長崎・経ヶ岳(黒木登山口より周回:中秋の父子山行Part. 1)
- GPS
- 05:25
- 距離
- 8.4km
- 登り
- 1,032m
- 下り
- 1,037m
コースタイム
- 山行
- 4:21
- 休憩
- 0:57
- 合計
- 5:18
天候 | 晴れ一時曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
八丁谷手前の林道ゲート地点に登山ポストあり。(※小生は登山届提出のみで、うっかり下山の連絡や届提出をせずに済ませていたら、2日後、留守宅に大村警察署から下山確認の連絡が入った由。因みに、先月はじめ、オオキツネノカミソリ探しで入山した90代のハイカーが行方知れずになっているそうで、県警各位も更なる遭難発生にピリピリされているのかも…。) |
コース状況/ 危険箇所等 |
八丁谷、大払谷コースともに沢筋の道が台風、大雨で荒れ気味、分かりにくい箇所多し。多数ある標識、レスキュー通報用の鉄カンバン、石積みケルン、岩ペンキ(八丁谷)等を丁寧に拾っていけば、基本的に大きな問題なし。主稜線上は要所に標識あり、特段の不明箇所等なし。経ヶ岳山頂の両面は相当な急斜面、ロープ等あるものの通行、落石注意(特に山頂からつげ尾までの下降路はガレ場、浮き石多し)。 大払谷ルートの黒木バス停への下山路から、黒木民宿キャンプ場や駐車場方面へはショートカット路あり(入口に案内標識はないものの、「黒木」の方向標示板のあるポイントで左に顕著な踏跡あり)。 |
その他周辺情報 | 麓の黒木登山口近くにさわがにキャンプ場あり、休憩棟での宿泊も可。(近くの受付所〈昼間のみ〉で料金支払い要) |
写真
感想
秋の長雨や台風で「引きこもり」状態の続いた9月の週末。シルバーウィーク後半になり、ようやく西日本の天候も回復。しびれを切らし、かねてより温めてきた九州北部ツアーを決行します。今回は、9月末までの長い夏休みでヒマしている長男も付き合ってくれました(実際には、佐賀・長崎観光ツアーが彼にとっての主目的なわけですが…)。
ということで、飛び石連休を年休で埋め、祝日夜の格安フライトで長崎へ。運賃は帰路のJR新幹線ルートより遥かに安く、LCCの威力を実感!「長崎空港」というより大村に至近の空港で軽レンタを借り、近くの日帰り温泉「はなの湯」で戦闘服に着替え、Max Valuにてこれまたローコストの朝・昼食弁当を仕入れて、いざ登山口へ。暗い夜道を「キャンプ場」の標識に導かれ走っていくと、当初予定のスポットとは少し離れた「さわがにキャンプ場」に到着。盛夏の栂海新道でタップリ汗を絞られた「さわがに山」を思い出しますが、こちらのキャンプ場は広い駐車場に水場、トイレ、更に休憩室もある快適なネグラです。
翌朝、爽やかな快晴の中、水をしっかり詰めていざ出陣。普段はスマホ中毒で完全に夜型生活の長男も、山に入ると夜明けとともに目覚め、行動開始する健全ライフです。田んぼの畦道状の間道を歩き、黒木登山口の駐車場(水・トイレあり;本当はここで仮眠の予定でした…)を過ぎて暫く歩くと、登山ポストのある林道ゲート、更に八丁谷の分岐点に到達。ここで金泉寺・多良岳方面の道と中山越へのルートが分かれ、我々は分県登山ガイドのコース案内通りに「小回り周回」の後者をチョイス。経ヶ岳がこの日のメインターゲットですから、この選択はごく自然であったわけですが、実はこの判断が前代未聞の「名山取りこぼし」に繋がることに…!
