恵庭岳 北東尾根ルート
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- GPS
- 08:47
- 距離
- 7.6km
- 登り
- 796m
- 下り
- 787m
コースタイム
9:00 953ピーク
11:20 岩塔(ピークの隣)
11:40 恵庭岳ピーク
12:00 岩塔(ピークの隣)
13:30 953ピーク
14:45 オコタンペ分岐(駐車場)
トータル8時間45分(座り休憩ゼロでした。)
天候 | 雪のち晴れ マイナス15度位 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
30台程は、停まられそうです。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
オコタンペ湖方面の林道から取り付くのですが、いきなり深説&急坂ラッセルでキツイです、気合いです! また、953ピークからも急坂の深雪ラッセルに加えて、稜線に出るので風も強くなります。 最後のピークの岩登りは、岩&氷の上に雪がのってて非常に手強いです。 特に降りる時は、十分注意が必要だと思います。 |
写真
感想
厳冬期の恵庭岳北東ルートに単独で行ってきました。
厳しいのは覚悟の上、チャレンジだけでもしてみよう!って感じです。
今回は札幌近郊なので、朝4:30に出発、オコタンペ湖分岐の駐車場に5:30に到着。
日の出から登ろうと思ってたけれど、早く着いたし、ヘッドランプを付けて6:00に出発。
まずは、オコタンペ湖への林道を歩いて、適当なところで左の尾根に登るらしい。
適当なところ?ってどこ??
地味に、めちゃくちゃ急斜面で雪も1m。どーしよう??
と歩いていたら、工事現場があり、土砂崩れ防止の工事で、はじめの急斜面分は工事用の階段がある。ちょっと拝借して登り、そこから取り付きました。
もともと夏用の登山道があるわけでもないので、ただの林の中を自分の判断だけで歩く。というか、GPSを頼りに歩く。
膝下くらいのラッセル3時間でようやく953ピークへ到着。
地味に疲れた・・・。
やはりラッセルは重労働です・・・。
ここからは、斜面も急坂になる。
木が多く、急斜面なので、スノーシューのラッセルはキツくなったので、
つぼ足でラッセルしてみる。
腿や腰まで埋まり、全然前に進まない。
ただただ、疲れるだけ・・・。
なので、もう一度スノーシューで進む。ゆるやかなラインを取りジグザグに少しづつ進む。
標高1000mを越えたあたりで、一応稜線?に出る。
風が一気にキツくなる。
強風の中、せっせと進み、ようやく山頂の岩塔が見えた。
おぉぉ〜!!!!
あれに登るの??マジ??と思えるほど立派な岩山。
近づけば近づくほど、自分で登れるのか?不安になる。
いざ、ピーク直下に到着して、目の前で見てびびる・・・。
それでも、右側のルンゼまでまいて見上げると、
まだ行けるかな??といった感じ。
本当は、ロープがあり補助にして登り降りするらしい。
が、もちろん、氷と雪でそんなロープは見当たりません。
アルパインクライミングしてる人なら、なんてことないのかも知れないけれど。
自分は、冬の岩は初めて、しかもアイゼンを付けて。
とにかく、慎重に慎重にアイゼンの前爪を岩にかける。
手袋をはめてるので、ホールドがつかめない。
ピッケルを打ち込むにもいいところに氷なんてない。
さらに、追い討ちをかけるのが、洒落にならない突風。
ルンゼは風の通り道で、常に雪を巻き上げながら秒速20〜30秒で吹いている。
全てのものを凍らせる。
サングラスも汗で曇ったところが一瞬で凍る。
目出し帽もカチカチ、ハードシェルもカチカチ。
一番やばいのは、自分の顔。
始めは痛かったけれど、後半は何も感じなくなってた・・・。
車に戻って鏡見たら、少しドス黒くなってた・・・。
目出し帽を深く被ると、サングラスが曇り瞬時に凍り何も見えなくなる。
ゴーグルはもっとひどい、だけれどサングラスをはずすと一瞬も目を開けられまい・・・。
顔の皮膚は、凍傷になってもすぐに再生するし、結局我慢で乗り切りました。
そうやってようやく山頂!!
突風で、立って歩くのが怖い。
360度の絶景をのんびり楽しむ余裕はない。
突風もそうだけれど、あの岩を降りれるの??
フリークライミングでもあそうだし、登りとりも降りるほうがはるかに難しい。
マジで、スリングと6mmロープとカラビナくらい持ってくれば、簡易ハーネス作って、安全に降りれるのに・・・。
まー、考えても単独で、ここまで来たので誰も助けてくれない。
大丈夫かな??
高さ的には、滑落しても即死はないかな?
ヘルメットとロープあればなー・・・。
真面目に超ビビリながら、アイゼンの前爪を、岩に立てて、ゆっくりゆっくりと降りる。
途中の安全なところで休憩する。
地吹雪の突風で顔の感覚は完全にない、まつげも氷だらけで視界も悪い。
やばい、追い詰められてるぞ、マジでやばい!!
はい、いつもの「叫ぶ!!」の出番です。
絶叫して叫び、自分に喝を入れて、集中力を上げる。
どうにか無事に岩塔から降りれた。
単独で行く時には、ロープとスリング、カラビナで簡易ハーネスで懸垂下降する方が安全です。少なくても、6mm程度の補助ロープを持参することを薦めます。
本当に生きた心地がしませんでした。
さて、あとは下山だ。
特に危険なルートは無かったけれど、斜面が急なのでスノーシューでの下山は疲れる&危険なので、つぼ足で歩く。
木が多いエリアなので、雪崩の心配がない分、踏み抜きが多い。
ドスンと体ごと落ちる、胸まで埋まる。
始めは、めちゃくちゃ怖かったけれど、雪が1.5m程なので、落ちても大怪我はないかな?
それでも、落とし穴に落ちる感じで、怪我の恐れもあるので、やっぱり怖い。
斜面がゆるくなったらスノーシュー。つぼあし&スノーシューで着実に高度を下げてくる。
下山はピンクテープを見つけたので、たどって降りてみた。
林道まで降りて、とりつきが自分よりも700mくらい奥だった。
林道から見える位置にピンクテープがあります。
で、山頂直下までは深雪のラッセルを5時間、岩と雪のミックスのクライミング。
マイナス15度くらいに突風と、厳冬期の登山の厳しさを知りました。
けど、けど、めちゃくちゃ楽しかったー!!
行って良かったー!!
今回の反省点など
・冬の岩登りがある時には、ハーネス(スリング)、エイト環、6mm以上のロープ30m以上は準備した方がいいと実感。夏にも必要だね。
・芦別岳でラッセルを嫌という位にやったので、ラッセルが苦痛にならなくなってきた。
・インナー手袋の替えを忘れた・・・。
・アイゼンを付けての岩登りを勉強しないと!
・今の自分のレベルでは、厳冬期の単独恵庭岳が限度に感じたので、これ以上の難しい山は、残雪期に狙おう。
・やっぱり、冬山は座り休憩ゼロになりますね。今回は行動食しか持って行かなくて正解だった。あっ、9時間で1回も座らなかったわ。
お疲れ様でした
写真から楽しさ伝わってきました
凄くいい山行ですね♪
★aoyamaさん
コメントありがとうございます。
ラッセルって本当にバテますよねー。
それでも、天候にも恵まれて、最高の景色が楽しめました。
冬は厳しいけれど、楽しみも大きいですよね。
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