絶景のモルゲンに浮かぶ紅葉の涸沢から5.6のコル〜奥又白池〜前穂高〜岳沢の周回
- GPS
- 15:34
- 距離
- 29.4km
- 登り
- 2,315m
- 下り
- 2,302m
コースタイム
- 山行
- 11:28
- 休憩
- 4:05
- 合計
- 15:33
駐車場23:36〜0:27上高地駐輪場
上高地駐輪場16:10〜16:57駐車場
道迷いのロスタイム
涸沢ヒュッテ〜5.6のコル 約10分
5.6のコル〜奥又白池 約15分
奥又白池〜前穂高 約39分
合計1時間4分
天候 | 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
<涸沢ヒュッテ〜5.6のコル> 5.6のコルの谷まで主谷沿いに登る。基本的に目印や踏み跡が有るので、無ければ間違っている。 <5.6のコル〜奥又白池> 踏み跡や印が割と有る。長い間無ければ間違っている。 <奥又白池〜前穂高> 基本的に主谷を登れば前穂〜明神への尾根に出られる。 但し急なザレ場で石を落とさずに登るのは困難。他のパーティーが登っている場合は、かなり間を開けるか、逆に詰めて固まって登るか。 |
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ
地図
GPS
膝プロテクター
雨具
熊鈴
ザックカバー
ヘルメット
|
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感想
未踏の涸沢〜5.6のコル〜奥又白池〜前穂高と、天狗のコル〜岳沢をつなげたルートを計画したのですが、前穂高〜奥穂高〜天狗のコル〜岳沢は断念。またしても計画を貫徹できませんでした。。。しかも道迷いで藪漕ぎが多く、最後は切羽詰まって、初めて救難要請を考えるところまで追い込まれました。正に反省だらけの山行でした。。。
出だしから変でした。MTBのキーを入れた小銭入れを忘れて、駐輪場でカギをかけずに置いていくのが心配で、近くの藪にMTBを隠さなければなりませんでした。MTBのライトは右ハンドルにしか付けないので、代わりにヘッドランプを明るいのにするのですが、久しぶりに使ったら暗くて使えませんでした。おかげで釜トンネルに向かって下る時、おっかなびっくりでブレーキをいっぱいかけてゆっくり下りました。でも駐輪場に着いて気づきました。いつものライトとこれでは明るさの調整方法が異なる事を。。。一番暗い設定にしていただけだったのです(´_`。)グスン
気を取り直して歩き始めると、このところ雨が多いので道はあちらこちらで水たまりができていました。下草も濡れています。片足で400gとトレランシューズとしては重いけど、ゴアの防水の靴にして正解でした。横尾までの時間はいつも通り。ところが涸沢までが予定よりかなり早くてびっくり。横尾で休憩しなければ、上高地のバスターミナルから4時間3分で着けた事になります。登りの弱い僕としては、多分最速のペースです。この時点では計画の貫徹ができそうと思っていました。
しかし涸沢ヒュッテから5.6のコルへの出だしが分からず、GPSにダウンロードした他の人のレコを頼りに進むと踏み跡が消えました。他の人のレコを見た限りでは、明瞭な踏み跡が5.6のコルまで有るはずなのですが。。。どうも手書きで適当にルートを引いた物の様です。雰囲気的に一つ手前の谷を登っている様だったので、右にトラバースして行くと明瞭な踏み跡に出ました。10分以上は時間をロスしましたが、間違った谷で綺麗な紅葉が見れたし、この日のモルゲンロートは最高に綺麗で、紅葉に染まった山肌をとっても浮きだたせていたので、意気揚々5.6のコルに到着しました。コルには既に7,8人の団体さんが到着しており、後ろからも同じくらいの人数の団体さんが登ってきていました。皆さん、北尾根を登って横穂高を目指す様で、奥又白池に行くのは僕だけでした。
ここでは写真を撮ったら直ぐに出発したのですが、出だしは明瞭な踏み跡が有ったので迷いませんでしたが、その先の道が見えずに少し不安でした。有名な崩落地点のトラバースは少し緊張しましたが、それを越えて後は楽かと思ったらそれからが大変でした。濡れた岩が滑るし、ザレた谷の横断や樹林帯の道がよく分かりません。ここはGPSを見ないでずっと歩いたのですが、踏み跡が無くなったので確認するとかなりずれていました。GPSのルートまで藪漕ぎでトラバースして行くと、やっと明瞭な道に出ました。それからずっと踏み跡は明瞭で、稜線に出るとそこが奥又白池でした。
奥又白池はとっても和ませてくれる池で、鏡の様に青空や雲を映し出してくれ、眼下に梓川を見ながらゆっくり休める場所でした。ここでのキャンプはとっても良さそうです。水場を探して少し池を回ってみたのですが見つからず、諦めて横穂高へ登り始めました。