ともあれ、好天の下、我が父子は快調に八丁谷沿いのコースをへつり気味に進み、長雨と台風でルートがやや不明瞭な中を「中山越」の標識と遭難防止の鉄カンバン、更に薄黄色のペンキマークを丁寧に拾って徒渉を繰り返し、緩やかに登っていきます。先頭を行く長男は「3・4回道を見失った。一人で来たら遭難だ…」などと一人ごちていましたが、ここは藪山のルーファイも数々経験し、痛い目に遭っているオヤジに任せなさい!(…と珍しく父親の威厳を発揮。。)
いつしか道は沢筋を離れ、涼しげな朝の風が吹きわたる中山越に到着。ここまでは長崎警察署・消防署の管轄で、数多くのレスキューポイントのカンバンがありましたが、峠まで来るとすぐ横に佐賀県のレスキュー案内も登場。実際のトラブル発生時は、いずれの県警に連絡するかでその後の対応も変わってくるかも知れません。ともあれ、我々はさしたるトラブルもなく、よく踏まれた登山路を経ヶ岳へ。山頂が近づくと、道は一転険しさを増し、ロープの連続に息を切らせて登っていきます。オヤジが不用意に「あと10分ぐらいで山頂に着くはずだから頑張れ!」と発破をかけたのに、20分経っても山頂は見えず、ムスコ殿は完全に戦意喪失…。それでも、標高僅か1,076mの山頂がいつまでも近づかぬワケはなく、予定を若干オーバーして展望の開けた山頂広場に到着です。
最近建った立派な山頂標識で証拠写真撮影、これで九州の300山も残りいよいよ1座のみか、と一抹の寂しさを感じつつ(実はこれが大きな誤り!!)、フルーツゼリーでリフレッシュして(急登の疲れで親子揃って食欲ナシ…)、早々に下山開始。
分県ガイドの記述通り、こちら側(つげ尾方面)も相当な急斜面、ガレ場の浮き石ゾーンが続き、登ってくるハイカーに落石せぬよう気遣いつつ、慎重に下ります。つげ尾から大払谷の下降路に入ると、スライドする登山者も増えてきて、益々神経を使います(平日の午後でほとんどがシニア男女ハイカー)。すれ違い待ちの際に地元の爺さまから「この山はどこから登っても急坂。修行の山じゃけん」とガッツリ方言で話しかけられ、相づちを返して下っていきます。つげ尾でスライドした地元の衆は「谷沿いも分かりにくい箇所はないよ」と太鼓判だった割には、こちらの大払谷も涸れ沢状のルートが結構分かりにくく、先頭の息子が度々道なき道に突っ込みます。見かねてルーファイベテラン?のオヤジに先頭を交替し、丹念に標識やテープを拾って下っていくと、周囲はやがて里山的植生に変わり、程なく黒木集落への案内標識のポイント着。ヤマレコの「みんなの足跡」(これ大変便利!)によれば、ここから黒木登山Pやさわがにキャンプ場へのショートカット路があるようで、足元を見れば、確かに進行方向左手に比較的顕著な踏跡が分岐します。
勇んでこのルートへ足を踏み入れると、ほぼ等高線沿いに道が伸び、心配された2ヶ所の徒渉も問題なくクリア。その先は別荘地に入り、いつしか舗装の歩きやすい道に変わって、アッサリと朝出発した登山ポストの立つ林道ゲート帰着。昼下がりで照りつける日差しもキツく、ムスコは激下りの疲れで脚が痛いと訴えますが、騙し騙し出発地のキャンプ場へ連れ帰ります。早速沢で上半身水浴び、冷たい水に足湯風に両足を突っ込み、これぞ至福の瞬間!
ここからはご褒美&クールダウンの観光タイム、コンビニでドリンクがぶ飲み&遅まきの昼食を済ませ、一路ムスコお楽しみのハウステンボスへ車を飛ばします。お目当ての期間限定「パトレイバー」実物大展示だけ見るのにいくらかかるの、と調べると、何と一人6,700円!の1日パスポート(学割ナシ…)が唯一のオプションの由。父ちゃんは堪らず初めてのハウステンボス入国を断念、迎えの時間だけ決めてムスコを下ろし、これまた割高の園内の日帰り温泉はパスして、JR駅近くのHローレライ・ばってんの湯でスッキリ、ほっこり休憩します。
観光客の出で立ちに衣替え、広すぎるハウステンボスの園内をさまよってムスコのピックアップに手間取ります。更に唐津市内の渋滞につかまって、もう1ヶ所のお目当て・唐津城に着く頃には日も西に大きく傾き、郊外の景勝地・呼子の国民宿舎に着く頃にはすっかり暗くなりました。それでも、当地名物のサザエはじめ新鮮な海鮮料理に舌鼓を打ち、ビールで祝杯を上げながら、確認のため何気なくスマホで300名山リストをチェックすると、何と多良山系の日本山岳会認定・対象ピークは最高峰の経ヶ岳ではなく、東方の多良岳であることが判明!!(ヤマレコの300山リストでははっきり「経ヶ岳」の名前と標高が記載されていて、これのみを信じて山行計画を立てた小生の完全なリサーチ不足です…。)
さあ大変、パトレイバーの呪い!?で前代未聞の300山登り残し、改めて多良岳だけのために九州ツアーを組む財力も気力もなく、「どうしたモンジャロノー…」と思案に暮れること暫し。ちょっと待てよ、最終日の行程はノンビリ長崎市内観光のみ、ムスコを長崎駅あたりで下ろし、金泉寺に程近い林道最高点まで車で入れば、何とか帰りのJR特急(15:00過ぎ)に間に合うタイミングで駅に戻れそうです。早速コースタイムと天気をチェック、最終日の宿にも「早メシ・早発ち」のリクエストを入れて、どうにか穴埋めの「おかわり山行」プラン成立です!
というわけで、世界遺産指定の三菱造船ドックはじめ、久し振りの長崎観光も敢えなくオジャンですが、これも身の因果、自業自得と諦めて、汚れ物をクィック洗濯の後、脊振山~吉野ヶ里とこれまた盛り沢山の明日に備え、早々に眠りに就いたのでした。。
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