山の記憶 会津駒ヶ岳 (キリンテから中門岳を経て滝沢まで)
- GPS
- 24:08
- 距離
- 18.3km
- 登り
- 1,360m
- 下り
- 1,434m
コースタイム
天候 | 1日目 雨一時曇り 風強し 2日目 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
会津バス 会津高原尾瀬口駅〜キリンテ ¥1,870 檜枝岐中央〜会津高原尾瀬口駅 ¥1,790 会津高原尾瀬口駅に併設してある憩いの家で¥3,400分利用できる回数券を¥3,000で購入。不足分は現金精算。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
濡れた木道はとても滑りやすいの注意してください。 ブナの黄葉はまだほとんど進んでいませんでした。 |
その他周辺情報 | みのまえ食堂 ざるそば ¥900 キリンテバス停前 駒の小屋 1泊¥3000 完全予約制 食事提供なし(売店でカップ麺、レトルト食品の購入可能) 駒の湯 日帰り入浴 ¥500のところ割引入浴券を駒の小屋で¥300で購入 |
写真
感想
目が覚めると4時23分だった。
外はまだ当然のように暗い。
昨日からの雨は降り続いているようてあった。
ちょっと意外、というより目論みが外れてしまった。
昨日は初電に乗ってこの駒の小屋までやってきた。
西日暮里駅で山手線にトラブルがありちょっとハラハラさせられたりもしたが、東武線の快速電車になんとか間に合い、無事に会津高原尾瀬口駅からのバスに乗ることができた。
会津高原尾瀬口駅は以前一度利用したことがあった。20年くらい前の話である。
その時は会津高原駅という名前だった。
さらにその前は会津滝ノ原駅という国鉄の駅だった。
会津滝ノ原駅の時代を思うとこの駅に東京からの電車が通ることになり、感慨深く思われる方もいるであろう。
その電車、野岩鉄道が開業したのがちょうど30年前の10月9日のことであtった。
キリンテでバスを降りたのは私一人であった。
そしてバス停の前の食堂に入り蕎麦を注文した。
食に関してははあまり関心のない私でも名物のひとつくらい食べてみようと思うこともあったりする。
意外にも食堂は込み合っていて蕎麦はなかなか出てこなかったが、寒冷前線は通過したはずだし、雨も直に止むだろうと気長に待つことにした。
こんなことを言っては失礼だが、東京で食べてるより旨い蕎麦であった。
久しぶりに蕎麦らしい蕎麦を食べたような気がする。
蕎麦食べ終わり、ようやく歩きはじめる。
自宅を出てからすでに7時間経っている。
登りはじめて1時間ほどで峠まで半分くらい登ったような気がした。
この調子なら思っていたより早く着ける気がしたのだが、緩やか坂はどこまでも続くのであった。。
「あっち(滝沢登山口)は急登だけどこっち(キリンテ登山口)は距離は長いけどとっても歩きやすいよ」と食堂の女将さんは言っていたが、そのとおり緩やかで歩きやすい登山道であった。
結局峠には地図のコースタイム通り3時間掛かって到着した。
止むだろうと思っていた雨は止むことはなかった。
前線が通過したあと冬型の気圧配置に変わったようである。
稜線に出るとそれに風が加わった。
登山道はなおも緩やかに続いていく。
湿原を抜けて小高いピークを越えて少しずつ高度を上げていく。
そろそろ小屋に着くはずだと思いはじめた辺りで今回のルートで唯一の岩場が表れるのである。
予期せぬ岩場の登場に少しびっくりしてオロオロと登ることになったのだが、岩場を登りきったところに小屋が突然表れたのにはさらに驚かされてしまった。
なぜか滝沢登山口からのルートと合流してから小屋に着くと思いこんでいたのである。
あとで地図をよく見返してみると確かに小屋の手前では合流しないとしっかり書いてあった。
雨が降り風が吹きそんな悪条件の中、とりあえず駒ノ大池をゆっくり見渡して息を整えたのち小屋に入った。
小屋に入るなり自分の名前を呼ばれたのことにまた驚かさせた。
これだけでこの小屋はいい小屋だと思ってしまった。
到着の遅いこの登山客を待っていてくれたのだった。
小屋のご主人と奥さんはどちらもとても気さくな方で自炊室で皆様と一緒に食事を摂っている際も色々と話を盛り上げてくれた。
たまには小屋泊まりもいいもんだと思ったものだが、しかし、世の中には居心地の悪い山小屋あったりする。けれども一度は利用してみないと善し悪しの判断がつけられない。居心地の悪い山小屋に当たってしまった日には山歩きそのものが残念な感じに思えてくるのは本当に辛いものだ。
なので、山小屋には期待しないことにしている。山小屋に限らず世の中一般に多くは期待していない。
そういう心境でいると、ちょっとした些細なことで嬉しく思えてくるものだ。と、強がってみたりする。
でも、この駒の小屋はそういう斜に構えた感情をぬきに、素直に居心地いい山小屋であった。
暗がりのなかヘッドランプの灯りを頼りに自炊室に行くと先客が二人いた。
昨日のバスで一緒だった方だ。
彼らはミルで豆を挽き、ドリップしたコーヒーを飲んでいた。そして手の凝ったものを作っているようであった。だが、それはただ私との比較での話でる。
私はというと、フリーズドライに湯を注ぐだけである。
以前は山で米を炊いたこともあったりしたが、最近は専らフリーズドライだ。
自宅でも料理をしない人間が山で手際よく、そう彼らのように手際よく作れるはずがないのである。
なので食事に関してはだいぶ前に割り切ることにした。
食事が終わる頃には明るくなっいたが、小屋の周辺は霧に覆われいた。
今日は冬型の気圧配置が緩み晴れると読んでいたのだが、高気圧の張りだしが弱いのか、なんともすっきりしない空模様である。
素人の予報は所詮こんなもんだ。
その点きっちり霧の予報を出している予報会社はさすがにプロだと感心してしまう。
もう少し様子を見ようかとも思ったが幸い雨は上がったようなので中門岳に向かうことにした。
中門岳に着く頃にはきっと晴れ上がっているとこの時はまだそんなことを思っていた。
途中、陽が射してきたり時折青空も覗いてみせたりしたが、結局小屋に戻るまで霧が完全に晴れることはなかった。
どうも私の山歩きは霧や悪天候の時の記憶ばかりで、いつも天候に恵まれない気がしてならないのだが、決してそんなことはないのである。
もちろん晴れの日もあるのだが、記憶としてあまり残っていない感じがする。
悪条件になればなるほど必死で歩いているはずだし、天気の悪い時は天気のいい日のことを想像しながら歩いているはずだ。
あるいは一瞬の雲の切れ間に見えるあの景色を見逃すまいと。
逆に天気のいい日に雨の日のことを想像することは殆どないのである。
このように考えていくと山は悪天候の時こそ登るべきだという思いにたどりついてしまうのは困ったものである。
ともかく会津駒ヶ岳も記憶に永く残ることになるであろう。
素晴らしい山歩きであった。
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