明瞭な踏み跡をたどって登っていくと二俣の分岐に出ました。見た目に左㑨が本谷で、右㑨は枝谷です。左㑨に行きかけて念のためにGPSで確認しました。そうすると右㑨を登っています。右㑨は角度も急で、登ると大岩がゴロゴロずり落ちます。なんとか登り切るとそこはコルで、GPSだと左の尾根を登っていますが、凄い急斜面で尾根沿いに登れそうも有りません。引き返して左㑨を登ろうかと思ったのですが、よく見ると左側が凄い急斜面ですが、両脇のハエマツをつかみながらなら、登れそうな岩場でした。とりあえず登ってみると上の方は岩も完全にハエマツで覆われていました。そこを無理やり藪漕ぎで登ると稜線に出ました。しかし両方が切り落ちたナイフリッジの稜線で、注意しながら登っていくとスパッと切れ落ちていました。GPSのログは下に見えるコルに降りていますが、ロープ無しでは無理でした。
しかたがないので引き返すことにしたのですが、ずっとハエマツに蔽われているので、どこから登ってきたのかが分かりません。そのまま稜線を藪漕ぎをしながら下ると、その先も切れ落ちて進めなくなりました。
右側に下れそうな所が有ったので、そこも凄い急斜面でしたが降りてみました。でもやっぱり無理そうでした。また登り返してどうするか悩みました。初めて救援要請をする事を考えましたが、ガスっていたし携帯電話が通じるかも分かりません。まだ朝も早いので、携帯電話を試す前に、もう少し冷静に周りを観察してみました。そうすると先ほど下った尾根とは別の尾根が見えました。途中で尾根が分岐している様です。そちらの尾根は出だしがハエマツで蔽われ、ちょっと見た目には尾根が有るようには見えません。先ほどの主稜線を下った際に見えた尾根の、出だしとおぼしき所のハエマツを押分て行くと確かに尾根になっていました。そのまま尾根沿いに進むと切り落ちて進めなくなりましたが、その落ちた先は見覚えの有るコルでした。
コルから直登は無理だと判断したのだから、下るのは尚更無理ですが、左側から登れたなら下れるはず。ここからトラバースは無理なので一旦少し登り返し、下りだと右側になるので少し右に寄った所からハエマツをかき分けてみると、急峻な岩場が見えました。凄い角度ですが登ったのなら下れるはず。両脇のハエマツをつかみながら慎重に下るとやっとコルに着きました。本当にホッとしました。これで救援を呼ばずに済みます。
それから両㑨の分岐まで下り、左㑨を登りました。こちらの何と楽なこと。急峻なザレ場ではありますが、先ほどの様に命の危険は感じません。流石に何度も藪漕ぎをしたので疲れてヘトヘトですが、何とかゆっくり登って前穂から明神岳への稜線に出ました。そこから前穂まではさして危険個所も無く、前穂の山頂には予定より約20分遅れで到着しました。ただ時間はまだ早いですが奥穂へ登る気力は無く、このまま岳沢に下る事にしました。ただtubataroさんが僕の計画を見て、西穂高〜奥穂高の縦走後に前穂経由で下山するので、途中で会えるかもとのメッセージをくれていたので、奥穂高とのコルまで行く事にしました。結局途中で既に紀美子平まで来ているかもしれないと思い直し、コルへの道の途中から紀美子平に行き、そこでtubataroさんを待ちました。
tubataroさんと紀美子平で久しぶりに再会し、そのまま一緒に上高地まで下山したのですが、家族のことや大阪組の共通のヤマレコ仲間の事を話しながらだったので、あっという間に上高地に着きました。いつもは走って下るのですが、今回は走らなかったのに早く感じました。
途中で前を行く男女のペアの人が、最初に後ろの女性がこけて倒れ、そのすぐ後で前を歩いている男性がこけて5、6メートルほど転がり落ちたのにビックリしました。幸いに二人とも大した怪我ではなかったですが、僕も何でもない所でこけて怪我をするので、誰でもそうなのだと妙に納得しました。今回の前穂に登る時の様な非常に危険な場所では、こけることは無いですが。。。
今回の教訓。どれも良く言われていることで常識だけど。。。
1. 人のGPSのデータを利用する場合、細心の注意が必要。特に手書きの物の場合(手書きはダウンロードした際にポイント数が少ないので判別できる)。
2. 間違えている可能性が有る時は、常に引き返せるように後ろをチェックする。GPSのバックトレース機能は、岩場などの少しの差が大きく響く場所では当てにならない。今回、GPSの縮尺を最高精度にしてログのバックトレースをしても戻れなかった。自分の記憶だけが頼りだった。
3. 未踏のバリルートの予習は必須。去年計画した際には調べたが、計画が未達で終わった。去年調べたので、今年はさらっと流した程度だった。
4. 自分の力を過信しない。。。
Futaro さん、こんばんは。
はやり、前穂の登りでやりましたね。私の予想通り(すいません)。
