がって楽しかったとのこと。彼らは荷物をほとんど七ツ石小屋にデポし、身軽になって雲取山まで歩いて行ったとのこと。大きな鍋だけザックに吊って、雲取山頂上で鍋パーティをやると言っていたとか。そういえば、引き返してくる途中で、ザックに鍋を吊った男性とすれ違ったことを思い出しました。
実は僕はまだ山小屋を利用したことって、無いのです。富士山以外。
なんか、不自由そうだし、雲取山荘のおやじさんはおっかなそうだし。
でも、食わず嫌いは行けないのかもしれません。
今回、小屋泊まりの人とたまたま多く話ができたもので。今度、テントを置いて、もう少し身軽に山に来てみるのも良いかなと思いました。
後半駆け足ですが。ではでは。
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