【八幡作戦】安比岳〜八幡平〜茶臼岳【丙35.6】
- GPS
- 05:46
- 距離
- 20.3km
- 登り
- 1,006m
- 下り
- 1,005m
コースタイム
- 山行
- 5:09
- 休憩
- 0:37
- 合計
- 5:46
天候 | 基本曇り 途中薄日が射したり雨が降ったり。天気予報あてにならず。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
カーナビによっては林道が表示されない。とりあえず、安比高原の「ぶなの駅」を目指し、その先も道が続いているので進むと良し。 登山口手前の林道の状況は悪い。車高が低い車だと腹を擦る。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
安比岳経由のコースは当初沢沿いで、最近の降り続く雨の影響か木が倒れたり崩れたりで酷い状況。 他の道は特段問題無し。岩がゴロゴロしていて歩きにくい程度。 |
写真
感想
9月の大雨・台風により犠牲となられた方々に哀悼の誠を捧げる。
三陸海岸沿いの低山群を歩いて回ろうかしらと思いつつも、盆以降の長雨のためなかなか具体化されることはなかった今年の岩手山行計画。9月の台風による甚大な被害により、とても物見遊山などに行ける状況ではなくなってしまった。
しかしながら、東北への思いも一方ならぬものがあるので、山行区域を八幡平に変更し、岩手に向かう。
【八幡平への遠い道程】
八幡平へ行くことは決まったが、天気がイマイチな三連休において好天が見込まれる数少ない地方ということもあり、初動からいろいろと躓く。
夜行高速バスで盛岡まで行く計画 ⇒ 席を取れず。
新幹線自由席で盛岡まで行く計画 ⇒ 間に合う便は全席指定で満席。
盛岡からはレンタカーを使う計画 ⇒ 車を取れず。
行くのをやめようかなと思ったりもしたのだが、新幹線は立席特急券、車は他社で押さえてようやく算段がついた。
そこまでして訪れた岩手ではあったが、前夜までの晴れ基調の天気予想とはうって変わって山の方には分厚い雲が垂れ込めている。この時点で当日朝の天気予想を確認しておくべきだった。天気が微妙な時はギリギリまでしつこいほどに天気を確認するのが常なのだが、1ヶ月以上山行できなかったことで焦ったのか、或いは感覚が鈍ったのか、東北晴れの予想にころっと引っかかって現実を目の当たりにしつつも疑うことをしなかった。
それでもいずれ天候が回復することを期待して安比岳登山口を目指す。しかし、カーナビに赤川林道終点までの道路が表示されない。とりあえず、沢が二股に分かれる辺りを指定して急行するが、予定地域手前まで来て、どの道を進むべきかわからず立ち往生。これは引き返して不本意ではあるが茶臼口か八幡平頂上に転進しようか。八幡平の神よ、願わくは私を安比岳登山口へ導きたまへ。
その後、たまたま通り過ぎた車の後を追うとすぐにブナの駅という所に出て、その先にも続いているのが赤川林道と把握、先へ進む。しかし、この赤川林道がまた曲者で、長雨の影響なのか元々そうなのかわからないが物凄く荒れてガレた凸凹道だ。一方で所々泥濘箇所があり、タイヤが空転するおそれもあるので、速度が出過ぎぬよう遅くなり過ぎぬよう細心の注意を払う。対向車と擦れ違えるスペースに来るたびに引き返そうかという思いが過ぎるが、そう簡単に引き返せる道でもない。そういうことが何度かあって、最後にもう少し進んでみようと思ったところでようやく林道終点に着く。
入山前にして早くも咽喉がカラカラ。かなり消耗していた。
こうも初っ端からいろいろあったのは、後から思えば、まだ来るのは時期尚早という八幡平からの知らせだったのかも知れない。
【安比コース】
砂防ダム下の幅が結構ある沢の渡渉から本格的に入山。沢沿いの道というのは尾根道以上に注意して歩かねばならないが、秋の長雨の最中、崩壊、崩落箇所が随所に見られる。そして、ただでさえメジャーでないルートを遅めに出発しているので、他に歩く人も無く非常に静かである。今年は熊との遭遇も多く報じられているところなので、熊に対する意味でも緊張感をバリバリにして歩く。
東北というだけでもアウェーだが、マイナールートともなると尚更だ。船形山や焼石岳で感じた山への恐れをこの時も感じていた。このルートの前半でかいた汗は、ほとんどが冷や汗である。東北の山のサブルートは、山への恐れ、緊張感を持って歩くことの重要性を再認識させてくれる良いコースだ。難度は高いと思うが、自ら臨機応変に進退を判断することができるのであれば、大都市近郊の山に飽きてきたら歩いてみるのも良いだろう。
【八幡平に降る雨】
安比岳分岐から茶臼〜八幡ルートに合流すると道の状態が格段に良くなり、歩く人も増える。山頂付近は舗装されたり何だりで趣も糞も無いが、八幡沼付近の湿原は広々として、たなびく雲と相まって幻想的な風景を作り出している。深田久弥が本山を百名山としたのも湿原がある故だろう。薄日は出ても雲は相変わらず取れないが、「東北の山には霧が似合うかもしれない」と思うだけの心の余裕も出てきた。
しかし、八幡平頂上レストハウスで食事を摂っている間に、またまた状況が一変、来た時には遠巻きだった霧が、身近に迫り辺りは真っ白。そのうちポツポツと雨が降ってきたかと思うと、すぐにザーッと本降りになる。嗚呼、東北の山の天気は難しい。昨年の栗駒に続いて今年も山上で雨に降られてしまった。確かにチョロッと雨中山行してみようかな〜と思ったことはあるが、こんな形では望んでいない。
雨に打たれながらも平静を保つ。焦りは事故の元だからだ。雨を早々に避けるには登ってきた安比コースを戻るのが良いように見えるが、雨の中を沢筋、しかも悪路に下っていくのは避けるべきだろう。比較的安全と思われる尾根筋の茶臼コースまでは辛抱だ。雨にも関わらず茶臼山方面から三々五々と人が登ってくるのを横目に黙々と、焦らずに急ぐ。山頂・湿原周辺以外は石がごろついて足元が悪い。天気が悪い中歩くこともないように思うが、ちょっと歩けばすぐに車道に出られるというのが大きいのかもしれない。
【茶臼岳からの下山】
茶臼山荘まで来たところで幾分雨が弱まってきた。茶臼岳は放棄してさっさと下山することとしていたが、これを転機と見て片道200mの山頂を踏む。と同時に雨がやんだ。相変わらず雲に覆われた白色の世界だが、近い所は意外と見えたので、今まで急いできた分、じっくりと辺りを見渡す。
茶臼岳・茶臼山荘からは尾根筋の道をほぼ一直線。濡れてはいるが悪路ではなく、難無く下山できた。関門である砂防ダム渡渉点の増水もさほどではなく無事登山口へ帰着。往路は不安を満載して来た赤川林道を復路は自信と安心を満載して辞した。
【総括】
今回の山行については、いろいろと反省することがある。しかし、同時に、これは栗駒にせよ八幡平にせよ、もっと良い時期に、焦らずに余裕を持って来いということなのだと思う。今回、天気がイマイチな中でも八幡平の素晴らしさは端々に感じた。予算の都合上、遠方へはそう頻繁に行けないところではあるが、好天に恵まれなかった山には、いつかきっと再訪することを各山(今回の八幡平の他、栗駒山、岩手山を想定)にお約束する。
〜おしまい〜
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