北尾根直登した方が、無難だったかもしれませんね。
北穂東稜から天狗のコルに行った時より、少し長い感じのルートだと思いましたので、天狗コルから上高地まで下り続けるのが、ちょっと大変かなぁと思っていました。
それにしても、還暦まじかなのに、お元気なこと 。私、最近、めげてきました。
奥又白池から 5.6 のコルに行ったことがありますが、その時、気になるところは、何もなかったのですが、道が崩れたのかなぁ。
岩場だと GPS があっても良くわかりません。おおよその場所がわかっても、岩稜がずれていることもあります。これが、薮岩になると、薮が更に邪魔をして、参考になる程度になります。それでも、地図よりマップ付き GPS の方がましです。
次は、明神岳目指してみてください。
奥穂南稜〜明神南西稜とか明神東稜あたり、面白いです。
でも、何かあると余裕がなくなるので、こういった場所では、あまり欲張ったコース取りは、控えた方がいいです 。
misuzuさん、おはようございます。
奥又白池に行ったことが無いので、そこが目的地の1つでしたから、北尾根の直登は考えていませんでした。前穂の登り、GPSを見なければ間違わなかったのですが 一度登れば間違いようの無い分かりやすいルートですね。枝谷に入らず、ひたすら本谷を直登ですから。
涸沢から前穂までずっと未踏ルートで迷いぱなっしでしたが、もう一回行けば10時頃に前穂に着くでしょうから、奥穂〜ジャン〜天狗のコル〜岳沢は楽勝でしょう。でもそれだと未踏ルートが天狗のコル〜岳沢だけになるので、ソロでは無いですね。
ところで奥又白池から 5.6 のコル、いつ頃歩いたのですか?misuzuさん、既にそこも歩いているという事は、この辺りのバリルート、ほとんど歩いていますね 。
明神ですか。。。まだ僕の経験値では難易度が高いです。次回に行く予定は涸沢まで今回と同じで、そこから〜ゴジラの背〜北穂〜北穂池〜横尾本谷左㑨〜の周回です ロープ無しで行く岩場は、少しずつ経験値を上げていこうと思っています。
misuzuさんの登ったルート群、何年もかけて少しずつやります
降りる方が難しいので、岩場で詰まると苦しいですよね。ご無事でなによりです。
手入れされていないルートだと、滅多にないとはいえ、何が起こるかわからないというのは、去年の明神東稜で改めて認識しました。
奥又白池って、一度は行ってみたいと思うところですね。25 年ぐらい前、同じ思いで奥又白池経由 5,6 のコルで北尾根に行きました。8H ぐらいで日帰りしたと思います。
ジムではなく外岩で、どのくらいのピッチグレードがどんな感じなのか確認されると良いと思います。ロープ無しだと IV あたりで結構怖いです。Futaro さんは、沢で鍛えられているので、明神のバリぐらいは問題無いのでは。ちなみに北穂東稜は、楽勝です 。
あまり無理をしたくないので、楽勝くらいのルートが良いですよね〜。
通れると分かっているルートを登るのは楽ですが、分かっていない(他の人は通っているけど、自分が登ろうとしているのは全く同じか不明)場合が怖いですね。。。
そういった意味では、ロープ無しでも経験のある人が先に登ってくれて、その後を登るのならかなり楽ですね。もしソロでもたまたま別パーティーが先行して登っていて、その後を登るとかでも。。。でもそれって本当にソロで登ったとは言えませんね。
このままソロで続けるなら、外岩で岩登りのルーファイ力を付けるのは良い考えなのでしょう。でもかみさんにそれも登山にカウントされるので、山登りの回数が減りますが
10月は最後の丹沢24Hがあるので、もう一回はその練習を兼ねて徹夜でロングですかね。。。岩や沢ももっとやりたいのですが。。。
Futaroさん、お疲れ様でした。見事なモルゲンと涸沢の紅葉だったんですね。それから奥又白池の雰囲気も素晴らしい。紀美子平でお会いした時の様子から相当大変だったのだろうと察しましたが、改めてご無事で何よりでした。それにしてもFutaroさん、下りは十分早いですよ。 ついていくのが大変でした。私ももっとトレーニングして体力をつけないと。 そうそう目の前での登山者の滑落は自分への戒めになりました。気をつけねば。
tubataroさんもお疲れさまでした。
テント持参だから僕より重いですよね。でも12キロに軽量化したとは驚きでした。
ULを極めるとテント縦走の範囲が広がりそうです。
ところで僕が遅いのは登りです。ご一緒に歩いたのが下りだったので助かりました
あの登山者の滑落には驚きましたね。なんでも無い所こそ怪我をするというよい見本でした。
僕もああいう所で怪我をするので他人ごとでは無かったです。
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